goo blog サービス終了のお知らせ 

・*・ etoile ・*・

🎬映画 🎨美術展 ⛸フィギュアスケート 🎵ミュージカル 🐈猫

【art】「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」鑑賞 @ 東京ステーションギャラリー

2024-02-12 19:48:06 | art

【art】「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」鑑賞 @ 東京ステーションギャラリー

 

 

2023年7月16日鑑賞。

 

大正から昭和にかけて活躍した甲斐荘楠音の回顧展。これはとっても楽しみにしていた。

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから7ヶ月近く経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

 

甲斐荘楠音(Wikipedia)の作品に最初に触れたのは、岩井志麻子さんの「ぼっけえ、きょうてえ」の表紙。どこか狂気を感じさせる表情の着物姿の女性の妖しい美しさに惹かれ、思わず小説を手に取ってしまった。

 

そして2021年「あやしい絵展」(記事はコチラ)で、その原画「横櫛」と出会い、甲斐荘楠音という独特な名前を知った。

 

そんな甲斐荘楠音の回顧展が開催されるということで、とても楽しみにしていた。

 

 

 

子供時代に強い印象を受けて、その後の人生に影響を及ぼすことは、大なり小なりあると思うけれど、歌舞伎を見て受けた衝撃が「おじさんが美女に変身すること」で、そこから女装に憧れたというのはなかなか興味深い🤔

 

初期の作品は狂気を感じるような妖しさはなく、美しい作品が多かった。

 

「遊女」

 

「遊女」は歌舞伎の影響が感じられる。これは本当に美しくて、かなり好きな作品だった。

 

「春」

 

「春」はメトロポリタン美術館から里帰り。海外へも渡っていたというのはビックリ。メインビジュアルにもなっているけれど、大きめな作品で女性が横たわる姿は迫力があるけど、そこまでの妖しさはない。

 

 

 

「『旗本退屈男 謎の南蛮太鼓』衣装」

 

どうやら1940年頃から絵を描くことをやめてしまい、映画関係の仕事をしていたらしい。主に時代劇の衣装デザインを手掛けていたようで『旗本退屈男』シリーズの衣装展示は圧巻だった。

 

作品自体を見ていないので分からないけれど、おそらくは長くても数十分のシーンでしか映らないであろう衣装の、細部までこだわったデザインは斬新でありながら繊細。甲斐荘楠音の才能はもちろん、映画界に活気のあった良い時代だったなと思い感慨深かった。

 

 

その後、再び絵を描き始める。レオナルド・ダヴィンチやミケランジェロに心酔していたそうで、その影響が作品にもみられるとのこと。

 

「虹のかけ橋」

 

やっぱり甲斐荘といえば「横櫛」や「幻覚(踊る女)」などの、狂気を感じる妖しい女性の作品が代表作だと思うけれど、今回一番好きだったのがこの「虹のかけ橋」

 

今作にもダヴィンチの影響があるんだったかな? 実は大正4年に描き始め、絵から離れた時代を経て、昭和51年に完成した。

 

いろいろな経験を経て、原点である歌舞伎の世界に戻ったような気もするし、やはり60年を経た重みも感じつつ、実に潔くてとても良かった。

 

 

まさに全貌というにふさわしい企画展でとても面白かったし、知らなかった面をたくさん見れて楽しかった。

 

 

お土産はポストカード3種。「春」以外は「横櫛」しか知らないで見ると、別人の作品と思うかも🤔

 

甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性:2023年7月1日-8月27日 @東京ステーションギャラリー

甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「ガウディとサグラダファミリア展」鑑賞 @ 東京国立近代美術館

2023-10-10 00:46:23 | art

【art】「ガウディとサグラダファミリア展」鑑賞 @ 東京国立近代美術館

 

 

2023年6月16日鑑賞。

 

サグラダファミリアを主題として、ガウディの作品や、彼の死後引き継がれた作品たちを見せる企画展。今年、絶対見たいと思っていた企画展の1つ。

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから4ヶ月近く経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

 

2023年はアントニ・ガウディ(Wikipedia)がサグラダファミリアの二代目の建築家に就任してから150年目なのかな?

 

サグラダファミリアはもちろん、グエル公園など独特な建築で有名だけど、そこに至るまでの過程や、ガウディの遺志を引き継いだ人々の軌跡などを見せる企画展。

 

ガウディ自身は志半ばで事故死してしまったわけだけれど、さらにスペイン内戦により資料などが失われてしまい、現在製作されている部分は、おそらくこうであろうという推測で進めらているということに驚愕😲

 

でも、もしかしたら、分からない部分を想像して繋いでいくということが、教会という建築物にとって、本来の姿に合っているのかもしれないと勝手に思った。

 

 

アントニ・ガウディ「カサ・バッリョ、ベンチ」

 

アントニ・ガウディ「カサ・カルベート、スツール」

 

アントニ・ガウディ「カサ・バッリョ、椅子」

 

アントニ・ガウディ「カサ・バッリョ、椅子」「カサ・バッリョ、ベンチ」

 

一部以外撮影OK! たくさん撮ってきたのだけど、全部アップするのは大変すぎるので厳選してポストしておいた。

 

ガウディはこだわって内装や家具などもデザインしていたようだけれど、この椅子たちもとても素敵だった。曲線を生かした唯一無二の造形。

 

 

「フィンカ・グエル、馬場・厩舎模型」

 

「フィンカ・グエル、換気塔(門番小屋上部)模型」

 

フィンカ・グエルというのは、ガウディのパトロンであったアウゼビ・グエルの別邸。別荘として建築したそうだけれど、残念ながら未完成らしい。

 

この換気塔のモザイクみたいなのは、破砕タイル手法といって、市販のタイルを割って貼り合わせてあるのだそう。そんな手の込んだことをしていたら、なかなか完成しないでしょうね💦 

 

でも、だからこそ出来上がったら素晴らしいのだけども。

 

「グエル公園、破砕タイル被覆ピース」(制作:ジャウマ・プジョールの息子)

 

これを見ると、もともとはバラの模様のタイルであったものを、砕いて貼り合わせているのが分かる。

 

元のタイルもきっと美しいのだと思うけれど、日常品として消費されて、そこに芸術性を見出す人はあまりいないかも🤔

 

そう考えると、こうやって再構築すると芸術になるのって面白い!

