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【cinema】maru's BEST MOVIE 2015

2015-12-31 16:11:45 | cinema

【cinema】maru's BEST MOVIE 2015

 

今年もいよいよ終わりってことで、恒例のBEST 10を出してみた! 今年は現時点(2015.12.31 17:13)で191本鑑賞。去年より50本も増えた とはいえ、劇場鑑賞は試写会含めて34本と4本減少。要するに、ますます引きこもったということらしい  

 

今年も2015年日本公開作品限定。一部映画祭で上映されたので公開作品に含めている作品もあるけど(o´ェ`o)ゞ 洋画と邦画と分けるほど見れていないので、一括して選出。劇場鑑賞した作品は全部記事書いたけど、DVD鑑賞は書けていないものも・・・

 

ということで、maru's BEST10をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

1位:『マッド・マックス 怒りのデス・ロード

 

 

1位は文句なくこの作品! とにかくおもしろかった! ほぼノンストップでアクションシーンが続いて、興奮状態が続くのに、意外に深いテーマやメッセージがある。最高

 

2位:『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

 

 

バッチさんことベネディクト・カンバーバッチ目当てで見たけど、アラン・チューリングの純愛に涙が止まらなくなってしまった 暗号解読とそれに伴う大きな責任、そして"秘密"の重さをきちんと見せつつ、エンターテインメントとしても見応えがあって見事

 

3位:『ヒックとドラゴン2

 

 

今作が映画祭で上映されたので、無理やりねじ込んだ作品。前作の『ヒックとドラゴン』(感想はコチラ)が大好きで、絶対見たいと思っていたのに残念ながら日本未公開 前作から5年後、今作でヒックはさらなる試練を乗り越えて大人になる。その過程がしっかりと描かれている。飛行シーンの美しさが素晴らしい

 

4位:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 

 

結構好き嫌いが分かれる作品だと思うけど、自分は好きだった。長回し風の映像など話題性もあったけれど、個人的には芸術を生み出す苦悩を描いた作品に弱いので、今作もそういう視点で見た。俳優の業みたいな部分も好きで、その辺りが楽しめた

 

5位:『シェフ 三ツ星フードトラック始めました

 

 

とにかく料理が美味しそう(゜¬゜*) 今作もある意味、芸術とはというようなことを描いてる。それを、コミカルでテンポよく描きつつ、家族愛も絡めて見せるのが良かった。TwitterなどのSNSの使い方も好き。息子ちゃんがカワイイ

 

6位:『ソロモンの偽証 前篇・事件

 

 

唯一の邦画がランクイン。完成披露試写会にて鑑賞。後編はちょっと説明不足だったり、蛇足な部分があったりと失速してしまったのが残念だけど、前篇は疾走感があってホントにおもしろかった。子どもたちの演技も良かった

 

7位:『チャッピー

 

 

監督の前作『第9地区』(感想はコチラ)が大好きだったので、期待大だった。前作の方が面白かったけど、やっぱり独特の世界観は好きだった。チャッピーの造形とか、あまり未来的過ぎない近未来感も好き

 

8位:『プリデスティネーション

 

 

唯一DVDにて鑑賞。ということで感想記事は書けてない coco投稿記事をまとめた鑑賞記事を感想とする。イーサン・ホーク目当てで見たけど、レトロ感のあるSFで面白かったし、なによりサラ・スヌークの演技が素晴らしかった

 

9位:『黄金のアデーレ 名画の帰還

 

 

「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」が大好きで見た作品。芸術枠ではあるのだけど、あまり名画自体は関係なかった(笑) 事実と違う部分もあるようなのだけど、裁判や重い過去もテンポ良く見せていたのが良かった。そして、ヘレン・ミレンが素晴らしい


10位:『独裁者と小さな孫



感想記事ギリギリ間に合った 重いテーマをズッシリ重くなく見せる作品が好きで、そういう意味で良かった。コミカルではないのに、どこかユーモラス。そのバランスがとっても好き

 

こんな感じかなぁ・・・ 1位はぶっちぎりで、2位と3位も比較的簡単に決まったのだけど、4位以下が難航 とりあえず、これらの作品が選出されたし、こういう順番になっているけど、あくまで現在の気分。だから、選出されてない作品がダメだったわけでもない。ワーストはいつも出してないけど、ワーストというほど酷い作品もなかったかも?

 

ということで、今年もあと数時間。今年は獅子座最強運の年だったらしいけど、普通の年だったなぁ まぁ、普通に過ごせたのが一番か(笑) 昨年末にgooに完全移行して1年。大変お世話になりました! TB&コメントもありがとうございました 来年もよろしくお願いいたします!

 

良いお年を~

 

【参考:過去のmaru's BEST】

maru's BEST MOVIE 2014

maru's BEST MOVIE 2013

maru's BEST MOVIE 2012

maru's BEST MOVIE 2011

maru's BEST MOVIE 2010

 

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【cinema】『独裁者と小さな孫』

2015-12-31 16:03:32 | cinema

2015.12.18 『独裁者と小さな孫』鑑賞@ヒューマントラストシネマ有楽町

 

試写会もいくつか見かけたけど応募したかな? その頃にはあまりピンとこなかった。TLなどで評判良くて急に見たくなり、テアトル系会員ハッピーフライデーに見に行ってきた

 

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

 「独裁政権下の某国。大統領はクーデターで失脚。懸賞金をかけられ小さな孫と2人で逃避行。行く先々で国民の生活を目の当たりにすることになるが・・・」という話で、ストーリーとしては本当にこれだけ。でも、そこには様々なメッセージが詰まっている。重いテーマなのに、どこかユーモラスに描かれているので、重くなり過ぎずに見ることができる。それだけに見終わった後にズシリと来るものがある。これ好きとなる感じの内容ではないけど、見て良かったと思える作品だった。

 

『カンダハール』のモフセン・マフマルバフ監督作品。監督の作品を見るのは初めて。イラン出身で現在はヨーロッパで亡命生活を続けているとのこと。作品がイラン国内で問題視されたのかしら? 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(感想はコチラ)と共に、ヴェネツィア国際映画祭オープニング作品(オリゾンティ部門)に選出された。シカゴ国際映画祭最優秀作品賞、東京フィルメックス観客賞、ベイルート国際映画祭観客賞を受賞。なるほど映画祭でも評価されているのね。

 

きらびやかなX'masイルミネーション風景から始まる。走行中の車のフロントガラス越しに見える街並みは、イルミネーションの華やかさの中に、どこか暗さを感じる。シーン変わって、大きなガラス張りの部屋。膝に幼い男の子を抱えた軍服姿の老人。大統領と呼ばれるこの男性(ミシャ・ゴミアシュウィリ)は、小さな孫(ダチ・オルウェラシュウィリ)と話しながら差し出された写真にサインしている。写真の男たちは政治犯で、大統領がサインしたことで、彼らの処刑が決定したのだった。人の命を奪う決断を片手間にしてしまう。さらに孫を喜ばせるため、電話一本で街中の電気を消して、また電話一本で点灯して見せる。孫にも同じことをさせる。大統領が独裁者であり、彼が人々の命を簡単に奪ってきた人物であることは、様々な人の口から語られるのだけど、実際に観客が独裁者らしいシーンを見るのはここのみ。このどこかほのぼのとした中に、彼が独裁者であることを感じさせるのは好きだった。街じゅうの電気を点けたり消したりしていた独裁者と小さな孫。何度めかに消灯した後、いくら命令しても明かりがつかない。不審に思っていると電話の向こう側から銃声が! クーデターが起きたのだった。クーデターで失脚してしまうことと、小さな孫と逃避行することは知っていたので、てっきりこのまま逃げるのかと思っていたら違っていた。

 

