'12.09.16『ボス その男シヴァージ』@浅草公会堂
これは見たかった! 大好きなインド映画というよりも、大好きなラジニ映画! したまちコメディ映画祭で上映されると聞けば行かなきゃでしょ! ということで、同じくインド映画大好きなbarumixと行ってきた~♪ 一緒に来ていた、まだ~むとtomocoさんと会場内で合流! 4人で見てきた!
*ネタバレありです!
「アメリカ帰りのシヴァージは、貧しい人々が教育や医療を無料で受けることができるようにと、学校と病院を作りたいと考えていた。しかし、それには地元の闇組織のボスや、政治家達への賄賂が必要だった。一方、美しく貞淑な女性タミルに一目ボレしたシヴァージは、あの手この手で彼女にせまるが・・・」という、高い理想を持った高潔な人物と、好きな女性にまっしぐらなあまり、非常識な行動を繰り返してしまう男という、全くの別人としか思えない性格を、1人のキャラとして設定し、強引に魅力的に見せてしまう感じが、まさにラジニ映画!! 3時間超たっぷりと堪能してきた! これは、ホントに見たかった正真正銘バカ映画! 何度も何度も言っている尊敬するMJこと、みうらじゅん氏言うところの、本人達は真面目に作っているけれど、結果バカになっている映画。まさに王道中の王道! こういうのが見たかった!
とにかく話としては単純明快! シヴァージが貧しい人々に教育と医療を受けさせることと、慎ましやかな昔ながらのタミル女性との結婚という、自身の夢をかなえるまでの話。それを3時間超で描く。もちろん『ロボット』公開時のように、ダンスシーンのいくつかをカットしてしまうというようなことはなく、バッチリ踊りも入っている。『ロボット』と同じシャンカール監督なのだけれど、ずいぶん違う印象。初めてラジニ映画を見る人にとっては『ロボット』の方が見やすいかも。本作は『ロボット』より前に製作、公開されたらしく『ロボット』が公開されるまでは、興行収入1位だったのだそう。さすがスーパースター★ラジニカーント! ちなみに今回はマサラシステムでの鑑賞。マサラシステムというのはインド人の鑑賞方法で、インド人は鳴り物を鳴らしたり、踊ったり歌ったりしながら鑑賞するのだそう。事前に動画を見せられたけど、ラジニ映画お決まりのオープニングSUPER STARが1文字ずつ画面に現れると大騒ぎ! スクリーンに踊る観客達が映っちゃってる(笑) 映画見てないじゃんとも思いますが、どの見方が正しい見方ということでもないので、インド式がこうなのであれば、それはそれでアリ。何度も言うけどバカ映画なので、そういう部分も楽しんじゃった者勝ち! 先着200名にクラッカーが配られて、好きなところで鳴らしてよいとのこと。先着200名には入れないだろうから、100キンで購入しようかと思ったけど、浅草って100キンないのね・・・
ということで残念ながらクラッカーはなしだけど、SUPER STARのところでは拳を振り上げ喜びを表現してみた(笑) ダンスシーンでは立ち上がって踊っていた人もいたけど、さすがにそれはムリだった・・・(o´ェ`o)ゞエヘヘ
ということで、だいぶ話が映画自体からそれてしまったけれど、何が言いたいかといえば、インド映画といってもいろいろあるので、一概には言えないけれど、いわゆるマサラムービー、特にラジニ映画に関しては、難しいことは考えず、どれだけ荒唐無稽であるかということや、ツッコミどころ満載な部分も楽しんじゃおうということ! 劇場でクラッカーを鳴らしたり、立ち上がって踊るのは日本ではなかなか難しいけど、そんな気持ちで鑑賞するべし!←誰?!(笑)
ということで、映画に話を戻す! 以前、ラジニ映画鑑賞時に書いたかもしれないけれど、ラジニ映画の魅力は、こんなに話広げて一体どうなっちゃうんだろうというくらい、散らかっていたエピソードたちが、後半一気に収束してしまうこと。それもかなり強引に(笑) そして、登場時にはうさん臭いオッサンにしか見えなかったラジニが、とんでもなくカッコよく描かれていること。それカッコイイか?!というような設定も、ラジニ=カッコイイということになっているのが好き! アメリカから帰って来た時、長めの前髪をスローでファサッとした後、ガムを自分の手の平にぶつけて口に入れる芸を披露! もちろんラジニ素敵シーンなのだけど、これが素敵かどうかってことで、もちろんバカなんだけど、このガム芸は少しずつ形を変えて、しばしば登場する(笑) そういうキメポーズとか、キメネタみたいのがいちいちあるのがラジニ映画って感じて大好き
まぁ、中にはこういうネタがダメという方もいるかと思うけれど・・・ 映画の中でシヴァージは色が黒いからとタミルにふられてしまうエピソードがあるけれど、インドでも色が白いということは美しいとされているようで、色黒で裕福層出身ではないラジニが映画スターとなったことが、スーパースターとして崇める理由でもあるのだそう。インド人にとってのイケメンがどんな感じなのかは不明だけど、少なくともラジニはイケメンではないと思う。オッサンだし(笑) そんなラジニがスーパースターであり続けている理由は、演技力やスター性はもちろん、その努力で現在の地位をつかんだことに、インドの人々は夢や憧れを見ているんでしょう(・∀・)ウン!!
3時間超だけどストーリーはあらすじ通り(笑) 貧しい人々のため大学と病院を建てたいと思っているシヴァージは早速行動開始するけど、彼の故郷チャンナイではアーディセーシャンが事業を牛耳っており、役人達の間では不正がはびこっていた。何をするにも賄賂が必要。インドが本当にこんな感じなのかは不明だけど、似たようなことはどこかの国でも行われているんでしょう(*`д´) ただ、あまりにもあからさまで明る過ぎるってだけ(笑) 資金を聞かれて20億って答えるけど、20億ルピーなのか20億ドルなのかは不明。インドの、特にタミル地方の経済事情や不動産事情には全く詳しくないけれど、20億ルピーで大学と総合病院はムリなんじゃ・・・? 財団を設立するって言ってたから、ちゃんと考えてのことかも知れないけれど、その辺りの危なっかしさも魅力(笑)
いわゆるマサラムービーと呼ばれるインド映画は、だいたい3時間超でインターミッションが入る。インターミッションの前はコミカルに展開し、後半はシリアスに展開して散らばっていたエピソードが、半ば強引に一気に収束してハッピーエンドになることが多い。その強引さが好き(笑) この映画も前半は役人達とのドタバタや、タミルへの一家あげての猛アタックが描かれる。このタミルというのは~タミルと、もう少し長い名前だったのだけど、登場時に紹介されたきり字幕ではずっとタミルとなっていたので、タミルと呼ばせていただく(笑) 言い忘れていたけど、シヴァージにはなにかと世話を焼いてくれる叔父さんがいる。ラジニ映画では子分だったり、友人だったり、親類だったりちょっとお調子者の協力者がいる。彼のおかげでややこしいことになる場合もあるけど、助けられることもある。この叔父さんがシヴァージの身を案じてお嫁さんを探そうということになり、慎ましやかな昔ながらのタミル人女性がいいと言うシヴァージに、そういう女性ならお寺にいるだろうってことで連れて行ってくれた。何件目かのお寺で一目ボレしたのがタミル。で、もうストーカーとかいうレベルじゃない猛アタックぶり(笑) タミルが勤める楽器店に来て大暴れなんてことは当たり前という感じで、叔父さんだけでなく両親もそろってタミルの家に押しかけて上がり込み、親睦を深めようと嫌がるタミルと両親をよそに強引にトランプを始めてみたり、お茶を出せと言ってみたり(笑) 逆に強引にタミル一家を自宅に招き、食が進まない彼らの口に食べ物を押し込む始末。しかもシヴァージはすでに生まれてくる子供の服まで用意しているし(笑) こんなビックリ接待をしたのに、タミルが結婚を承諾し、得意のダンスシーンへ! ほー、ここで結婚かと思っていたら・・・(笑)
前半はほぼこんな感じで展開するけど、もちろんこのままで終わるはずもなく。アーディセーシャンの陰謀により破産してしまう。裁判で全てを失ったシヴァージにコインを渡し物乞いになれと言い放つアーディセーシャン。絶望と屈辱で怒りの表情を浮かべるシヴァージのアップで静止。多分ここでインターミッション。
ここからはシヴァージの復讐と、タミル地方だけでなく、インド全体の貧しい人々を救うため、学校と病院の建設、シヴァージ財団の設立に邁進していく。のだけど・・・ そこはラジニ映画。かなり強引! 確かにアーディセーシャンのしたことは汚いし、裏金は罪になるとは思うけれど、それをネタに恐喝しちゃダメだし(笑) 確かにお金自体はクリーンになったかもしれないけれど、やり方は間違いなくクリーンではない。各地で妨害に遭うけれど、賄賂を要求する有力者達をOFFICE ROOMに送り込むのも・・・(笑) これは立派な犯罪なのでは?というツッコミはもちろんしない! だってそのバカさが好きなのだから(笑) 悪いことをして貯めたお金だから、こういう手段でもかまわないという大雑把さが好き! そして、一応シヴァージは全てが終わったら自首するつもりではいるし・・・(。´・д・)エッ?!
したコメのサイトで見かけた、坊主頭のマトリックスポーズはなんだろうと思っていたら! まさかの展開! あれだけ汚い手を使ってきたアーディセーシャンなのであれば、シヴァージを逮捕させることも可能だし、彼の命を狙ってくるのも当然。そこでシヴァージは一計を案じる。この作戦もよく考えるとかなり危険でツッコミどころ満載だけど、そこはまぁよし。そして、彼はハゲ頭ボスとして甦る! このハゲ頭ボスっていうのは自分で言ってた(笑) タミル語はもちろん分からないので、字幕が上手いだけかもしれないけど。でも一番笑ったかも(笑) そして、このハゲ頭ボス=シヴァージが大活躍! このアクションシーンは、マトリックスみたいで迫力大! ケガしないように布が敷いてあるのは見逃してね!(人'д`o) 最後は字幕でシヴァージが元の自分に戻り、自首し罪を償ったことが紹介される。あれ? 最後の対決シーンで人刺しちゃってた気がするけど・・・(笑) そうそう! 言い忘れてたけど、シヴァージはタミルと結婚する。いつの間にタミルがシヴァージを好きになっていたのかが若干微妙ではあるけれど、彼が色黒だから結婚したくないと言って、シヴァージに美白作戦をさせてしまったのも、実は彼の身を案じてのことだし、彼が逮捕されるきっかけを作ってしまうのも、シヴァージを愛しているから。いつの間に(笑)
キャストはラジニとシュリヤー・サランくらいしかクレジットがない。あの大学の先生役の人見たことある気がするんだけど・・・ 登場シーンでクラッカー鳴らしてた人いたし。でも誰だか不明・・・ 叔父さん役の人のお調子者具合がよかった! シヴァージの指示でトゥクトゥク(インドでは何て言うんだっけ?)で税務署の門を行ったり来たりするシーンは笑った~ シュリヤー・サランは美女! インドの女優さんは皆目鼻立ちパッチリの濃いメイクも映える美女で、ムチムチボディの方が多い。シュリヤーもムッチリしてはいるけれど細い。スタイル抜群! 実物は映画よりさらに美女だった
そして、ラジニカーントはやっぱりSUPER STARだった! ホントに! 現在63歳。本作は2007年公開なので、撮影当時は50代! でも、絶対30代以下の設定だと思う。お前もそろそろ結婚しないとって言われていたし・・・ どう考えてもオッサンにしか見えないのに、いつの間にかカッコよく見えてしまう。バイクのハンドル部分に脚を乗せて、寝転んで登場するなどというバカとしか思えない登場シーンも、何故かカッコよく思えてしまう。イヤ、バカだけど(笑) さすがに『ムトゥ踊るマハラジャ』の頃から比べれば、踊りのキレはなくなったし、上半身しか動いていないシーンも多い。でも、踊り出したらカッコイイ
もちろんバカだけど(笑) このカッコイイ!でもバカだけどっていうのがラジニの魅力なのだと思うし、そこが好きで見に行っちゃうんだよね(・∀・)ウン!!
大好きなダンスシーンも満載! 今回は世界の名所には行ってなかったし、風光明媚なところで踊るシーンもあまりなかった。むしろ近未来的なセットで踊ったり・・・ その辺りはシャンカール監督の好みなのかな? ドイツで踊ってたシーンでの金髪ラジニは良かった♪ あと海賊みたいな衣裳とか。風光明媚なところで腹踊りみたいのもすごかった! お腹にラジニの顔が描いてある(笑) ラジニ映画のダンスシーン好きとしては大満足! やっぱりコレがないと♪
例のラストの字幕で、シヴァージの功績が紹介された後、彼により格差社会が改善されたインドは飛躍的な発展をとげ、2015年には先進国入りしG8ならぬG10になっている! 最後の言葉「夢はきっとかなう!」に爆笑、そしてちょっと感動
なんてカワイイ人達なんだ! 好き
また見たい!!
歌って踊ってのインド映画が好きな方、アクション映画好きな方オススメ! ラジニカーント好きな方必見です!!
『ボス その男シヴァージ』Official site
これは見たかった! 大好きなインド映画というよりも、大好きなラジニ映画! したまちコメディ映画祭で上映されると聞けば行かなきゃでしょ! ということで、同じくインド映画大好きなbarumixと行ってきた~♪ 一緒に来ていた、まだ~むとtomocoさんと会場内で合流! 4人で見てきた!
*ネタバレありです!