 

 

アントニ・ガウディ「サグラダファミリア聖堂、降誕の正面」

 

 

外尾悦郎「サグラダファミリア聖堂、降誕の正面」

 

外尾悦郎「サグラダファミリア聖堂、降誕の正面」

 

入口の一つ「降誕の正面」を飾る彫刻は内戦で破壊されてしまったそうで、約30人の彫刻家が写真を参考に復元したのだそう。

 

その一人が外尾悦郎さん(Wikipedia)で、この石膏像は、現在の石像に変わるまでの10年間飾られていたとのこと。

 


降誕の正面について(説明書きより)----------------------------------

 

降誕の正面はサグラダファミリア世道の東側のファサード。

 

ネオゴシック様式でより縦長のプロポーションが特徴で、ここにスペイン特有のファサード「前方祭室」が加わる。

 

1908年にはキリスト教三徳による名称「望徳」「愛徳」「信徳」が各扉口に与えられた。

 

幼児イエス、母マリア、父ヨセフの「聖家族」の主題が「キリスト降誕」「受胎告知」を中心に構成。

 

ガウディは巨額献金を受け「降誕の正面」の構想を拡大し、最終案を作り上げ、まず「降誕の正面」の完成を目指した。

 

----------------------------------------- 降誕の正面について(説明書きより)

 

ということで、これは「聖家族」の主題が「キリスト降誕」「受胎告知」を中心に構成された像ということなのかな?

 

キリスト教徒ではないので、よく分からないのだけど、でも圧倒されるというか、敬虔な気持ちになった。

 

 

 

アントニ・ガウディ「サグラダファミリア聖堂、側廊高窓オリジナル模型」

 

アントニ・ガウディ「サグラダファミリア聖堂、降誕の正面:内部ギャラリーの柱頭模型」

 

アントニ・ガウディ「サグラダファミリア聖堂、側廊高窓外観頭頂部オリジナル模型」

 

アントニ・ガウディ「サグラダファミリア聖堂、回廊の円柱柱頭模型」

 

ガウディ本人による模型たち。円柱柱頭の装飾がそれぞれ違っていて、そのどれもが素敵で驚いた。

 

 

 

「サグラダファミリア聖堂、受難の正面:鐘塔頂華の模型」

 

この模型の背後に写っているスクリーンでは、サグラダファミリア聖堂の映像が流れている。数分の短い映像が繰り返し流されているのだけど、この映像がとても楽しかった。

 

この模型と一緒に撮りたくって、何度も映像見た😅

 

「サグラダファミリア聖堂、聖器室模型(現在の最終案)」

 

アンリク・プラ・ムンファレー「サグラダファミリア聖堂、マルコの塔:星の冠試作品」

 

「サグラダファミリア聖堂、マルコの塔模型」

 

ガウディ本人によるもの含め、模型の展示が多く、それらが実際どこのパーツなのかは分からなくても、それ自体がとても素敵で、そして面白い。

 

 

 

若い頃のガウディが描いた設計図なども展示されていて、そのどれもがとても細かく、そしてとても上手い。設計図や平面図のことは詳しくないから、感覚でしかないけれど、とても上手いと思った。

 

サグラダファミリア含め、自分が知っていたガウディの作品は、曲線で構成されていて、いわゆる四角い部分のない物が多く、こういう建物も設計図ってあるのかな?と思っていた。

 

実際はとても細かく計算されていて、例えば糸を逆さに吊って、その形を落とし込んでいったり。

 

まぁ、これも全然詳しくないので、あくまで自分がそう理解したということではあるのだけど😅

 

 

お土産はポストカード3種。このベツレヘムの星を頂いている塔とても素敵だな。

 

東京会場は9月10日に閉幕してしまったけれど、現在は滋賀会場(佐川美術館)で12月3日まで開催中で、その後12月19日から3月10日まで愛知会場(名古屋市美術館)で開催予定。

 

これはとっても楽しかったので、お近くの方は是非是非!

 

ガウディとサグラダファミリア展:2023年6月13日ー9月10日 @東京国立近代美術館

ガウディとサグラダファミリア展

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「ルーブル美術館展 愛を描く」鑑賞 @ 国立新美術館

2023-10-09 15:31:37 | art

【art】「ルーブル美術館展 愛を描く」鑑賞 @ 国立新美術館

 

 

2023年6月8日鑑賞。

 

ルーブル美術館所蔵の"愛"をテーマにした作品を集めた企画展。情報を知ってから見たいと思って心待ちにしてた。とはいえ、閉幕ギリギリの鑑賞となってしまった💦

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから4ヶ月経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

 

美術館は平日は17時か18時までで、企画展がある際は金曜日や土曜日に20時まで開館しているところも多い。今展も後者だったけれど、人気だったのか最終週は毎日20時まで開館となった。

 

翌日の金曜日に行く予定だったけれど、1日早めて定時上がりして見てきた! 職員の方はご負担だと思うけれど、とてもありがたい。

 

 

 

 

フランソワ・ブーシェ「アモルの標的」

 

前述したとおり愛を描いた作品を集めた企画展。ポスターイメージにもなっているフランソワ・ブーシェ(Wikipedia)の「アモルの標的」は、ポスト内にもあるとおり、アモルの矢が刺さると恋に落ちるという神話をもとに描かれている。

 

柔らかい色使いとふっくらとした天使たちの姿がとてもロマンティックな作品。

 