場面変わって宮殿と呼ばれる大統領官邸。着飾った女性たちが歩いてくる。彼女たちにハイヒールを履かせる使用人たち。小さな孫のそばには同じ年くらいのかわいらしい少女がいる。小さな孫はマリアという少女と離れたくない様子。車に乗るように言われても「マリア、マリア」と叫び、車から降りてしまう。でも使用人たちにガードされて彼女に近づくことはできない。この時小さな孫がどこまで理解していたのか不明だけど、この取り乱しぶりはマリアに二度と会えないことは知っていたのかも? 中年の女性と、若い女性2人、小さな孫、そして大統領がリムジンに乗り込み、空港へ向かう。沿道では多くの国民が大統領一家を見送っている。カーラジオから流れるニュースでは、大統領家族が外遊すると伝えている。姉妹と思われる若い娘たちはお互い口汚くののしり合っている。今回のクーデターには姉の夫が関係しているのかな? そういう主旨のことを妹が言っていたのだけど・・・ 中年の女性が誰なのか不明だけど奥さん? 大統領の身を心配して、しきりに一緒に来るように言うのだけど、事態を収拾するため残ると言い張る大統領。なんと小さな孫まで、ここに残ると言い張る。マリアとまた会いたいというのだった。いくら彼女を好きだからといってしつこ過ぎるだろうと、小さな孫に対してイライラするれど、後に彼には本当にマリアしかいなかったのだということが分かって切ない

 

結局、小さな孫は大統領と国に残ることになる。楽団の演奏に乗り飛び立つ飛行機を見送り、市街地へ戻り始める。街じゅういたるところに大統領のポスターが貼られているけれど、そのポスターが焼かれたり、破られたりしている地区に差し掛かる。すると急に道が閉鎖される。本格的にクーデターが起きたということかな。兵士たちが銃を構えている。緊迫した場面。大統領の護衛(ラシャ・ラミシュヴィリ)は何とか説得を試みるけど、もちろん無駄。銃の撃ち合いとなる。いきなり銃を乱射しちゃうのも凄いなと思ったり。ここからしばらくカーチェイスが続く。狭い路地で車を取り囲む暴徒たちが恐ろしい。犠牲者もどんどん出ている。ハリウッド映画のような派手さはないけれど、なかなか迫力があった。地位は忘れてしまったけれど、空港で見送っていた男性は信頼できるということで、再び空港に向かうも、彼こそがクーデターの首謀者だったようで、ここでも銃を向けられてしまう。しかも、ここで護衛が撃たれてしまい、彼は大統領に家族のことを託し亡くなってしまう。大統領と小さな孫が命からがら逃げる話なのは知っているので、この段階では切り抜けるのだろうとは思うけれど、やっぱりドキドキする。

 

運転手は若い夫婦のバイクを奪い、大統領と小さな孫を乗せて走り出す。しばらく行ったところで小さな孫がトイレに行きたいと言い出す。不思議な場所。同じような形の家が並んでいるけれど活気は全くない。冬であることもあるかもしれないけれど、高い木や緑のほとんどない平地が続く。大統領が追っ手の目をそらすため、羊(だったかな?)の群れを追うふりをするシーンがあるので、この辺りではそういう暮らしをしている人が多いのかな? いずれにしても豊かさは感じられない。寒々とした感じ。小さな川のそばにあった廃墟で用を足す小さな孫。自分を大統領と呼ぶ孫に、これからは大統領と呼ばないように言う大統領(笑) かつて2人が暮らした宮殿では、小さな孫は殿下と呼ばれ、教育係の男性から祖父を大統領と呼ぶように躾けられていた。小さな孫はこの教育係から、いわゆる帝王学的なことを習っていたらしい? 小さな孫は大統領にお尻を洗ってくれと言う。当然そんなことはできないと断る大統領。でも、ぼく自分で洗ったことないという孫。要するにそういう係りがいたということで、独裁者一家のバカバカしさが感じられる。結果、小さな川の冷たい水で孫のお尻を洗うことになる。まぁ普通のことなんだけど、そこにユーモラスなものを感じてしまう。

 

大統領と孫がお尻を洗っている間に、運転手はバイクに乗って逃走してしまう。どうやらこの後運転手は軍に投降したらしい。廃墟に取り残された大統領と孫。廃墟の周りがやけに広々しているせいか、不思議と悲壮感はない。シーン変わってさびれた理髪店。皆生活が苦しくて散髪に来ないと話しながら、客の髪を切る理髪師(ズラ・ベガリシュヴィリ)。すると客が自分は客じゃないと言う。あなたが髪を切り出したので、言い出しにくかったのだけど、実はお金を借りに来たと言うのだった。コミカルに演じているわけではないけれど、こんなに悲惨な内容なのにどこかユーモラス。そのユーモラスな部分がダメだと、作品自体がダメかもしれない。自分はこのシニカルなユーモアみたいなのが好きだった。さて、この理髪店に大統領と孫が逃げ込んで来る。理髪師は大統領であることに気づき、感動している様子。クーデターが起きたとはいえ、一般の人々の中にはまだ大統領を崇めている人もいるのでしょう。そう簡単に洗脳がとけるわけでもないし。大統領は理髪師から着ている服を奪う。部屋には粗末なベッド。本当に貧しい。その理髪師から服を奪うことの傲慢さ。でも、大統領も命を狙われているからね。理髪師のまだ幼い息子はラジオで大統領が失脚し、逃亡していることを知り、父親に知らせようと部屋に入って来くる。そこにはまさかの大統領。この息子は子供ゆえの順応性か、大統領に反撃しようとするけれど、銃で脅かされて孫のために服を奪われてしまう。後に、この2人は大統領逃亡を幇助したとして逮捕されてしまったことが分かってさらに切ない

 

理髪師親子の服と、何故か長髪の白髪ヅラを入手した大統領と小さな孫は、採石場のような所にやって来る。孫を隠し、迎えに来るまで絶対に出てはいけないと言い残して行ったのに、マリアに似た少女を見かけて追いかけて行ってしまう孫。ホントにこの子は(笑) 大統領は民家に押し入り、必要なものを入手したらしい。何故かギターを手にしている。大統領のギターの腕前はなかなかのもの。以後、2人は祖父のギターで踊る孫娘として、旅芸人として追手から逃れることになる。少女を追って行ってしまった孫は、彼女たちと一緒に働かされていた。孫は5~7歳くらいだと思うけど、彼と同じ年くらいの子供たちが働く姿は切ない 話をつけたのか、勝手にもぐりこんだのか家畜小屋で一晩過ごすことにする。寒さをしのぐため、それぞれ箱に入って眠る2人。孫がお話をねだると、自虐ネタを話し始めて、孫にダメ出しされる大統領。ちょっと好きになってきた(笑) 箱に入って寝るのもちょっとカワイイ。

 

大統領は知り合いの女性に助けを求めることにしたらしく、なんとか彼女の家に辿り着く。すると若い男性がおり、大統領に次は自分の番だと言う。隣の部屋からは女性の喘ぎ声。なるほど。この男性は目の前の老人が大統領であることに気付く。幼い頃遊んでもらったことがあったようで、大統領の状況を分かった上で、助けてくれそうな感じだったのに、順番が来たので行ってしまう。その後、この男性が何をしてしまったのか不明だけど、追い出されてしまう。たしか、大統領の知人の女性はマリアという名前だったような気がしたけど違ったっけ? 公式サイトには、それぞれの役名がなく、彼女のことも売春婦としか書いていないので分からない。なので便宜上、売春婦と呼ばせていただく。売春婦(ラ・スキタシュヴィリ)は客を追い出してしまい、大統領たちのことなど気にする風でもなく、トイレでアソコをゴシゴシ洗い始める。大統領たちに気付いてからも、ずっとゴシゴシ洗っている。身に着けているスリップの裾は、なぜか血で染まっている。どうやら、後のセリフから生理中だったらしい。だから怒りっぽいのか? わざわざ記事に書かなくてもいいけど、かなり強烈なシーンだったので書いておく(笑) 大統領に対しても常にケンカ腰。どうやら、彼女はとても若い頃、大統領と恋に落ちたようで、そのことがきっかけで人生を踏み外してしまったらしい。何通も手紙を書いたのに返事がなかったと言う。大統領は受け取っていないと答える。その表情からするとおそらく本当だと思う。大統領としては、孫を彼女に預かってもらい、なんとか宮殿に戻り体制を立て直したいと思っているらしいけれど、子供が暮らす環境ではないと断られてしまう。確かに、子供が暮らす環境じゃないけど、懸賞金がどんどん跳ね上がっている人物と共に逃避行するのも、子供が体験することじゃない。大統領は彼女に借金をお願いするけど、その後、男たちが乱入して来たので、借りられたのかは不明。

