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【art】「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」@東京都美術館

2019-03-31 00:02:31 | art

🎨【art】「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」@東京都美術館🎨

 

 

 

気になってた美術展。若冲作品とか結構見てるしどうしようかなと思っていたけど、先日放送のぶらぶら美術博物館(記事はコチラ)を見て背中を押されたので、早速見に行ってきた!

 

ぶらぶら美術博物館鑑賞記事にいろいろ詳しく描いたので、ここではサラリと触れるだけにしておくけれど、今展は1970年に刊行された辻惟雄著『奇想の系譜』に登場する、岩佐又兵衛(Wikipedia)、狩野山雪(Wikipedia)、伊藤若冲(Wikipedia)、蘇我蕭白(Wikipedia)、長沢蘆雪(Wikipedia)、歌川国芳(Wikipedia)の6人だけど、ここに白隠慧鶴(Wikipedia)と鈴木其一(Wikipedia)を加えた8人を紹介する企画展。

 

いつものように感想をTweetしておいたので、それに追記する形で記事にしておく😌

 

 

 

伊藤若冲:幻想の博物誌

 

伊藤若冲「象と鯨図屏風」

 

この作品は以前見たことあるけど、やっぱりスゴイ。若冲は本物の象を見たことあったんだっけ? 尻尾の感じも違うと思うし、牙の生えっぷりもよく分からないし、耳がゆで卵の断面みたいになっちゃってる😅 波もコロネみたい。でも、この迫力はスゴイ。鯨の全体を描かず潮吹きだけ見せるの構図もいい。象の表情も好き。

 

伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」

 

今回のお目当て。若冲作品新発見とあれば見なきゃね。晩年に鶏を描いた作品は見たことあるけど、何枚見てもやっぱりすごいなと思う。ぶらぶら美術博物館で山下裕二先生がサラサラ描いているとおっしゃっていて、たしか尾羽などは筆の勢いで描いた感じだけれど、トサカにはしっかりとツブツブが描かれているので、決して手を抜いているわけではない。とにかく全ての鶏たちの姿が良い。若冲ここに極まれりという感じ。

 

蘇我蕭白:醒めたグロテスク

 

 

蘇我蕭白「群仙図屏風」

 

蘇我蕭白はスゴイと思うけどちょっと苦手😣 やっぱりちょっとグロテスク。この絵も女性たちの目がヤバイ💦 狂気。それは激しさのある狂気ではなくて、静かな狂気。恍惚とした表情。子どもたちも全くかわいくない。好きではないけど、この色彩と力強さはスゴイと思う。

 

蘇我蕭白「群仙図屏風」

 

超有名な上の作品と同じタイトル。この作品は好きだった。左の腕を伸ばしている男性の迫力はすごかった。そして鯉のデッサンがちゃんとしていることにビックリ。きちんとした技術があってこそのデフォルメなんだなと思った。

 

長沢蘆雪:京のエンターテイナー

 

長沢蘆雪「群猿図襖」

 

今回一番良かったのが長沢蘆雪。蘆雪の作品の中では「虎図襖」が大好きだけど、自分の中でそんなに注目の絵師ではなかった。でも円山応挙の弟子らしい正統派な画風と、大胆な構図のバランスが素晴らしく、とっても品がいいのにユーモアもある。


この「群猿図襖」は、まず猿たちがかわいい。墨の線で描かれた表情が本当に豊か。毛のホヤホヤ感や体のラインなどもよく観察されているし、真ん中に丘?を配している構図もいい。部屋でこの襖を見たら猿山にいる気持ちになると思う。

 

長沢蘆雪「白象黒牛図屏風」

 

黒と白、大と小を意識して描かれているとのことで、大きな象と牛、小さな鳥と犬が描かれており、それぞれ白象には黒い鳥で黒牛には白い子犬が描かれている。この対比もいいし、はみ出す勢いで描かれた黒牛と白象は迫力がありながらも穏やかな表情。そして犬がカワイイ。こちらまで穏やかな気持ちになる。

 

長沢蘆雪「降雪狗児図」

 

これかわいかった! 子犬のやわらかさや温かさが伝わって来るような作品。毛がホワホワしてて、白い犬は口が笑っちゃってるみたい。今見ても全然古くない。普通にこの子たちがプリントされてるTシャツ来てても古くない感じ。ホッコリ🐶

 

長沢蘆雪「旭日大亀図」

 

そして、ビックリしたのはこの作品。絵手紙とかみたいな大胆な構図。微笑んでいるかのような亀のコミカルさ🐢 ササッと描いているようで、なかなか出せない迫力。これとっても好き。

 

岩佐又兵衛:執念のドラマ

 

岩佐又兵衛「浄瑠璃物語絵巻」(部分)

 

岩佐又兵衛といえばの「洛中洛外図(舟木本)」も展示されていたようだけれど、残念ながら前期展示。まぁ見たことあるのでOK。そして「山中常盤物語絵巻 第四巻」は今回の目玉的な作品だと思うけれど、残念ながらこちらも前期展示。これは見たかった😫 代わりの「山中常盤物語絵巻 第五巻」も良かったのだけど、個人的に感動したのは「浄瑠璃物語絵巻」

 

「浄瑠璃物語絵巻」は牛若丸と三河矢矧の長者の娘との恋物語を描いた作品だそう。まず保存状態がとてもいい。金がふんだんに使われており、色彩が鮮やか。着物の柄など細かい。顎が大きな又兵衛顔も控えめ。上の画像のシーンは艶めかしい。これは素晴らしい!

 

狩野山雪:狩野派きっての知性派

 

狩野山雪「龍虎図屏風」

 

狩野山雪といえばの「梅花遊禽図襖」も梅の枝の曲がりくねりぶりが尋常ではなかったけれど、個人的にそんなに響くものはなかったかな。それよりもこの虎のどこか変な感じが気になった。尻尾がヒョウ柄なのも気がかりだし、体のバランスも変な感じだし、前足キッチリ揃えてるのも気になる。

 

白隠慧鶴:奇想の起爆剤

 

白隠慧鶴 「達磨図」

 

これは以前も見たことあるのだけど、まず大きさにビックリする。本当に大きい。他の絵師たちと比べれば筆の線などもボヨボヨしていて決して上手いわけではない。でもとっても味がある。これはなかなか出せる味ではない。

 

 白隠慧鶴 「蛤蜊観音図」

 

蛤蜊観音と書いて"こうりかんのん"と読むのだそう。蛤蜊観音は唐の文宗皇帝が蛤を食べようとしたけれど殻が明かず、祈祷をしたところ中から観音様が現れたという言い伝えから生まれた観音様だそう。下に描かれているのは蛤なのね? モワッと現れてたところ。人々が頭にタコとか乗せてるのは何故なのか分からないけど、この観音様の表情も良いし、人々がユーモラスでホッコリ。

 

鈴木其一:江戸琳派の鬼才

 

鈴木其一「百鳥百獣図」

 

思っていたより大きな作品だった。確かにこれは若冲の影響があると思う。ぶらぶら美術博物館で山下先生と山田五郎氏が話してた鶏とガチョウに注目してみたけど、たしかに若冲の「動植綵絵」にこのガチョウいたような気がする! これはなかなか興味深い作品だった。

 

鈴木其一「朴に尾長鳥図」

 

これは以前も見たことあるけど、この花と葉の感じと構図がすごく好き。朴というのはモクレン科の落葉高樹だそうで、木蓮っぽいと思ったのは当たってたのね。木蓮大好きなこともあり、これは本当に好きだった。 

 

歌川国芳:幕末浮世絵七変化

 

歌川国芳「其のまゝ地口猫飼好五十三疋」

 

国芳は猫好きとしても有名だそうだけれど、この作品も有名。これは猫好きとしてはたまらない。じっくり見たかったけど、混んでいたし閉館時間も迫っていたのが残念😣 猫たち動きをこれだけ的確に描いているのは、普段から猫を観察している証拠。さすがの猫好き。そして地の色をピンクにしているのも好き。これはポストカード購入してきた。

 

歌川国芳「火消千組の図」

 

思っていたより大きかった。町火消千組が成田山新勝寺に奉納したということだし、板に描かれていたので絵馬なのかな? この群衆の勢いすごいし、纏の躍動感がスゴイし、なにより皆カッコイイ! 中央で背中を向けているのは親分かな? この背中が素敵😍

 

 

東京都美術館は3階建構造になっていて、地下から2階まで上がっていく順路。2階には物販コーナーがあるので、その分展示スペースも少なくなっている。正直「生誕300年記念 若冲展」(感想はコチラ)の時には導線が悪いなと思ったけれど、今回はとてもよく考えられていたと思う。それぞれの絵師ごとにゾーンが作られていて、それぞれキャッチコピー的なものが添えられていたのも良かった。

 

入替展示なので、前期後期両方行けばよかったと後悔するくらい充実の展示。とにかく、この8人の作品が一堂に会する機会はもうないかもしれない。これは是非見た方がいい! 美術展見る度に書いてるけれど、見れる機会があるなら本物を見るべき!