 

ジャン=オノレ・フラゴナール 「かんぬき」

 

今回の目玉の1つ。ジャン=オノレ・フラゴナール(Wikipedia) の「かんぬき」 これはとても官能的! 男性の服装からすると身分違いなのかな? 閂を開けようとしているのか、閉めようとしているのか? これはドキドキする作品💓

 

ぶらぶら美術博物館で今展が取り上げられた時に、解説された内容を少し記載しておく。

(ぶらぶら美術博物館終わってしまって残念😢)

 

ぶらぶら美術博物館より --------------------------------------------

 

フラゴナールの「かんぬき」はロココ絵画の代表で、ルーブルの至宝。"曖昧さ"がフラゴナールの特徴で、女性は嫌がっているのか、喜んでいるのか曖昧。

 

かんぬきは男性器のメタファーで、倒れた壺やバラの花束は女性器と純潔の喪失のメタファー。さらに、りんごは原罪のメタファー。

 

枕が乳房的でベッドが脚を開いているように描かれているのではないか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぶらぶら美術博物館より

 

番組を見てから行ったので、この辺りのことに注目して鑑賞。たしかに最後の枕が乳房的というのは、そのように意図して描かれているように思った。

 

ベッドの右手前の脚は、不自然に突き出ているように見えるし、ちょうど股の奥あたりに天蓋のカーテンがかかっていて、それが赤なのも象徴的に感じる。

 

クロード=マリー・デュビュッフの「アポロンとキュパリッソス」

 

クロード=マリー・デュビュッフの作品は初めて見たかも。会場内の説明書きによると、ブルジョワ階級趣味の肖像画で人気の画家だったそう。

 

これは、フランス新古典主義でしばしば取り上げられた題材だそうで、かわいがっていた牡鹿を誤って殺してしまい、糸杉に変身する姿を描いており、キュパリッソスを両性具有的に描き、思春期の若者の理想的な身体を表現しているとのこと。

 

たしかに脚の表現は柔らかくて女性的でもあるかも🤔

 

テオドール・シャセリオー「ロミオとジュリエット」

 

テオドール・シャセリオー(Wikipedia)も知らない画家だった。説明書きはなかったけれど、ロミオとジュリエットが亡くなる場面でしょう。ピンボケな部分もあるけれど、もともとそんなにハッキリと描かれている作品ではなかった。

 

 

フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」

 

フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」

 

フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」

 

フランソワ・ジェラール「アモルとプシュケ」

 

個人的にお目当てだったのが今作、フランソワ・ジェラール(Wikipedia)「アモルとプシュケ」!  正式名称は「アモルとプシュケ」、または「アモルの最初のキスを受けるプシュケ」となるのかな?

 

アモルは天使。前述したとおり、その矢で射られると恋に落ちる言われている。プシュケはその妻。この題材はとても好まれたのか、今展でも少しずつ場面を変えて数点描かれている。

 

それぞれの説明書きを総合すると、2人の物語は以下のような感じ

 

プシュケは人間の王女で、ヴィーナスの嫉妬で醜い生き物と結婚させられそうになる。アモルがそれを救い自分の宮殿へ連れて帰る。アモルは自分の寝姿を見ることを禁じるが、プシュケは覗き見てしまう。このことからプシュケは追放され、様々な場所をさまよい経験を積み、紆余曲折あって展開でアモルと結婚する。

 

プラトン主義の解釈で、神の愛に触れた人間が、試練の果てに幸福を知る物語とのことで、18世紀末に流行した題材らしい。

 

今作も、ぶらぶら美術博物館の解説を記載しておく。

 

ぶらぶら美術博物館より --------------------------------------------

 

アモルの母はヴィーナス。

 

ギリシャ神話では、プシュケには求婚者が現れず、父親が岩の上に置いておくと現れるというアポロンの神託を得る。岩の上にいると西風のゼフロスがプシュケをさらってアモルの宮殿へ連れて行く。

 

ただし、今作は一場面を描いたものではなく、無垢なプシュケが初めての愛を知る場面。アモルはプシュケに触れていない。思春期から大人になりかけの体つき。

 

プシュケの目は何も見ていない?

 

人工的な手が入らない自然の中で、思春期の無垢な若者たちが愛をはぐくむ物語が流行した。

 

Psycheはギリシャ語で「息」 転じて、魂・蝶。蝶は人の魂。Psychologyの起源。人間の魂が神様の愛に触れる。プシュケ=精神、アモル=肉体。精神と肉体の融合。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぶらぶら美術博物館より

 

番組内では、プシュケとアモルを思春期の身体で描いたことに物議をかもしたとも話していたような?🤔

 

でも、個人的には透明感のあるプシュケの肌の色や、無表情とも言える表情がとても好きで、是非本物を見たいと思っていた!

 

別作品の説明書きと、番組内で紹介された内容と、二人の出会いが違うのだけど、ヴィーナスの嫉妬でということなのであれば、無垢な美少女という表現はピッタリ。

 

個人的にアモルがもう少し大人っぽい方がいい気がするけれど、とにかくプシュケの無垢な美しさとエロティックさにウットリ。

 

 

 

展示室内

 

神話の世界での男女の愛の描き方について補足しておくと、男女とも"相手を自分のものにしたい"という気持ちは同じだけれど、それが男性だと相手を強奪したりと暴力的に描かれ、女性は誘惑するなど性的魅力を描くことが多いのだそう。

 

今だといろいろ問題視されそうな感じではあるけれど、実はそういう固定観念は神話の世界から存在していたものなのかと、なかなか感慨深いものがあった。

 

 

 

お土産は天使モチーフのマグネットとポストカード2種。「アモルとプシュケ」が欲しかったけど、ポストカードはなかった😢

 

ルーブル美術館展はこれまで何度も開催されてきたと思うけれど、こういう風に1つのテーマに絞って、題材や表現の仕方の変遷などを見て行くのは、とてもおもしろいと思ったし、楽しかった!

