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【art】「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」@東京都美術館

2022-03-22 02:10:32 | art

【art】「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」@東京都美術館

 

 

オミクロン株による蔓延防止措置などにより準備が遅れ開催延期となっていた。自身も在宅勤務が増えなかなか行ける機会がなく半ば諦めていたけれど、フェルメール作品鑑賞コンプリートを目指(記事はコチラ)している身としては、やっぱり行かないと!ってことで行って来た。

 

ツヴィンガー宮殿の敷地内にあるドレスデン国立古典絵画館収蔵の、17世紀オランダ絵画を集めた企画展。なんといっても目玉は2017年からの修復を終え、2021年9月に一般公開となったヨハネス・フェルメール(Wikipedia)作「窓辺で手紙を読む女」の来日で、修復後の海外での公開は今展が初となる。

 

いつものとおり感想をTweetしておいたので、そちら追記する形で記事として残しておこうと思う。でも、実はフェルメールは好きなのだけど17世紀オランダ絵画はあまり好きではない。なのでフェルメールの作品以外はほぼ言及はないです。すみません🙇

 

 

 

大雨の予報が出ていたためか18:30の入場開始直前にも関わらず、美術館に向かう人も少なく、入場待ちの列もなくすんなり入れた。そのままB1から順路通り鑑賞しようかとも思ったのだけど、先に「窓辺で手紙を読む女」を鑑賞してしまってから、落ち着いて見ようと考えた。

 

東京都美術館はB1から2階まで登って行く展示となっていて、目玉作品は1階に展示されることが多い。美術展の展示はたいていテーマに沿って時系列順に展示されているから、順路通り鑑賞した方がより理解が進むのだけど、鑑賞時間が限られているから、夜間に鑑賞する時は1階の目玉作品から先に鑑賞することが多い。

 

エレベーターで2階に上がると入口付近に修復作業を紹介する短い映像が流れるモニターが4~5台並ぶ。ニスを取り除き、塗りつぶされていた絵具を削り取って行く作業は、とても細かくて繊細。

 

向かい側では大きなモニターで「窓辺で手紙を読む女」について紹介する映像が流れている。それによると、今作はもとはレンブラントの作品だと考えられていたのだそう。えー💦 レンブラントのタッチじゃないと思うんだけど😅

 

この映像展示スペースに続いて、2001年に描かれたザビーネ・ベントフェルトによる「窓辺で手紙を読む女」の複製画に続き、「窓辺で手紙を読む女」の展示となる。複製画にはキューピッドが描かれていないので、修復前と修復後の対比が分かるようになっている。

 

小品含めて79点と点数が少ないこともあり余裕のある展示になっていたし、あまり混んでいなかったこともあり、どの作品もほとんど待つこともなく見れたけれど、さすがに「窓辺で手紙を読む女」には人だかり。

 

とはいえ、コロナ前の「真珠の耳飾の少女」(記事はコチラ)や、あの若冲展(記事はコチラ)のような混雑はなく、少し並んで待っていれば最前で見ることが出来る程度でほぼノンストレス。

 

コロナ禍でいろいろ不便なことが多いけれど、個人的にこの余裕のある鑑賞が出来る日時指定制度はとても嬉しい。やはり前述の若冲展の混雑ぶりは美術を鑑賞する環境ではなかったとように思う。

 

 

 

キューピッドが描かれていること自体は1979年の調査で分かっていたけれど、この時点ではフェルメール自身が塗りつぶしたものと考えられていたのだそう。その後の調査で上塗りに使われた画材は後世の物であることが分かったため、2017年から始まった修復で描かれた当時の姿に戻されたとのこと。

 

「窓辺で手紙を読む女」はフェルメールの室内画最初期の作品で、手紙をモチーフとした最初の作品でもある。フェルメールはいくつかのモチーフを繰り返し描いたけれど、今作に描いた"手紙"は中でも一番多く描いており、35作品中6作に登場しているのだそう。

 

話題のキューピッドは壁掛けられた絵いわゆる画中画。この画中画は寓意が込められることが多く、今作に描かれているキューピッドは当時流行の画き方である、弓を持ち仮面を踏む姿で現されている。この仮面は"欺瞞"の象徴で、"誠実は愛は嘘や偽善に打ち勝つ"という意味が込められている。

 

つまり女性が読んでいるのは恋文であるということが分かる。なるほどそういう謎解きは面白い!

