■製作年:2008年
■配給:東映
■監督:望月六郎
■出演:杉本彩、中山一也、内田裕也、江守徹、高瀬春奈、三坂知絵子、他
「食べて寝て、好きな男のアレを突き立ててもれえれば私はそれで満足だ。」とはこの映画の中の台詞のひとつ。その過激な台詞がこの映画でどうであったのか。映画の冒頭は杉本彩のいきなりのエッチシーンから始まる。歓喜の表情で男に跨がり身悶えするのだ。
この映画を観る者はどういう動機づけなんだろうかを想像するに、そこには過激な転身を遂げた杉本彩の露な姿を見てみようというのが、大きな要素としてあるのは間違いないはずだ。まずはそれを期待するのである。特に男ならば。であれば騎乗の型で腰を本能的に動かし官能の海を航海する女船長として妖艶に魅せる杉本による冒頭はそれを満足させるに充分であったと思う。
しかし、その後の映画の展開が問題なのである。一体、阿部定という素材を持ってきて何をしたかったのか観ていてよくわからなかったのが本音。思わせぶりな時代遅れの前衛的な手法の映像、それは過去の秀逸な同様の作品と比べてもほとんど必然性も感じられず、何故それをやったのか?せめてものと期待するパワーもないではないか。ただそれらを手法として導入しただけ、そんなふうに見えてしまうのである。
杉本彩が熱演している。その裸体も美しいだけに残念である。見惚れるのは彼女の肢体だけとは…。老いて尚も過激な内田裕也が、意味不明に女装して登場するが、そこに何を見ろというのだろうか。感じたるのは内田裕也健在なり、それはよかった。また一方で、高瀬春奈がちょっと怖さも感じなくもない老けようであった。この映画でドキリとさせられたのは、浜辺での絡みのシーン、四つん這いになった杉本彩を後ろから愛撫するところ。この姿勢では女性は男性に対して尻を向けるのであるから、視界とは逆の方向で全てを男に露にするわけで女優がそこまで…ということがあらぬ妄想を掻き立てたりする。現代のポルノ・スターにならんとすという意地が見えた。
しかしだ。映画の内容そのものではなく、そうした瑣末な部分に目が行ってしまうのも、はっきり言えばこの映画の失敗であったと思うのだ。はっきりいってエロスとは、研ぎ澄まされた杉本の裸体から発散させるものがあったものの、それ以上に期待する映画の持つ、あるいは作家としての官能性は感じなかったというのが印象だった。残念。
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この映画を観る者はどういう動機づけなんだろうかを想像するに、そこには過激な転身を遂げた杉本彩の露な姿を見てみようというのが、大きな要素としてあるのは間違いないはずだ。まずはそれを期待するのである。特に男ならば。であれば騎乗の型で腰を本能的に動かし官能の海を航海する女船長として妖艶に魅せる杉本による冒頭はそれを満足させるに充分であったと思う。
しかし、その後の映画の展開が問題なのである。一体、阿部定という素材を持ってきて何をしたかったのか観ていてよくわからなかったのが本音。思わせぶりな時代遅れの前衛的な手法の映像、それは過去の秀逸な同様の作品と比べてもほとんど必然性も感じられず、何故それをやったのか?せめてものと期待するパワーもないではないか。ただそれらを手法として導入しただけ、そんなふうに見えてしまうのである。
杉本彩が熱演している。その裸体も美しいだけに残念である。見惚れるのは彼女の肢体だけとは…。老いて尚も過激な内田裕也が、意味不明に女装して登場するが、そこに何を見ろというのだろうか。感じたるのは内田裕也健在なり、それはよかった。また一方で、高瀬春奈がちょっと怖さも感じなくもない老けようであった。この映画でドキリとさせられたのは、浜辺での絡みのシーン、四つん這いになった杉本彩を後ろから愛撫するところ。この姿勢では女性は男性に対して尻を向けるのであるから、視界とは逆の方向で全てを男に露にするわけで女優がそこまで…ということがあらぬ妄想を掻き立てたりする。現代のポルノ・スターにならんとすという意地が見えた。
しかしだ。映画の内容そのものではなく、そうした瑣末な部分に目が行ってしまうのも、はっきり言えばこの映画の失敗であったと思うのだ。はっきりいってエロスとは、研ぎ澄まされた杉本の裸体から発散させるものがあったものの、それ以上に期待する映画の持つ、あるいは作家としての官能性は感じなかったというのが印象だった。残念。
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