 

ルーブル美術館展 愛を描く:2023年3月1日ー6月12日 @国立新美術館

【公式】ルーブル美術館展 愛を描く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「大阪の日本画 JAPANESE PAINTINGS of MODERN」鑑賞 @ 東京ステーションギャラリー

2023-09-18 18:26:31 | art

【art】「大阪の日本画 JAPANESE PAINTINGS of MODERN」鑑賞 @ 東京ステーションギャラリー

 

 

2023年5月19日鑑賞。

 

東京や京都の画壇の陰に隠れがちである大阪の日本画。その大規模展覧会が初めて開催されるということで、これは見たいと思っていた。

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから4ヶ月以上経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

チラシによると大阪は商工業都市として発展したため、東京や京都とは異なる独自の文化圏を形成したそうで、個性的で優れた美術作品を生み出してきたのだそう。

 

いわゆる吉本芸人に代表されるコテコテをイメージしていたのだけど、そういう感じではなくて、確かに独特の風情がある作品が多く興味深かった。

 

 

ポスター①(中村貞以「失題」)

 

ポスターになっている「失題」の作者である中村貞以(Wikipedia)については名前は知っていたけど、よく知らなかった。このインパクトの強さにビックリした。

 

添えられていた説明によると、肩や腰などに丸みを持たせ、全体的に円を描くような構図になっているとのこと。たしかに🤔 腰がどっしりしていることもあるけれど、とにかく迫力があって画面が盛り上がっているかのようだった。これはスゴイ!

 

島成園「祭りのよそおい」

 

島成園(Wikipedia)も知らなかったのだけど、女流画家だそう。大阪の女流画家といえば上村松園だけど、女性の画号には"園"をつける風習があったのかな?🤔

 

今作は成園が21歳の時の作品で、祭りの装いをしている4人の少女を描いている。左の3人が足袋を履き化粧をしているのに、右側の少女は素足で着物も粗末であることから、身分の差を描いているのだそう。

 

右の子は3人を遠巻きに見ており、3人は彼女に無頓着。その感じが"身分の差"に含まれているあれこれを感じさせてとても切なくなった。それを21歳で表現できるってすごい才能! もっと作品を見てみたい。

 

ポスター②(生田花朝「天神祭」(部分))

 

 

 

ポスター③(北野恒富「宝恵籠」)

 

今回のお目当ては北野恒富(Wikipedia)だった。以前『あやしい絵展』(感想はコチラ)と『コレクター福富太郎の眼』(感想はコチラ)で見た「道行」が強烈な印象で、是非他の作品も見たみたいと思ったので。

 

チラシによると妖艶で退廃的なが作風で人気を博したものの「悪魔派」などと揶揄されてしまったらしい。たしかにそういった作品が多かったけれど、4種類あるポスターの1つになっている「宝恵籠」がとても良かった。

 

「宝恵籠」というのは商売繁盛を願って、十日戎に芸妓を色駕篭に乗せて今宮戎にお参りする行事だそうで、となるとこの娘さんは籠に載せられた舞妓さんなのかな? 恥じらいを帯びた顔の初々しい美しさと、ほのかな色香。とてもいい。

 

 

 

飛行機が登場したとはいえ、今でも大阪へ向かう手段は東京駅から新幹線が主流なのではないかな? そういう意味では東京駅構内の東京ステーションギャラリーで見るというのは、とても意味がある気がしてニヤリだった😀

 

 

お土産はポストカード2種。右の橋本花乃の「七夕」もとってもかわいらしかった。

 

おそらく以前も見たことはあったのだと思うけれど、大阪の絵師や画家の作品だと意識して見たことはなかった。こういう風にカテゴライズされると、たしかに特徴があって興味深かった。

 

大阪の日本画 JAPANESE PAINTINGS of MODERN:2023年4月15日ー6月11日 @ 東京ステーションギャラリー

大阪の日本画 JAPANESE PAINTINGS of MODERN

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「琳派、若冲、ときめきの日本美術」鑑賞 @ 日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール

2023-09-18 17:18:32 | art

【art】「琳派、若冲、ときめきの日本美術」鑑賞 @ 日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール

 

 

2023年5月12日鑑賞。

 

京都にある細見美術館の開館25周年を記念した企画展。細見美術館といえば琳派のコレクションというイメージで、これは是非見たいと思っていた。

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから4ヶ月以上経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

デパート内のギャラリーなので規模としては決して大きくないのだけど、小さい作品が多いとはいえ100点を超える作品の展示は見応えたっぷり。

 

メモを取っていなかったし、4ヶ月以上経ってしまったので、内容はほぼ忘れてしまったのだけど、細見美術館の成り立ちや作品に対する考え方など、とても感動した覚えがあって、この映像展示も良かった。

 

 

上述したとおり、細見美術館は琳派作品を多く所蔵している美術館というイメージだったのだけど、飛鳥時代の仏像や室町時代の茶器など展示作品の種類が多彩で、とても楽しかった。

 

「七宝夕顔文釘隠」

 

桃山時代の作品。作者の名前はないので、職人さんが作ったものなのかな? 由来などの説明もなかったので、何に使うものなのかも、例えば名のある人物の持ち物だったのかも分からない。

 

でも、とても丁寧な仕事で美しかった。10点近く七宝作品が並んでいたけど、特にこの作品が素敵だった。

 

山東京伝「江戸風俗図巻」

 

江戸の男女26人を職業別に取り上げて、服装などの特徴を記載した作品。風俗画とか風刺画ということになるのだろうけど、ちょっと雑誌のような感覚というか・・・

 

数人分しか見れなかったので全員見てみたい! 山東京伝(Wikipedia)って個人的には作家のイメージが強かったのだけど、浮世絵師でもあったのね😲 

 