 

 

上の方にも書いたけれど、17世紀オランダ絵画は好きではない。でも、「窓辺で手紙を読む女」でも使われている、窓辺に人物が佇む構図自体はフェルメール以前からオランダ画壇では用いられていたもので、むしろフェルメールの方が後追いらしい。

 

確かに今展でもそのような構図の作品があったけれど、だからといって特に惹かれるものはなかった。ベッタリとした絵具の質感とか、寓意的な感じとかが苦手なのかな?🤔 

 

フェルメールとフェルメール以外の当時の作品にはハッキリ違いがあると思っているのだけど、それを上手く説明出来なかった。でも、今回、修復によって色鮮やかに蘇った「窓辺で手紙を読む女」を見て、とても良く分かった。

 

例えば手前のテーブルの上に置かれた絨毯?の描写がスゴイ! 本当に毛の一本一本まで描かれているかのような細かさで、その少し硬めながら手触りのよい質感まで感じさせる。その画力はやっぱりケタ違いだなと思った。

 

もちろん他の画家の風景画や静物画の細かい描写力も素晴らしいのだけど、なんというか古さを感じるけれど、描かれている人物の髪型も服装も同じなのに、フェルメール作品には古さを全く感じない。それはその細部までこだわって描く手法や画力によるものなのかなと思う。

 

絵画も美術も好きで見ているだけで、きちんと勉強したわけじゃないから、当時のオランダ絵画についても全然詳しくない。なので、あくまで想像だけれど、当時としてはフェルメールの方が異端だったのかもしれない。

 

フェルメールの人気は欧米では日本ほど高くはないらしい。欧米人がフェルメールをそんなに好まない理由は分からないけれど、日本人が好きな理由はこの辺りの繊細さと大胆さにあるのかなと思ったりもする。あくまで個人的な意見。

 

 

今展ではもう一人ビッグネームであるレンブラント・ファン・レイン(Wikipedia)の「若きサスキアの肖像」が出展されている。「夜警」が有名過ぎるレンブラントだけれど、肖像画を数多く描いており全く美化せず描いたことでも有名。そして、「夜警」も実は肖像画。

 

サスキアは後に妻となる女性。この作品を描いた当時は恋人だったらしい。となると少し盛って描いてしまいそうなものだけど、そうはしていない。

 

そもそも肖像画ってよほど有名な人でなければ見てもおもしろくはない。銀行家とその妻とか言われても誰?って感じだし、美男美女ならともかく普通のおじさんやおばさんではね😅 だからレンブラントの作品は特段好きではない。

 

だけど! 今作にしても全体的に暗いのにサスキアの顔と首から肩の辺りにかけて、まるでスポットライトを当てているかのように明るく描いている。この効果ゆえかレンブラントの作品は目に飛び込んでくる。

 

好みではない作品なのに目に飛び込んでくるというのは、実はすごいことなんじゃないかと思う。なので、やっぱりレンブラントはスゴイと思う。

 

 

 

修復前の「窓辺で手紙を読む女」を見ることはもうできないけれど、修復前のポストカードが売られていたので、修復後とあわせて買ってみた。キューピッドの有無以外でも窓枠が実は青だったりと全体的に色鮮やかになって印象が違っている。

 

目の錯覚かもしれないけれど、修復後のキューピッドの画中画の枠があるせいか、女性が少し背が高く見える。不思議。

 

フェルメール展といえば作品を再現したミッフィーのぬいぐるみで、大小在庫あり。とても迷ったのだけど、スゴイ雨で駅から美術館まで歩いただけでリュックがびしょ濡れだったので断念😢

 

「窓辺で手紙を読む女」のみ目当てで行っても大満足! 毎回書いているけど見れる機会があるなら本物を見るべき! 

 

ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展:2022年2月10日~4月3日 @東京都美術館

ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展


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