とにかく話としては単純明快! シヴァージが貧しい人々に教育と医療を受けさせることと、慎ましやかな昔ながらのタミル女性との結婚という、自身の夢をかなえるまでの話。それを3時間超で描く。もちろん『ロボット』公開時のように、ダンスシーンのいくつかをカットしてしまうというようなことはなく、バッチリ踊りも入っている。『ロボット』と同じシャンカール監督なのだけれど、ずいぶん違う印象。初めてラジニ映画を見る人にとっては『ロボット』の方が見やすいかも。本作は『ロボット』より前に製作、公開されたらしく『ロボット』が公開されるまでは、興行収入1位だったのだそう。さすがスーパースター★ラジニカーント! ちなみに今回はマサラシステムでの鑑賞。マサラシステムというのはインド人の鑑賞方法で、インド人は鳴り物を鳴らしたり、踊ったり歌ったりしながら鑑賞するのだそう。事前に動画を見せられたけど、ラジニ映画お決まりのオープニングSUPER STARが1文字ずつ画面に現れると大騒ぎ! スクリーンに踊る観客達が映っちゃってる(笑) 映画見てないじゃんとも思いますが、どの見方が正しい見方ということでもないので、インド式がこうなのであれば、それはそれでアリ。何度も言うけどバカ映画なので、そういう部分も楽しんじゃった者勝ち! 先着200名にクラッカーが配られて、好きなところで鳴らしてよいとのこと。先着200名には入れないだろうから、100キンで購入しようかと思ったけど、浅草って100キンないのね・・・

ということで、だいぶ話が映画自体からそれてしまったけれど、何が言いたいかといえば、インド映画といってもいろいろあるので、一概には言えないけれど、いわゆるマサラムービー、特にラジニ映画に関しては、難しいことは考えず、どれだけ荒唐無稽であるかということや、ツッコミどころ満載な部分も楽しんじゃおうということ! 劇場でクラッカーを鳴らしたり、立ち上がって踊るのは日本ではなかなか難しいけど、そんな気持ちで鑑賞するべし!←誰?!(笑)
ということで、映画に話を戻す! 以前、ラジニ映画鑑賞時に書いたかもしれないけれど、ラジニ映画の魅力は、こんなに話広げて一体どうなっちゃうんだろうというくらい、散らかっていたエピソードたちが、後半一気に収束してしまうこと。それもかなり強引に(笑) そして、登場時にはうさん臭いオッサンにしか見えなかったラジニが、とんでもなくカッコよく描かれていること。それカッコイイか?!というような設定も、ラジニ=カッコイイということになっているのが好き! アメリカから帰って来た時、長めの前髪をスローでファサッとした後、ガムを自分の手の平にぶつけて口に入れる芸を披露! もちろんラジニ素敵シーンなのだけど、これが素敵かどうかってことで、もちろんバカなんだけど、このガム芸は少しずつ形を変えて、しばしば登場する(笑) そういうキメポーズとか、キメネタみたいのがいちいちあるのがラジニ映画って感じて大好き

3時間超だけどストーリーはあらすじ通り(笑) 貧しい人々のため大学と病院を建てたいと思っているシヴァージは早速行動開始するけど、彼の故郷チャンナイではアーディセーシャンが事業を牛耳っており、役人達の間では不正がはびこっていた。何をするにも賄賂が必要。インドが本当にこんな感じなのかは不明だけど、似たようなことはどこかの国でも行われているんでしょう(*`д´) ただ、あまりにもあからさまで明る過ぎるってだけ(笑) 資金を聞かれて20億って答えるけど、20億ルピーなのか20億ドルなのかは不明。インドの、特にタミル地方の経済事情や不動産事情には全く詳しくないけれど、20億ルピーで大学と総合病院はムリなんじゃ・・・? 財団を設立するって言ってたから、ちゃんと考えてのことかも知れないけれど、その辺りの危なっかしさも魅力(笑)
いわゆるマサラムービーと呼ばれるインド映画は、だいたい3時間超でインターミッションが入る。インターミッションの前はコミカルに展開し、後半はシリアスに展開して散らばっていたエピソードが、半ば強引に一気に収束してハッピーエンドになることが多い。その強引さが好き(笑) この映画も前半は役人達とのドタバタや、タミルへの一家あげての猛アタックが描かれる。このタミルというのは~タミルと、もう少し長い名前だったのだけど、登場時に紹介されたきり字幕ではずっとタミルとなっていたので、タミルと呼ばせていただく(笑) 言い忘れていたけど、シヴァージにはなにかと世話を焼いてくれる叔父さんがいる。ラジニ映画では子分だったり、友人だったり、親類だったりちょっとお調子者の協力者がいる。彼のおかげでややこしいことになる場合もあるけど、助けられることもある。この叔父さんがシヴァージの身を案じてお嫁さんを探そうということになり、慎ましやかな昔ながらのタミル人女性がいいと言うシヴァージに、そういう女性ならお寺にいるだろうってことで連れて行ってくれた。何件目かのお寺で一目ボレしたのがタミル。で、もうストーカーとかいうレベルじゃない猛アタックぶり(笑) タミルが勤める楽器店に来て大暴れなんてことは当たり前という感じで、叔父さんだけでなく両親もそろってタミルの家に押しかけて上がり込み、親睦を深めようと嫌がるタミルと両親をよそに強引にトランプを始めてみたり、お茶を出せと言ってみたり(笑) 逆に強引にタミル一家を自宅に招き、食が進まない彼らの口に食べ物を押し込む始末。しかもシヴァージはすでに生まれてくる子供の服まで用意しているし(笑) こんなビックリ接待をしたのに、タミルが結婚を承諾し、得意のダンスシーンへ! ほー、ここで結婚かと思っていたら・・・(笑)
前半はほぼこんな感じで展開するけど、もちろんこのままで終わるはずもなく。アーディセーシャンの陰謀により破産してしまう。裁判で全てを失ったシヴァージにコインを渡し物乞いになれと言い放つアーディセーシャン。絶望と屈辱で怒りの表情を浮かべるシヴァージのアップで静止。多分ここでインターミッション。
ここからはシヴァージの復讐と、タミル地方だけでなく、インド全体の貧しい人々を救うため、学校と病院の建設、シヴァージ財団の設立に邁進していく。のだけど・・・ そこはラジニ映画。かなり強引! 確かにアーディセーシャンのしたことは汚いし、裏金は罪になるとは思うけれど、それをネタに恐喝しちゃダメだし(笑) 確かにお金自体はクリーンになったかもしれないけれど、やり方は間違いなくクリーンではない。各地で妨害に遭うけれど、賄賂を要求する有力者達をOFFICE ROOMに送り込むのも・・・(笑) これは立派な犯罪なのでは?というツッコミはもちろんしない! だってそのバカさが好きなのだから(笑) 悪いことをして貯めたお金だから、こういう手段でもかまわないという大雑把さが好き! そして、一応シヴァージは全てが終わったら自首するつもりではいるし・・・(。´・д・)エッ?!
したコメのサイトで見かけた、坊主頭のマトリックスポーズはなんだろうと思っていたら! まさかの展開! あれだけ汚い手を使ってきたアーディセーシャンなのであれば、シヴァージを逮捕させることも可能だし、彼の命を狙ってくるのも当然。そこでシヴァージは一計を案じる。この作戦もよく考えるとかなり危険でツッコミどころ満載だけど、そこはまぁよし。そして、彼はハゲ頭ボスとして甦る! このハゲ頭ボスっていうのは自分で言ってた(笑) タミル語はもちろん分からないので、字幕が上手いだけかもしれないけど。でも一番笑ったかも(笑) そして、このハゲ頭ボス=シヴァージが大活躍! このアクションシーンは、マトリックスみたいで迫力大! ケガしないように布が敷いてあるのは見逃してね!(人'д`o) 最後は字幕でシヴァージが元の自分に戻り、自首し罪を償ったことが紹介される。あれ? 最後の対決シーンで人刺しちゃってた気がするけど・・・(笑) そうそう! 言い忘れてたけど、シヴァージはタミルと結婚する。いつの間にタミルがシヴァージを好きになっていたのかが若干微妙ではあるけれど、彼が色黒だから結婚したくないと言って、シヴァージに美白作戦をさせてしまったのも、実は彼の身を案じてのことだし、彼が逮捕されるきっかけを作ってしまうのも、シヴァージを愛しているから。いつの間に(笑)
キャストはラジニとシュリヤー・サランくらいしかクレジットがない。あの大学の先生役の人見たことある気がするんだけど・・・ 登場シーンでクラッカー鳴らしてた人いたし。でも誰だか不明・・・ 叔父さん役の人のお調子者具合がよかった! シヴァージの指示でトゥクトゥク(インドでは何て言うんだっけ?)で税務署の門を行ったり来たりするシーンは笑った~ シュリヤー・サランは美女! インドの女優さんは皆目鼻立ちパッチリの濃いメイクも映える美女で、ムチムチボディの方が多い。シュリヤーもムッチリしてはいるけれど細い。スタイル抜群! 実物は映画よりさらに美女だった


大好きなダンスシーンも満載! 今回は世界の名所には行ってなかったし、風光明媚なところで踊るシーンもあまりなかった。むしろ近未来的なセットで踊ったり・・・ その辺りはシャンカール監督の好みなのかな? ドイツで踊ってたシーンでの金髪ラジニは良かった♪ あと海賊みたいな衣裳とか。風光明媚なところで腹踊りみたいのもすごかった! お腹にラジニの顔が描いてある(笑) ラジニ映画のダンスシーン好きとしては大満足! やっぱりコレがないと♪
例のラストの字幕で、シヴァージの功績が紹介された後、彼により格差社会が改善されたインドは飛躍的な発展をとげ、2015年には先進国入りしG8ならぬG10になっている! 最後の言葉「夢はきっとかなう!」に爆笑、そしてちょっと感動


歌って踊ってのインド映画が好きな方、アクション映画好きな方オススメ! ラジニカーント好きな方必見です!!