 

役名がある女性として出てきたのは売春婦だけ。かなり不幸な暮らし。まぁ、今作に出てくる人で幸福な人はいないのだけど・・・ もう1人女性が悲惨な目に合ってしまう。ヒッチハイクして車に乗せてもらった大統領と小さな孫。しばらく行くと兵士たちに車を止められてしまう。鶏を抱えていた老婆から、鶏を奪う兵士たち。物品は全て奪われてしまう。大統領のギターも危うく奪われそうに。そこに結婚式帰りの一行が通りかかる。ガーマルチョバ!と声をかけ、彼女たちを祝福するかのようなそぶりの兵士たち。一番偉いと思われる兵士が、ウエディングドレス姿の花嫁と踊り出す。初めは楽しく踊っていたけれど、様子が変わってくる。危険を感じて抵抗する花嫁。花婿や親戚の男性たちも気付いているけれど何もできない。そのまま小屋に連れて行かれてしまう花嫁。しばらくして出てきた花嫁は、兵士たちはもちろん、助けてくれなかった男性たちにも怒りをぶつける。彼女の気持ちはとっても分かるし、我慢できることではないけれど、兵士たちに逆らえば、即殺されてしまっただろうから、抵抗できなかった気持ちも分かる。これはいたたまれないと思っていると、花嫁は兵士たちに自分を撃ってくれと叫びだす。そして銃声。辛い・・・ でも、こういう独裁政権下では、権力を持っている者が横暴なふるまいをすることは多々あるのでしょう。そして、それを糾弾しているのだと思う。売春婦と彼女のエピソードは、女性として辛かった

 

大統領と孫は再びヒッチハイク。元政治犯たちとトラックの荷台に乗せてもらう。彼らの中には拷問で足が膿み歩行困難な者もいる。そんな彼を背負って歩く大統領。彼らがこんな目にあったのは、体制に反対していたからで、そのトップにいたのが大統領。なんとも皮肉。彼らの中には大統領を恨んでいると言う者もいるけど、まさか本人とお酒やタバコを回し飲みすることになるとわ・・・ このシニカルでどこかほのぼのとしてしまうシーンは良かった。彼らとの間に不思議な一体感が生まれた頃、ある政治犯が小さな孫の両親、つまり大統領の息子殺害に関与していたことが分かる。ヅラをむしり取って、自分は大統領である、よくも息子を殺したと泣き叫ぶ姿が映し出される。でも、これは大統領の脳内再生で、実際は何も言わず足の悪い政治犯を背負って歩き続けている。生き延びるためという部分もあるかもしれないけれど、やっぱり自分が彼らにしたことを目の当たりにして、感じるところがあったのかもしれない。

 

名前がないので説明がしにくいのだけど、公式サイトによると、愛に生きる政治犯(ソソ・クヴェデリゼ)という彼には、大恋愛の末結婚した妻がいる。数年間投獄され拷問を受けた辛い日々を耐えたのも、再び妻と会う日を夢見ていたから。妻は絶対に待っていてくれると熱く語る彼の姿に、これはダメなパターンだなと思ってしまう。家に着くと、自分の力で行きたいと、不自由な足を引きずり、這いつくばって家に向かう。出てきた妻は彼の帰還に驚き、無事をよろこんでくれはしたけど、歓迎はしてくれなかった。彼が亡くなったと思っていた妻は、再婚して子供も生まれていたのだった。絶望した愛に生きる政治犯は、自ら命を絶ってしまう。なんということ・・・ 幸せだった彼らの人生を変えてしまう権利が、誰にあるというのか? やるせない。

 

政治犯たちと別れて再び2人きりになった大統領と小さな孫。列車に乗った兵士たちが通るため、畑でカカシの振りをする大統領と孫。それは(笑) でも、大統領は必死。でも、この光景を見ていた者が・・・ 彼はカカシの正体が大統領であるこを確信。どうやら皆に伝えたようで、大勢の人々が大統領を探しにやって来る。海岸へ逃げてきた大統領と小さな孫。砂浜に足跡を残してしまう痛恨のミス。横穴に隠れていたところを見つかってしまう。懸賞金狙いなのかなと思っていたら、人々は口々に大統領を殺せと言う。大統領の命令によって家族を殺された女性は、怒りで我を失っている感じ。そのくらい、政府が行った粛清が酷かったということなのでしょう。大統領は頭から血を流しており、引きずり回されている。前述したとおり、大統領が独裁者であることは、冒頭の死刑執行のサインと、電気の消灯くらいなので、見ている側には大統領に対する怒りはない。この辺りは出来る限りフラットな感覚で見て欲しいという意図があるのかな? フラットで見たからといって、民衆の怒りが理解できないわということはない。

 

民衆はますますヒートアップして行き、大統領をただ普通に殺しただけでは満足できないと言い出す。この頃には政治犯の2人が騒ぎを聞き駆けつけている。政治犯として酷い目にあった2人が、民衆をなだめようとしている。公式サイトで寛大な政治犯(ダト・ベシタイシュウィリ)と書かれている人物だと思うのだけど、彼は必死に解放を訴え続ける。でも、民衆の怒りは止まらない。その怒りは小さな孫に向けられる。大統領に痛手を与えるためには、彼の孫を目の前で殺すべきだというのだった。大統領がその死を許可した人々は、きっともっと酷い殺され方をしたのでしょう。そして、残された者の心には計り知れない傷を残したのでしょう。でも、ずっと見てきたこの小さな孫には何の罪もない。なんとか彼の命が助かって欲しいと思ってしまう。実の祖父を大統領と呼ぶように躾けられ、自分でお尻も拭けない、両親を殺害された小さな孫も、ある意味被害者と言えるのではないか? 印象的なシーンがあった。難民たちが集まる国境。用心のため子供連れの女性と共に行動するよう孫に言いつける。孫は意図は理解できないながらも、彼女のそばにいた孫は、マーチングソングが流れて来ると、急に立ち上がり敬礼しながら行進を始めてしまう。きっと彼はそう訓練されていたのでしょう。何してるのとイライラしつつも、おかしくもあり、切なくもあり。このシーンは強烈に印象に残った。

 

2人の政治犯の説得で、孫は解放される。でも、大統領への怒りは収まらない。寛大な政治犯は憎しみの連鎖を断ち切るべきだと説得する。では、大統領をどうすればいいのだ?と聞く民衆に、踊りを踊らせようと言う。その後、大統領がどうなったのかは見せない。寒々しい冬の海に、美しく澄んだ孫の瞳が印象的。この結論を見せない終わりは良かったと思う。これだけ重い選択は、どちらが正しくて、どちらが間違っているのか結論を出すのが難しい。大統領を赦すほうが、民衆にとっても良い選択だとは思うけれど、ならば大統領は何の裁きも受けないのか?とも思うし・・・ かといって、懸賞金目当てに彼を政府に引き渡せば、おそらく大統領は処刑されるのでしょうし・・・ ズッシリ重くなってしまったわけではないけど、心にズーンとくる作品だった。

 

