○○549の11『自然と人間の歴史・日本篇』消費税増税と対外資産

2019-03-24 21:11:29 | Weblog

549の11『自然と人間の歴史・日本篇』消費税増税と対外資産

 海外からは、日本は一体いくら溜め込めば止まるのだろうかと、びっくりされているのではないだろうか。そのことを顧みてか、消費税増税に反対する意見の中には、我が国の対外資産の一部を取り崩せばいいではないか、というものがありえよう。

 まずは、2016年末での資産の合計だが、対外資産が1017兆6766億円もある。そのうちには、外貨準備高が142億円、直接投資が159兆1940億円、さらに対外証券投資の454兆7682億円が含まれる。

 一方、同年末での対外負債の方は、668兆5646億円に上る。そのうち、債務証券として142兆9447億円の債務があり、日本の国債などによるものだ。また、直接投資の受け入れによるものが、11兆7480億円を数える。そういうことで、正味の対外資産、つまり「対外純資産」と呼ばれるものは、349兆1120億円ということであって、資本主義国では最大規模に膨らんでいる。

 関連していうと、我が国のストックとしての直接投資の額は、2017年末で174兆6990億円にもなっている。これに引き換え同負債については、28兆5550億円となっており、外国へ出て行っている投資の方が断然多い。

 さらに、アメリカの政府サイドの統計(インターネットのサイトで情報を入手)を見ると、アメリカで発行される国債などの保有者ランキングが載っている。これによると、2018年12月時点での保有トップは中国(本国)であって、1兆1235億ドルだ。そして第二位の保有主は日本であり、1兆423億ドル分を保有しているという。人口が中国の約十分の一の我が国が、中国と競り合いを演じる程に米国債を購入しているのは、驚きだ。

 それからもう一つ、民間が保有している資産と負債の残高を取り上げよう。2016年末での状況は、こうである。まず、非金融資産としての2116兆5781億円と、金融資産としての5695兆670億円であって、その合計としての総資産は7811兆6451億円に上る。大変な額だといえよう。その一方、負債は4584兆9731億円であるので、正味の資産としては3226兆6720億円が導かれる(内閣府「2018年版国民経済計算年報」)。

(続く)

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