'12.09.05 『テイク・ディス・ワルツ』@ヒューマントラストシネマ有楽町
コレ見たくて試写会応募したけどハズレ
評判良かったので、見たくてジリジリしてた! レディースデイに見てきたー♪
*ネタバレありです!
「料理研究家の夫と結婚5年目になるフリーライターのマーゴは、取材先でダニエルと知り合い楽しい時間を過ごす。彼に惹かれるものを感じつつも、その日別れて終わりだと思っていた。でも、偶然にもダニエルは向かいに住んでおり・・・」という話。これは良かった。結構、残酷というか真理かもしれないけれど、身近な題材だけに見ていて辛くなっちゃう部分を、とってもポップな画で見せる。だけど、ポップ過ぎてもいない。だからふざけてる感じはしない。そのさじ加減が絶妙。監督は女優のサラ・ポーリーで、長編作品はこれで2本目。スゴイ才能だと思う。
見たいと思った理由は、サラ・ポーリーが監督していたから。前作『アウェイ・フロム・ハー』は未見だけど、女優としてのサラは好きだったので・・・ といっても『死ぬ前にしたい10のこと』と『あなたになら言える10のこと』しか見ていないけど(笑) 特に『あなたになら・・・』は、ほとんどセリフもないのに上手いなぁと思った覚えがある。2作ともイザベル・コイシェ監督だけど、今作もどことなく似ているような・・・ とはいえ、『死ぬまでに・・・』はガン、『あなたになら・・・』は内戦時の暴力によるPTSDと、かなり重いテーマを扱ってる。今作のテーマはそこまでじゃないけど、普通の人の普通の悩みとしては、こっちの方が厄介かも・・・ どちらも重いテーマをサラリと描く感じは好き。どこかポップな感じもイイ。
ダニエルとの出会いは観光パンフレットを書くための取材旅行。観光客向けの寸劇で、姦通罪の男を鞭打つ役に選ばれたマーゴ。目立つことはしたくないと断るけど聞き入れられず、しかたなくペシペシすると、真面目にやれという野次が飛ぶ。迷惑だと感じながらも気になるマーゴ。空港で何故か車椅子に座り搭乗手続きをしてもらうマーゴを発見するダニエル。しかも、機内の席は隣・・・ 脚悪くないよね?と絡んでくるダニエル。最初は時々脚が痛くなると言い訳していたけど、乗換えでどこかへ行ってしまうのではないかと不安だと告白するマーゴ。オレの寝顔見てたよね?とか、結構自信満々で上からな発言が多いダニエル。ムカッとしつつもつい笑ってしまうマーゴ。見る前からマーゴがこのダニエルと浮気してしまうことは知っていたので、2人が急速に惹かれて行く感じは分かるのだけど、正直ダニエルのキャラが好きになれない
この自信満々で上からな感じも、彼のアプローチの仕方であって、半分冗談であることも分かってはいるのだけど・・・ 実際、自分が言われたらマーゴみたいに笑っちゃうとは思うけど、好きにはならないなぁ。なっちゃったりして(笑)←どうでもいいか・・・(o´ェ`o)ゞエヘヘ
マーゴには料理研究家の夫ルーがいる。チキン料理の本を出版するため、毎日家でチキン料理を作っている。朝、目覚めると「目玉をくりぬいちゃいたいくらい好き」とか言い合う2人。朝食の用意をしつつもイチャイチャ(笑) イヤ、結婚5年目でも仲がよくていいじゃないかと思うわけですが、ちょっと子供っぽい印象・・・ この子供っぽいってところが、この作品の鍵になってくるのかなと思う。実はこのイチャつき2回印象的なシーンがある。新しいチキン料理開発中のルーにからみ始めるマーゴ。最初は笑いながら仕事中だからと言っていたルーも、あまりにマーゴがしつこいためキレてしまう。するとマーゴは夫から相手にされないのは辛いというようなことを言い泣き出してしまう。この相手にされないというのは、要するに性生活のことらしい。言葉遊びに付き合ってくれたり、窓越しのキスなどにも応えてくれるけれど、セックスには積極的ではないということなのかと。もちろん、そこも含めて結婚生活だと思うし、自分は求めているのに応じてもらえないのは、ものすごく傷づくことだとは思うけれど、こればかりは気持ちが一致しないとねぇ・・・ なかなか難しい問題ではある。
で、2回目がルーが仕事の電話をしているシーン。仕事をもらっている相手からの電話らしいので、明らかにルーより相手方が立場的に上、そんな電話の最中にちょっかいを出すマーゴ。少しのいたずらならいいけれど、電話中のルーの口の中に手を入れたりと、いくらなんでもやり過ぎ! ルーはなんとかつくろって会話を続行。ここはルー役のセス・ローゲンの腕の見せ所ではあるけれど、夫が仕事の話をしている時にじゃましちゃダメでしょう! これは絶対ダメ! 自分がされたらホントに怒る(*`д´) でも、ルーは怒らない。不思議に思いながら見ていたけれど、多分これは上記の1回目のシーンでのことがあるから、強く言うことができなくなってしまったのかなと思った。マーゴを甘やかしているというよりも、そういう愛し方なんだと思う。上手く言えないけど・・・ 単純に気が弱いとか、子供っぽいマーゴが好きという部分もあると思うけれど、そういうことよりも自分が飲み込んでしまうというか・・・ 自分さえ我慢すればいいと思っているわけではないし、何か問題があったら自分が変わっていこうと思っているのとも違う。ただ、飲み込んじゃう・・・ 本人は別にそれでストレスを感じてるわけでも、優越感を感じてるわけでもない。もしかしたら不安だったのかも。最初の方でアル中の姉と口ゲンカしているシーンがあったけど、マーゴとはケンカっぽいのは上記のシーンくらい。あえてケンカする必要はないけど、よく考えたら会話らしい会話もあまりないかも・・・
ルーとは対照的にズバズバと言いたいことを言ってくるダニエル。ダニエルが家の前にいるのを確認しタイミングを見計らって家を出るマーゴ。マーゴの意図なんてお見通しのダニエル。彼はいちいち見抜いてるってことを言ってくる。決して自分からマーゴの領域に入ってきたりしないけど、マーゴの策略にまんまと乗ってきて、でも君が誘ってきたからって言う。ちょっとズルイ(笑) マーゴが人妻である以上、簡単に手を出さないってことに関しては、当然のこととはいえ立派だとは思うけど、彼の場合そういうのとも違う気がした。上記の発言や態度についても、彼の作戦というか話術なのは分かっていたけど、正直ダニエルが好きになれなかった。確かにマーゴが聞いたとはいえ、昼間のカフェでセックス描写を嬉々としてする男なんて信用できない(笑) だから、マーゴの選択がちょっと意外でもあったのだけど、これはダニエルだからという選択でもないのかも・・・ 人力車で生計を立てているダニエル。誘われてルーと2人彼の人力車に乗るシーン、彼の腕や背中の筋肉、首筋を流れる汗に"男"を感じているシーンがあるけれど、結局そういう部分を求めているのかなと思う。結局、その後ダニエルとしたことってセックスばっかりだし・・・
マーゴが仕事しているシーンって、冒頭の取材シーンと、ダニエルを気にしつつPCいじってるシーンが1回あるくらいなので、彼女の仕事の比重がよく分からないのだけど、基本的に特に何もしてない。そういうシーンを描いてないってこともあるけど、パーティー開いてるか、ルーとイチャイチャしてるか、ダニエルと遊んでるか。義姉と行った水中エクササイズの途中でプールでおしっこしちゃったり・・・ ちょっと、子供っぽいというか、どうなんだろうと思ってしまう。深く考えたりすることをしたくない人なのかな?とか思うけど、子供のままの自分から抜け出せないってことだと思う。どんなに子供っぽい行動をしても、周囲が笑って許してしまうから・・・ 普通に考えて28歳の女性がプールの中でおしっこしちゃったら、恥ずかしくていられないと思うけど、彼女は子供のように笑うだけ。周囲もしょうがないわねって感じ。そうかー?! 彼女が大人になりたいと思っていたとも思わないけど、子供のままでいたいと思っていたわけでもないと思う。でも、大人になれないんだと思う。子供のように仕事のじゃまをしてもルーも怒ってくれなくなったし・・・ いつも泣きそうな顔しているのが印象的で、いつも満たされないってことなんだと思う。
どっちつかずの関係にケリをつけようと、ダニエルは引っ越して行ってしまう。40年後に灯台で再会しようと約束する際、それくらい夫に尽くしたら赦されると思うのって言っていた時点で、マーゴの気持ちのある部分で夫に対して"尽くしている"と思っている部分があるということ。それは普通のことだと思うけど、その部分が"子供でいること"なのかなとも思った。そんな自分を"女"として扱ってくれてる気がしてダニエルに惹かれたのかも。でもねぇ・・・ 結局、ルーと分かれてダニエルを選ぶけれど、時が経てば最初のドキドキは失われてしまうわけで、誰が相手でもそれは同じ。ルーとダニエルそれぞれと暮らしている時に、同じシーンが出てくる。歯磨きをしている彼らの横のトイレで、マーゴは用を足し始める。自分では絶対にあり得ないシーンだけど、2人は何事もなかったように歯磨きを続ける。でも、ルーはそのままその場に残るけど、ダニエルは少し経つと出て行ってしまう。この後、アル中の義姉が騒ぎを起こし、電話で呼び出されたマーゴはルーと再会する。そして、再びルーに惹かれる。でも、ルーにキッパリ拒絶される。何でも受け入れて、子供のように愛してくれたルーに物足りなさを感じて、セクシャルな部分を刺激して女として見てくれるダニエルに惹かれたけれど、ほとぼりが冷めてしまえば、大きく包んでくれたルーが懐かしい。気持ちはとっても分かるけれど、それじゃ子供のまま。この辺りのことを3回のおしっこで表現してるのかなとは思う。でも、マーゴ人前でおしっこし過ぎ(笑)
そして印象的なのが、遊園地のアトラクション。室内で2人乗りのカートに乗る。天井から棒で繋がったそのカートは、自身もクルクル回転しつつ、他のカートにぶつかりそうになりながら動く。マーゴはこのアトラクションが大好きで、ダニエルを誘って乗りに行く。乗っている間は楽しそうにキャーキャー騒いでいるけど、終わってしまった瞬間泣きそうな顔になる。彼女にとって人生もこうであって欲しいのかも。でも、自分では意識していないから、そう出来ていない。いつも刺激的で楽しい人生を送りたいから、彼女は無意識にそれをルーやダニエルに与えてもらおうとしていた。でも、本当にそういう人生を送りたいなら、自分が動かなきゃダメ。自分が動くから人から刺激をもらえるんだと思うし・・・ このシーンはそういうことを表しているんだと思うけど、選曲(テレビにより仕事を奪われたラジオ・スターを歌ったバグルスの「ラジオ・スターの悲劇」!)も含めて見事! このコースターが好きってことは、マーゴも無意識には問題の本質に気づいているんじゃないかってことなんだと思う。なので、ラストもこのコースターのシーンとなっている。1人ぼっちで乗っているこのラストは、ダニエルとの別れを示唆しているのだと思うけれど、個人的には彼女がやっと"自分"で生きなきゃダメなんだと気づいたのかなとも思った。相変わらず泣きそうで、つまらなそうだったけど(笑)
キャストはみんな良かった! 義姉役のサラ・シルヴァーマンはコメディ女優さんらしいけど、アル中でどうしようもない役を見事に演じていた。彼女がマーゴに言うセリフが全てという気がするので、このシーンはお前が言うなと思いつつも納得(笑) ダニエルのルーク・カービーはちょっと濃いめのイケメン。あんまり好みじゃなかったし、この役やっぱり好きになれない。でも、ギリギリ彼の切なさを拾えたのはルーク・カービーのおかげ! ミッシェル・ウィリアムズはこういう役をやらせたらハマるねぇ・・・ いつも悲しげで、危なげでほっとけない感じ。個人的には好きなタイプではないマーゴに、自分を見つけてしまい、共感できる部分を感じさせたのは、ミッシェル・ウィリアムズのおかげ。やっぱり演技上手い。いつも泣きそうな顔が見事! そして、セス・ローゲン!! 主役のミッシェル・ウィリアムズを差し置いて、最後に残していたのは本当に素晴らしい演技だったから。ルーは本当に普通の人。確かに彼は夫としては物足りなかったかもしれないけれど、でも彼は彼なりに刺激を与えたりしていたんだよね。もう、シャワーのエピソードが切なくて。゚(゚´ω`゚)゚。ピー 80歳になるまでやるつもりだったんだよね
実はルーはどのシーンもちゃんとマーゴのこと見てるし、マーゴのこと気に掛けてる。マーゴもそれは分かってるんだけど・・・ ホントにこのルー役のセス大好き! 全然物足りなくない(笑) いろいろ切なかったけど、やっぱりキッパリ拒絶するシーンが、一番切なくて良かったかな。このセス・ローゲンは素晴らしい!!
アル中問題とか、大人になりきれない感じとか、夫婦間や男女間の幸福感や満足感のズレとか・・・ とにかく、よく考えると普遍的で重いテーマを扱っている。軽いタッチとも思わないけれど、ポップな画とポップな曲で見せるので、重くなり過ぎずに見ることが出来る。どこかレトロな感じのマーゴの家のインテリアとか好き。ダニエルがエッチ描写する時のカフェの内装が素敵
マーゴが青、ダニエルが紺の服で、その後ろにエメラルドグリーンのレトロなウォーターサーバー、その左上に真っ赤な飲み物のボトルを配した画がポップでカワイイ! マーゴが着る服はあまり好みじゃないし、意外に露出度多いから絶対着れないけど、見ている分にはポップな色使いがカワイイ! 意外に露出度多い感じもマーゴの危うさを表しているのかも?
書くのとっても遅くなっちゃったから、もう上映終わっちゃったかな? 好きか嫌いか分かれる作品とは思わないけど、女性なら好きじゃなくても感じるところがあるんじゃないかと思う。オススメ!
『テイク・ディス・ワルツ』Official site
コレ見たくて試写会応募したけどハズレ

*ネタバレありです!