キャストは全く知らない人ばかり。前述したとおり役名がないので、誰が何の役なのかサッパリ。公式サイトには、大統領役のミシャ・ゴミアシュウィリしか紹介がない 愛に生きる政治犯のソソ・クヴェデリゼの濁りのない瞳が印象的。辛い日々を過ごした彼が、唯一心の支えとしてきた妻への愛。その純粋さが感じられた。彼にとっては純愛だけど、妻にとっては日常を生きなきゃならないわけで・・・ 結果愛に殉じてしまう感じを好演していたと思う。売春婦のラ・スキタシュヴィリも良かったと思う。最悪の人生を生きつつ、強さを失わない感じを表現していたと思う。寛大な政治犯のダト・ベシタイシュウィリも良かった。彼は正論を言っているわけだけど、それが押しつけがましくも、虚しい理想論にもなっていなかったと思う。それだけに切なかった。


孫息子のダチ・オルウェラシュウィリがかわいい。ちょっとワガママだったりするけど、それはそう育てられたからで、ある意味洗脳されているとも言える。でも、そんな中に感じられる純真さが印象的。彼の瞳に映るものは、悲惨な現実だけれど、宮殿にいたころから実は本当に美しいものを見ていたわけじゃない。唯一、本当に美しかったのはマリアだけ。そのマリアにあれだけ固執するというのは、とっても意味が深いのかもしれない。大統領のミシャ・ゴミアシュウィリが素晴らしい! 大統領は結構サバイバル能力が高いので、独裁者になる前かなり苦労したのではないか?だから、独裁者になってやり過ぎてしまったのではないか?と感じさせた。決して愛情表現豊かな人物ではない大統領にも、息子や孫に対する愛情があることも伝わって来る。それらが、ほぼ無表情ながらきちんと感じられるのがスゴイ。

 

人が簡単に殺されたり、暴力を振るわれたりするけれど、決定的な場面は映されない。それが逆に想像させて辛かったりする。その見せ方も良かったと思う。重いテーマを、寓話的に見せる感じが好きだった。不思議儀な言葉。花嫁をレイプした兵士が「ガーマルチョバ」と挨拶していたので、どこの国の言葉だろうと調べてみたら、グルジア語(現ジョージア語)だった。架空の国ということになっているけど、ロケ地はジョージアなのだそう。暗い街並みと、寂し気な村の風景が印象的。実際のジョージアがどうなのかは不明だけど(o´ェ`o)ゞ 

 

重めのテーマだけど、ズッシリ重くない作品見たい方(←何それ?(笑))オススメ。ジョージアに興味がある方もオススメ?なのか?(笑) 

 

『大統領と小さな孫』Official site 

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【Googleのロゴ】良いお年を!

2015-12-31 00:10:14 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

 

良いお年を!

 

クリックすると、大晦日の検索画面に・・・

一応、毎度のWikipediaから!

 

大晦日(おおみそか)は、1の最後の日。

天保暦旧暦)など日本太陰太陽暦では12月30日、または12月29日である。

現在のグレゴリオ暦新暦)では12月31日

翌日は新年1月1日)である。大つごもりともいう。

日本では、年神を迎えることにちなむ行事が行われる。


とのこと!


由来などについてはWikipediaでドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

はぁ・・・ 一年早くてビックリするわ∑(*゜ェ゜*)

Σ(o゜ω゜o)ハッ 気を取り直して!

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

 

良いお年を~

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【備忘録】「古都浪漫こころ寺巡り:大覚寺」

2015-12-28 00:29:16 | tv

【備忘録】「古都浪漫こころ寺巡り:大覚寺」

大覚寺 門跡寺院 嵯峨天皇が后との新居として建立した嵯峨院

 

真言宗大覚寺派総本山大覚寺(旧嵯峨御所 大本山 大覚寺)は行ったことあったかな? もう何度も出てきているけど門跡寺院(Wikipedia)というのは皇族が住職を務めた寺のこと。大覚寺の建つ土地はそもそもは嵯峨天皇(Wikipedia)の離宮嵯峨院(嵯峨院(さがいん)とは|コトバンク)があった所。檀林皇后(Wikipedia)とのご成婚の新室だったのだそう。

 

勅使門 皇族が使う時以外は開かれない 宸殿 皇族が済んだ建物 江戸時代徳川まさこ(←漢字分からない)の住まいとして建立されたものを移築 セミの装飾 殺生しない生き物=清らかさの象徴 4つの部屋 牡丹の間33畳 狩野山楽の牡丹図 牡丹図の裏狩野山楽の紅白梅図


 

画像は勅使門。勅使(Wikipedia)というのは天皇の使い。その方々が通る門ということなのかな? 


とくがわまさこは徳川和子(Wikipedia)。漢字が出なくて焦っていたので、もう少し詳しく建物の由来について語っていたけど聞き逃し やっぱり聞き書きは難しい。屋根のを支える梁の部分に蝉の装飾があり、その意味としてはtweetどおりなのだけど、少し補足。蝉は羽化してから7日間の間樹液しか吸わないため、殺生しないということで清らかさの象徴なのだそう。





画像は狩野山楽(Wikipedia)の牡丹図。狩野派ビッグネームの1人だけど、さすがの筆致。3枚目は紅白梅図かな? 牡丹図の裏に紅白梅図が描かれていることには何か意味がありそうだけど、番組内では特に語ってはいなかった。


お堂回廊で繋がる うぐいす廊下 複雑な構造は侵入者を直進させないため 村雨の廊下 天井画低いのは刀や槍を振り回せないようにするため 皇室ゆかりの寺のため守りを万全に


うぐいす廊下(Wikipedia)というのは敵の侵入を防ぐため、歩くと軋んで音がなる構造の廊下。村雨の廊下というのは、縦の柱を雨、直角に折れ曲がっている回廊を稲光に例えて呼んでいるのだそう。風情がある。

 

御影堂 4人の尊像安置 嵯峨天皇、弘法大師空海、後宇多天皇、親王の名前は書きとれず。・゜・(ノД`)・゜・。 嵯峨天皇直筆の般若心経が納められている お堂の名前は書きとれず 扉が開かれるのは60年に1度 次回は2018年


 

画像は御影堂。安置されている四尊者は、嵯峨天皇、弘法大師空海(Wikipedia)、後宇多天皇(Wikipedia)と恒寂法親王(Wikipedia)。



画像が嵯峨天皇の写経を収めた心経堂。番組ではもう少し長い名前だったのだけど・・・ 勅封心経殿が正式名称らしい。嵯峨天皇だけでなく、後光厳天皇後花園天皇後奈良天皇正親町天皇光格天皇の写経も収められているとのこと。

 

 

弘法大師空海 遣唐使 806年帰国 嵯峨天皇、空海を呼び寄せ親交を深める 唐文化を学ぶ 三筆 嵯峨天皇、空海、橘?(←書き取れず) 高野山を開くことを許可 疫病の流行 空海の勧めにより般若心経を書写 この時書写した般若心経が納められている


大覚寺は嵯峨天皇に由来し、皇族ゆかりのお寺だけど、弘法大師空海にも縁の深いお寺らしい。遣唐使(Wikipedia)として唐に渡った空海から、唐の文化を学ぼうと、嵯峨院に呼び親交を深めたのだそう。三筆(Wikipedia)の最後の1人は橘逸勢(Wikipedia)。嵯峨天皇が般若心経を書写した経緯について補足すると、当時疫病が大流行し、これに心を痛めた嵯峨天皇が、疫病の流行を止めたいと空海に相談したところ、般若心経の書写を勧められ、これを実行したところ治まったとのこと。勅封心経堂にはこの時の般若心経が納められている。


 

大沢の池 嵯峨天皇が船を浮かべ月をめでる 空海と共に船で語り合った 京都随一の月の名所 月をめでる宴が催される



画像は大沢の池。1200年前この池に船を浮かべて、嵯峨天皇と空海が語り合ったと思うとなんとも雅。お2人が眺めたのは中秋の名月(Wikipedia)。現在も、お2人と同じように船を浮かべて月を眺める「観月の夕べ」が毎年9月に行われているのだそう。 


五大堂 大覚寺の本堂 江戸時代に再建 本尊五大明王 明王=ヒンドゥー教の神々を取り込んだ密教独自の仏 煩悩を憤怒の表情で断ち切る 不動明王(Wikipedia)=大日如来(Wikipedia)の変化 降三世(Wikipedia)=阿閦如来如来(Wikipedia)の変化 軍荼利(Wikipedia)=宝生如来(Wikipedia)の変化 大威徳(Wikipedia)=阿弥陀如来(Wikipedia)の変化 金剛夜叉(Wikipedia)=不空成就如来(Wikipedia)の変化


五大明王(Wikipedia)は知ってたし、明王(Wikipedia)がヒンドゥー教の神々が起源であることも、不動明王が大日如来の変化であることは知っていたけど、他の明王がそれぞれ如来の変化であることは知らなかった!

