東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「日活映画の100年 日本映画の100年」展を見ました。この日活という会社は今から100年前に設立され、今年で100年を迎えるそうだ。その間紆余曲折しながら映画作りをしてきた活動をポスターやスナップ中心に紹介しようというもの。とはいいながら私にとって日活は映画を見るようになった思春期には既に一般映画ではなく、ロマンポルノと呼ばれた成人映画を作る会社であり、斜陽の一途を辿っていました。なので吉永小百合や石原裕次郎、小林旭とか宍戸錠といった青春映画やアクション映画はあまり馴染みがありません。寧ろ、高校生から大学生にかけて悩ましく街の映画館でそのポスターを露出していたロマンポルノの方が親しみがあります。
会場では未成年は第5章のロマンポルノの展示コーナーは入れませんと明示してあったそのコーナーこそが馴染み深いのだ。風祭ゆき、泉じゅん、朝比奈順子、渡辺良子、日向明子、麻生かおり、美保じゅんといった面々の女優こそが青春の?スターだったといっていい(無意識に好みの女優を上げているような…)。その時代から30年たった今でも彼女ら女優の名前が出てくること自体が自分自身ですごいと思ってしまう。それだけ影響を受けたということになるわけで、映画にしても意欲的な作品が多かった。今映像の世界で活躍し大御所となっている多くの監督がロマンポルノ出身であるという事実は見逃せない。もし私に映像的な感性なるものがあるとしたら、彼等ロマンポルノを作った映画監督から養われたといっても過言ではないのだ。
10代から20代の初めに、つまり最も性的な好奇心も盛んな時期に映画館という大画面で生唾飲みながら見た記憶、当時は映画を見ながら(映画館の座席に座りながら)煙草を吸っていたはずで、煙りの向こう側に女優の眩しい裸と喘ぎ顔を眼に焼き付けていた感覚を懐かしく思い出します。今思えば牧歌的な時代だったのかもしれない。もし映画が教科書であるとしたら、私とってロマンポルノは教科書であったことは間違いないだろう。映画館でチラシを見ていると最近、そのロマンポルノが再評価され回顧上映されたいる企画を見かけることがある。コメディ、アクション、ハードボイルド、社会批判、あらゆる要素を女優のヌードとともに込めて世に送り出したロマンポルノというジャンル。そのアナーキーさが私は好きだったし今でも一番ドキドキするのがその時代に作られた映画なんだと…。
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