 

酒井抱一「桜に小禽図」

 

酒井抱一(Wikipedia)は姫路城主の次男で兄に跡継ぎが生まれるまでは、兄の養子として城主となるはずだった人物。とはいえ、とても美男でモテたようで遊び人の一面もあり、気品がある中にも遊び心もあってとても好き。

 

鈴木其一「水辺家鴨図屏風」

 

琳派の中で一番好きな鈴木其一(Wikipedia)の作品。それぞれ約100年ずつの年代差があり、私淑してきた琳派にあって、初めて師匠の酒井抱一の直弟子となった人物。どこか現代的というか大胆なところが好き。今作もユーモラスでかわいかった。

 

 

明治時代に活躍した神坂雪佳(Wikipedia)といえばの「金魚図」 本阿弥光悦が作った芸術村を再現したかったらしいので、目指したところはいわゆる琳派の流れとは少し違うのかもしれないけど、この大胆な構図はとても好き。

 

 

 

 

最後は19点の伊藤若冲(Wikipedia)作品!  若冲は大好きなので企画展があれば必ず行っている。なので、見たことがある作品もあったりするのだけど、この「雪中雄鶏図」は見たことあったかな?🤔 

 

落款に"景和"の文字があるので30代後半の作品とのこと。若冲が実家の青物問屋を弟に譲り、本格的に絵を描き始めるのは40歳になってからなので、これはまだ隠居していない頃の作品ということなのね🤔 ちょっと感慨深い。

 

伊藤若冲「鼠婚礼図」

 

若い頃は気が遠くなるほど精巧に描き込んでいた若冲も、晩年には水墨画でさらりと描いたように見える作風になっていく。もちろん、あくまでそう見えるということで、決してサッと描いたということではないのだけど・・・

 

その変化とともに少しユーモラスな作品も増えていくように思う。とはいえ、今回初めて見た「鼠婚礼図」はその中でも物語性もあって、知らずに見たら若冲作とは思えなかったかも。とても良い! こういう作品もっと見たいな。

 

 

 

お土産はポストカード3種。若冲2枚と神坂雪佳1枚。若冲の「鼠婚礼図」が欲しかったんだけどなかった😭

 

デパート内の企画展はこじんまりとしていて見やすいし、なによりデパート閉館時間まで見れるので会社帰りに見るのにとてもいい。細見美術館は是非行ってみたい美術館なので、とても楽しかった!

 

琳派、若冲、ときめきの日本美術:2023年4月26日ー5月15日 @日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール

開館25周年記念展 京都 細見美術館 琳派、若冲、ときめきの日本美術

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「マティス展 Henri Matisse:The Path to Color」鑑賞 @ 東京都美術館

2023-08-20 23:45:37 | art

【art】「マティス展 Henri Matisse:The Path to Color」鑑賞 @ 東京都美術館

 

 

2023年5月4日鑑賞。

 

世界最大規模のマティスコレクションを誇るポンピドゥーセンターの全面協力で、約20年ぶりの大規模回顧展の開催となったのだそう。

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから3ヶ月以上経ってしまったし、他にも書きたい記事が溜まっているので、感想ポストに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

 

アンリ・マティス(Wikipedia)はそんなに好きな画家ではない。キュビスムとか抽象的な作品はよく分からない💦 なので、今回はスルーするつもりでいたのだけど、話の流れで友達とGWに東福寺展(記事はコチラ)と合わせて見に行くことになった。

 

これがとっても良くて、本当に見てよかった!

 

 

アンリ・マティス「自画像」

 

最初に展示されていた「自画像」が自分的にかなり衝撃的だった!

 

自分が知っていたマティスと違っていたし、暗い表情もさることながら色彩の美しさに引き込まれて、そこからずっと楽しかった。

 

 

アンリ・マティス「自画像」

 

アンリ・マティス「パイプをくわえた自画像」

 

アンリ・マティス「自画像」

 

どうやらかなりの枚数自画像を描いていたようで、今展でもスケッチ的なものから本格的なものまで数点あった。1人の画家の企画展としては多いように思う。

 

でも、これがとても良くて、特に素描の少しとぼけた感じがすごくいい。とても味わい深くて、自画像はどれも好きだった。

 

 

 

アンリ・マティス「赤いキュロットのオダリスク」

 

アンリ・マティス「緑色の食器棚と静物」

 

「赤いキュロットのオダリスク」と「緑色の食器棚と静物」も、自分の知ってるマティスと違ってた。「緑色の食器棚と静物」はセザンヌの影響が感じられて興味深い。

 

アンリ・マティス「グールゴー男爵夫人の肖像」

 

「グールゴー男爵夫人の肖像」は、だいぶ自分の知ってるマティスに近い。この構図や夫人の表情もとてもいい。

 

 

アンリ・マティス「夢」

 

アンリ・マティス「≪夢≫のための習作」

 

アンリ・マティス「座るバラ色の裸婦」

 

「≪夢≫のための習作」が「夢」を描くための習作だとしたら、「夢」は腕の感じ以外まったく違う作品になっているのがおもしろい。作品としての「夢」はとてもいいけど、「≪夢≫のための習作」はこの状態で完成している気もする。

 

「座るバラ色の裸婦」にいたっては頭も途中で切れちゃってるし、顔の中身も描かれていない。いわゆる苦手な抽象画っぽいけど、なんだかとてもいい。

 

 

アンリ・マティス「立っているヌード」

 

アンリ・マティス「赤の大きな室内」

 

アンリ・マティス「黄色と青の室内」

 

アンリ・マティス「マグノリアのある静物」

 

この辺りが自分が思い描いていたマティス作品。

 

これらの作品をのみを見ると強烈で、以前ならば好きではなかったと思う。でも、実はここに至るまでには、前述したとおりセザンヌの影響を受けた作品を描いてみたりと試行錯誤していて、その流れで見てみると、なるほどこうなりましたかと納得。