 

般若心経 五蘊 色 受 想 行 誠 いろいろな思い込みを離れて平安な心境になる 写経=生きることの肯定→悟り 全てをあきらめる=悟り 諦める=物事の本質を見極める 最後の一行 仏への感謝 言霊 言葉の意味そのものではなく、音の響きそのものが重要 不動明王と般若心経空海大事


ここは般若心経(Wikipedia)についての説明で、自分としてもとっても興味のある部分だったのだけど、聞き書きが間に合わなかったのが残念過ぎる 諦めるというもは、そもそもは物事の本質を見極めるという意味だとはビックリ。


最後の一行というのは「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。般若心経」の部分のこと。般若心経はそもそもサンスクリット語を日本語に変換しているし、この部分は呪文のような感じ。なので、言葉の意味そのものではなく音の響きが重要であるということ。tweet最後の漢文みたいになっちゃっている部分については、空海が不動明王を信仰することと、般若心経を唱えることを大切にしていたということ。

 

塔頭寺院(Wikipedia) 祇王寺 平家物語ゆかりの寺 6体の尊像 本尊大日如来 平清盛、祇王、白拍子 清盛祇王を寵愛 白拍子仏御前に心移りし祇王は捨てられる 世をはかなみ出家21才 母と妹 仏御前も出家4人でむつまじく信仰に生き、往生したと言われている


 

祇王寺(祇王寺 京都奥嵯峨「平家物語」悲恋の尼寺)が祇王(Wikipedia)由来のお寺であることも、母と妹(祇女)と共に出家したこと、さらに仏御前(Wikipedia)も彼女の生末を見て世をはかなみ、後を追って出家し4人で暮らしたことも知ってた。でも、祇王が21歳だったとは知らなかった! 平清盛(Wikipedia)酷い・・(ll゜∀゜)

 

いけばな嵯峨御流 言葉にできない空海の真言密教を体で感じ取る 嵯峨天皇の草木に対する慈しみの心 11月境内は菊の花で彩られる 嵯峨菊 3輪→5輪→7輪の形に整える 花=春 緑=夏 紅葉=秋 枯葉=冬の四季を表す


嵯峨御流(いけばな嵯峨御流(さがごりゅう))という流派があることは知らなかった。風、水など6つの言葉を表すようにいけるそうなのだけど、書き取れなかった 



嵯峨菊(菊・嵯峨菊とは|植物図鑑 weblio辞書)というのも初め聞いた。美しい形。tweetについて補足すると、上から花を3輪、中の段を5輪、下を7輪と縁起のいい七五三の形に整えるそうで、花と葉で四季を表すように作れれば完璧らしいのだけど、なかなか枯葉を作るのが難しいのだそう。現在嵯峨菊を守っているのは嵯峨菊会の方々。

 

嵯峨天皇と弘法大師空海の思いが今も伝わる 1200年の思い 自然を愛し、恐ろしい姿を持ってしても人々を救いたい 現在を肯定する 優しい心


嵯峨天皇と空海の年齢差が分からないのだけど、お互い尊敬し合った関係だったのかなと思う。民を想う心は立場は違えど共通していたのかも。ありがたいことです。


そしてなんと、この番組今回をもって最終回ガ━━━(||゜ω゜||)━━━ン 毎回楽しみにしていたのに残念 いい番組だったのに・・・

 

古都浪漫こころ寺巡り:毎週日曜 22:00~@BSフジ

古都浪漫こころ寺巡り|BSフジ

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【cinema】『黄金のアデーレ 名画の帰還』

2015-12-27 02:02:14 | cinema

2015.12.5 『黄金のアデーレ 名画の帰還』鑑賞@TOHOシネマズ日本橋

 

これは是非見たいと思ってた。東京国際映画祭でヘレン・ミレン登壇上映もあったんだけど行けず 試写会も応募しまくったけどハズレ。ってことで、公開翌週、見に行ってきた~

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「L.Aに住むマリア・アルトマンは姉の遺品を処理する中、ある手紙を発見する。そこには、現在ウィーンのベルベデーレ宮殿に展示されている名画"黄金のアデーレ"は、伯母であるアデーレ・ブロッホ=バウアーを描いたもので、これはナチスによって略奪されたものであると書かれていた。マリアはこれを取り戻そうと考え、友人の息子で弁護士のランドル・シェーンベルクに相談するが・・・」という話で実話ベース。これはおもしろかった! 実話なので結末は知っていたけれど、あの名画にそんな物語が隠されていたとは知らなった。1枚の名画がたどった数奇な運命と、時代に翻弄されたある家族の物語。それに絡めて戦争の恐ろしさ、人の浅ましさも暴く。それでいて押し付けがましくなく、エンターテイメントに仕上がっていて見事。

 

『マリリン 7日間の恋』(感想はコチラ)のサイモン・カーティス監督作品。公式サイトによりますと、カーティス監督がBBCで放送された、今作の主人公マリア・アルトマンのドキュメンタリー番組を見たことが映画化のきっかけらしい。監督自らBBCフィルムズのトップであるクリスティ・ランガンに映画化を提案、ランガンが劇作家アレクシ・ケイ・キャンベルに脚本を依頼したとのこと。なるほど、だから場面展開などが演劇的でもあったのか。この脚本はとっても良かったと思う。

 

今作の主役マリア・アルトマンと、「黄金のアデーレ」、そしてアデーレ・ブロッホ=バウアーについても少し記載しておく。まずは、マリア・アルトマンから。公式サイト等によりますと・・・ 1916年ウィーン生まれ。マリアの母と伯母アデーレ・バウアーは姉妹で、ブロッホ家の兄弟フェルディナンドとグスタフと結婚したそうで、ブロッホ=バウアーと名乗ることにしたらしい。製糖工場を経営するフェルディナンドとアデーレ夫婦は大変裕福で、一家は彼らのアパートで共に暮らしていた。マリアは1937年21歳でオペラ歌手のフリッツ・アルトマンと結婚。フリッツは一時的にダッハウ収容所に拘束されたそうで、なぜ解放されたのかは不明。1938年ナチスがオーストリアを占領。同年マリアはフリッツと共にスイスを経由、イギリスからアメリカに亡命した。一家の財産は没収され、映画にも描かれているけれど、マリアに譲られたアデーレのネックレスはゲーリングの妻の所有となった。フリッツは1994年に亡くなった。1998年マリアは友人の息子ランディ・シェーンベルクに、伯母の肖像画をはじめとする絵画の返還を求めたいと依頼。一度は却下されるものの「米国民は国内において他国政府に対し訴訟を起こす権利を有す」という法律を利用し訴訟を起こし、数年かけて裁判で勝訴。オーストリア人裁判官3名で構成された仲裁委員会で示談に応じることに合意し、2006年1月17日マリアへ返還することに決定。5枚の絵画はオークションにより、個人の収集家などに売却。「黄金のアデーレ」は"誰もが鑑賞できるよう、常時展示すること"を条件に、コスメ界の大物ロナルド・ローダーに1億3500万ドルで売却され、現在でもNew Yorkのノイエ・ギャラリーに展示されている。マリアは2011年94歳で死去。

