「われらが内なる乱歩幻想の系譜」と副題をつけた雑誌、幻想文学。江戸川乱歩特集、そこに投稿された乱歩を巡る言葉の数々・・・
「乱歩の怪奇幻想小説」
石堂藍
“幻想と現実の境目にわきあがった妄想の入道雲のようだ。怪奇的な夢想の世界へ入り込んで現実感はなくしていくのだが、しかし幻想へと飛翔しきってしまうということはあまりない。”“主人公たちを支えているのは、非人間的なほど狂おしい情熱である。そしてその情熱にひきずられるようにして、この世に束の間主人公たちにとって薔薇色の夢の世界が立ち現れる。そこまでは幻想的といってもよいのである。が、最終的には彼らの世界は現実の逆襲を受けて崩壊せざる得ない。乱歩の小説世界が、幻想へと飛翔しきれないと言う由縁である。”
「鏡・人形・仮面―オブジェから見た乱歩の世界」
さたなきあ
◎鏡
“異界の窃視”
“乱歩の作品世界において鏡やレンズは、しばしば非日常への、橋渡しの役割をつとめる”
“恐怖と魅力に充ちた最大の非日常―すなわち宇宙世界をレンズの向こうに幻視する”
◎人形
“人形。それは乱歩世界の中で愛玩物と凶器の、耽美と危険の二面性を交互に垣間見させるのである。”
◎仮面
“「仮面」は「怪人」なる記号に変換されて提示されている。そもそも乱歩作品に
おいて「仮面」と「怪人」、さらに「少年」とは、無縁でいられない。三者は密接につらなり、呼応し、共鳴しあう。”
“乱歩の世界の根底には、常に茫とし獏とした世界観があった。「仮面」はまぎれもなく、その幻想化合の触媒の役割を果たしていたに違いない。”
「“探偵”江戸川乱歩の犯罪―乱歩の東京を探訪する」
本多正一
“いつか私たちが経験し、どこかに置き去りにしてきた異様な、しかし思い起こせば甘美な小世、過去を幻視するその時にのみ現れる影の王国。夢見るものだけに与えられるワンダランド。”
“半世紀前の乱歩の東京が古びることなく、私たちの胸中に現前するのは、この優れた一人の探偵の幻視の力によるものだろう。この異郷の地を、言葉の魔術、譚の毒によって「故郷」へと回復章とする壮絶な希求、闘いの跡が乱歩の小説なのである。”
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私が主に読むのは澁澤龍彦で余り乱歩は読んだ事がありませんが、こちらのページで乱歩を読む時参考にしたいと思います。
これまで読んだ中では「芋虫」が一番好きです(*´∇`*)
また遊びに来ます、お邪魔しました( ・ω・)ノ