 

 

何度もしつこいけど、自分の知っていたマティスは晩年の原色の人物や動物たちが舞っているような作品や、キュビズムっぽい油彩だった。

 

実際はすぐれた色彩感覚があり、デッサンもとても上手で、良いと思った手法を次々と試し、原色のあの人たちにたどり着いたのだと思ったら感慨深い。

 

しかもあの人たち切り絵だったとは!!😲

 

マティスの芸術家として、そして人生の集大成となった「ロザリオ礼拝堂」の4K映像を見るに至り、とても敬虔な気持ちになった。

 

自分はキリスト教徒ではないので、神に対してというよりも、病に冒されベッドに横たわりながら完成させたという、その強い思いに感動した😭

 

 

 

お土産はポストカード3種と、作品の一部がプリントされたボックスに入ったカフェオレ用コーヒーバッグ。牛乳と一緒に煮だして作る。初めての体験で楽しかったし、おいしかった。

 

書くの遅くて今日閉幕してしまった💦 とっても楽しい企画展で、自分にとってまさにマティス再発見となる貴重な体験だった。一人では行かなかったと思うので、友だちに感謝!

 

マティス展 Henri Matisse:The Path to Color : 2023年4月27日ー8月20日 @東京都美術館

マティス展 Henri Matisse:The Path to Color

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「特別展 東福寺」鑑賞 @ 東京国立博物館 平成館

2023-08-12 01:13:29 | art

【art】「特別展 東福寺」鑑賞 @ 東京国立博物館 平成館

 

 

2023年5月4日鑑賞。

 

時代劇に登場する通天橋でおなじみ京都の東福寺。その初となる大規模展覧会。これは絶対見たいと思っていた!

 

いろいろ書きたいことはあるのだけど、見てから3ヶ月以上経ってしまったし、他にも記事が溜まっているので、感想ツイートに追記する形で記事として残しておく。

 

 

 

 

平日は17時までしか開館しておらず、金曜日の夜間開館もなし。諸事情により土日も予定がつかずで閉幕ギリギリに💦 GW前半に肉フェスに行った時に話題になり、GW後半に友だちと見に行くことになった😃

 

9時半開館ということで、9時20分待ち合わせで行ったけれどチケット売場は長蛇の列! 思った以上の人気でビックリ。自分のお目当ては仏像と五百羅漢図だったので、順路とは違うけれど仏像から見ることにした。

 

 

「仏手」

 

「仏手」

 

「仏手」

 

「仏手」

 

お目当ての一つだった「仏手」は、ご本尊釈迦の左手だったもの。左手首が2m超ということは、かなり大きなご本尊だったのでしょう。人々の願いを聞くという意味の与願印を結んだ手の美しさからすると、きっと素晴らしいお姿をしていたのではないかと思われる。拝見したかったな😢

 

 

「釈迦如来坐像」

 

「釈迦如来坐像」

 

この方ご自身が、御本尊であっても不思議じゃない大きさと美しさ。なんと本尊釈迦の光背の化仏だったのだそう。光背というのは後光を表したもので、化仏というのは光背に配された仏像のこと。

 

大きさを的確に表現できないのだけど、いわゆる仏像と言われてイメージする大きさ。人間と同じくらいかな?🤔 そのサイズが光背についていたというのもビックリ。どれだけ大きいの

 

「蓮弁」

 

そして本尊釈迦が坐していらした「蓮弁」 こちらもかなり大きい。各院に伝わったそうで、この蓮弁は即宗院のもの。

 

 

涅槃図の画像展示だったのだけど、説明などを撮ってくるの忘れたので、今となってはよく分からず💦

 

 

 

 

この「二天王立像」がめちゃめちゃかっこよかった! どちらも3m超とかなりの大きさ。腰をひねって邪鬼を踏みつけて立つ姿は大迫力! 特に吽形のスタイルの良さと、衣の翻り具合など完璧な美しさ! 実は「仏手」の4枚目の画像の奥にチラリとお姿が・・・

 

 

吉山明兆「白衣観音図」

 

今回の目玉の一つである吉山明兆(Wikipedia)の「白衣観音図」  かなり大きな作品。ところどころ着色があるものの、基本墨の濃淡で表現されていて、その中に白衣の観音様が浮き上がってくる。この観音様の静かな美しさが圧倒的。

 

左下の善財童子と右下の龍、そして白衣観音が三角形の構図になっているのが、明兆の最晩年の様式とのこと。

 

 

 

 

今回の最大の目玉。吉山明兆の「五百羅漢図」1幅に10人×50幅で500人を描くという途方もない作品。14年かけて修復がなされ、今回の展示となった。

 

残念ながら数点は失われているそうで、そのうち46号と47号を後陽成天皇の依頼で狩野孝信が描いた作品の展示もあった。50号は現在エルミタージュ美術館所蔵となっているらしい。

 

羅漢というのは悟りをひらいた高僧のこと。思っていたよりコミカルだったりして、とてもおもしろかった。これを見ると文字が読めない人々も仏教に親しみを持てたのかもしれない。

 

 

 

 

 

こちらも楽しみにしていた通天橋の再現。東福寺といえば時代劇などでおなじみの通天橋。大好きな「鬼平犯科帳」のエンディングにも登場していて、行ってみたい場所でもある。

 

その通天橋と紅葉の時期の景色が再現されていて撮影スポットになっていた。このスポットを誰もいない状態で撮影したくて順番を変えた部分もある。

 

欄干の向こうにも床が見えてしまっているけど、1枚目はそこそこいい感じに撮れたんじゃないかな🤔

 

 

 

展示替えありの15幅ずつとはいえ「五百羅漢図」一挙展示は圧巻だったし、後半の「仏手」や「二天王立像」などの仏像展示はアトラクション的な楽しさがあって、すごく面白い企画展だった。

 

東京展はとっくに終わってしまったのだけど、なんと現在京都展が開催中! 興味のある人は是非是非!

