江戸川乱歩の研究？６９⇒「凶器」から

江戸川乱歩が生んだ名探偵・明智小五郎はもちろん天才肌の探偵であることは間違いないでしょう。ただし、その裏側には緻密で地道な努力が隠されている。野球で世界レベルのトップに位置するイチロー選手も、以前ＮＨＫで特集された番組で紹介されていたが、相当な、とても凡人では真似できないような物凄い努力を見えないところでやっていることを映し出していました。ならば、天才とは人の見ていないところで、人が休んでいるところで、人より倍以上の努力を、継続してできる情熱を持った人を指す言葉かもしれないのだ。それは誰にでもできそうなことだが、我を振り返るにあたり一番難しいことなのだと思う。

◆ローマは一日してならず

“「ですから、先生もふしぎな人ですよ。ふしぎな犯罪は、ふしぎな探偵でなければ見破ることが出来ないのですね。」「君はそう思っているだろうね。しかし、いくら僕がふしぎな探偵でも、君の話を聞いただけでは、あんな結論は出なかっただろうよ。種あかしをするとね、僕は小林に○×△の前歴を探らしたのだ。そして○×△と親しかったが今は仲たがいになっている二人の女に、別々にここへ来てもらって、よく話を聞いたのだ。それで○×△○×△の性格が分かったのだよ。ぼくが○×△に気がついたのは、そういう手続きを経ていたからだ。…”

※“”部分「江戸川乱歩全集　第１７巻　化人幻戯」（光文社）より引用。尚、○×△部分はネタバレのため記載してません。

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※「凶器」所収

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