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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「レッド・ファミリー」 ( 監督:イ・ジュヒョン/2013年 )

2014-11-08 | Weblog

⬛製作年:2013年
⬛監督:イ・ジュヒョン
⬛出演:キム・ユミ、チョン・ウ、ソン・ビョンホ、パク・ソヨン、他

昨年の東京国際映画祭において観客賞を受賞している作品です。観客賞ですから評論家や関係者が選んだものではないく、観客が選んだものということになります。であれば、まずは面白くないと選ばれないわけだから間違いないのかな、という判断が下されます。それとこの「レッドファミリー」については、さらにキム・ギドクという国際的にも評価がたかい映画監督が       脚本を担当しているという宣伝文句も唄われて映画の内容にさらにイメージ的に面白さを保証という仕掛けがかけられています。そうしたことを見ているとソフトを売るということに対して、何をもって映画館まで足を運ばせるかということが、いかに事前のイメージを高めるかということが重要な要素ということがわかります。

で、それを見た感想は?というと私はそれなりに面白かったけど魂が震えるような面白さはなかったというのが感想です。映画は北朝鮮のスパイ4人が疑似家族を形成し韓国に侵入、祖国のため諜報活動や暗殺を行うも、韓国の家族を見ながら、祖国に置いてきた家族を思いだし、家族といられることの幸せをだんだんと感じていくという話です。そこでは家族を引き裂く国家体制や非人間的な任務遂行の矛盾などがさりげなく描かれています。そうした民族分断、イデオロギーの違いなどを疑似家族と家族という2つの有様により分かりやすく見せているのは着眼点と見せ方が面白いとなるわけです。

映画ではそうした分断を半ばコメディのように誇張されて描いています。特に、北朝鮮の疑似家族は別として、韓国の家族がかなりデフォルメされており、それが見ていてとても気になりました。映画としては、どんなに毎日言い争いのケンカをしていても最終的にそれを犠牲にしている立場からすれば家族っていいものだ、唯一の心の拠り所なのだ、ということを強調したかったのだと思います。そのオーバーな演出が映画の展開として、笑いから始まり最後は涙を誘うというふうに効果的に働いており、面白いのは認めますが、私はその過剰性ある演出がどこか馴染めませんでした。ちょっと押しつけがましいというか、力業で見せている感じがしたからです。その過剰な部分が不自然に感じてしまいました。ただ、北朝鮮がイデオロギーの違いで非人間的行為を強いているのはよく伝わりましたが。とりあえず、私としては北朝鮮のようなスパイの任務をやれと言われれば、勘弁してほしいと思います。

 

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