 

特別展 東福寺:2023年3月7日-5月7日 @東京国立博物館 平成館

特別展 「東福寺」(京都展)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「重要文化財の秘密」鑑賞 @東京国立近代美術館

2023-06-20 17:30:00 | art

【art】「重要文化財の秘密」鑑賞 @東京国立近代美術館

 

 

2023年4月14日鑑賞。

 

東京国立近代美術館の開館70周年を記念した企画展。展示作品全て重要文化財という素晴らしい企画。これは絶対見たいと思っていた!

 

書きたいことはたくさんあるのだけど、時間がないので感想ツイートを補足する形で記事として残しておく。

 

 

 

「重要文化財の秘密」というタイトル通り、全作品ではないものの作品のどこが評価されたのかや、重要文化財に指定されるまでの経緯などが紹介されていてとても興味深かった。

 

 

 

川合玉堂「行く春」

 

川合玉堂(Wikipedia)の作品はいつ見ても穏やかな気持ちになる。川に迫る岩肌などの描写は迫力があるけど、そても清々しい作品だった。

 

 

高橋由一「鮭」

 

本当のお目当ては菱田春草の「黒猫」だったのだけど展示期間外だった💦 まさかのミス😣

 

もう一つのお目当てが高橋由一(Wikipedia)の「鮭」だった。とても有名だけど見たのは初めてかな? 何故これを描こうと思ったのかも含めてとてもいい✨

 

 

萬鉄五郎「裸体美人」

 

岸田劉生「麗子微笑」

 

2点とも何度か見たことあるけど、やっぱり毎回ビックリするインパクトの強さ。

 

萬鉄五郎(Wikipedia)はゴッホやマティスから感化を受けたとのことなのだけど、たしかに草の描き方はゴッホっぽいかも🤔

 

岸田劉生(Wikipedia)は娘の麗子さんをたくさん描いているけれど、今作が一番有名な作品。ご本人は麗子さんを本当にかわいがっていたようだけれど、ちょっと怖い😅

 

もっと怖く(本人の意図は別として)描かれている作品もあるので、今作は美しくもあるのだけど・・・

 

 

鈴木長吉「十二の鷹」

 

鈴木長吉「十二の鷹」

 

鈴木長吉「十二の鷹」

 

鈴木長吉「鷲置物」

 

鈴木長吉(Wikipedia)は今回初めて知った。まず「十二の鷹」が圧巻! 止まり木というかお寺などの欄干のようなものの上に、鷹が十二羽様々なポーズで止まっている。迫力があったり、少し滑稽だったり様々で、それぞれ個性的で見ていて楽しい。

 

「鷲置物」は今にも羽ばたきそうなリアルさで、眼光鋭くとてもカッコイイ! 鈴木長吉の作品は機会があったら見たい。

 

 

横山大観「生々流転」

 

横山大観(Wikipedia)の良さが実はあまり分かっていなかった。でも、この「生々流転」はすごかった! 最初の方の展示なのだけど、全長40mに渡る作品で、水の輪廻を全編墨で描いているのだけど、水の音まで聞こえてきそうな迫力。これは見れて良かった!

 

描かれて100年めにあたるそうで、1923年9月1日から「再興第10回院展」で展示される予定だったけれど、関東大震災が起きて中止に💦 その後、無事に発見されて10月30日から大阪で展示され、さらに12月31日から法政大学で展示されたのだそう。

 

今年は関東大震災から100年目でもあるのか・・・ しかし、約2ヶ月後に大阪で展示しているというのもスゴイな🤔

 

 

 

お土産はポストカード2種とネコの凸コースター。コースターは何種類かあったけど、やっぱり猫のかわいさを見過ごせず🥰

 

展示入替もあって決して点数は多くないけれど、その分じっくり見れてとても良かった。

 

東京国立近代美術館が所蔵している作品がメインなので、今後も常設展で見れると思うので、その際に今回の解説を思い出して見れたら楽しいと思う。そういう意味でも素晴らしい企画展だった。

 

東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密:2023年3月17日-5月14日 @東京国立近代美術館

東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「入江明日香展」@日本橋髙島屋S.C. 本館6階 美術画廊

2023-06-20 14:50:45 | art

【art】「入江明日香展」 @日本橋髙島屋S.C. 本館6階 美術画廊

 

 

3月22日に日本橋髙島屋画廊で開催されていた「入江明日香展」を見てきた。約3ヶ月経ってしまって今さらだけど、感想ツイートに簡単な追記でアップしておく。

 

諸事情により自分の時間がほとんど取れず💦 とはいえ趣味を全部放棄してしまうと自分がつぶれてしまう💦 なので、外出を伴う趣味は美術鑑賞に絞っている。

 

せっかく見てきたのだから、記録としてブログに残しておきたいけれど、なかなか時間が取れない💦 本来ならば作者や描かれた背景なども調べたりして書きたいところだけど、そうも言っていられない😣

 

記事待ちの鑑賞済み展覧会も溜まりに溜まっているので、とりあえずツイートできているものは、追記は最小限でアップして行こうと思う。

 

入江さんの記事の前置きにしてしまって申し訳ないし、毎度どうでもいいとは思うけれど、断り書きとして残しておく😌

 

 

 

 

入江明日香(入江明日香(Asuka Irie))さんの作品を最初に見たのはインスタ(Asuka IRIE)でオススメされた時。とにかく色遣いの美しさが気に入りそのままフォロー。後日、たしか「アド街ック天国」だったと思うけれど、ご本人も登場されて取り上げられていて、これは是非見てみたいと思っていた。

 

日本橋髙島屋の画廊での開催なので、点数も決して多くはないけれど、屏風を含めた大作もあり見応えがあった。

 

 

 

 

 

 

ただ素敵だなと思って見ているだけなので全く詳しくないのだけど、この歌舞伎モチーフの作品が早い段階で展示されていて、一気に引き込まれた!