見たいと思った理由は、サラ・ポーリーが監督していたから。前作『アウェイ・フロム・ハー』は未見だけど、女優としてのサラは好きだったので・・・ といっても『死ぬ前にしたい10のこと』と『あなたになら言える10のこと』しか見ていないけど(笑) 特に『あなたになら・・・』は、ほとんどセリフもないのに上手いなぁと思った覚えがある。2作ともイザベル・コイシェ監督だけど、今作もどことなく似ているような・・・ とはいえ、『死ぬまでに・・・』はガン、『あなたになら・・・』は内戦時の暴力によるPTSDと、かなり重いテーマを扱ってる。今作のテーマはそこまでじゃないけど、普通の人の普通の悩みとしては、こっちの方が厄介かも・・・ どちらも重いテーマをサラリと描く感じは好き。どこかポップな感じもイイ。
ダニエルとの出会いは観光パンフレットを書くための取材旅行。観光客向けの寸劇で、姦通罪の男を鞭打つ役に選ばれたマーゴ。目立つことはしたくないと断るけど聞き入れられず、しかたなくペシペシすると、真面目にやれという野次が飛ぶ。迷惑だと感じながらも気になるマーゴ。空港で何故か車椅子に座り搭乗手続きをしてもらうマーゴを発見するダニエル。しかも、機内の席は隣・・・ 脚悪くないよね?と絡んでくるダニエル。最初は時々脚が痛くなると言い訳していたけど、乗換えでどこかへ行ってしまうのではないかと不安だと告白するマーゴ。オレの寝顔見てたよね?とか、結構自信満々で上からな発言が多いダニエル。ムカッとしつつもつい笑ってしまうマーゴ。見る前からマーゴがこのダニエルと浮気してしまうことは知っていたので、2人が急速に惹かれて行く感じは分かるのだけど、正直ダニエルのキャラが好きになれない

マーゴには料理研究家の夫ルーがいる。チキン料理の本を出版するため、毎日家でチキン料理を作っている。朝、目覚めると「目玉をくりぬいちゃいたいくらい好き」とか言い合う2人。朝食の用意をしつつもイチャイチャ(笑) イヤ、結婚5年目でも仲がよくていいじゃないかと思うわけですが、ちょっと子供っぽい印象・・・ この子供っぽいってところが、この作品の鍵になってくるのかなと思う。実はこのイチャつき2回印象的なシーンがある。新しいチキン料理開発中のルーにからみ始めるマーゴ。最初は笑いながら仕事中だからと言っていたルーも、あまりにマーゴがしつこいためキレてしまう。するとマーゴは夫から相手にされないのは辛いというようなことを言い泣き出してしまう。この相手にされないというのは、要するに性生活のことらしい。言葉遊びに付き合ってくれたり、窓越しのキスなどにも応えてくれるけれど、セックスには積極的ではないということなのかと。もちろん、そこも含めて結婚生活だと思うし、自分は求めているのに応じてもらえないのは、ものすごく傷づくことだとは思うけれど、こればかりは気持ちが一致しないとねぇ・・・ なかなか難しい問題ではある。
で、2回目がルーが仕事の電話をしているシーン。仕事をもらっている相手からの電話らしいので、明らかにルーより相手方が立場的に上、そんな電話の最中にちょっかいを出すマーゴ。少しのいたずらならいいけれど、電話中のルーの口の中に手を入れたりと、いくらなんでもやり過ぎ! ルーはなんとかつくろって会話を続行。ここはルー役のセス・ローゲンの腕の見せ所ではあるけれど、夫が仕事の話をしている時にじゃましちゃダメでしょう! これは絶対ダメ! 自分がされたらホントに怒る(*`д´) でも、ルーは怒らない。不思議に思いながら見ていたけれど、多分これは上記の1回目のシーンでのことがあるから、強く言うことができなくなってしまったのかなと思った。マーゴを甘やかしているというよりも、そういう愛し方なんだと思う。上手く言えないけど・・・ 単純に気が弱いとか、子供っぽいマーゴが好きという部分もあると思うけれど、そういうことよりも自分が飲み込んでしまうというか・・・ 自分さえ我慢すればいいと思っているわけではないし、何か問題があったら自分が変わっていこうと思っているのとも違う。ただ、飲み込んじゃう・・・ 本人は別にそれでストレスを感じてるわけでも、優越感を感じてるわけでもない。もしかしたら不安だったのかも。最初の方でアル中の姉と口ゲンカしているシーンがあったけど、マーゴとはケンカっぽいのは上記のシーンくらい。あえてケンカする必要はないけど、よく考えたら会話らしい会話もあまりないかも・・・
ルーとは対照的にズバズバと言いたいことを言ってくるダニエル。ダニエルが家の前にいるのを確認しタイミングを見計らって家を出るマーゴ。マーゴの意図なんてお見通しのダニエル。彼はいちいち見抜いてるってことを言ってくる。決して自分からマーゴの領域に入ってきたりしないけど、マーゴの策略にまんまと乗ってきて、でも君が誘ってきたからって言う。ちょっとズルイ(笑) マーゴが人妻である以上、簡単に手を出さないってことに関しては、当然のこととはいえ立派だとは思うけど、彼の場合そういうのとも違う気がした。上記の発言や態度についても、彼の作戦というか話術なのは分かっていたけど、正直ダニエルが好きになれなかった。確かにマーゴが聞いたとはいえ、昼間のカフェでセックス描写を嬉々としてする男なんて信用できない(笑) だから、マーゴの選択がちょっと意外でもあったのだけど、これはダニエルだからという選択でもないのかも・・・ 人力車で生計を立てているダニエル。誘われてルーと2人彼の人力車に乗るシーン、彼の腕や背中の筋肉、首筋を流れる汗に"男"を感じているシーンがあるけれど、結局そういう部分を求めているのかなと思う。結局、その後ダニエルとしたことってセックスばっかりだし・・・
マーゴが仕事しているシーンって、冒頭の取材シーンと、ダニエルを気にしつつPCいじってるシーンが1回あるくらいなので、彼女の仕事の比重がよく分からないのだけど、基本的に特に何もしてない。そういうシーンを描いてないってこともあるけど、パーティー開いてるか、ルーとイチャイチャしてるか、ダニエルと遊んでるか。義姉と行った水中エクササイズの途中でプールでおしっこしちゃったり・・・ ちょっと、子供っぽいというか、どうなんだろうと思ってしまう。深く考えたりすることをしたくない人なのかな?とか思うけど、子供のままの自分から抜け出せないってことだと思う。どんなに子供っぽい行動をしても、周囲が笑って許してしまうから・・・ 普通に考えて28歳の女性がプールの中でおしっこしちゃったら、恥ずかしくていられないと思うけど、彼女は子供のように笑うだけ。周囲もしょうがないわねって感じ。そうかー?! 彼女が大人になりたいと思っていたとも思わないけど、子供のままでいたいと思っていたわけでもないと思う。でも、大人になれないんだと思う。子供のように仕事のじゃまをしてもルーも怒ってくれなくなったし・・・ いつも泣きそうな顔しているのが印象的で、いつも満たされないってことなんだと思う。
どっちつかずの関係にケリをつけようと、ダニエルは引っ越して行ってしまう。40年後に灯台で再会しようと約束する際、それくらい夫に尽くしたら赦されると思うのって言っていた時点で、マーゴの気持ちのある部分で夫に対して"尽くしている"と思っている部分があるということ。それは普通のことだと思うけど、その部分が"子供でいること"なのかなとも思った。そんな自分を"女"として扱ってくれてる気がしてダニエルに惹かれたのかも。でもねぇ・・・ 結局、ルーと分かれてダニエルを選ぶけれど、時が経てば最初のドキドキは失われてしまうわけで、誰が相手でもそれは同じ。ルーとダニエルそれぞれと暮らしている時に、同じシーンが出てくる。歯磨きをしている彼らの横のトイレで、マーゴは用を足し始める。自分では絶対にあり得ないシーンだけど、2人は何事もなかったように歯磨きを続ける。でも、ルーはそのままその場に残るけど、ダニエルは少し経つと出て行ってしまう。この後、アル中の義姉が騒ぎを起こし、電話で呼び出されたマーゴはルーと再会する。そして、再びルーに惹かれる。でも、ルーにキッパリ拒絶される。何でも受け入れて、子供のように愛してくれたルーに物足りなさを感じて、セクシャルな部分を刺激して女として見てくれるダニエルに惹かれたけれど、ほとぼりが冷めてしまえば、大きく包んでくれたルーが懐かしい。気持ちはとっても分かるけれど、それじゃ子供のまま。この辺りのことを3回のおしっこで表現してるのかなとは思う。でも、マーゴ人前でおしっこし過ぎ(笑)
そして印象的なのが、遊園地のアトラクション。室内で2人乗りのカートに乗る。天井から棒で繋がったそのカートは、自身もクルクル回転しつつ、他のカートにぶつかりそうになりながら動く。マーゴはこのアトラクションが大好きで、ダニエルを誘って乗りに行く。乗っている間は楽しそうにキャーキャー騒いでいるけど、終わってしまった瞬間泣きそうな顔になる。彼女にとって人生もこうであって欲しいのかも。でも、自分では意識していないから、そう出来ていない。いつも刺激的で楽しい人生を送りたいから、彼女は無意識にそれをルーやダニエルに与えてもらおうとしていた。でも、本当にそういう人生を送りたいなら、自分が動かなきゃダメ。自分が動くから人から刺激をもらえるんだと思うし・・・ このシーンはそういうことを表しているんだと思うけど、選曲(テレビにより仕事を奪われたラジオ・スターを歌ったバグルスの「ラジオ・スターの悲劇」!)も含めて見事! このコースターが好きってことは、マーゴも無意識には問題の本質に気づいているんじゃないかってことなんだと思う。なので、ラストもこのコースターのシーンとなっている。1人ぼっちで乗っているこのラストは、ダニエルとの別れを示唆しているのだと思うけれど、個人的には彼女がやっと"自分"で生きなきゃダメなんだと気づいたのかなとも思った。相変わらず泣きそうで、つまらなそうだったけど(笑)
キャストはみんな良かった! 義姉役のサラ・シルヴァーマンはコメディ女優さんらしいけど、アル中でどうしようもない役を見事に演じていた。彼女がマーゴに言うセリフが全てという気がするので、このシーンはお前が言うなと思いつつも納得(笑) ダニエルのルーク・カービーはちょっと濃いめのイケメン。あんまり好みじゃなかったし、この役やっぱり好きになれない。でも、ギリギリ彼の切なさを拾えたのはルーク・カービーのおかげ! ミッシェル・ウィリアムズはこういう役をやらせたらハマるねぇ・・・ いつも悲しげで、危なげでほっとけない感じ。個人的には好きなタイプではないマーゴに、自分を見つけてしまい、共感できる部分を感じさせたのは、ミッシェル・ウィリアムズのおかげ。やっぱり演技上手い。いつも泣きそうな顔が見事! そして、セス・ローゲン!! 主役のミッシェル・ウィリアムズを差し置いて、最後に残していたのは本当に素晴らしい演技だったから。ルーは本当に普通の人。確かに彼は夫としては物足りなかったかもしれないけれど、でも彼は彼なりに刺激を与えたりしていたんだよね。もう、シャワーのエピソードが切なくて。゚(゚´ω`゚)゚。ピー 80歳になるまでやるつもりだったんだよね

アル中問題とか、大人になりきれない感じとか、夫婦間や男女間の幸福感や満足感のズレとか・・・ とにかく、よく考えると普遍的で重いテーマを扱っている。軽いタッチとも思わないけれど、ポップな画とポップな曲で見せるので、重くなり過ぎずに見ることが出来る。どこかレトロな感じのマーゴの家のインテリアとか好き。ダニエルがエッチ描写する時のカフェの内装が素敵

書くのとっても遅くなっちゃったから、もう上映終わっちゃったかな? 好きか嫌いか分かれる作品とは思わないけど、女性なら好きじゃなくても感じるところがあるんじゃないかと思う。オススメ!