 

 

お土産はポストカードたち。若冲の「鶏図押絵貼屏風」欲しかったんのだけど、30cmくらいあって断念。大き過ぎだわ💦

 

🎨奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド:2019年2月9日~4月7日 @東京都美術館

【公式】奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

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【cinema】『女王陛下のお気に入り』

2019-03-29 00:39:22 | cinema

2019.03.02 『女王陛下のお気に入り』鑑賞@TOHOシネマズ市川コルトン

 

試写会ってあったっけ? あったけどダメな日だったかもしれない。見たいと思ってムビチケ買ってあった。アカデミー賞主演女優賞受賞のニュースで母親も見たいと言うので一緒に見に行ってきた~

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「18世紀初頭。没落した貴族の娘アビゲイルは、女王の側近として権勢を振るうサラを頼って宮殿にやって来る。最初は下働きの女中として真面目に働くが、女王の痛風に利く薬草を手に入れたことによりサラ付に取り立てられる。そこからアビゲイルの野望が燃え上がり・・・」というあらすじだとアビゲイルが主役のようだけれど、アカデミー賞主演女優賞はアン女王であるオリヴィア・コールマンだったし、サラのレイチェル・ワイズと共にアビゲイルのエマ・ストーンも助演女優賞にノミネートされていたから、主役ではないということなのかな?🤔 とはいえ、これは主役3人という作りなんだと思う。アン女王とサラの間には単なる側近というだけではない絶対の信頼感があったわけで、それに波風を立てたのはアビゲイルなので、あらすじとしてはこんな書き方になるかと。そして前置きが長いけどこれはおもしろかった。

 

ヨルゴス・ランティモス監督作品。監督の作品は『籠の中の少女』『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・セクリット・ディア』(感想はコチラ)を見た。どちらも不思議な雰囲気の作品で、特に『ロブスター』はトンデモ設定。手放しで好きという感じではないけれど、嫌いではなかった。そういう感じ。今作も相変わらず不穏な感じだけど、監督作品の中では一番ストーリーがあったかも。まぁ、実話ベースですしね😌

 

作品について毎度のWikipediaから引用。『女王陛下のお気に入り』(じょおうへいかのおきにいり、The Favourite)は2018年のアイルランド・アメリカ合衆国・イギリス合作の歴史コメディ映画。監督はヨルゴス・ランティモス、主演はオリヴィア・コールマンが務めた。共演はエマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルトら。18世紀初頭のイングランドを舞台にアン女王の寵愛を奪い合う女性2人のしたたかな攻防を描いた宮廷ドラマである。第91回アカデミー賞では『ROMA/ローマ』と並び最多9部門10ノミネートを獲得し、コールマンが主演女優賞を受賞している。

 

史実及び実在人物を題材としているが、衣装には現代的な要素(デニム、モノトーン配色)等が取り入れられている。 史実ではアビゲイル・メイシャムが宮廷に上がったのが1702年頃であり、1709年のマルプラケの戦いでの損害から、1710年にマールバラ公爵ジョンとサラ夫妻が女王の信頼を損ね、ゴドルフィン首相が更迭されるまで8年余りを要している。 しかし、作中では、実在の出来事が登場するものの時間軸に触れられることはほぼ無い。またこの間、1708年に逝去したアン女王の夫ジョージ王配も登場せず、1707年の国号変更や、フランス王国等との北米大陸における戦争にも触れられていない。 当時の英国では、大蔵卿(Lord High Treasurer)が閣僚の首席(首相に相当)であった。その俗称である「首相」(Prime Minister)が使用されるのは19世紀初頭以降で、正式な官職となるのは20世紀である。しかし、作中では、「Prime Minister」の語が用いられ、その日本語字幕は「大蔵卿」となっていた。

 

2015年9月、ヨルゴス・ランティモスが本作の監督に起用され、オリヴィア・コールマンとエマ・ストーン、ケイト・ウィンスレットに出演オファーが出ていると報じられた。10月、ウィンスレットの代わりにレイチェル・ワイズが起用されることになったとの報道があった。ワイズは本作をコメディ映画と規定した上で「『イヴの総て』より愉快で、性的衝動に突き動かされている作品」と評した。なお、コールマンとワイズがランティモス監督の作品に出演するのは『ロブスター』以来2回目のことである。 2017年2月、ニコラス・ホルトがキャスト入りした。当初、本作の主要撮影は2016年春に始まる予定だったが、ランティモス監督のスケジュールの都合で1年ずれ込むことになった。本作の主要撮影は2017年3月にハートフォードシャーで始まり、同年5月に終了した。

 

2018年11月23日、本作は全米4館で限定公開され、公開初週末に42万2410ドル(1館当たり10万5603ドル)を稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場19位となった。本作は2018年全米公開作品の中で、1館当たりの興行収入が10万ドルを超えた初めての作品となった。 本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには96件のレビューがあり、批評家支持率は95%、平均点は10点満点で8.6点となっている。また、Metacriticには30件のレビューがあり、加重平均値は92/100となっている。 第91回アカデミー賞では作品賞をはじめとした8部門にノミネートされたが、オリヴィア・コールマンの主演女優賞のみの受賞となっている。

 

一応実話ベースだけれど、Wikipeidaにも相違点が書かれているので、ちょこちょこ設定変更していると思われる。でも、ざっと読んだ感じだとほぼほぼ忠実なのかな? とはいえ、そこはヨルゴス・ランティモス。いわゆるコスチュームプレイとは一線を画し、登場人物たちがFワードを連発したりする。当時の世情や文化などに詳しくないので、全て実在の人物なのかも分からないし、本当にあったことなのかも不明。監督の作品の中ではかなりストーリーがある方だけれど、やっぱりシーンごとの印象が強く、それらをツラツラ書いたからといって、レビューとして面白いかは分からない。また、その都度何が起きているか理解が追いつかない部分もあったり、見てから時間が経ってしまって忘れている部分もあったり。なので、全てのシーンを書けるわけではないし、順番も間違っているかも。さらに、今作は「1.ここの土は臭い」などの文言が入り、各章に分かれているようだけれど、覚えていないので章については割愛。毎度、どうでもいいと思うけれど断り書きとして書いておく😌

 

冒頭は乗合馬車の真ん中で窮屈そうなアビゲイル(エマ・ストーン)の姿から始まる。向かいのキモイ男がアビゲイルに意味ありげな視線を送ってくる。後にこの男はアビゲイルを見て自慰行為をし、さらに彼女が馬車から降りる際にお尻を触り、結果アビゲイルは地面に落ちてしまう。案内してくれた下女から皆が地面に小便をするからだと言われる😱 アビゲイルはアン女王(オリヴィア・コールマン)の側近であるマールバラ公爵夫人サラ(レイチェル・ワイズ)の縁故を頼って宮殿にやって来たのだった。後に父親の借金が原因でドイツ人と結婚した?愛人になった?と言っていたけど、実際のアビゲイルは幼い頃から宮殿に仕えていたそうなので、これは創作かな? 彼女を案内した下女は意地悪で、汚れた服を着替えるようにと部屋に通すけれど、そこにはサラがいて、汚い姿のままで会うことになる。これで心証を悪くしたのか、そもそもそういうものなのかは不明だけれど、アビゲイルは下女として働くことになる。

 

この意地悪な下女はさらに意地悪をして、食事中のアビゲイルに床を磨くように言いつけ、床磨き用の洗剤は素手で使うと手が痛むことをわざと教えない。この役この2つの場面しか出てこないから重要な役ではないし、女優さんの名前も分からないのだけど、こういう役にありがちな太っていて美しくない方が演じてる。どうして意地悪はブスと決めつけてるんだろう? 意地悪な美女もいるのに。と、ちょっと思ってしまったり😒 まぁでも、この後レイチェル・ワイズ×エマ・ストーンの美女対決があるから、美女だらけでクドイか😅

 

えーと。何の用事で行ったか忘れたけれど、ある夜アビゲイルが女王の部屋に行くと、女王は痛風で苦しんでおりサラが介抱していた。サラは生肉を持ってくるように言いつけ、肉を女王の脚に巻きつける。痛風の痛みがどんなものなのか不明だけど、生肉を巻いているということは冷やしているのかな? 生肉で治療できるとは思えない。この出来事がアビゲイルの運命を変える。アビゲイルには痛風に利く薬草に心当たりがあった。さっそく宮殿を抜け出し、勝手に馬を駆って森に入り薬草を摘む。この時、ある男性に会うのだけど、これが後に夫になるサミュエル・マシャム大佐(ジョー・アルウィン)だったよね?