 

毎度のWikipediaによりますと、アデーレ・ブロッホ=バウアーは、ユダヤ系銀行家モーリッツ・バウアーの娘として生まれ、1899年にユダヤ系製糖工場経営者のフェルディナンド・ブロッホと結婚。2人はブロッホ=バウアーの姓を名乗ることにする。アデーレのサロンにはユダヤ系上流市民が集い、芸術家、文筆家、政治家などが出入りした。夫妻はウィーン分離派の芸術家たちを支援。特にグスタフ・クリムトはアデーレの肖像画を2枚描いている。マリアによると、「病がちで、特に偏頭痛に苦しめられており、ヘビースモーカーで、非常に華奢で、憂鬱症だった。顔立ちは理知的で、細長く、洗練されていた。傲岸不遜な性格で、常に観念的な思念を追求していた」とのこと。1925年髄膜炎で死去。

 

同じくWikipediaによりますと、「黄金のアデーレ」こと「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」はオーストリアの実業家フェルディナンド・ブロッホ=バウアーが、1907年にグスタフ・クリムトに依頼した作品。ウィーンのユーゲント・シュティールを代表する芸術作品の1つとされている。訴訟の件についてはマリアの紹介部分に書いたので割愛するけれど、今作内でも描かれているけれど、論点となったのは"アデーレの遺言"。アデーレ自身はベルヴェデーレ宮殿へ寄贈することを希望していたようで、裁判ではオーストリア政府がこの遺言を盾に所有権を主張した。

 

さて、映画の感想へ! 冒頭はお葬式。マリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)の姉が亡くなったのだった。この葬儀で声を掛けてきた友人と話したことで、彼女の息子で弁護士のランドル・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)の近況を知る。独立したものの経営が上手く行かず、事務所をたたみ、現在就活中とのこと。後日、ランディは訪ねてくるが、この名画のこともよく知らない彼は、オーストリア政府相手に訴訟を起こすことの無謀さに、全くやる気がない様子。実はランディは独立して弁護士事務所を開いたものの、経営が上手く行かず、現在は妻子を抱えて求職中の身。勝ち目のない裁判に関わっている場合ではなかったのだった。これは仕方がないかな。無事再就職したランディは、ある時ネットで「黄金のアデーレ」のことを調べてみる。するとスゴイ価値のある絵であることが分かる。急にやる気になる。気持ちは分かる(笑) 逆にやる気を失ったマリアをたきつけ、訴訟を起こす気満々。上司からも数日の期限でウィーン行の許可を貰う。この上司がチャールズ・ダンス


マリアはウィーン行を拒否。あの街には絶対に戻りたくないという。本人が来た方がインパクトがあることは間違いないが、1人で行くことを決意すると、マリアも気持ちを変える。母と息子のように仲良く飛行機でウィーンに向かう2人。この時点ではマリアの過去は知らされていないけれど、冒頭の姉の葬儀で棺のダビデの星で、マリアがユダヤ人であることが分かっているし、ナチスに奪われた絵画を取り戻す話なのだから、出身地であるウィーンに辛い思い出があることは分かる。そういう説明過多ではない見せ方が好きだった。


親子のように仲良くウィーンに乗り込んだマリアとランディ。裁判の申請(?)に行くと対応した係官は、丁寧な応対ながらイヤミたっぷり。早速、自分たちの状況を思い知らされることに。そんなことでへこたれる2人ではなかったけれど(笑) この係官役は「刑事フォイル」のミルナー巡査部長こと、アンソニー・ハウエル。ヒゲ生えてたけど直ぐ分かった


マリアの起訴はセンセーショナルなニュースとなるけれど、当然市民の中には快く思わない人もいるわけで、わざわざ親しげに声をかけて、アメリカへ帰れ的なことを言ってくる人も・・・ ショックを受けてくじけそうになったりもするけれど、ジャーナリストのフベルトゥス・チェルニン(ダニエル・ブリュール)の協力を得て、裁判を続けていく。どうしてもマリア側に感情移入しているから、オーストリア政府側を悪役のように感じてしまうけれど、本来悪であったのはユダヤ人から不当に美術品を奪ったナチスであって、政府の役人としては、国の宝である「黄金のアデーレ」をなんとしても守りたいという気持ちは分かる。それを強欲であると考えてしまうのは違うのかなと・・・ 特別、強欲に見えるように描いていたとも思わないけれど、やはり"敵"に見える演出ではあったかなと思う。「恥を知りなさい!」とマリアが啖呵を切るシーンもあったりするので・・・


実はオーストリアでは、オーストリア人が悪者として描かれていると、作品に対して否定的な意見が多いとのこと。ドキュメンタリー作品ではないので、演出や多少の盛りや創作はあるのだろうとは思う。ただ、そう思えるのは、第三者であり、自分が映画慣れしているからかなとも思う。普段あまり映画を見ない人が、実話だと聞いて見たら、全てそのまま描かれていると考えてしまうかも? そういう自分も、実際どこまで本当なのか分かっているわけでもないし・・・ 個人的には今作を見て、ナチスに対する嫌悪感はあったし、それに組するオーストリア人に対して複雑な気持ちもあったものの、言われているように現在のオーストリア人に対しては、悪者だという感情はなかった。例えチェルニンの「この国の人達は全く変わっていない」という主旨のセリフがあったとしても・・・ と、ちょっと気になったので書いておく。


さて、この裁判の論点となったのは、アデーレの遺言。マリアとランディはチェルニンの助言に従い、機密書庫からある文書を発見する。(この辺り実際とは違うらしい) その結果、ベルヴェデーレ宮殿に寄贈することがアデーレの意志であったことが分かる。肩を落とすマリアとランディ。しかし、チェルニンが絵画の所有者は依頼主である夫のフェルディナンドだから、アデーレの遺言はあくまで本人の希望であって、遺言とは言えないというのだった。このシークエンスも演出が加えられているわけだから、実際とはいろいろ違っているのでしょうけれど、やっぱり見ていて盛り上がる。そういう意味では実話ベースのエンターテインメントとして優れていると思う。


結局、これらは認められず「黄金のアデーレ」はマリアの元には戻らなかった。実際もこういう流れだったのかは不明だけど、後に触れるけれどマリアはアメリカで裁判をすることになるので、実際もそうだったのでしょう。2人は失意のまま帰国することになるけど、ここまでの流れでもマリアが常に毅然として、明るさを失わない。一緒にいると厳しい言葉を浴びることもあるけれど、間違ってはいないし、そこにイヤミが一切ないので、嫌な感じはしない。その辺りをヘレン・ミレンがさすがの演技で表現している。


帰国し、仕事に戻っても「黄金のアデーレ」のことが気になって仕方がないランディ。絵画自体のことというよりも、やっぱりそこは職業柄なのでしょうし、彼自身のルーツも関係しているのだと思う。名前しか聞いたことないけれど、作曲家のアルノルト・シェーンベルク(Wikipedia)が祖父。この時点で、マリアが自身の過去について、どの程度ランディに話していたのかは不明だけど、何か思うところはあったのかなと・・・ そんなランディが調べてみたところ、「米国民は国内において他国政府に対し訴訟を起こす権利を有す」という条項があることを発見! 早速、上司に相談するもあえなく却下。まぁ、それはそうかも。もう一度訴訟を起こそうとマリアに持ち掛けるも、マリアにはその気はない。でも、ランディにはなんとしても訴訟を起こしてもらわないと困る事情があった。なんと彼は法律事務所を辞めてしまったのだった。実際のランディがこの件で退職してしまったのかは不明だけど、それだけこの件に熱心であるということは伝わった。


