♦️219『自然と人間の歴史・世界篇』力学の夜明け(ガリレオなど)

2019-03-05 19:36:15 | Weblog

219『自然と人間の歴史・世界篇』力学の夜明け(ガリレオなど)

  ガリレオ・ガリレオの仕事は、天文学以外にも及んだようだ。いくつか拾うと、まずは、糸の先におもりをぶら下げ振り子を、を揺らしてみよう。すると、振り子が一往復するのに要する時間(これを周期という)は、おもりの質量や振幅(振れ幅)には無関係であり、もっぱら糸の長さによって決まる。これを「振り子の等時性」と呼び、ガリレオが発見したものとされる。

 また、彼の「新科学対話」によると、材料の変形など、物体の落下なども研究しているようなのだが、たしかなところはわかっていないようだ。

 これらのうち前者については、フックの発見した「フックの法則」が有名だ。いま、バネをつるした状態を考えよう。この場合、Fを復元力の大きさ、kをばね定数、xを自然長からの変位とおくと、F=kxと表すことができる。すなわち、振り子の周期は錘(おもり)の重さによらず、かかる糸の長さに比例する、というのだ。

  そして後者については、ピサの斜塔においては、質量の異なる二つの物体を落下させてみた、との逸話も伝わる。しかし、そのことが事実であった、とまでの証拠は見つかっていない。実際に確認できたのは「塔の上からの自由落下」などではなく、「実験室内で球を斜面の上から転がした」時、ガリレオは「落下の速度が時間とともに増加する」ことであった。それは1604年のことだとされる。すなわち今、球の落下の速度をV(ブイ)とすると、V=gt+v0ということで、落下の速度は落とす物体の質量の如何とは関係がないことがわかったのだという。彼はこのgのことを「加速度」と名付ける。これは、のちに「重力加速度」と呼ばれるようになる。

 本の中では、新しい科学者,古い哲学者および市民階級から、3人のイタリア市民が登場する。そうして、機械学や運動の理論について論じあう。どうやら、ガリレイは、アリストテレスの自然哲学等を批判したかったようなのだ。

 近代科学の基礎概念が一体どのようにして生まれたかを、ガリレオの広範囲にわたる仕事は教えている。

(続く)

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