 

アビゲイルは薬草をペースト状にして女王の部屋に向かう。当然、アビゲイルの身分では女王の部屋に入ることは出来ない。でも、アビゲイルは守衛を騙して中に入り込んでしまう。そして、女王の脚に薬草を塗りつける。サラに見つかり追い出され、鞭打ちの罰を受けることになってしまうが、後に女王が足の痛みがなくなったという言葉を聞き、サラはアビゲイルを女官にして自分の身近に置く。下女に意地悪されていることを話すと個室も与えられる。そしてアビゲイルは自室で高笑いをする。事前にアビゲイルとサラが対決することは知っていたので、画面に現れたアビゲイルの身分が低かったことから、成り上がっていくのだろうとは思ってはいた。ただ、最初から野心家だったのか、それとも途中から野心を持ったのか謎だった。自分が見た限りでは後者なのかなと思った。

 

で、どこからどこまでだったか忘れてしまったけれど、この一連の流れの間中ポーンポーンと定期的に鳴るちょっと神経に触る音が続く。魚眼レンズを使って廊下を歩く姿などを映す映像もあいまって、とても不安をあおられる。そういう感じは監督の他の作品にもあったけれど、今作でも効果的に使われている。

 

この当時、イングランドはフランスと戦争中だったようで、サラは戦争推進派で戦争終結を画策するウィリアム・ハーレー(ニコラス・ホルト)と対立している。不勉強で時代背景的なことがよく分からなかったし、当時のイギリス議会がどういう感じだったのかもよく分からない。この政治的対立も話を進めるカギの1つとなっているし、政治映画的要素もあるものの、主題としては3人の女性の愛憎劇という感じなので、この辺りは深く掘り下げないでおく😌 ただし、このハーレーは重要人物ではある。

 

宮殿では舞踏会が催される。痛風の女王が車いすで見守る中、マシャム大佐と激しく踊るサラ。この時の音楽ってなんだったっけ? とにかく、18世紀初頭の宮廷舞踏会でかかる音楽じゃなかったような。そして2人のダンスも結構前衛的。今作では結構こういうあえて時代考証を外したような演出がある。だんだん興が乗って滑稽な感じになってくる2人。ちょっとクスッと思っていると、すっかり蚊帳の外になってしまった女王が機嫌を損ねて退出してしまう。まぁ、痛風だから踊れないのは仕方がないとして、サラを独占されている嫉妬もあるのでしょう。

 

サラは慌てて追いかけてくる。この時、蔵書を読む許可を得ていたアビゲイルが忍んで本を読んでいたことに気づかない。サラは女王をなだめるために淫らな行為に及ぶ。どうやら女王がサラを寵愛している秘密はここにあるらしい。アビゲイルはそっと2人に見つからないように抜け出す。実際の2人もそういう関係だったのかは不明だけど、これはとっても淫靡でなかなか良い。

 

一方、ハーレーがアビゲイルに近づき、女王とサラの会話などを教えるように言う。要するにスパイになれということ。アビゲイルはこれを拒否。女王やサラへの忠誠というよりも、自分の損得を考えたように思われる。するとハーレーはアビゲイルを突き飛ばし、彼女は土手のようなところから転げ落ちてしまう。こりゃヒドイ😅 この辺りもヨルゴス・ランティモス調ではあるけれど。

 

アビゲイルとサラは鴨撃ちをする。合図をして鴨を空に放ち、それをライフルで撃つ。楽しみで鳥を撃つなよと思うけれど😔 上流家庭の出身ながらアビゲイルはそういう嗜みはなかったようで、最初は上手くできないし、鴨を撃つのも気が引けている様子。そんな中、アビゲイルはサラにハーレーからスパイになるように持ち掛けられたこと、サラと女王の関係を知っていることを話す。するとサラはアビゲイルに向けて空砲を撃つ。今度は、うっかり弾を込めてしまうかもしれないと言いながら。要するに威嚇したわけだけど、実は後に2人が鴨撃ちをするシーンがもう一度出てくる。その際は、逆にアビゲイルがサラを威嚇する。予告編でサラの顔に鴨の血がかかっているシーンがそれ。この対比はアビゲイルが宮廷のアレコレに慣れたことを表しつつ、2人の立場が逆転したことを表していてニヤリだった😀

 

サラはますます宮廷での権力を強め多忙になっていく。そのため女王のそばにはアビゲイルが控えるようになる。女王はサラのことを少々疎ましく思ってもいて、アビゲイルの気づかいに癒されていく。女王はウサギを17匹飼っているけれど、サラはそのことをよく思っていない。アビゲイルがウサギをかわいがると、女王はある告白をする。女王は子供を17人亡くしていたのだった。死産だったり流産だったり。ウサギはその子供たちの身代わりだというのだった。これは女性として辛い。しかも17人とは😣 実際のアン女王も17人のお子さんを亡くしたのだそう。世継ぎを生むために妊娠を強要された部分もあるのかな? これでは精神を病んでも仕方がない。

 

アビゲイルは同情を寄せ、ますます女王の心をつかむ。この時のアビゲイルは演技した部分もあると思うけれど、やっぱり同情はしたのじゃないかと思う。でも、後にウサギに対してビックリ行動をするので本心はどうだったのか? 巧みに心をつかんだアビゲイルは、ある日女王の足を揉みつつ女王と関係を結ぶ。女王を訪ねたサラはアビゲイルが女王のベッドに裸で寝ているのを発見し驚愕する。まぁ、サラと女王のつながりがそこにある以上、アビゲイルとしてもそういう関係に持ち込むことは女王の寵愛を得る最大の近道ではある。宮廷劇では男女の色仕掛けはよく見かけるけれど、LGBT要素を入れているのは現代的といえるのかな。もしくは史実なのか?🤔

 

翌日出し抜かれたサラはアビゲイルに怒りをぶつけ、本を投げつける。アビゲイルはその本で自分の手を打ち付けて、サラに傷つけられたことを女王に進言する。サラは女王にアビゲイルを追い出すように言うけれど、女王はアビゲイルを自分付きに取り立てていた。追い落とされて行くサラをかわいそうに感じる部分もあるけれど、それまでのサラの権勢を見るとなんとなく同情しきれない。かといってアビゲイルのやり方の強引さに、応援する気にもなれない。決していい気分ではないのに、目が離せない。やっぱりこういうドロドロは傍観者として見ているのが一番楽しいのかも。

 

サラとアビゲイルの権力争いが続く。ある日、アビゲイルはサラの紅茶に毒を盛る。これ! 読売新聞夕刊のファッション関連ページのコラムによると、この当時スカートをまくってアンダースカートを見せるスタイルが流行していたのだそう。上手く言えないのだけど、昔の飛脚とかが着物の裾をはしょるみたいな感じで、スカートを真ん中で割って、裾をまくり腰のあたりでひだを持たせて止めてある感じ。前から見ると、両脇にドレープがあるような形で、その中が大きなポケットのような感じになる。アビゲイルはそこに毒を隠している。さりげなく当時の流行を利用しているのおもしろい。

 

毒は直ぐには効かないようで、サラは普通に帰って行く。馬で森を走っている時に毒が回ったらしく、落馬してしまう。これで死んでしまうのかと思ったら、サラは助けられる。とはいえ、しばらくの間昏睡状態となる。サラが行方不明の間、女王はサラが自分の気を引こうとしているのだろうと考えて、あえて捜索をしなかった。アビゲイルはその間に、女王からマシャム大佐との結婚の許可をもらう。しかし、新婚初夜にも体は許さないという愛のない結婚。アビゲイルにとっては結婚も地位を得る糧に過ぎないということ。おそろしや😱

 

一方、サラが助けられたのは娼館で、そこで働かされそうになる。この展開がよく分からなかったのだけど、とにかくサラは無事に宮廷に帰って来る。顔に傷を負っていたから無事というわけではないか。この顔に黒い包帯?を巻いてるのちょっとカッコ良かった😳 サラはアビゲイル追放を女王に迫り、さらに女王から自らに宛てた恋文を公開すると脅しをかける。しかし、それがさらに女王の心が離れることになる。それはそうでしょうね😅

 

女王は議会で演説し、戦争を終結することを宣言する。さらにハーレーを新首相とすることに決定。そして、サラから私室のカギを没収し彼女を宮廷から追放する。サラは扉越しに恋文は捨てたと告げるが、女王は扉を開くことはなかった。いくら追いつめられていたからと言って、脅迫するようなことをされたら信じられないよね😅 サラは賢くて強い人なので、順調に行っているときはいいんだけど、下手に出るということができないらしい。これだけ女王を傷つけてしまうと、どういえば良かったのか分からないけれど。さらにアビゲイルを落とす発言をしてしまうのは逆効果なのは間違いない。