ランディの熱意に押されて、アメリカで訴訟を起こすことを決意したマリア。オーストリア政府代表としては、さらなる裁判は困るとばかり、これが却下されるように画策。画策と書くと悪だくみみたいだけど(笑) 実際のマリアさんがどう考えていたのか不明だけど、映画ではマリアは自分に権利が戻れば、現状通りベルヴェデーレ宮殿で展示することについて問題ないと考えていたらしい。ただ、その辺りの細かなことについて、オーストリア政府がちょっと欲を出してしまったように描かれていた。実際はどうだったのか不明。ただ結果的に"誰もが鑑賞できるよう、常時展示すること"を条件に売却しているので、マリアさんとしては、展示場所は場所はベルヴェデーレでも構わないと考えていたのではないかな? アデーレの希望でもあったのだし。オーストリア政府の対応は欲を出して損したなと思いながら見ていたけど、特別嫌な人たちだとは思わなかった。


アメリカの法廷では、マリアの訴えを取り上げるかどうかが論点。アメリカの法廷がどういう感じになっているのか全く詳しくないので、日本のように家庭裁判所、地方裁判所、最高裁判所という区分けなのか分からない。でも、最初に訴えたのは少し小さめの裁判所だったのだと思う。判事役で「ダウントン・アビー」の伯爵夫人役エリザベス・マクガヴァンが! この判事の英断により、マリアの訴訟は認められるが、結果は最高裁判(?)に持ち込まれることになる。ここで論点となったのが、この案件が第二次世界大戦中の古い事案であること。これを認めてしまえば、日本が訴訟を起こしてくるというセリフがあったのはビックリ。原爆のこととか、日系人のことに関してかな? ここでも判事の英断により、訴訟は認められることになる。この判事役が「ミス・サイゴン」オリジナル・エンジニアのジョナサン・プライス! 映画好きの間では『未来世紀ブラジル』のと言った方が有名かな? 結構、英国人や英国に関係する俳優さんがたくさん出ていて( ̄ー ̄)ニヤリ

 

さて、再びオーストリア政府を相手に訴訟を起こすこととなったマリアとランディ。再度ウィーンへ行くことになるけれど、マリアは頑なに拒否。またあの街に戻るのは絶対に嫌だというのだった。実は、マリアの過去については、早い段階から現在の話と交互に描かれている。なので見ている側も、辛い過去を思い出したくないのだなということは分かる。ただ、マリアがアメリカに渡るまでに、あの街で体験した全てを知らされているわけではない。ここで、彼女に起きた決定的な出来事が描かれる。その件とまとめて、過去の回想部分を書いておこうと思う。

 

最初にマリアが登場するのは少女の頃。写真を撮るというのに硬い表情を崩さないマリアは、意思の強い少女であることが分かる。そんな、生き方が下手そうなマリアを伯母であるアデーレはかわいがっていた。ブロッホ=バウアー家は裕福で、父はチェロを弾くことを日課としているような、芸術を愛する家庭で育った。豊かな時間。好奇心旺盛で意志の強い女性に成長したマリアは、21歳でオペラ歌手のフリッツ・アルトマン(マックス・アイアンズ)と結婚。その華やかな結婚式のシーンが印象的。豪奢なブロッホ=バウアー家に集う美しく着飾った人々。新郎は新婦のためにオペラを歌い、新婚夫婦を中心に皆で歌い踊る。華やかで優雅で、気品あふれる世界。伯父はアデーレが大切にしていたチョーカーをマリアに贈る。そして父にスイスに逃げるべきだと告げる。しかし、紳士然とした父は、ナチスが侵攻してきたら撃退してやると言って笑う。結果を知っているだけに切ない このやりとりが本当にあったのかは不明だけど、実際伯父はスイスに逃げたらしい。思えばこの日がウィーンでのマリアの最高に幸せな日だったのかもしれない。

 

ナチスが侵攻し、ウィーンを占拠。ユダヤ人は次々強制収容所に送られている。ブロッホ=バウアー一家は自宅に軟禁。必要以外の外出は制限されており、常に見張りがついている状態。次々に美術品や宝飾品が奪われて行く。せめてもの慰めに毎日弾いていた父親のチェロまで奪われてしまう。もちろんアデーレのチョーカーも。このチョーカーなんとゲーリング夫人の首を飾ったのだとか この急展開は辛い。ただし、ブロッホ=バウアー家は裕福で、ナチス侵攻前に優雅な生活をしていたわけで、より緩急が激しい側面はある。でも、人の幸せはそれぞだから、貧しいけれど幸せに暮らしていた人々にとっても、世界が一変したことは間違いない。ただ、これはマリアの人生だから、マリアの世界の崩壊を描いているけれど、その緩急が大きいほど見ている側に伝わるものがあるのは事実。

 

ある日、夫のフリッツが逃亡の手配を整えて戻って来る。駅に父(伯父だったかも?)の友人が待っているので、その車で空港に向かい、飛行機に乗って国外に出る、スイスを経由して最終的にアメリカに向かう予定。ただし、チケットは2枚しかない。要するに両親を見捨てなければならないということ。これは辛い。でも、マリアは生きる決心をする。そして、その決心を知り両親も彼女を送り出す。娘に生きて欲しいと望まない親はいないでしょう。この逃避行については、外出許可が下りない、何とか嘘をついて抜け出そうとするも見張りが着いて来る、行く先だと偽った薬局で逃走を図るも、店主に見つかって危機一髪、その後ウィーンの街を駆け抜ける。裏庭で洗濯をしている女性が逃がしてくれる場面もあるけど、彼らが逃走中のユダヤ人であることを察して密告する女性もいたりする。複雑な思い。もちろん、洗濯女性の方が正しいに決まっているけど、あの時代のウィーンでは密告者の方が正義だった側面はあったわけで・・・


そんな演出もあり、ここのチェイスはかなりの緊迫感。なんとか空港へ到着するも、偽造パスポートがバレないかヒヤヒヤ。夫はオペラ歌手でスイスで公演に出演するのだと話すも、何故手ぶらなのかと怪しまれる。着の身着のままで出てきたのだから当然だけど、確かに上着も荷物もないのは不自然。急に出演することになったからだという言い訳が認められたのは、ちょっとご都合主義な気もしたけど、まぁOK。この後も偽装がばれてしまう男性がいたり、飛行機が飛ばず雪の中何時間も待たされたりと、ハラハラ場面は続く。まぁ、脱出できたから今のマリアがいるわけだから、成功することは分かっているのだけど、やっぱりドキドキする。


さて、裁判に戻る。ランディは1人でウィーンにやって来た。裁判は陪審員制。ランディが答弁をしている時、入って来たのはマリア。彼女の登場で一気に有利か? まぁ結果は分かっているので書いてしまうけれど、陪審員の下した判決はマリアに返却すること。ここは分かっていてもヤタ───v(-∀-)v───♪となった。客観的に見た場合、何が正解なのか難しい問題だけど、映画として見れば、やっぱり正義が下されたと思ってしまう。そう考えると、オーストリアの方々の気持ちも分からないでもない。裁判後、そのままベルヴェデーレ宮殿に展示させてもらえないかと申し出るオーストリア政府関係者に対し、散々譲歩したのに受け入れなかったのはそちらだとピシャリとはねつけるのは、映画としては胸がスカッとするけれど、少々演出過多かもしれない。でも、実際この判決が出たわけで、これはスゴイ判断だなと思う。「黄金のアデーレ」を手放すのはなかなか勇気がいると思うので。


ランディとハグしたマリアが泣き出してしまう。いつも明るく、そして毅然としていたマリアが、取り乱している。「私は両親を見捨てたのだ」と号泣する。脱出する計画があることを両親に打ち明けている場面は既に見ていた。2人はマリアに自分たちのことは気にせず逃げて欲しいという主旨のセリフもあった。再度映し出されたその場面は、両親との別れがより詳しく描かれていた。父親の「私たちを忘れないで欲しい」というセリフで号泣。・゜・(ノД`)・゜・。 もちろん忘れるはずないけれど、何も娘に残すことのできない両親にとって、せめて自分たちとの思い出が形見ということになる。こんな切ない別れってない 娘の命が助かるためには、自分たちを見捨てるしかないなんて・・・ どうやら実際のマリアの脱出時には、父親は亡くなっていたそうなので、実際とは違うらしいのだけど、映画としてはこれでいい。