・・・
『灼熱の魂』鑑賞
・・・
昨日は3時間超のマサラムービーを堪能したにもかかわらず、求めていたスーパースターラジニ・カーント正統派バカ映画の反動か『灼熱の魂』を見てしまい、その重さにグッタリ… サスペンス・タッチでおもしろかったんだけど、水丸さんのネタバレうっかり聞いちゃってたからなぁ… #eiga Posted at 01:50 PM

ザックリした感想はtweetどおり。WOWOWで放送されたのを録画して見た。WOWOWシネマには、映画放送時にいくつか枠がある。これはW座という枠内で放送された。W座という映画館から招待状が届くという趣向。招待状は小山薫堂氏の文章に、安西水丸氏のイラスト入り。本編放送前後に、お2人のトークがある。本編終了後は、視聴者も鑑賞後という設定なのだから、当然といえば当然なのだけど、ネタバレがある。偶然、この部分のみ見てしまって、水丸氏の第一声がこの映画の核心中の核心だった・・・
突然亡くなった母親の遺言で、存在も知らなかった父親と兄を探すことになった双子の姉弟。どこかハッキリ語られないけれど中東の国。次々、明らかになる母の壮絶な人生。そして、驚愕の真実に辿り着く・・・ 中東といえば宗教的な対立。キリスト教徒の母が、ムスリムの若者と恋に落ち、双子の兄に当たる人物を身ごもったのが全ての始まり。人を愛する思いは誰にも止められない、たとえ"神"の力をもってしても。でも、それは宗教や政治に縛られていない人間の考え方なんだよね・・・
宗教的な対立による内戦、囚人虐待、母と子、父と子・・・ それらを通して人間の愚かさや、業、罪、そしてそれを超えた"赦し"を描いているのだけど、ストーリー自体は双子の"父"と"兄"探しで進む。なので見ている側も謎解きをしているような感覚で引き込まれて、その重さをあまり感じずに見ることができる。
ただ、これ前述したように私がオチを知ってしまってから見たからかも・・・ 弟が驚愕の真実を知らされるシーンもさることながら、何故母が死に至ったかっていうシーンが衝撃的なので、知らずに見てたらたぶんズシーンと来たと思う・・・ イヤ、そりゃ死んでしまうわ・・・
なんという運命・・・
オチを知って見ていたので、真実を双子に知らせることの是非をずっと考えてた。これを知らせるべきなのか・・・ でも、母親の手紙を読んでみると、やっぱりこれは伝えなきゃならなかったんだなと思った。母親に愛された記憶がない2人、そしてもう1人。母は自らの罪ゆえに彼らを上手く愛せなかった。でも"彼"を赦すことによって、自分も赦されたと思ったのでしょう。だからこそ"彼"にも双子にも「愛している」と言えたのだと思う。
とっても重いし、重いままなので、もう1度見る勇気はないけれど、これはやっぱり見てよかったと思う!
http://twitter.com/maru_a_gogo


昨日は3時間超のマサラムービーを堪能したにもかかわらず、求めていたスーパースターラジニ・カーント正統派バカ映画の反動か『灼熱の魂』を見てしまい、その重さにグッタリ… サスペンス・タッチでおもしろかったんだけど、水丸さんのネタバレうっかり聞いちゃってたからなぁ… #eiga Posted at 01:50 PM

ザックリした感想はtweetどおり。WOWOWで放送されたのを録画して見た。WOWOWシネマには、映画放送時にいくつか枠がある。これはW座という枠内で放送された。W座という映画館から招待状が届くという趣向。招待状は小山薫堂氏の文章に、安西水丸氏のイラスト入り。本編放送前後に、お2人のトークがある。本編終了後は、視聴者も鑑賞後という設定なのだから、当然といえば当然なのだけど、ネタバレがある。偶然、この部分のみ見てしまって、水丸氏の第一声がこの映画の核心中の核心だった・・・

突然亡くなった母親の遺言で、存在も知らなかった父親と兄を探すことになった双子の姉弟。どこかハッキリ語られないけれど中東の国。次々、明らかになる母の壮絶な人生。そして、驚愕の真実に辿り着く・・・ 中東といえば宗教的な対立。キリスト教徒の母が、ムスリムの若者と恋に落ち、双子の兄に当たる人物を身ごもったのが全ての始まり。人を愛する思いは誰にも止められない、たとえ"神"の力をもってしても。でも、それは宗教や政治に縛られていない人間の考え方なんだよね・・・
宗教的な対立による内戦、囚人虐待、母と子、父と子・・・ それらを通して人間の愚かさや、業、罪、そしてそれを超えた"赦し"を描いているのだけど、ストーリー自体は双子の"父"と"兄"探しで進む。なので見ている側も謎解きをしているような感覚で引き込まれて、その重さをあまり感じずに見ることができる。
ただ、これ前述したように私がオチを知ってしまってから見たからかも・・・ 弟が驚愕の真実を知らされるシーンもさることながら、何故母が死に至ったかっていうシーンが衝撃的なので、知らずに見てたらたぶんズシーンと来たと思う・・・ イヤ、そりゃ死んでしまうわ・・・

オチを知って見ていたので、真実を双子に知らせることの是非をずっと考えてた。これを知らせるべきなのか・・・ でも、母親の手紙を読んでみると、やっぱりこれは伝えなきゃならなかったんだなと思った。母親に愛された記憶がない2人、そしてもう1人。母は自らの罪ゆえに彼らを上手く愛せなかった。でも"彼"を赦すことによって、自分も赦されたと思ったのでしょう。だからこそ"彼"にも双子にも「愛している」と言えたのだと思う。
とっても重いし、重いままなので、もう1度見る勇気はないけれど、これはやっぱり見てよかったと思う!

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

クララ・シューマン生誕193周年!
もちろん知ってるよ♪
シューマンの奥さんで、女流ピアニストだよね?
一応、毎度の
Wikipediaによりますと・・・
クララ・ヨゼフィーネ・シューマンは、
ドイツのピアニストで、作曲家。
ロベルト・シューマンの妻としても有名。
ロベルトの死後、ブラームスとの恋愛が取りざたされたが、
確たる証拠はなしとのこと・・・(●゚ェ゚))フムフム
最後の100マルク紙幣に肖像画が印刷されていたのだそう!
Alles Gute zum Geburtstag

クララ・シューマン生誕193周年!
もちろん知ってるよ♪
シューマンの奥さんで、女流ピアニストだよね?
一応、毎度の

クララ・ヨゼフィーネ・シューマンは、
ドイツのピアニストで、作曲家。
ロベルト・シューマンの妻としても有名。
ロベルトの死後、ブラームスとの恋愛が取りざたされたが、
確たる証拠はなしとのこと・・・(●゚ェ゚))フムフム
最後の100マルク紙幣に肖像画が印刷されていたのだそう!
Alles Gute zum Geburtstag

・・・
『ビフォア・ザ・レイン』鑑賞
・・・
録画しといた『ビフォア・ザ・レイン』見た。監督の故郷であるマケドニアとロンドンを舞台としたオムニバス作品。民族紛争を主軸とした恋愛ドラマであり、人間ドラマという感じ・・・ 感動!って感じじゃないし、重いテーマは重いままで、あまり好みではないけど、なかなか良かった。 #eiga Posted at 05:41 PM

ザックリした感想はtweetどおり。オムニバスであることは知ってて、見たいと思った理由は第1部の"言葉"のマケドニア人青年とアルメニア人の少女の恋が見たかったから。話は、沈黙の誓いの修行中のキリルの叔父を中心として全話がつながり、しかもループするという感じ。第1部"言葉"はマケドニア、第2部"顔"はロンドン、第3部"写真"はマケドニアが舞台となっている。
マケドニアについてよく知らなかったのだけど、旧ユーゴスラビアの内戦により出来た国だった。現在についてはよく知らないのだけど、この作品が作られた1995年当時はアルメニア人との内紛が続いていたらしく、第1部の少女はマケドニア人を殺害し、キリルのいる修道院に逃げてきたのだった・・・
うーん・・・ ループしちゃってるので、不幸は不幸なままだし、重いテーマも重いまま・・・ 正直言って好きなタイプの映画ではなかったけれど、それでも第1部のキリルと少女ザミラの、恋人達の若さゆえの甘さ、それゆえの悲劇で内紛の悲劇を描いているのは好きだった。叔父のキルコフの負った心の傷や絶望を受け止めるのは、ちょっと辛かった・・・
それだけに、2人の悲劇がより響いた。
http://twitter.com/maru_a_gogo


録画しといた『ビフォア・ザ・レイン』見た。監督の故郷であるマケドニアとロンドンを舞台としたオムニバス作品。民族紛争を主軸とした恋愛ドラマであり、人間ドラマという感じ・・・ 感動!って感じじゃないし、重いテーマは重いままで、あまり好みではないけど、なかなか良かった。 #eiga Posted at 05:41 PM

ザックリした感想はtweetどおり。オムニバスであることは知ってて、見たいと思った理由は第1部の"言葉"のマケドニア人青年とアルメニア人の少女の恋が見たかったから。話は、沈黙の誓いの修行中のキリルの叔父を中心として全話がつながり、しかもループするという感じ。第1部"言葉"はマケドニア、第2部"顔"はロンドン、第3部"写真"はマケドニアが舞台となっている。
マケドニアについてよく知らなかったのだけど、旧ユーゴスラビアの内戦により出来た国だった。現在についてはよく知らないのだけど、この作品が作られた1995年当時はアルメニア人との内紛が続いていたらしく、第1部の少女はマケドニア人を殺害し、キリルのいる修道院に逃げてきたのだった・・・
うーん・・・ ループしちゃってるので、不幸は不幸なままだし、重いテーマも重いまま・・・ 正直言って好きなタイプの映画ではなかったけれど、それでも第1部のキリルと少女ザミラの、恋人達の若さゆえの甘さ、それゆえの悲劇で内紛の悲劇を描いているのは好きだった。叔父のキルコフの負った心の傷や絶望を受け止めるのは、ちょっと辛かった・・・


・・・
【久々鑑賞】POTO25
・・・
久しぶりに明け方までPOTO25見ちゃったら寝坊… まぁ、さすがに今起きたわけではないけですがw しかし、やっぱり感動ー☆ 相変わらず号泣ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!! Posted at 03:24 PM
前日にたまたまYouTubeでJOJ & Gina BeckのFinal Lairを見て号泣
JOJさんの歌声や迫真の演技はもちろんだけど、ChristineのGina Beckの演技が素晴らしい! 声や歌唱はSierraの方が好みだし、GinaのChristineの方が役作りとしてちょっと大人っぽいけど、ホントにPhantomに対する思いが伝わってきて感動! どうしても『オペラ座の怪人25周年記念公演 in ロンドン』(POTO25)が見たくなっちゃって、見ちゃったわけです(笑) で、寝坊と・・・(o´ェ`o)ゞエヘヘ
POTO25の感想は、散々書いてきたので今さら書くこともないの気もするけど、やっぱりいいねぇ・・・
この公演はやっぱり"特別"だと思う。いわゆる通常公演とは規模が違うので豪華な反面、会場の都合でセットや仕掛けが制約されている部分もある。でもその分、キャストやスタッフたちの3公演にかけた思いが伝わってくる。週8公演行う通常公演では、一定のクオリティーを保つということが重用になってくると思う。もちろん手を抜くということではないけど、今日フルパワー以上のものを出してしまって、明日抜け殻のような演技をしてしまうということでは、プロとしてはダメなわけで、そういう意味でのパワーセーブは必要。
安定しているSierraやHadleyもそうだけれど、パワー制御が若干不安定であることが魅力のRaminにいたっては、3公演目をライブ録画した公開版では、とにかく全身の力を振り絞って演じているように感じた。それが、すごく伝わってきて胸打ったんだなと、今回見て改めて思った。
Final Lairはやっぱり号泣
JOJのPhantomは「自分を選べ!」と思っている印象。選ばれると思っているかは別として、選べ!!と思っている。だから、選ばれなかったショックや怒りも少し感じる。でも、RaminのPhantomは「選べ!」と言っているけど、選ばれないと思っていると思う。どこまで意識しているかは別として、どこかで悟っている。でも「選べ」と言わずにはいられない感じが切ないんだよね・・・
Christine I love you・・・ のシーンは、演出がちょっと違うので単純に比べられるものでもないのだけど、Gina Beckの方が意思がハッキリしてるかな・・・ 「でも、あなたとは行けない」っていうような・・・ Sierraは憔悴しきっちゃって、もう後ろ髪引かれまくっている。その辺りも演出の違いだから一概には言えないけど、Ginaの方が大人っぽいかな。どっちも好きだけど、POTO25版の方が切なくて好きかなぁ。
というわけで、語ることもそんなにないとか言いつつ、熱く語っちゃった(笑) これ、昨年の当blogの1位作品だからしょうがない! ということで、その時の記事にも貼ったけど、感想記事リンク集を貼っておく!
POTO25感想リンク集
『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』 - 前幕 -
『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』 - 第一幕 -
『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』 - 第ニ幕 -
【2回目】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』
【3回目】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』
【4回目&BD鑑賞】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』Part.1
【4回目&BD鑑賞】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』Part.2
【5回目】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』
【BD版】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』試写会
よく書いた・・・ 自分ながらエライ
http://twitter.com/maru_a_gogo


久しぶりに明け方までPOTO25見ちゃったら寝坊… まぁ、さすがに今起きたわけではないけですがw しかし、やっぱり感動ー☆ 相変わらず号泣ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!! Posted at 03:24 PM

前日にたまたまYouTubeでJOJ & Gina BeckのFinal Lairを見て号泣

POTO25の感想は、散々書いてきたので今さら書くこともないの気もするけど、やっぱりいいねぇ・・・

安定しているSierraやHadleyもそうだけれど、パワー制御が若干不安定であることが魅力のRaminにいたっては、3公演目をライブ録画した公開版では、とにかく全身の力を振り絞って演じているように感じた。それが、すごく伝わってきて胸打ったんだなと、今回見て改めて思った。
Final Lairはやっぱり号泣

Christine I love you・・・ のシーンは、演出がちょっと違うので単純に比べられるものでもないのだけど、Gina Beckの方が意思がハッキリしてるかな・・・ 「でも、あなたとは行けない」っていうような・・・ Sierraは憔悴しきっちゃって、もう後ろ髪引かれまくっている。その辺りも演出の違いだから一概には言えないけど、Ginaの方が大人っぽいかな。どっちも好きだけど、POTO25版の方が切なくて好きかなぁ。
というわけで、語ることもそんなにないとか言いつつ、熱く語っちゃった(笑) これ、昨年の当blogの1位作品だからしょうがない! ということで、その時の記事にも貼ったけど、感想記事リンク集を貼っておく!