 

フランスとの戦争の指揮を執っていたサラの夫マールバラ公爵の責任問題も絡み、サラの立場はますます悪くなる。元首相のゴドルフィン(ジェームズ・スミス)の勧めでサラは女王に和解の手紙を書こうとするが思いが募り過ぎて上手く書けない。一方で女王はサラからの連絡を待っていた。このあたり女性の心理がよく表されていると思う。素直になれないというか、変な駆け引きをしてしまうんだよね。口ではこう言ってるけど真意をくみ取って欲しいというような。男性相手だとなかなか通用しないこの手口。女性同士だとどうなのだろう。サラはむしろ男性的だったのかもしれないと思ったりもする🤔

 

サラは結局手紙を出すのだけど、アビゲイルが手を回して握りつぶしてしまう。社会通念的にやってはいけないことだし、アビゲイルの性格が悪いことを置いておいても、この辺りを想定していないサラも脇が甘いと思う。結局、サラの思いが女王に届くことはなく、失意のまま女王はアビゲイルの進言通りマールバラ公爵夫妻を国外追放にする。屋敷にやってきた兵隊たちを窓から見て、イングランドにはうんざりだからフランスへ行きましょう的な発言をするサラの毅然とした態度が印象的。サラも手放しで良い人とはいえないけれど、実質宮廷を回していたのだからやっぱりスゴイ人だったのでしょう。このセリフを負け惜しみと取るか、潔いと取るかは人それぞれだと思うけれど、自分としては前者もややありつつ後者に受け取った。やり切ったというような。このレイチェル・ワイズは見事

 

この一件で女王は一気に老け込んでしまう。顔の半分がマヒしたような状態に。実質サラの後釜として頂点に上り詰めたアビゲイルは、女王に対しての態度も適当なものになっていく。あんなにかわいがっていたウサギを踏みつけたりする。酷いぞ! ウサギに罪はないじゃないか!(*`д´) その姿を見て女王は自らの失敗を悟る。それでも、女王はアビゲイルに足を揉ませる。アビゲイルの手は上の方に伸びていく、女王の表情はうつろ。自らの過ちを悟っても、それでも一人ではいられないということ。このオリヴィア・コールマンの表情が素晴らしい

 

実際がどうだったのかは不明だけど、マールバラ公爵夫妻が失脚したこと、サラの代わりにアビゲイルが女王のお気に入りになったことは事実なのよねきっと🤔 実際のサラやアビゲイルがどういう人だったのか不明だけど、今作を見る限りでは少なくともサラはイングランドのことを考えて政治を行っていたと思う。ハーレーたちと相容れないその政策が正しかったのかは別として。でも、アビゲイルの目的は政治ではなく、自分の地位が欲しかっただけ。そういう意味で本当に必要だったのはサラということになる。女王は自分の愛憎でイングランドにとっても、自分にとっても大切な人物を失ったということなのでしょう。とても興味深い。

 

キャストはみな良かった。ハーレー役のニコラス・ホルトは出てるの忘れててビックリ😲 化粧をしているので顔が白塗り状態で、巻き毛の長髪のヅラを被っているので誰だかよく分からない😅 でも、嫌なヤツを演じていてもチャーミング。サラの夫マールバラ公役でマーク・ゲイティスが出てて驚いた。とはいえ、これはホントにチョイ役。

 

とにかく女優3人の競演がスゴイ! アビゲイル役のエマ・ストーンはアカデミー主演女優賞貰った『ラ・ラ・ランド』(感想はコチラ)より良かったと思う。最初は真面目な感じだったのに、どんどん野心むき出しになっていき、最後は本当に嫌な人になってしまう。物語はアビゲイルがのし上がる過程と共に進行するので、ストーリーを牽引する部分でも魅力的だったと思う。

 

サラのレイチェル・ワイズが良かった。最初は宮廷を牛耳っていて鼻もちならないと思っていた。アビゲイルのことも見下して鼻にもかけない感じも不愉快で、だんだん形勢が逆転してくると、ちょっと胸のすく感じすらしていた。でも、完全に失脚してからは女王に対する思いが伝わったし、この人こそ国のことを本気で考えていたのではないかと思わせた。最後のセリフは見事

 

そしてアカデミー主演女優賞を獲得したオリヴィア・コールマンがスゴイ! 今作では描かれていないけれど、アン女王はどうやら貧乏くじを引く形で女王になったらしく、分不相応だったらしい。資質も知性もないのに女王にされて、17回も妊娠して死産や流産を繰り返した。それは悲劇以外のなにものでもない。それでも立派な女王になるチャンスはあったかもしれないけれど、努力出来ることも資質や才能だから誰もがそうなれるとは限らない。その辺りのことも感じさせたし、一人の女性として女王がとってもかわいそうに感じた。それはオリヴィア・コールマンのおかげ。

 

前述したとおり、コスチュームプレイとは思えない音楽が流れたり、そうかと思えば不快な音が続いたり、魚眼レンズを多用したり、Fワードを連発したりとかなり型破り。見慣れてない方が、アカデミー賞作品賞候補だからと見るとビックリするかも? でも、ヨルゴス・ランティモス作品としては見やすいと思う。実話だけにストーリーがしっかりしてるし、衣装の件など時代考証もしっかりしつつ、斬新な変更を加えているもよう。個人的には不安を煽る音の使い方や、魚眼レンズの画はとっても好きだった。衣装やセットも好き。何より女同士のドロドロがむしろ格闘技的に描かれてたの好き。これはコメディでもあるんだよねきっと😌

 

公開してらから1ヶ月以上経ってるけど、まだ上映してる映画館はあるらしい。これは是非劇場で見た方がいいと思う。音響のいい映画館でじっくり見た方が楽しめる。エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ好きな方是非! オリヴィア・コールマンの演技は必見です!

 

『女王陛下のお気に入り』公式サイト

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【tv】100分de名著「夏目漱石SP 道草」

2019-03-28 23:32:20 | tv

【tv】100分de名著「夏目漱石SP 道草」

「道草」とお腹の具合

 

 

1回25分×4回で1つの作品を読み解く番組。3月は夏目漱石(Wikipedia)スペシャルということで、1回につき1冊を読み解く変則的な構成。第3回目は「道草」(Wikipedia)で、講師は東京大学教授で英文学者の阿部公彦氏。第1回はコチラ、第2回はコチラ

 

「道草」は自伝的小説。「道草」=胃弱小説。作品が胃弱のようにできている。いつまでも治らない。昔のことが今に影響を及ぼす。

 

主人公健三はある小雨の降る日に、彼が20歳の頃に縁を切った男性と出会う。気づいて知らぬ顔で通り過ぎようとするが、チラリと見ると向こうもこちらを見ている。これだけでは済まないだろうと健三は考える。

 

嫌悪感や恐怖感であれば逃げればよいが、嫌だけど逃げられない。この男性は元養父。主人公健三は養子に出されていた。健三は漱石の分身。漱石は1歳で養子に出され、養父母の離婚により9歳で夏目家に戻った。自伝的な作品で嫌な部分を書いた。「嫌なこと」を書く理由は?

 

伊集院光氏:書きたくない以前に思い出したくないのでは?

 

嫌なことを書いている小説は多い。嫌な部分を吐き出すと心が落ち着く。

 

伊集院光氏:作品化することでおさまりがつく。読み手も救われる。

 

「嫌な話」を読むことで救いを得る人がいる。漱石の中の蓄積した「嫌なもの」に「元養父」という「形」が与えられて表現できた。

 

うーん💦 夏目漱石の生い立ちが辛いものだったとは知らなった。タイトルは忘れたけれど松本清張も自身を援助してくれなかった親戚のことを書いた小説があったし、自分の中に蓄積されたものを吐き出すというのはあるのかもしれない。自分の中に全く無いものを書ける人もいるかもしれないけれど、やはりどこかで自分を投影するんじゃないだろうか。とはいえ、嫌なものを読むのはイヤだなぁ😅

 

漱石は21歳で夏目家に復籍。夏目家の事情が変わった。兄が亡くなったため、仕方なく家に引き取った漱石を、今度は積極的に夏目家に戻した。養父母としては漱石を大切にすることで将来面倒を見てもらおうと思っていた。自分たちの投資はどうなる? お金がらみのもめごと。人身売買的。このいざこざが漱石の世界を形成し、いつまでも尾を引く形で影響を及ぼす。現実社会は慢性病のようにいつまでも過去がつきまとう。その感覚を培った。

 

うーん💦 確かにこれは酷い。昔は子供が多かったり、貧しかったりで現代の感覚では人身売買的なことも平気で行われていたのかな。社会通念が今とは違うから親たちに悪気はないのかもしれないけれど、当人にとってはたまらない。

 