映画は、その後の顛末が字幕で流れて終了。「黄金のアデーレ」はエスティ・ローダーの社長に売却され、New Yorkのノイエ・ギャラリーに展示されている。売却により得たお金は全額寄付したのだそう。ランディはその後、美術品返還専門の弁護士になったとのこと。


キャストはみな良かった。父親がナチスだったというセリフがあるので、実際のフベルトゥス・チェルニンはもう少し年上なのかな?と思うけれど、ダニエル・ブリュールは良かったと思う。もしかしたら裏切るのでは?と思わせて、まさかの父親のことをマリアに告白するシーンは良かった。いつも、もう少し何とかならないか?と思っていたケイティ・ホームズの演技。ランディの妻役だったけど、今回良かった! 2人の子供を抱えながら、無職となる夫を明るく支える妻を好演していたと思う。マリアの夫役のマックス・ライアンズはジェレミー・アイアンズの息子なのね 似てないね(笑) 若マリア役のタチアナ・マズラニーも良かった。ちょっとヘレン・ミレンに似ている気がするけど、そういう部分もキャスティングに関係してたのかな?


ランディ役のライアン・レイノルズは『グリーン・ランタン』(感想はコチラ)しか見たことなくて、弁護士役なんて知的な役できるのか?と思っていた。大変失礼しました┏○ペコ とっても良かったと思う。ランディは弁護士として優秀だけれど、とっても人間臭い役なので、その辺りイケメンだけど、どこか親しみやすい感じが合っていたと思う。←ホメてます! そして、何と言ってもヘレン・ミレン。今作を見た理由の1つは主演がヘレン・ミレンだから。実年齢より少し上の役だったと思うけれど、裕福な家庭に育った品の良さと、辛い時代を生き抜いた強さ、毅然とした中にも茶目っ気を感じさせて見事。ブティックを経営している役だけに、品の良い服の着こなしも完璧。ドイツ語訛りの英語もスゴイ。ロシア貴族だったお父様は、ロシア革命でイギリスに亡命したそうなので、その辺り何か重なる部分はあったのかも?


公式サイトによると、撮影はロンドン、L.A、ウィーンで行われたそうで、ブロッホ=バウアー家の内装は、アウエルスペルク宮殿が使われたのだそう。マリアとフリッツの結婚式で踊っていたのは、ユダヤ人が一番下の子の結婚式で披露する伝統的なダンスMezinke(メジンケ)だそうで、監督は「マリアの結婚式は、ナチが到着する前に行われた最後のユダヤ人の社交行事だったから、一つの時代の終焉を描く意味で、このシーンが必要だった」と語ったのだそう。カーティス監督は正確なリサーチを重ねて、ウィーンの群衆が歓待した、ナチスのオーストリア併合の際の侵攻を再現した。ウィーン市庁舎から、ナチスの象徴である赤い卍の旗を垂らす許可を得て、細部まで徹底的にこだわったとのこと。確かに、当時のウィーンにいるような生々しさを感じた。


そうそう! 「黄金のアデーレ」を描いているシーンから始まる。ポーズを取るアデーレが不安そうな表情であることをクリムトが指摘すると、将来に対して漠然とした不安があると語るアデーレ。自身の命が短いこと、そしてナチス侵攻により一家が辿る運命を暗示しつつ、とても幻想的で美しい導入部だったと思う。アデーレ役の女優さんが絵のように美しかった。そしてなんと、このチラリとしか映らないクリムト役モーリッツ・ブライブトロイだったのね? エンドクレジットで名前を見かけて、どこで出てたっけ?と思っていたら、まさかのクリムト役(笑)


それぞれの思いもあると思うけど、物議をかもしてしまうのも名画の証かも? 「黄金のアデーレ」やアデーレ本人についての映画だと思うと肩すかしかもしれないけれど、個人的にはとっても楽しめた。


法廷劇好きな方は楽しめると思う。ライアン・レイノルズ好きな方是非! ヘレン・ミレン好きな方必見です


『黄金のアデーレ』Official site

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【Googleのロゴ】Tis the season!_3

2015-12-25 00:04:12 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

 

Tis the season!

はい3日目!

 

今回は5パターン

 

お家と

 

お家とこの人たち

 

プレゼントやツリーも

 

この人たちメイン

 

街並みとお家

 

多分、この5パターンだと思う

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

どのパターンもこれだった

 

Tis the Season!

 

 

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【Googleのロゴ】Tis the season!_2

2015-12-24 00:07:58 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

 

Tis the season!

 

ということで、2日目。

クリックすると英語サイトのリンクになるのは前日と同じ。

 

これはクリスマスまで続くのかな?

 

どうやらこれ、4パターンあるようで・・・

ブルー系の他にも


グリーン系


ピンク系


イエロー系

がありました

 

検索画面のロゴはこんな感じ

  

全パターンこれでした

 

Tis the Season!

 

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【Googleのロゴ】Tis the season!

2015-12-23 00:07:37 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!


 

 

Tis the season!

ってどういうこと

 

クリックしても、英語のリンク先ばかりでよく分からない

毎度のWikipediaも英語・・・

 

どうやら、"Tis"というのは"IT is"の古い略らしく、

"Tis the season"という言い方は、クリスマスシーズンに使われるらしい!

 

クリスマス・シーズン到来的なことなのかな?

 

このロゴかわいい

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

 

Tis the season!

 

 

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【動画】「猫侍 玉之丞、江戸へ行く」特報

2015-12-22 23:57:36 | 【動画】drama
【動画】「猫侍 玉之丞、江戸へ行く」特報

[動画]スペシャルドラマ「猫侍 玉之丞、江戸へ行く」特報

 

にゃむにゃむ…zzzZZ…

 

 

あなごちゃん主演の「猫侍」スペシャルドラマが2016年2月に放送決定! 美人猫あなごちゃんは大好きだけど、高齢だからちょっと心配 『猫侍 南の島へ行く』(感想はコチラ)は個人的にはアレだったけど、スペシャルドラマはどうかな? でも、あなごちゃん主演なら見る!

 

ということで、特報をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

スペシャルドラマ「猫侍 玉之丞、江戸へ行く」特報

これだけじゃ全くわからないね

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【Googleのロゴ】冬至

2015-12-22 00:23:33 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

 

冬至

 

もちろん知ってるけど、Wikipediaで調べてみた!

毎年同じ内容書いている気もするけれど(o´ェ`o)ゞ

 

冬至(とうじ、winter solstice)は、二十四節気の第22。

北半球ではこのが一年のうちで最も日の出から日没まで)の時間が短い。

十一月中(旧暦11月内)。

 

現在広まっている定気法では太陽黄経が270のときで12月22日ごろ。

恒気法は節気を冬至からの経過日数で定義するが、

基点となる冬至は定気と同じ定義である。

定気と恒気で一致する唯一の節気である。

ではそれが起こる日を冬至とするが、天文学においては、

太陽黄経が270となる瞬間を「冬至」と定義している。

この場合、冬至の瞬間を含む日を冬至日(とうじび)と呼ぶ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の小寒前日までである。

西洋占星術では、冬至を磨羯宮やぎ座)の始まりとする。

 

とのことで、

 

日本には次のような風習がある。

 

この日は冬至風呂と称して柚子湯に入る。

1838年(天保9年)の『東都歳時記』によれば流行し始めたのは江戸の銭湯からであるという。

 

冬至の日の朝に小豆粥を食す。これを冬至粥という。

小豆粥には疫病にかからないという伝承があり、あるいは体を暖めるためともいう。

またこの日には以下のものを飲食する風習がある。

 

とのこと!

その他詳しくはWikipediaでドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

 

よい冬至を~

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