♦️16の2『自然人間の歴史・世界篇』オゾン層の形成(25億年前?~6億年前?)

2019-03-18 10:28:15 | Weblog

16の2『自然人間の歴史・世界篇』オゾン層の形成(25億年前?~6億年前?)

 オゾンというのは、刺激臭があって、人間にとっては体に有害とされるのだが、別の観点から言うと、人体に有害な紫外線を防いでくれたり、地球の気象安定に役立っているともいわれる。

 このオゾンの発生は、一説には、約25億年前から6年前まで続いたといわれる。これだと、海中のシアノバクテリアなど藍藻植物による光合成が始まったのが約35億年前からであると想像されているのに比べ、10億年ばかり遅れている。光合成でつくられた酸素が海中から大気中に拡散し、大気に少しずつオゾンを作り出していった。

 そのオゾンというのは何か、それは生成(形成)と分解とのサイクルを考えるとよい。まずは、酸素分子がО2ということで、酸素原子が二つくっついたもので、これが安定した状態だ。次に行くと、О2→О+Оということで、酸素が強い紫外線(波長が175~240ナノメートル、ナノメートルという記号は、10のマイナス9乗メートル、つまり10億分の略)にさらされて分解される。

 反応はさらに続き、今度はО+О2→О3という反応が現れる。一つの酸素原子と酸素分子が結びついて、オゾン分子О3がここで誕生する訳だ。それらが集まってオゾン層を形成していく。

 もしこの化学反応だけが続くのであれば、大気の酸素はすべてオゾンとなって、酸素が欠乏してしまうのだが、そうはならない。というのは、オゾンは不安定なので、やがて追随して地球に到達してくる別の波長(240~320ナノメートル)の紫外線に分解され、酸素分子О2に戻っていく。

 やがて、いつの頃であったろうか、オゾン層が地球を覆うようになったのではないか。その頃になると、生物は海中から陸へと上陸するものが多くなっていく。陸上には、植物が繁茂し、生物たちは、オゾン層によって太陽からの紫外線に守られ、次々と種類や数を増やしていく。ざっと、こんな風に、生物の誕生と繁殖のドラマが、オゾン層とのかかわりの中で進んでいったと考えられている訳だ。

(続く)


コメントを投稿