健三に対して養父母は金の面に対して寛大だった。しかし島田夫妻は健三に対して不安があり、父母は誰かと度々建三に尋ね、健三は彼らが喜ぶ答えを強いられた。

 

伊集院光氏:見事な嫌な感じ。養父のお前の父は誰かという問いは、生さぬ仲の良い関係にも書けるが、とても嫌な感じのするものになっている。

 

読み手としては嫌なものを感じつつ、健三がそう解釈していることにも気づく。良いシーンにも書ける場面を、島田夫妻に関係なく嫌な感じのものとして受けてしまう感受性が健三の中にできてしまっている。

 

養父母としては健三を引き取ったのは将来面倒を見てもらおうと思ったからで、そこの見返りを求めるのはどうかという部分は置いておいても、そういう思考になるのは仕方がないかなとは思う。だからお金の面については寛大だったのでしょう。それでも不安になって健三に本当の父親は誰かと聞いてしまう心理も理解はできる。でも、される側にしてみたら脅迫だよね😣

 

ある日、健三は風邪で寝込む。高い熱が出て何日も苦しみ、その間の記憶がほとんどないほど重症だった。正気にかえり枕もとの妻を見て、妻の世話になったと思ったけれど、何も言わず顔をそむけてしまったので、妻には彼の気持ちが全く伝わらず妻は気を悪くした。

 

伊集院光氏:妻の気持ちは分かる。ありがとうと何故言えない?

 

漱石は理知的に見えるが、意外に妻との関係は幼児的だった。健三には漱石自身がかなり反映している。

 

伊集院光氏:少ししか切り出していないので、微笑ましい場面なのか、そうではないのかが分からない。ありがとうと言えずにギクシャクするが翌日から普通どおりになり、長年添い遂げる夫婦関係がそんなに悪いものとは思えない。どちらに書かれているのだろう?

 

いつも自分をかまってくれてありがとうと言うのも白々しいこともある。赤裸々に見える場合が良いこともあるが、漱石はそうではない。

 

伊集院光氏:漱石の中にはそうした方が良いという感覚があるのに言えない漱石がカワイイ。

 

言葉と行動のズレ。今やろうと思ったのにというアレ。頭で分かっていても行動できない。カワイイと同時に面倒。

 

うーん💦  当時は今よりもっと男尊女卑というか、亭主関白的な考えが強かったと思うので、妻が夫の面倒を見るのは当たり前という考え方もあったと思うけれど、その中で健三=漱石が妻にありがとうと言おうと思い、結果それが言えなかったことで妻の機嫌をそこねているということに気づけているのは、やっぱり漱石が人の気持ちに繊細であるからだと思うし、それは生来の感受性もあるだろうけれど、養父母の顔色をうかがって生きてきたという部分もあるのかなと思う。

 

伊集院光氏:漱石と奥様の関係が気になる。

 

鏡子夫人悪妻伝説。朝寝坊で朝ご飯を作らない。お嬢様育ちで漱石をかまわないなど。逆に包容力のある人で、この人だから漱石が自由に出来たのではないかと思える。

 

伊集院光氏:人によって価値観が違う。悪妻にもなる。

 

漱石は過剰に理屈っぽく、言葉が先に出る人。妻は理屈を超えた直感があったり堂々とした逞しさがある。

 

伊集院光氏:理屈っぽいどうしは合わない。生活は理屈で割り切れない。漱石は理屈っぽ過ぎて病まで行ってしまう。そこをちゃんとやり過ごせる才能がある。

 

安部みちこアナウンサー:鏡夫人は立派。分かっているなら言えばいい。

 

まぁ極論すると安部アナウンサーの言葉になるのだけど、そこが言えないからまた病んじゃうわけで😅 ただ、もし漱石や世の男性たちが、健三と同じ状況にあった場合は、普段言えない感謝を伝える絶好の機会だし、そこで一言言えたら奥さんはきっともっと優しくしてくれるハズ。女性ってたった一言で頑張れるものだから。とはいえ確信犯的にするとバレると思うけど😅

 

健三は元養父の島田から金の無心をされるようになる。最初は少しずつ与えていたが、島田の要求はエスカレートする。お金がなくて年を越せないという島田に、100円を支払う代わりに一切の関係を断つという書面を書かせる。これは漱石の実体験。妻があの人だけは片付いて良かったと言うと、片付いたのは上辺だけだと健三は言う。


実際の書面

(撮影失敗💦)

 

伊集院光氏:ぞっとする終わり方。妻の"あの人だけは"というのも引っかかるし、健三がそうだと言わないのも気になる。

 

島田と縁を切ったのにそれでも終わらないという感覚が漱石の現実感。深いもの。自分の存在の土台を感じる感覚。生きていること自体がいろんなことが片付かない。自分自身ともある種の人間関係がある。健三は自分自身とどう付き合うかで苦労している。それが決して片付かないという感覚が紛れ込んでいる。

 

伊集院光氏:健三からすると法律上、理屈で言えば片付いていても嫌な予感や、被害妄想、過剰な分析力からすると全然片付いていないとなってしまう。島田が死んだら化けて出るんじゃないかという妄想も含めて、自分の良心の呵責などが終わらない。

 

良心の呵責は大事。漱石特有の妙な罪悪感が常にある。もやもやしているのは自分に何か咎があるという意識がある。相手のせいなら怒りをぶつけられるが、自分相手にそれはできない。自分の足元が切り崩される感覚。

 

確かに法律的には片付いて、この後島田が金の無心をしてきても、断ることが出来る形はできた。でも、それで島田と完全に縁が切れたという感覚が健三=漱石の中でないのでしょう。それは、実質的な部分もあるし、健三=漱石の心の持ちようの部分でもあるのかなと思う。これは本当に嫌な感覚だし、特に後者の方は根深く残るよね😢

 

伊集院光氏:漱石は新しい現代小説をやってみたくて「吾輩は猫である」や「三四郎」でやってみたが、結果晩年にこうなる。スッキリした伏線やロジックで組み立てられた現代小説ではない。

 

無定形なものを表現しえたのがスゴイ。無定形なものに表現を与えるのは難しい。形を与えるのはできるが、無定形なものを無定形なまま出すのは大変。

 

「夢十夜」でも"嫌なもの"を表していたと思うけれど、それでもそれは夢という形で語られていたから、読み手としてはその"嫌なもの"を客観的に見て楽しむこともできるけれど、今作は"嫌なもの"の逃げ道がなくて読むのは辛そうだな😅 特に漱石の実体験がベースになっていると知ってから読むのは重過ぎるかも。

 

さて、次回はいよいよ最後の作品。未完の作品らしいので、どんな解説になるのかな? 録画してあるので、近々見てまた記事書くとする😌

 

100分de名著:毎週月曜日 午後10:25~10:50 Eテレ

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【tv】ぶらぶら美術博物館「奇想の系譜展」

2019-03-28 00:27:07 | tv

【tv】ぶらぶら美術博物館「奇想の系譜展」



開催中の美術展や博物展を紹介する番組。今回は東京都美術館で開催中の「奇想の系譜展」近々見に行こうと思っていたので、録画して鑑賞。見どころをメモしたので記事に残しておく😌

 

1970年に刊行された辻惟雄著『奇想の系譜』をもとに、東大教授として赴任した最初の教え子である山下裕二明治学院大学教授(Wikipedia)が中心となって企画した展覧会。山下先生によりますと、辻先生(Wikipedia)への恩返しということなのだそう。ちなみに"奇想"というのは、変な絵ということではなく、中国語の優れたものという意味から来ているのだそう。今回の解説は山下先生によるもの。


『奇想の系譜』は2019年2月4日にカラー版が発売された。これ欲しいけど5,400円😣💦 『奇想の系譜』に登場するのは、岩佐又兵衛(Wikipedia)、狩野山雪(Wikipedia)、伊藤若冲(Wikipedia)、蘇我蕭白(Wikipedia)、長沢蘆雪(Wikipedia)、歌川国芳(Wikipedia)の6人だけど、ここに白隠慧鶴(Wikipedia)と鈴木其一(Wikipedia)を加えた8人を紹介する形。いずれも『奇想の系譜』が出版されるまでは忘れ去られていた絵師たち。

 

1.伊藤若冲

 

現在の若冲ブームのきっかけとなったのは、2000年京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲展」だった。この時も人気であったが来場者は9万人。2016年に東京都美術館で開催された「生誕300年記念 若冲展」はなんと45万人! まさに21世紀にブレイクした絵師。とはいえ生前は人気のあった絵師でもある。明治時代以降、江戸時代以前の絵画が良いとされた。平安・室町・桃山時代の作品より一段階下とみなされた。江戸時代の作品は琳派と狩野派くらいしか評価されなかった。

 

 伊藤若冲「象と鯨図屏風」

 

「象と鯨図屏風」と「鶏図押絵貼屏風」は82歳頃の作品。「象と鯨図屏風」は『奇想の系譜』が出版された後、若冲作品ではないかと持ち込まれた。「鶏図押絵貼屏風」は今展準備中発見された作品!