『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』 - 前幕 -
『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』 - 第一幕 -
『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』 - 第ニ幕 -
【2回目】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』
【3回目】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』
【4回目&BD鑑賞】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』Part.1
【4回目&BD鑑賞】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』Part.2
【5回目】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』
【BD版】『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』試写会
よく書いた・・・ 自分ながらエライ


毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

スタートレック46周年!
スタートレックはもちろん知ってる!
けど、実は一度も見たことない・・・
ということで、毎度の
Wikipediaによりますと・・・
1966年の放送開始以来、
テレビシリーズ5本・映画11本・アニメ1本が製作されたのだそう!
スゴイね
スタートレックといえばスポック船長だよね?

ってことで・・・
Happy Anniversary

スタートレック46周年!
スタートレックはもちろん知ってる!
けど、実は一度も見たことない・・・

ということで、毎度の

1966年の放送開始以来、
テレビシリーズ5本・映画11本・アニメ1本が製作されたのだそう!
スゴイね

スタートレックといえばスポック船長だよね?

ってことで・・・
Happy Anniversary

'12.08.24 『桐島、部活やめるってよ』@丸の内ルーブル
気になってた映画。試写会応募したけどハズレ
いろんな方にオススメされたので、楽しみに行ってきた~♪
*ネタバレありです! 長文(o´ェ`o)ゞ
「金曜日。いつもと同じ放課後。バレー部キャプテンで学校一の人気者桐島が部活を辞めるというニュースが駆け巡る。バレー部はもちろん、彼女、親友、そして一見桐島とは関係なさそうな映画部員まで、桐島に振り回されることになる・・・」という話。原作は第22回小説すばる新人賞受賞した朝井リョウの同名小説。監督は『パーマネント野ばら』の吉田大八監督。うん。おもしろかった。これは映画好きの人は好きでしょう! 個人的にも好きだった。でも、ちょっと期待値が上がりすぎたかなぁ・・・ 皆さんのおっしゃるように「スゴイ!!」とは思えなかった
うーん・・・ まず、見る前にガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』に似ているというのは聞いてて、期待値がとっても上がってしまってた。『エレファント』は大好きなので・・・ 『エレファント』に似てるというのは、ニュースが走った"金曜日"が、視点を変えて何度も繰り返されるという手法のこと。この手法が今作品の最大の見せ所。学校という小さな社会の中で、それぞれの立場や世界があるわけで、見ている世界が違えば、同じ"事件"を体験してもそれぞれ影響も違う。そういう意味でこの手法はとっても有効だったと思う。もちろん、それだけではないでしょうけど、おそらくこの手法が衝撃的だったのかと思う。ただ、個人的には『エレファント』で衝撃を受けてしまっていたので、そこまでではなかったかなぁ・・・ キリキリした青春を描くという点でも『エレファント』の方が好きだった。もちろん、あくまで同じ手法を使っただけで『エレファント』のような作品を作ろうとしたわけではないと思うので、比べるのはおかしいと思うし、両方見て今作の方が好きという方もたくさんいらっしゃると思う。あくまで好みの問題!
ただスゴイ!!とは思わなかっただけで、とっても面白かったし、好きな映画であることは間違いない! 前述したけど学校という狭い社会での、それぞれの立場や世界がきちんと描かれていた。『ヤング≒アダルト』の記事にも書いたけど、集団社会はピラミッド型の人間関係を作りがち。視野の狭い高校生のピラミッドは"イケてる"か"イケてない"かで決まってしまう。その頂点にいるのが桐島。容姿が良く、成績も良く、スポーツも万能。万能型。この万能型には、野球部のユーレイ部員宏樹がいる。原作もあるし、いろいろなところでも書かれているので、書いてしまうけど、桐島は登場しない。なので、物語を引っ張る"主人公"となる人物が必要ということで、そのうちの1人がこの宏樹。
宏樹は前述したとおり野球部のユーレイ部員。キャプテンが何度も彼を呼び止めては、野球部の現状や次の試合の情報などを遠まわしに報告する。宏樹は自分が必要とされているのは分かっているけど、キャプテンの誘いに乗る気にはならない様子。親友である桐島と一緒に塾へ行くため、帰宅部の竜汰と友弘とバスケをしながら待っている。簡単にシュートを決める彼に、女子生徒も熱い視線を送る。特別努力をしなくても、ある程度できてしまう万能型。背も高く容姿もいいので人気がある。ピラミッド型の頂点。でも、万能型であるために、何に対しても熱くなることができない。"彼女"の沙奈ともズルズルと付き合っている。宏樹の何に対しても熱くなれない感じは、現代の若者の象徴でもあるのかなと思うけれど、彼自身はそのことに焦りのようなものを感じているらしい。そして、それを認めたくないと思っている感じ・・・
帰宅部の沙奈は宏樹の"彼女"であることと、桐島の彼女で学校一の人気者、帰宅部の梨紗の親友であるということで自分の存在価値を示そうとしている。こういう子いたなぁ・・・ とっても苦手だった(笑) 演じた松岡茉優ちゃんのことを言っているわけじゃないけど、決して美人じゃないし、髪型や化粧や雰囲気で見せているほどかわいくもない、スタイルもそれほどいいわけじゃない。原作ではどう描かれているのか不明だけど、映画だけで言えば宏樹の"彼女"じゃない。実際2人がどこまでの関係なのかは描かれていないけれど、校舎の裏で宏樹に恋する亜矢に見せつけるためキスするシーンでは、宏樹にとってキスすること自体に違和感がなかったことから、ある程度の関係はあると思われる。でも、宏樹は沙奈に恋しているわけではないと思う。単純に誘われたからデートしてるだけ。デートって感覚もないかも・・・ でも、それでも沙奈にとって宏樹の"彼女"であることが重用なんだよね。でも、自信がないから前述のような行動をとるし、自分よりも下だと思っている人に対して必要以上に攻撃的になる。梨紗の"親友"であるということも重用だから、彼女にはとっても気を使っているのも分かる。いつもテンション高くて攻撃的で、自己アピールが激しいから苦手だったけど、彼女のようなタイプの人もそれなりに大変だったんだな(笑)
沙奈のそういう感じや、外見は完璧な美女だけど中身のない梨紗を、実はとっても冷ややかに見ているけれど、自分の立ち位置を冷静に計算しているのがバトミントン部のかすみ。彼女のようなスタンスになりたいといつも思っていた。ムリにそうなろうと思って裏目に出てた部分もあるかも(笑) 彼女も実はピラミッド型では上の人。美人だしバトミントンも上手い。万能型の人なんだと思う。でも、目立たないようにしているっぽい。梨紗や沙奈のご機嫌を損ねないように気を使っている。でも、彼女達といることで存在価値を示そうとしているわけではないと思う。上手く言えないけど、面倒を起こしたくないというか・・・ 多分、本当は彼女は群れなくても大丈夫なんだと思う。同じグループに実果という親友もいるし、密かにつき合ってる彼氏もいるし・・・ でも、クラスという狭い社会で上手くやっていくには、この形を崩さない方がいいと思っている。彼女が一番冷静に人を見ているのは間違いなくて、もしかしたらそれは誰よりも冷たいかも? でも、彼女が一番公平な気もする。彼女も沙奈とは別の意味で"女"を感じさせる存在でもあった。日曜日、偶然会った映画館(この時、2人が見たのが『鉄男』(笑))で、涼也にとった態度は見ている側にも彼を好きなのかなと思わせる。彼女のようなイケてる人が、サエない男子を好きになるっていうのは、いくつかあるパターンの1つではあるし、中学も同じなら説得力がある。でも、違う(笑) 実は彼女は彼氏とケンカした直後で、寂しかっただけ。恋愛で傷ついた時には、擬似恋愛で癒すって女子にはある。イヤ、男性にもあるのかもしれないけれど(笑) このエピソードはちょっと残酷な気もするけど興味深かった。でも、彼女は涼也をバカにしているわけじゃない。まぁ、ちょっとバカにしている部分はあるかもしれないけれど、沙奈の攻撃とかには憤りを感じている。その感じは実香とはちょっと違う・・・ 実香はもう少し身近というか、自分寄りに感んじていると思う・・・
実果は優秀だった姉を亡くし、自分が姉ほどには両親の期待に応えられないことを知っている。だから、愛されていないと思っている。自分は万能型ではないことも知っている。決してピラミッド型の下層ではないけれど、上層に行けないことも分かっている。一番多くの人が属するであろう、ピラミッド型中層部の人達は、平凡な自分のことは自覚しているけれど、平凡だからこそ努力すれば上にいけるのではないかと夢を見る。でも、この年齢くらいから自分限界を自覚する。そのことを実果と、バレー部リベロの風助、そして野球部キャプテンで描いている。バレー部副キャプテンもかな・・・ 好きでやっているのだから少しでも上手くなりたい。でも、自分が何十回やっても出来ないことを、たった1回でサラリとやってのける人がいる。それを認めることはとっても辛い・・・ 彼と自分、彼女と自分・・・ リベロの風助は同じくリベロだった桐島が部活を辞めたことで、試合に出ることが出来た。でも、思うようなプレーはできなかった。桐島の穴を埋めることは自分にはムリだし、みんなもそう思っているに違いない。その思いが彼を苦しめる。その姿を見つめる実果の思いも痛いほど伝わる。自分もこの位置だもの(笑) でも、嫌いじゃないけどねこの位置。だって、野球部キャプテンみたいに、自分の限界はちゃんと分かっているけど、ドラフトまでは諦めないって気持ちで、勝手に努力すればいいんだもん! 本当は。
宏樹に恋するブラスバンド部の亜矢は、彼がバスケットをしている姿が見える屋上でサックスの練習をする。彼女は地味だけどかわいいし、部長として後輩の詩織に慕われてもいる。でも、彼女は自分に自信が持てない。告白する勇気はないけど、自分に気づいて欲しいとは思っている。この行動は若干イライラするけど、とっても良く分かる。でも、彼女がサックスを吹く姿を見て欲しいと思っているってことは、やっぱりそこが一番のアピールポイントだから。詩織に「一生懸命やっている先輩を好きになる男子は多いと思います」って言われるけど、そのとおりだと思う。一生懸命やる姿しか伝えられないから、一生懸命やってるんだけど、それがとっても遠回り。でも、分かる(笑) 結局、彼女は例の沙奈のキス見せつけ事件(←大袈裟(笑))で、思いを断ち切って、部長として部活に専念するわけだけど、若い頃はそういう時があってもいいと思う! 彼女と、映画部涼也との屋上の取り合いは笑えた(笑)
で、もう一人の"主人公"が映画部の涼也。華奢な体型で、スポーツは苦手、成績も普通。いわゆるピラミッド型では下層。演じているのが神木隆之介くんなので、本当はイケてなくはないんだけど、見事にイケてない(笑) 映画好きって大人になってしまえば、そんなにサブカル感もない気もするけど(←そうでもない?)、スポーツ万能であるということが、ピラミッド型社会の上層部にいることの条件である学生時代においては、映画部っていうのはものすごくサブカル。個人的にはサブカルは大好きだし、自分もサブカルな人間だと思っている。大人になってしまえば尊敬するMJのように、サブカルであることがステータスにもなる。でも、学生時代はねぇ・・・ もちろん、映画部=サブカルだから、もれなくピラミッド型下層というわけでもないけれど、少なくとも涼也と友人の武之は下層だと思われている。それは本人達も分かっている。何度か繰り返される"金曜日"のうちの彼らバージョンでは、映画コンクールでよい成績を残した彼らを讃えるため、全校集会で壇上にいるシーンがある。でも、彼らにとってはうれしいことではない。何をしてもバカにされる彼らにとって、目立つことは逆に迷惑なことだったりする・・・ もちろん、素直に彼らを讃えている生徒も多いのだけど、バカにされることの方がどうしても拾いやすい。拾わなきゃいいじゃんとも思うし、何卑屈になっているのかと言われればそうだけど、この気持ちもよく分かる。涼也には撮りたい映画がある。親友の武之や部員達も賛同している。覇気はないけど・・・(笑) でも、顧問は自ら書いた脚本を使うと主張する。今回のコンクールで認められたのも自分の脚本ではないかと・・・ゾンビは学生にそぐわないテーマかもしれないけれど、まずは生徒のやりたいことをやらせて、彼らが軌道から外れるようであれば、正してやるのが理想だと思うけれど、この顧問は実は自分の夢をかなえようとしちゃってる。まぁ、無意識にしていることだと思うし、気持ちは分からなくもないけれど・・・ で、そんな涼也は武之の励ましもあって、ゾンビ映画を撮ることを決意する。天気も時間帯も絶好のロケ日和なのに、屋上では亜矢がサックスを吹いている。おどおどと卑屈な態度なのに、自己主張の激しい涼也に、本当の理由は言えないけれど、引き下がりたくない亜矢。ここは2人のやりとりに若干イライラしつつ、おもしろかった(笑) 卑屈な態度なのに自己主張が激しいって言い方はどうかと思うけれど、当時そう感じていたことは事実で、彼らは彼らなりに秘めた思いがあって、バカにされていることを感じていたし、それに対して怒りも感じていることは武之の発言でよく分かる。考えてみれば当たり前だけど、狭い視野ではそういうことに気づかない・・・ こういうことがいじめを生むんだなと思った。そして、これは伏線。
さて、運命の火曜日! って、そんなに大袈裟なものではないけど、でも彼らにとっては重大。金曜日以降、学校に姿を現さない桐島。彼女の梨紗も、親友の宏樹も連絡が取れない。少なくとも彼の身近にいた子達は、桐島を心配する気持ちはもちろん、彼にとって"自分"はどういう存在なのか気がかりでキリキリしている。そんな中、屋上にいる桐島を見たという情報が! それぞれの思いが一気に屋上に向かう! でも、そこに居たのは桐島とは対極の映画部たち・・・ 吐き出し場所を失った彼らの感情は、映画部へ向かう。バレー部副キャプテンは彼らが作った隕石を蹴る。この隕石作りのエピソードは好きだった。後輩が作ってきた隕石の色が気に入らない武之、後輩の気持ちを気遣って強く直せとはいえない涼也は、ヒモを取り付けてくれれば大丈夫みたいなことを言う。何でそれで大丈夫なの?(笑)と思ったけど、それで丸くおさまってる感じがおもしろかった。話がそれたけど、たしかに副キャプテンが蹴った隕石はゴミにしか見えないけれど、映画部にとっては大切なモノ! たかが小道具だろうと言うのであれば、ボールを潰されたらどう思うのか?
で、とうとう涼也がキレる。そして彼はカメラを回す! こだわりの8mmのファインダーを通して見えた映像が素晴らしい! 分かる分かる!! これは映画好きなら絶対好きだよ! 彼にとって映画とは何なのかがとってもよく分かる。単純にストレス発散とも違うし、現実逃避でもない。上手く説明できないけれど、何かに夢中になったことある人なら絶対分かる。この映像はその質感ともに好きだった! 実際との対比も好き。涼也にはそう見えてるってことよりも、それが撮りたいんだっていうのが伝わってくる。ここは是非、大画面で見て欲しい!
大乱闘の末、乱入者たちは潮が引いたように去って行く。でも、胸に何かがよぎった人がいる。ずっと感情を出さないようにしていたかすみは、涼也たちをバカにする沙奈を平手打ちする。その後、自分でもビックリという感じで謝っていたけれど、ここはちょっとスッキリ(笑) そして宏樹。乱闘で涼也の8mmは壊れてしまうけれど、その部品を持って戻ってくる。「夢は映画監督?」宏樹にとっては何気ない言葉だったかもしれない。キッカケみたいな・・・ でも、涼也の意外な答えに驚く。このシーンも好き。何に対しても熱くなれずにいた宏樹。自分の限界を知りながらも、好きなことに熱中している涼也や、キャプテンの姿から何かを感じている。このシーンは良かったなぁ。誰かの何気ない一言で自分の中に光が射すことってある。自分は歌詞だった。仕事と人間関係に苦しんでいた時、ある歌詞を口ずさんだ瞬間、閉じてた目が開いたように目の前が急に明るくなった。何だ簡単なことじゃないかと思えた。もちろん、それはずっと悩んでいたからこそ訪れる瞬間なんだけど・・・ 宏樹があの時感じた思いは、自分のそれとは違うかもしれないけれど、あのラストからすると、そう遠くもない気もする。
主要なキャストはみんな良かったと思う。時々一本調子になったとしても、それが登場人物たちの若さゆえの不器用さに感じられたりもする。既にかなり長文になっているし、一人一人批評するのもヤボな気がするので、特に良かった人達のお名前だけご紹介。涼也の神木隆之介くん、かすみの橋本愛ちゃん、沢島の大後寿々花ちゃんはやっぱり上手かった。野球部キャプテンの高橋周平くんも、少ない出番ながら印象を残したし、武之の前野朋哉くんもよかった。ちょっと蛭子能収似(笑)
よく考えると桐島くんが部活を辞めただけの話。それをきっかけとして、ここまで見せるのはスゴイ! って、やっぱりスゴイと思ってたね(笑)
彼らと同じ世代よりも、同じような青春を過ごした大人の方がグッとくるかも? 映画好きの方、是非!
『桐島、部活やめるってよ』Official site
気になってた映画。試写会応募したけどハズレ

*ネタバレありです! 長文(o´ェ`o)ゞ


うーん・・・ まず、見る前にガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』に似ているというのは聞いてて、期待値がとっても上がってしまってた。『エレファント』は大好きなので・・・ 『エレファント』に似てるというのは、ニュースが走った"金曜日"が、視点を変えて何度も繰り返されるという手法のこと。この手法が今作品の最大の見せ所。学校という小さな社会の中で、それぞれの立場や世界があるわけで、見ている世界が違えば、同じ"事件"を体験してもそれぞれ影響も違う。そういう意味でこの手法はとっても有効だったと思う。もちろん、それだけではないでしょうけど、おそらくこの手法が衝撃的だったのかと思う。ただ、個人的には『エレファント』で衝撃を受けてしまっていたので、そこまでではなかったかなぁ・・・ キリキリした青春を描くという点でも『エレファント』の方が好きだった。もちろん、あくまで同じ手法を使っただけで『エレファント』のような作品を作ろうとしたわけではないと思うので、比べるのはおかしいと思うし、両方見て今作の方が好きという方もたくさんいらっしゃると思う。あくまで好みの問題!
ただスゴイ!!とは思わなかっただけで、とっても面白かったし、好きな映画であることは間違いない! 前述したけど学校という狭い社会での、それぞれの立場や世界がきちんと描かれていた。『ヤング≒アダルト』の記事にも書いたけど、集団社会はピラミッド型の人間関係を作りがち。視野の狭い高校生のピラミッドは"イケてる"か"イケてない"かで決まってしまう。その頂点にいるのが桐島。容姿が良く、成績も良く、スポーツも万能。万能型。この万能型には、野球部のユーレイ部員宏樹がいる。原作もあるし、いろいろなところでも書かれているので、書いてしまうけど、桐島は登場しない。なので、物語を引っ張る"主人公"となる人物が必要ということで、そのうちの1人がこの宏樹。
宏樹は前述したとおり野球部のユーレイ部員。キャプテンが何度も彼を呼び止めては、野球部の現状や次の試合の情報などを遠まわしに報告する。宏樹は自分が必要とされているのは分かっているけど、キャプテンの誘いに乗る気にはならない様子。親友である桐島と一緒に塾へ行くため、帰宅部の竜汰と友弘とバスケをしながら待っている。簡単にシュートを決める彼に、女子生徒も熱い視線を送る。特別努力をしなくても、ある程度できてしまう万能型。背も高く容姿もいいので人気がある。ピラミッド型の頂点。でも、万能型であるために、何に対しても熱くなることができない。"彼女"の沙奈ともズルズルと付き合っている。宏樹の何に対しても熱くなれない感じは、現代の若者の象徴でもあるのかなと思うけれど、彼自身はそのことに焦りのようなものを感じているらしい。そして、それを認めたくないと思っている感じ・・・
帰宅部の沙奈は宏樹の"彼女"であることと、桐島の彼女で学校一の人気者、帰宅部の梨紗の親友であるということで自分の存在価値を示そうとしている。こういう子いたなぁ・・・ とっても苦手だった(笑) 演じた松岡茉優ちゃんのことを言っているわけじゃないけど、決して美人じゃないし、髪型や化粧や雰囲気で見せているほどかわいくもない、スタイルもそれほどいいわけじゃない。原作ではどう描かれているのか不明だけど、映画だけで言えば宏樹の"彼女"じゃない。実際2人がどこまでの関係なのかは描かれていないけれど、校舎の裏で宏樹に恋する亜矢に見せつけるためキスするシーンでは、宏樹にとってキスすること自体に違和感がなかったことから、ある程度の関係はあると思われる。でも、宏樹は沙奈に恋しているわけではないと思う。単純に誘われたからデートしてるだけ。デートって感覚もないかも・・・ でも、それでも沙奈にとって宏樹の"彼女"であることが重用なんだよね。でも、自信がないから前述のような行動をとるし、自分よりも下だと思っている人に対して必要以上に攻撃的になる。梨紗の"親友"であるということも重用だから、彼女にはとっても気を使っているのも分かる。いつもテンション高くて攻撃的で、自己アピールが激しいから苦手だったけど、彼女のようなタイプの人もそれなりに大変だったんだな(笑)
沙奈のそういう感じや、外見は完璧な美女だけど中身のない梨紗を、実はとっても冷ややかに見ているけれど、自分の立ち位置を冷静に計算しているのがバトミントン部のかすみ。彼女のようなスタンスになりたいといつも思っていた。ムリにそうなろうと思って裏目に出てた部分もあるかも(笑) 彼女も実はピラミッド型では上の人。美人だしバトミントンも上手い。万能型の人なんだと思う。でも、目立たないようにしているっぽい。梨紗や沙奈のご機嫌を損ねないように気を使っている。でも、彼女達といることで存在価値を示そうとしているわけではないと思う。上手く言えないけど、面倒を起こしたくないというか・・・ 多分、本当は彼女は群れなくても大丈夫なんだと思う。同じグループに実果という親友もいるし、密かにつき合ってる彼氏もいるし・・・ でも、クラスという狭い社会で上手くやっていくには、この形を崩さない方がいいと思っている。彼女が一番冷静に人を見ているのは間違いなくて、もしかしたらそれは誰よりも冷たいかも? でも、彼女が一番公平な気もする。彼女も沙奈とは別の意味で"女"を感じさせる存在でもあった。日曜日、偶然会った映画館(この時、2人が見たのが『鉄男』(笑))で、涼也にとった態度は見ている側にも彼を好きなのかなと思わせる。彼女のようなイケてる人が、サエない男子を好きになるっていうのは、いくつかあるパターンの1つではあるし、中学も同じなら説得力がある。でも、違う(笑) 実は彼女は彼氏とケンカした直後で、寂しかっただけ。恋愛で傷ついた時には、擬似恋愛で癒すって女子にはある。イヤ、男性にもあるのかもしれないけれど(笑) このエピソードはちょっと残酷な気もするけど興味深かった。でも、彼女は涼也をバカにしているわけじゃない。まぁ、ちょっとバカにしている部分はあるかもしれないけれど、沙奈の攻撃とかには憤りを感じている。その感じは実香とはちょっと違う・・・ 実香はもう少し身近というか、自分寄りに感んじていると思う・・・
実果は優秀だった姉を亡くし、自分が姉ほどには両親の期待に応えられないことを知っている。だから、愛されていないと思っている。自分は万能型ではないことも知っている。決してピラミッド型の下層ではないけれど、上層に行けないことも分かっている。一番多くの人が属するであろう、ピラミッド型中層部の人達は、平凡な自分のことは自覚しているけれど、平凡だからこそ努力すれば上にいけるのではないかと夢を見る。でも、この年齢くらいから自分限界を自覚する。そのことを実果と、バレー部リベロの風助、そして野球部キャプテンで描いている。バレー部副キャプテンもかな・・・ 好きでやっているのだから少しでも上手くなりたい。でも、自分が何十回やっても出来ないことを、たった1回でサラリとやってのける人がいる。それを認めることはとっても辛い・・・ 彼と自分、彼女と自分・・・ リベロの風助は同じくリベロだった桐島が部活を辞めたことで、試合に出ることが出来た。でも、思うようなプレーはできなかった。桐島の穴を埋めることは自分にはムリだし、みんなもそう思っているに違いない。その思いが彼を苦しめる。その姿を見つめる実果の思いも痛いほど伝わる。自分もこの位置だもの(笑) でも、嫌いじゃないけどねこの位置。だって、野球部キャプテンみたいに、自分の限界はちゃんと分かっているけど、ドラフトまでは諦めないって気持ちで、勝手に努力すればいいんだもん! 本当は。
宏樹に恋するブラスバンド部の亜矢は、彼がバスケットをしている姿が見える屋上でサックスの練習をする。彼女は地味だけどかわいいし、部長として後輩の詩織に慕われてもいる。でも、彼女は自分に自信が持てない。告白する勇気はないけど、自分に気づいて欲しいとは思っている。この行動は若干イライラするけど、とっても良く分かる。でも、彼女がサックスを吹く姿を見て欲しいと思っているってことは、やっぱりそこが一番のアピールポイントだから。詩織に「一生懸命やっている先輩を好きになる男子は多いと思います」って言われるけど、そのとおりだと思う。一生懸命やる姿しか伝えられないから、一生懸命やってるんだけど、それがとっても遠回り。でも、分かる(笑) 結局、彼女は例の沙奈のキス見せつけ事件(←大袈裟(笑))で、思いを断ち切って、部長として部活に専念するわけだけど、若い頃はそういう時があってもいいと思う! 彼女と、映画部涼也との屋上の取り合いは笑えた(笑)