 

人物の表情や立ち姿、そして着物や色遣いの美しさはもちろん、烏帽子が機械的なモチーフになっていたりするのも好きだったし、ところどころに描かれている猫たちも、猫好きとしてはたまらないかわいさだった。

 

 

 

 

この2点はもう近未来ものアニメの主人公たちのような雰囲気で、でもやっぱり猫たちもいてとても面白い。

 

 

 

 

 

鶏といえば無条件で伊藤若冲を連想してしまう😅 でもこの鶏とてもリアルに描かれているようで、体や羽根の部分があいまいで、少女の腕と一体化しているようにも見えるの不思議で好き。

 

そしてここでも登場の猫ちゃん🐾

 

 

 

作品の一部は販売もしていて欲しかったけどとても買えない😭 ポストカードでもと思ったけれど物販はなし。チラシがあればと聞いてみたらリーフレットをいただいた。これはうれしい✨

 

機会があったら是非また作品を見に行きたい!

 

入江明日香:2023年3月22日ー27日 @日本橋髙島屋S.C. 本館6階 美術画廊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展」@日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール

2023-05-28 23:51:42 | art

【art】「ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展」@日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール

 

 

新聞記事で開催を知って見に行かなきゃと思いつつ、なかなか予定が合わず最終日前日にようやく行ってきたー

 

いつものとおり感想ツイートに追記する形で記事として残しておく。とはいえ見てから2ヶ月以上経ってしまったのと、基本的に去年鑑賞した「フィン・ユールとデンマークの椅子」(感想はコチラ)と被っているので、サラリと書いておく。

 

 

 

 

 

東海大学名誉教授で椅子研究家の織田憲嗣(Wikipedia)さんのコレクションから"ていねいに美しく暮らす"をテーマとして作品を展示する企画展。前述した「フィン・ユールとデンマークの椅子」も織田コレクション(Oda Collection|織田コレクション)がベースとなっていたため、特に椅子は被っている作品も多かったのだけど、素敵なものは何度見ても素晴らしい!

 

 

入口からたくさんのオイバ・トイッカ(Wikipedia)デザインのバードたち。とてもカワイイのだけど、お値段がかわいくないので、なかなか手が出ないのだけど、いつかお迎えしたいな。

 

 

 

 

会場内は基本的に撮影OK。たくさん撮ったのだけど、下手でいい写真が少ない💦 人が写ってしまったり、隣の椅子が見切れる形になってしまったり構図が難しい💦💦

 

ブルーノ・マットソン「ジェーズロング」「コーヒーテーブル」

エリック・ハンセン「ブラケット モデル332」

 

カイ・ボイスン「玩具 衛兵(ラージサイズ)」

 

入口に佇んでいたカイ・ボイスン デザインのこの子、ラージサイズとあるとおり結構大きい。一番上の画像の右端にも映っているけど、台除いても1m以上あるかも?🤔 でも素朴でかわいい。

 

 

ハンス・J・ウェグナー「ピーコックチェア」

 

ハンス・J・ウェグナー「ピーコックチェア張り包みタイプ」

 

ハンス・J・ウェグナー「チャイナチェア」

 

ハンス・J・ウェグナー「ザ・チェア(プロトタイプ)」

 

Yチェアーでおなじみのハンス・J・ウェグナー(Wikipedia) 「ザ・チェアー」もとても良い。そしてピーコックチェアがとても素敵。

 

 

 

フィン・ユール「ウイスキーチェア&グローブチェスト」

 

フィン・ユール「チーフティンチェア」

 

フィン・ユール「イージーチェア No.53」

 

フィン・ユール「イージーチェア No.45」

 

"世界で最も美しい肘を持つ椅子"と呼ばれるフィン・ユール(Wikipedia)の代表作「イージーチェア No.45」が シンプルで美しい。どんなインテリアにもなじむデザイン。

 

1枚目の画像に映っているグローブチェストはボーエ・モーエンセンに酷評されてしまったらしいけれど、ミッドセンチュリーモダンな感じで個人的にはとても好き! 

 

 

 

 

 

 

向かい合うように北欧家具や照明を使った部屋の展示も。どちらも朝から夜へと照明を使った演出があり、それぞれの時間での変化を楽しめた。

 

どちらの展示も個人的な好みとはちょっと違うけれど、使われている家具や照明がどれも素敵でウットリ。

 

 

ルート・ブリュック

 

リュート・ブリュックとツイートしちゃってるけど、正しくはルート・ブリュック。数年前に開催された企画展に行かなかったことを激しく後悔していたので、作品が見れてうれしい。これめちゃめちゃかわいい

 

ビルゲル・カイピアイネン

 

リサ・ラーソン

 

アルヴァ・アアルト

 

ガラスケースに展示されていた作品は、自分が写り込んでしまったりしてなかなか上手く撮れず💦 さらに作品名を撮ったつもりが上手く撮れてなかったり😵

 

最終日前日、しかも閉館まで1時間前に入場。デパートのギャラリーということで、展示スペースとしては決して広くはないけど、見応えあり過ぎの展示で時間が足りないー💦

 

とにかく北欧好きにはたまらない企画展だった! 

 

 

 

 

 

物販コーナーがまた素敵で、特にムーミングッズの充実ぶりがすごくて、欲しいものだらけだったー😆 この毛糸?フェルト?でできたお花?がかわいくて2個も買ってしまったし、ポストカードも欲しいものだらけで予算がー💦

 

ということでムーミングッズはリトルミイのコースター、ポストカードを4枚、そしてお花ということになった。

 

ていねいに美しく暮らす 北欧デザイン展:2023年3月1日ー21日 @日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール

北欧デザイン展

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする