♦️360の1『自然と人間の歴史・世界篇』物理化学(放射性物質の発見、レントゲン、ベクレル、キュリー夫妻、ラザフォードなど)

2018-11-17 22:07:15 | Weblog

360の1『自然と人間の歴史・世界篇』物理化学(放射性物質の発見、レントゲン、ベクレル、キュリー夫妻、ラザフォードなど)

  1895年には、レントゲンが正体不明の放射線を発見し、「X線」と名付ける。そのきっかけは、彼がクルックス管という今日でいう蛍光管を用意して高電圧をかけたところ、偶然そばに置いてあった蛍光物質を塗った紙が光りだしたではないか。

 この管の両極には白金が使われていた。それなので、陰極から出た電子が陽極の白金の原子に衝突、そのことで電子がはじき出され、これによって電子のエネルギー準位間の遷移という現象が起きた。そして、白金に特有の電磁波が生じた。

 このレントゲンの発見は、さっそく科学者たちの興味と探求心を刺激していく。1896年にレントゲンの論文に触発されたベクレルは、ウラン化合物に光を当てても放射線が出てくるのではないかと考えた。写真乾板を黒い紙で包み、太陽光に晒していた。

変化が認められなかったことから、そのまま引出しにしまっておいた。それでも、数日後にこれを取り出してみると、写真乾板が黒く感光していた。まさに、ウラン自体が放射線を出していたのである。

 これに続いて、物理学者アンリ・ベクレルは、写真乾板をウラン鉱サンプルにさらすと、光を当てて居なくても感光するのを発見した。1896年に、彼はそのことをフランス科学アカデミーに発表した。

 また、キュリー夫妻も、精力的にこの方面での研究を進めていく。マリー・キュリーが見つけたのは、トリウム、ポロニウム(1898年7月に発表)、ラジウム(1898年12月に発表)などといった放射性物質であって、彼女はそれらが持つ能力のことを「放射能」と名付けた。しかし、マリーら4人のキュリー一家はあまりの実験の継続のため放射能に被ばく、ために放射病を避けることができなかった。想像するに、これに至るには、さぞかし、そこはかとない苦労の連続であったのだろう。

 そして迎えた1898年、ラザフォードは、ウランから2種類の放射線が出ていることを発見した。アルファ線とベータ線と名付けた。前者はヘリウム原子核(プラス)、後者は電子(マイナス)。1900年には、ヴィラールが、X線に似た放射線を発見し、ラザフォードによりガンマ線(電磁波・電荷なし)と名付けた。

 

(続く)

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