で、もう一人の"主人公"が映画部の涼也。華奢な体型で、スポーツは苦手、成績も普通。いわゆるピラミッド型では下層。演じているのが神木隆之介くんなので、本当はイケてなくはないんだけど、見事にイケてない(笑) 映画好きって大人になってしまえば、そんなにサブカル感もない気もするけど(←そうでもない?)、スポーツ万能であるということが、ピラミッド型社会の上層部にいることの条件である学生時代においては、映画部っていうのはものすごくサブカル。個人的にはサブカルは大好きだし、自分もサブカルな人間だと思っている。大人になってしまえば尊敬するMJのように、サブカルであることがステータスにもなる。でも、学生時代はねぇ・・・ もちろん、映画部=サブカルだから、もれなくピラミッド型下層というわけでもないけれど、少なくとも涼也と友人の武之は下層だと思われている。それは本人達も分かっている。何度か繰り返される"金曜日"のうちの彼らバージョンでは、映画コンクールでよい成績を残した彼らを讃えるため、全校集会で壇上にいるシーンがある。でも、彼らにとってはうれしいことではない。何をしてもバカにされる彼らにとって、目立つことは逆に迷惑なことだったりする・・・ もちろん、素直に彼らを讃えている生徒も多いのだけど、バカにされることの方がどうしても拾いやすい。拾わなきゃいいじゃんとも思うし、何卑屈になっているのかと言われればそうだけど、この気持ちもよく分かる。涼也には撮りたい映画がある。親友の武之や部員達も賛同している。覇気はないけど・・・(笑) でも、顧問は自ら書いた脚本を使うと主張する。今回のコンクールで認められたのも自分の脚本ではないかと・・・ゾンビは学生にそぐわないテーマかもしれないけれど、まずは生徒のやりたいことをやらせて、彼らが軌道から外れるようであれば、正してやるのが理想だと思うけれど、この顧問は実は自分の夢をかなえようとしちゃってる。まぁ、無意識にしていることだと思うし、気持ちは分からなくもないけれど・・・ で、そんな涼也は武之の励ましもあって、ゾンビ映画を撮ることを決意する。天気も時間帯も絶好のロケ日和なのに、屋上では亜矢がサックスを吹いている。おどおどと卑屈な態度なのに、自己主張の激しい涼也に、本当の理由は言えないけれど、引き下がりたくない亜矢。ここは2人のやりとりに若干イライラしつつ、おもしろかった(笑) 卑屈な態度なのに自己主張が激しいって言い方はどうかと思うけれど、当時そう感じていたことは事実で、彼らは彼らなりに秘めた思いがあって、バカにされていることを感じていたし、それに対して怒りも感じていることは武之の発言でよく分かる。考えてみれば当たり前だけど、狭い視野ではそういうことに気づかない・・・ こういうことがいじめを生むんだなと思った。そして、これは伏線。
さて、運命の火曜日! って、そんなに大袈裟なものではないけど、でも彼らにとっては重大。金曜日以降、学校に姿を現さない桐島。彼女の梨紗も、親友の宏樹も連絡が取れない。少なくとも彼の身近にいた子達は、桐島を心配する気持ちはもちろん、彼にとって"自分"はどういう存在なのか気がかりでキリキリしている。そんな中、屋上にいる桐島を見たという情報が! それぞれの思いが一気に屋上に向かう! でも、そこに居たのは桐島とは対極の映画部たち・・・ 吐き出し場所を失った彼らの感情は、映画部へ向かう。バレー部副キャプテンは彼らが作った隕石を蹴る。この隕石作りのエピソードは好きだった。後輩が作ってきた隕石の色が気に入らない武之、後輩の気持ちを気遣って強く直せとはいえない涼也は、ヒモを取り付けてくれれば大丈夫みたいなことを言う。何でそれで大丈夫なの?(笑)と思ったけど、それで丸くおさまってる感じがおもしろかった。話がそれたけど、たしかに副キャプテンが蹴った隕石はゴミにしか見えないけれど、映画部にとっては大切なモノ! たかが小道具だろうと言うのであれば、ボールを潰されたらどう思うのか?
で、とうとう涼也がキレる。そして彼はカメラを回す! こだわりの8mmのファインダーを通して見えた映像が素晴らしい! 分かる分かる!! これは映画好きなら絶対好きだよ! 彼にとって映画とは何なのかがとってもよく分かる。単純にストレス発散とも違うし、現実逃避でもない。上手く説明できないけれど、何かに夢中になったことある人なら絶対分かる。この映像はその質感ともに好きだった! 実際との対比も好き。涼也にはそう見えてるってことよりも、それが撮りたいんだっていうのが伝わってくる。ここは是非、大画面で見て欲しい!
大乱闘の末、乱入者たちは潮が引いたように去って行く。でも、胸に何かがよぎった人がいる。ずっと感情を出さないようにしていたかすみは、涼也たちをバカにする沙奈を平手打ちする。その後、自分でもビックリという感じで謝っていたけれど、ここはちょっとスッキリ(笑) そして宏樹。乱闘で涼也の8mmは壊れてしまうけれど、その部品を持って戻ってくる。「夢は映画監督?」宏樹にとっては何気ない言葉だったかもしれない。キッカケみたいな・・・ でも、涼也の意外な答えに驚く。このシーンも好き。何に対しても熱くなれずにいた宏樹。自分の限界を知りながらも、好きなことに熱中している涼也や、キャプテンの姿から何かを感じている。このシーンは良かったなぁ。誰かの何気ない一言で自分の中に光が射すことってある。自分は歌詞だった。仕事と人間関係に苦しんでいた時、ある歌詞を口ずさんだ瞬間、閉じてた目が開いたように目の前が急に明るくなった。何だ簡単なことじゃないかと思えた。もちろん、それはずっと悩んでいたからこそ訪れる瞬間なんだけど・・・ 宏樹があの時感じた思いは、自分のそれとは違うかもしれないけれど、あのラストからすると、そう遠くもない気もする。
主要なキャストはみんな良かったと思う。時々一本調子になったとしても、それが登場人物たちの若さゆえの不器用さに感じられたりもする。既にかなり長文になっているし、一人一人批評するのもヤボな気がするので、特に良かった人達のお名前だけご紹介。涼也の神木隆之介くん、かすみの橋本愛ちゃん、沢島の大後寿々花ちゃんはやっぱり上手かった。野球部キャプテンの高橋周平くんも、少ない出番ながら印象を残したし、武之の前野朋哉くんもよかった。ちょっと蛭子能収似(笑)
よく考えると桐島くんが部活を辞めただけの話。それをきっかけとして、ここまで見せるのはスゴイ! って、やっぱりスゴイと思ってたね(笑)
彼らと同じ世代よりも、同じような青春を過ごした大人の方がグッとくるかも? 映画好きの方、是非!

・・・
『愛のメモリー』 鑑賞
・・・
録画しといた『愛のメモリー』見た。しげる松崎でなはく、ブライアン・デ・パルマの古い映画。もう最初から犯人も、彼女の正体も分かってしまうけど、面白かった。『レベッカ』『めまい』など、ヒッチコック映画のオマージュもおもしろい♪ しかし警部あんな作戦じゃダメでしょw #eiga Posted at 06:04 PM

以前TUTAYAで見かけて気になってた。WOWOWで放送してたので録画して忘れてた(笑) HDDがいっぱいになっちゃったので鑑賞。共同経営している不動産業で成功している主人公は、妻子を誘拐、殺害されてしまう。失意の彼は16年後、フィレンツェで妻に瓜二つの女性と出会い、恋に落ちるが・・・という話。サスペンス映画だけど、今見るとやっぱり粗い・・・ あらすじは知っていたので、冒頭のパーティーの場面で、真犯人は分かってしまったし、フィレンツェで登場した時から、彼女の正体も分かってしまった。自慢じゃなくて、サスペンス好きなら絶対分かると思う。だってそれしかないし(笑)
愛する妻子を目の前で殺されてしまえば、ショックからなかなか立ち直れないのは分かるけれど、いくら生き写しだからといって、妻に似ているというだけで夢中になってしまう感じは、正直ちょっと気持ち悪い(笑) でも、もちろんそれも伏線だし、その辺りの感じを見せたいんだと思う。
デ・パルマはヒッチコック好きだったと思うけれど、ヒッチコック映画のオマージュがたくさん見れる。フィレンツェからやってきた彼女が、前妻の影を気にする感じとか、開かずの間などは『レベッカ』だし、目の前で亡くした愛する女性と生き写しの女性に翻弄される感じは『めまい』。他にもあると思う。その辺りを見るのもおもしろい。
2役を演じたジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドがキュートで美しく、演技も素晴らしかった
http://twitter.com/maru_a_gogo


録画しといた『愛のメモリー』見た。しげる松崎でなはく、ブライアン・デ・パルマの古い映画。もう最初から犯人も、彼女の正体も分かってしまうけど、面白かった。『レベッカ』『めまい』など、ヒッチコック映画のオマージュもおもしろい♪ しかし警部あんな作戦じゃダメでしょw #eiga Posted at 06:04 PM

以前TUTAYAで見かけて気になってた。WOWOWで放送してたので録画して忘れてた(笑) HDDがいっぱいになっちゃったので鑑賞。共同経営している不動産業で成功している主人公は、妻子を誘拐、殺害されてしまう。失意の彼は16年後、フィレンツェで妻に瓜二つの女性と出会い、恋に落ちるが・・・という話。サスペンス映画だけど、今見るとやっぱり粗い・・・ あらすじは知っていたので、冒頭のパーティーの場面で、真犯人は分かってしまったし、フィレンツェで登場した時から、彼女の正体も分かってしまった。自慢じゃなくて、サスペンス好きなら絶対分かると思う。だってそれしかないし(笑)
愛する妻子を目の前で殺されてしまえば、ショックからなかなか立ち直れないのは分かるけれど、いくら生き写しだからといって、妻に似ているというだけで夢中になってしまう感じは、正直ちょっと気持ち悪い(笑) でも、もちろんそれも伏線だし、その辺りの感じを見せたいんだと思う。
デ・パルマはヒッチコック好きだったと思うけれど、ヒッチコック映画のオマージュがたくさん見れる。フィレンツェからやってきた彼女が、前妻の影を気にする感じとか、開かずの間などは『レベッカ』だし、目の前で亡くした愛する女性と生き写しの女性に翻弄される感じは『めまい』。他にもあると思う。その辺りを見るのもおもしろい。
2役を演じたジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドがキュートで美しく、演技も素晴らしかった