 

「象と鯨図屏風」象と鯨というのは陸と海の巨大生物を対比させたということなのかな? 山田五郎氏によると、ライアル・ワトソン著「エレファントム」によると、象と鯨はコミュニケーションが取れるそうなので、この構図にも意味があるかも? 

 

伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」

 

「鶏図押絵貼屏風」 若冲といえばの鶏シリーズ。生前は円山応挙の次ぐらいに人気があった若冲だが、1788年天明の大火で大打撃を受けた。お金のために絵をたくさん描いたのではないか。若い頃は鶏をじっくり観察し、細密に描いていたけれど、晩年にはサラサラと描けていたと思われる。

 

 

伊藤若冲「旭日鳳凰図」

 

「旭日鳳凰図」は40歳頃の作品。この2年前に描いた「動植綵絵」より一回り大きい。若冲は40歳で技術を確立。良い画材を買えるようになったことも重要。空想上のイメージをリアルに描くのが若冲の特徴。リアルを突き詰めてリアルの先に行く。残念ながら「旭日鳳凰図」は展示終了😢 現在は「白梅錦鶏図」が展示されているとのこと。「旭日鳳凰図」は見たことあって、たしか「白梅錦鶏図」は見たことないからいいか😌

 

2.蘇我蕭白(醒めたグロテスク)

 

 

蘇我蕭白「雪山童子図」

 

「雪山童子図」お釈迦様の前世を描いた「本生譚」(Wikipedia)を元に描かれた作品。ヒマラヤの雪山で前世の釈迦が修行していると、鬼が現れて悟りの言葉をつぶやき始める。前世の釈迦が続きを求めると、ならば自分の体を差し出せと言われ、前世の釈迦は木から飛び降りようとしている。結果、この鬼は帝釈天の化身であったということらしい。赤と青の色の感覚がスゴイ。サイケデリックである。『奇想の系譜』が出版された1970年頃はサイケデリックが流行った時代で、時代とマッチしたのではないか。横尾忠則氏は蘇我蕭白のファンである。

 

蕭白がこの絵を描いた当時、じわじわと京都で人気になっており、同時代に贋作も数多く描かれた。京都では"狂"が尊いという陽明学(Wikipedia)左派の考えが流行したことも影響したのではないか。

 

蘇我蕭白「富士・三保松原図屏風」

 

「富士・三保松原図屏風」富士山と三保松原というのは定番の画題。ただし虹を掛けてしまうのは蕭白のみ。当時、虹は不吉なものと考えられていた。松原の後ろの雲のようなものも髑髏に見える。落款も適当な名前で入れている。当時、絵師たちは比較的近くに住んでいたが、若冲との直接のつながりは不明。当時は円山応挙の存在が大きく、応挙が完璧なスタイルを貫き、他の絵師はそれとは違う画風を模索した。"図柄が欲しければ応挙のところに行け、本物の絵が欲しければ俺のところに来い"と言ったというのが有名だが、これは逆に応挙を意識していたのではないか。この「富士・三保松原図屏風」は残念ながら展示終了😢 現在は「群仙図屏風」が展示されているとのこと。

 

3.長沢蘆雪(円山応挙の弟子)

 

長沢蘆雪 「白象黒牛図屏風」

 

「白象黒牛図屏風」白象には黒い鳥、黒牛には白い犬を配してコントラストを表している。若冲の「象と鯨図屏風」に似ている。制作時期もほぼ同じなので、どちらかが影響を与えたのではないか? 犬は円山応挙のスタイル。蘆雪は応挙の代作もしており、応挙スタイルを踏襲したが、師匠の眼の届かないところでは大暴れしている😀 

 

長沢蘆雪「方寸五百羅漢図」

 

「方寸五百羅漢図」一寸=3cm四方の作品。五百羅漢の他に象や虎も描かれている。2010年に辻先生が発見した。

 

 長沢蘆雪「なめくじ図」

 

「なめくじ図」なめくじが這った跡の線を先に描き、後からなめくじを描いたのではないか? ライブ的な。蘆雪はエンターテイナー。人々にウケたいという欲求。

 

長沢蘆雪 「群猿図襖」

 

「群猿図襖」兵庫県の大乗寺の襖絵。応挙と弟子たちが分担。今作は2階の襖。応挙との共作なのでふざけていない。実力を発揮している。一方で流派に属さない絵師への憧れも抱いていたのではないか。

 

4.岩佐又兵衛

 

山下先生によると、今回の企画展のテーマとして岩佐又兵衛のすごさを思い知らせるということがあるのだそう。岩佐又兵衛は荒木村重(Wikipedia)の息子で、父親が織田信長(Wikipedia)に謀反を起こしたため、その妻子が処刑された。その際、又兵衛の母親も殺されている。

 

岩佐又兵衛「山中常盤物語絵巻 第四巻」 

 

「山中常盤物語絵巻 第四巻」 「山中常盤物語絵巻」は全12巻で約150mに及ぶ。岩佐又兵衛は絵巻物を多く描き、それらの総延長は1kmを超える。展示しきれないためなかなか評価されない。「山中常盤物語絵巻」は牛若丸伝説を描く。常盤御前(Wikipedia)が源義経(Wikipedia)を追いかけ、途中の宿で盗賊に襲われる場面が今作。2歳で記憶にはないが、自分を救った乳母などから母親が殺されたことを聞いていたのではないか。枝ぶりが場面ごとに変わっており、BGM的な役割を果たす。映画監督的な視点。これ見たい! でも、既に展示終了😫 現在は「山中常盤物語絵巻 第五巻」が展示されているとのこと。これは常盤が埋葬されるシーンを描いているらしい。

 

 

岩佐又兵衛「妖怪退治図屏風」

 

「妖怪退治図屏風」は新発見! 妖怪と武者が戦う。元のストーリーが何に基づいているのかが分かっていないとのこと。今作は伝岩佐又兵衛作ということなので、岩佐又兵衛の作品と断定されているわけではないけれど、又兵衛は工房を組織していたそうで、これはおそらく又兵衛工房の作品ではないかとのこと。

 

岩佐又兵衛は画風のレパートリーが広く、漢画から大和絵まで描くオールマイティーである。何故、人気がでなかったのかといえば、学者は流派として語りがちであることも一つの要因。又兵衛含め奇想の画家たちは独学なので語られないことが多い。

 

5.狩野山雪(狩野永徳の弟子である狩野山楽の弟子)

 

狩野派は狩野永徳(Wikipedia) ー 狩野孝信(Wikipedia) ー 狩野探幽(Wikipedia)の流れを主流としているが、この探幽が江戸に出てしまったため本家が江戸になってしまった。永徳の弟子である狩野山楽(Wikipedia) ー 狩野山雪は京都に残り京狩野(Wikipedia)と呼ばれるが、ある意味貧乏くじを引いた形になってしまう。徳川方についた方が権威があるため。

 

 

狩野山雪 「梅花遊禽図襖」

 

「梅花遊禽図襖」 幾何学的な構図にこだわり。春と秋が混ざるなどバーチャルを作り出す。狩野派きっての知性派だと思われる。

 

狩野山雪「武家相撲絵巻」

 

「武家相撲絵巻」 日本相撲協会が所有している。皇位継承争いがあった時に相撲で決着をつけたという逸話に基づく。

 

6.白隠慧鶴(禅宗の僧侶)

 

 

白隠慧鶴「達磨図」

 

「達磨図」 超有名な作品。83歳頃の最晩年に描かれた。本格的に描き始めたのは60歳から。下描きとズレている。『奇想の系譜』には載っていないが、白隠は起爆剤となったのではないかと考えて辻先生と相談して白隠も加えた。

 

白隠慧鶴「乞食大燈図」

 

「乞食大燈図」 大燈国師(Wikipedia)を描く。大徳寺を開山した僧侶。顔が「達磨図」と同じ顔。顔は基本同じ。おそらく白隠自身を描いているのでは? 自画像とも言える。

 

白隠慧鶴「蛤蜊観音図」

 

「蛤蜊観音図」 蛤から出て来た。実際にいる観音様。観音は33の姿に変化するが蛤蜊身は含まれない。中国の民間信仰はら取り入れたのではないか。オリジナルの画題。周りの人々が頭に海産物を乗せている。脱力感。素人のすごさ感じる。教えを伝えるために描く。現存1万点。民衆のために描いた。この観音様カワイイ😍

 

7.鈴木其一(琳派の奇才)

 

江戸琳派。山下先生によると、俵屋宗達(Wikipedia)=ナタ、尾形光琳(Wikipedia)=包丁、酒井抱一(Wikipedia)=カミソリ、鈴木其一=手術用メスという切れ味。

 

鈴木其一「夏秋渓流図屏風」

 

「夏秋渓流図屏風」バーチャル的。色がスゴイ! 高い顔料を使用。左隻が秋で右隻が夏。コンピューターグラフィックを感じる。こちらも残念ながら展示終了😢 でも、これは見たことあるのでOK。

 

鈴木其一「百鳥百獣図」

 

「百鳥百獣図」アメリカから里帰り。琳派らしくない作品。若冲の影響があるのではないか? 師匠の酒井抱一の作品にも若冲の影響がみられる。鳥と獣と2枚の軸。2枚とも上の方には想像上の鳥や動物いわゆる霊獣を描き、下の方には現実の動物を描いている。動物のヒエラルキー。鶏やガチョウは若冲の「動植綵絵」に似ている。色彩酔いしてしまう。

 

琳派作品の値段としては、俵屋宗達>尾形光琳>酒井抱一>鈴木其一となるため、其一の作品は多くがアメリカに渡ってしまった。実は琳派の中で一番好きなのは鈴木其一。なのでアメリカに渡っちゃってるの悲しい😢

 

8.歌川国芳(幕末の浮世絵師)

 

歌川国芳 「相馬の古内裏」

 

「相馬の古内裏」 超有名作品。3枚つづりでワイドスクリーン。12歳で歌川豊国に弟子入り。退廃的でポップ。タトゥーの柄などで若者に人気となっていると語っていたような気がする。

 

歌川国芳「火消千組の図」

 

「火消千組の図」肉筆! 箱崎辺りを担当していた町火消の千組が成田山新勝寺に奉納。火事場に向かう様子を描く。みなタトゥーだらけ。実在の人物も描かれているのでは? 当時火消はヒーローだった。火事と喧嘩は江戸の華と言われ、国芳も好きだったのではないか? 一方で大変な猫好きで、懐にはいつも猫をいれていたらしい。ヤダ国芳素敵😍

 

 まとめ

 

50年前の本で美術の見方が変わった。常にスゴイものを見つける目を持つことが大切。専門家でなければ発掘できないということはない。自分の目で見て好きなものを見つけることが大切。

 

たしかにそうだと思う。でも自分に自信がないから、専門家の裏付けって欲しくなったりするよね。まぁ、専門家ではないから本当の意味での美術品の発掘は無理なんだけど、そういうことではなくて、こうして提示された作品を見て、その中で自分が好きだと思うものを見つけていくことも、芸術を埋もれさせないことの一つの方法であるということなのかなと思った😌

 

うーん💦 「山中常盤物語絵巻 第四巻」の展示が終わってしまったのが残念過ぎる😫 でも、若冲の新発見と、其一の里帰りが見れるから近々見に行こう! 金曜日に行こうと思っている😌 


ぶらぶら美術博物館:毎週火曜日 21:00~22:00 @BS日テレ

BS日テレ - 「ぶらぶら美術・博物館」番組サイト

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【art】「クマのプーさん展」@Bunkamuraザ・ミュージアム

2019-03-27 00:26:56 | art

🐻【art】「クマのプーさん展」@Bunkamuraザ・ミュージアム🐻

 

 

 

 

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「クマのプーさん展」行ってきた。事前に情報収集したところ、入場までに待ち時間が出ているほどの人気なようなので、いつ行こうかと迷っていた。こちらも事前情報で金曜日と土曜日は21時まで開館しているので、遅い時間がオススメとのこと。調べてみたら見たかった『THE GUILTY / ギルティ』見てから行くと、ちょうどよさそう。ってことで、このコースで行ってみた✨

 

いつものように感想Tweetに追記する形で、記事を書いていく😌

 

 

 

 

「クマのプーさん」の挿絵を描いたE.H.シェパードが1973年にヴィクトリア&アルバート美術館に原画や写真などを寄贈。そのコレクションを中心に企画された初めての「クマのプーさん展」とのことで、ロンドン、アトランタ、ボストンを経て東京にやって来た! この後大阪に巡回する。

 

基本は原画やスケッチなので、作品そのものは小さい。そして鉛筆描き。でも、それがプーさんの世界が生まれていく過程を伝えていて、とってもよく分かる。

 

実は最近WOWOWで放送された『グッバイ・クリストファー・ロビン』を見たばかり。「クマのプーさん」が誕生する過程と、それにより生じた家族の新たな苦悩と絆を描いている。映画用に脚色したり、若干変えたりしている部分もあるようだけれど、これはとっても良かった。ミルンがこの「クマのプーさん」を書いたのは、第一次世界大戦によるPTSDを癒すため田舎へ移住し、そこで息子であるクリストファー・ロビンと2人きりで過ごす時間があり、森で遊んでいた時に出来た作品。これを出版する際に、主人公の名前をそのまま息子の名前にしてしまったことから、クリストファー・ロビンは世界中の注目を浴びることになってしまう。実際、学校でいじめられたりと辛い人生を送ったらしい😢

 

 

「グレアム・シェパードのぬいぐるみに似たテディベア」

 

作品が生み出された背景やクリストファー・ロビンのことを考えると、手放しでカワイイ😍となりにいのだけど、でもやっぱりとってもかわいい。物語としてのプーさんのモデルは、1924年にミルンの妻ダフネがクリストファー・ロビンのためにハロッズで購入した熊のぬいぐるみだけど、E.H.シェパードは自身の息子グレアムが持っていた熊のぬいぐるみをモデルに絵を描いたのだそう。「グレアム・シェパードのぬいぐるみに似たテディベア」と「クリストファー・ミルンのテディに似た「アルファ」ベア」の展示があったけれど、確かにグレアムのテディの方がカワイイ。そしてこちらはシュタイフ社のもの。毎度のWikipediaによりますと、テディベアは第26代アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルト(Wikipedia)に由来するものだけど、世界初のテディベアメーカーとしてはシュタイフ社とする説もあるのだそう。

 

「百ちょ森(百町森)の地図」

 

他に好きだった作品は、ミルンとシェパードが協力して作ったという「百ちょ森(百町森)の地図」これはホントに見ていてわくわくする。完成した作品の楽しさは当然ながら、そのスケッチ的な感じでとても興味深い。

 

「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」

 

「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」もとてもかわいかった! プーさんとピグレットの後ろ姿が本当にかわいい。この感じはなかなか出せないよね。この橋は実際にミルンとクリストファー・ロビンが棒を投げて遊んだ橋なのかな? この橋を作った人も映っている写真も展示されていたし、プーさんとクリストファー・ロビンが棒を投げているシーンが再現されている展示コーナーもある。 

 

その他、「シッ!」とか、「耳のうしろは、これまでになかったほど、雪ぶかくなってしまったのです」とか「クリストファー・ロビンが木の上にいて、コブタとプーが見上げている」も好きだったのだけど、画像が見つからない😢 ミルンとシェパードはプー、クリストファー・ロビン、コブタをトリオとしたかったらしいとのことだった。

 

最後の展示は世界各国のプーさん。これがなかなか興味深い。イヤ、そもそものプーさん像があるのに、どうしてこうなる?というぬいぐるみなどもある。すごい怖いプーさんもいた😱 そういう中でやっぱりディズニーはディズニーだなと思う。上手く言えないけど。良くも悪くもディズニーだなと。かわいいし親しみやすいけれど、おそらくミルンとクリストファー・ロビンのプーではない感じ。おもしろい。

 

 

 

第2章は撮影可能。作品を撮っていいのかよく分からなかったのだけど、鑑賞用の黒いラインの外側に白いラインがあって、その白のラインの外側からなら撮影して良いらしかったので作品も撮影したけど、特に美術館の方から注意されることはなかったのでOKだったのかな? でも、画像UPは自粛しておく😌

 

 

「クマのプーさん」は未読で、ディズニーのアニメも見ていない。なので実はよく知らない😅 でも、物語自体は知らないのにキャラクターは知っているというのはやっぱりスゴイ! そういえばイーヨーが暗いキャラになってしまったのは、モデルのぬいぐるみが経年劣化で首がもげそうな状態になっていたからなのだそう😌

 

  

 

 

 

 

 

 

これが棒投げ橋の再現展示。手前に映ってるのがプーさんたちが投げた棒で、橋の向こうから流れて来る。これ動画で撮ればよかったな~😣 

 

 

 

 

これは出口付近にあった撮影ポイント。どうやら台が置いてあるみたいで、その台に乗って風船を持つ感じで写真が撮れるらしい。でも、出て来た時にはもうなかった💦

 

前述したとおり20時ちょっと前に会場入りということで、閉館まで1時間くらいしかなかった。Bunkamuraザ・ミュージアムそんなに広くないし、閉館間際は空いているということだったので1時間でギリギリ行けるだろうと思ったけど、これはホントにギリギリだった💦 まぁでも全部見れたし、駆け足で見るという感じでもなかった。とはいえ、222点の展示があるのであと30分は欲しいところ。夜間はオススメだけど19時半ごろ会場入りすると比較的空いていて、余裕をもって見れるんじゃないかな。

 

物語の誕生から、お話が出来て、それが本になり、ベストセラーとなり、世界的に広がっていく過程がよく分かる展示だった。とにかく点数が多くて見応えあり。さらに撮影可能ポイントもあってウレシイ。素敵な企画展だった。 

 

 

 

お土産もしっかり購入! 全て会場限定商品。左からマグネット、ガシャポン(ピンズ)、ポストカード2種。ポストカードはそれぞれのシーンのおはなしが書かれている。そして、プーさんカラーの袋に入れてもらえる✨

 

🐻クマのプーさん展:2019年2月9日~4月14日 @Bunkamura ザ・ミュージアム

【公式】クマのプーさん展

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【動画】田中刑事選手 世界フィギュアスケート選手権2019 EX

2019-03-25 23:59:05 | 【動画】figure skate

⛸【動画】田中刑事選手 世界フィギュアスケート選手権2019 EX⛸

 

 

さいたまスーパーアリーナで開催された世界フィギュアスケート選手権2019での田中刑事選手のEX演技。以前、田中刑事選手のEX動画記事(コチラ)を書いたのだけど、リンクした動画が削除されてしまった😢 このプログラムかっこいいので残しておきたいと思っていたところ、フジテレビ公式がアップしてた!

 

このプログラムかなりの運動量だよね😲 多分、ところどころジョジョの動きが入っているんだと思うけれど、詳しくないので全然分からない💦 上の画像のラストのポーズがジョジョ立ちってことなのかしらね?

 

ということで動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<田中刑事選手・エキシビション>ノーカット配信

カッコイイ✨

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【動画】宇野昌磨選手 世界フィギュアスケート選手権2019 EX

2019-03-25 23:43:48 | 【動画】ShomaUno

⛸【動画】宇野昌磨選手 世界フィギュアスケート選手権2019 EX⛸

 

 

 

 

さいたまスーパーアリーナで開催された世界フィギュアスケート選手権2019での宇野昌磨選手のEX演技。これは泣くわー😭 「See You Again」は昨季のEXプログラムだけど、これは間違いなく昨年不慮の死を遂げたデニス・テン選手(その時の記事)への追悼演技だよね。黒の衣装で登場していることからも分かるし、弟さんの樹くんが会場内に設置されたD10Worldのメッセージボードに"See you again"と昌磨の代筆しましたとTweetしてくれたことからも間違いないでしょう。心のこもった素晴らしい演技!

 

昌磨の素晴らしいところはこういうことを声高でなく静かに実行するところ。本来ならば日本スケート連盟主導でエキシビション等でセレモニーをするべきだったと思う。デニス・テン選手は間違いなくこの舞台に立っていた選手なので。でも、セレモニーはなかった。昌磨の演技自体はそれに抗議しているわけではないだろうし、セレモニーが実施されてもこのプログラムを滑ったと思う。昌磨とデニス・テン選手がどのくらい親交があったのか分からないけれど、フィギュアスケート界の先輩として、素晴らしい選手として敬意を表したとうことでしょう。21歳の若者が分かる人には分かる形で自らの思いを伝えて来る。なかなか出来ることじゃないと思う。素晴らしい

 

冒頭は2Aだったけど後半は3A跳んでたね。ケガが完治していないのではないかと言われているけれど、大丈夫なのかしら? ちょっと3Aの着氷が乱れたように思うけれど、踏ん張れない感じなのかな? 4月11日に開催される国別対抗に出場する予定とのこと。現在ワールドスタンド1位で、1ヶ月以内にアイスショー出演予定があると出場マストということらしいけれど、正直今季の昌磨の試合数、アイスショー出演数を考えると休ませてあげたいと思う。まぁでもお祭りのような試合だし、仲の良い田中刑事選手と同じチームだし、こちらも仲の良いネイサン・チェン選手も出場するみたいだし。無理せず楽しんで欲しい😌

 

動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<宇野昌磨選手・エキシビション>ノーカット配信

素晴らしい

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【dairy】『THE GUILTY / ギルティ』鑑賞(感想は後日)

2019-03-24 00:44:32 | dairy

【dairy】『THE GUILTY / ギルティ』鑑賞(感想は後日)

 

 

 

見たかったコレ! プーさん展とはしごできそうな時間に上映されたので行ってみた! しかし、テアトル系いつからサービスデーは木曜日になっちゃったの? 木曜日はバレエで行けないんだよ😣

 

 

ザックリした感想はTweetどおり。感想は後日UP予定。なのだけど、まだ『女王陛下のお気に入り』終わってないし、『スパイダーマン:スパイダーバース』と『グリーンブック』もあるし💦 いつになることやら?

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【動画】宇野昌磨選手 世界フィギュアスケート選手権2019 FS

2019-03-23 23:57:33 | 【動画】ShomaUno

【動画】宇野昌磨選手 世界フィギュアスケート選手権2019 FS



 

さいたまスーパーアリーナで開催中の世界フィギュアスケート選手権2019での宇野昌磨選手のFS演技。うん。頑張った。冒頭、4Sで手をつく。URを取られてGOE-3.64点。続く4Fでも手をつくミス。こちらもURでー4.13点。どうなることかと思ったけれど、4Tはキレイに着氷して3.26点の加点。しかし、4T-2Tのコンビネーションはバランスを崩しセカンドがつかず。ジャンプの重複ということで基礎点が下がり、さらに-0.68点。でも後半の3本はキレイに着氷! 3Aは2.06点、3A-1Eu-3Fは2.40点、3S-3Tは1.35点の加点。

 

スピンは全てレベル4で1.19点、1.15点、1.40点の加点。ステップもレベル4で1.50点の加点。さすがのスケーティングと表現力だけど、いつもの昌磨よりやや硬かったかな。慎重になっている気はした。昌磨のことだから冒頭2つの失敗で優勝はないと悟り、あとは枠取りのために失敗しない演技をと思ったんだろうな😢 178.92点。トータル270.32点で4位。

 

いままでは自分の納得いく演技をすることに重きを置いて来たけれど、今回は勝ちを取に行くと意識を変えた。その意気込みを知っているだけに切ない😢 今季は調子が上がらない時でも、足首を痛めた中でもずっと表彰台に乗って来た。その集大成となる試合で台に乗せてあげたかった。

 

現地観戦していた方の情報によると、樋口美穂子コーチにつかまり左足だけで階段を下りていたとのこと。右足首治っていないのかな? それかまた痛めた? 言い訳しない昌磨。それは偉いけれど、休むべき時はちゃんと休んで欲しい! 

 

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<宇野昌磨選手・男子フリー>ノーカット配信

頑張れ昌磨!

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【動画】宇野昌磨選手 世界フィギュアスケート選手権2019 SP

2019-03-21 22:47:53 | 【動画】ShomaUno

【動画】宇野昌磨選手 世界フィギュアスケート選手権2019 SP

 

 

 

さいたまスーパーアリーナで開催中の世界フィギュアスケート選手権2019での宇野昌磨選手のSP演技。うーん💦 冒頭の転倒が痛かった😣 冒頭の大技4Fで転倒。アンダーローテーションを取られてGOE-4.13点。転倒による減点-1。続くコンビネーションは4T-2Tはキレイに着氷。2.71点の加点が付いた。後半の3Aもキレイに着氷し、直ちにイーグルをつけて3.09点の加点。

 

スピンは2つがレベル4でそれぞれ加点が0.96点と1.45点。1つがレベル3で0.93点の加点。ステップはレベル4で1.45点の加点。PCSは8.75点から9.50点。91.40点で6位💦

 

試合後のインタビューで逃げと思われるかもしれないけれど、コンビネーションは最初から4T-2Tに決めていたと語った。以前の昌磨は自分の納得いく演技をと言っていたけど、今回は優勝を狙うと言っていた。ならば安全策を取るのも戦略。そして、責任感の強い昌磨のことだから来年の枠取りのことも考えていると思う。

 

ルール改正後の採点方式だと4回転での転倒はGOE最大-5点となってしまうし、さらに転倒による減点とURを取られたことで10点近く点を失ってしまったことになる。とはいえ、演技自体は素晴らしかった。音の取り方が相変わらず上手く、ステップにもキレがあった! 試合後のインタビューではサバサバしていたそうだから、切り替えてFSで素晴らしい演技をして欲しい! 頑張れ昌磨!!

 

ということで動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

【フジテレビ公式】世界フィギュアスケート選手権2019<宇野昌磨選手・男子ショートプログラム>ノーカット配信

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