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【art】「名作誕生 つながる日本美術」

2018-05-23 00:39:58 | art

🎨【art】「名作誕生 つながる日本美術」🎨

 

 

見たいと思って前売り購入していたのだけど、結局ギリギリ鑑賞に😅 展示入れ替えがあるので、どのタイミングにすべきか悩んだりしてたらこんなことに。結局、長谷川等伯の「松林図屏風」は間に合わず💦 まぁ、見たことあったのでOK。ということで行ってきた~

 

 

 

雑誌「國華」の創刊130周年を記念しての企画展ということで、軽く國華(Wikipedia)について触れておくと、明治22年10月に岡倉天心と高橋健三により創刊された美術雑誌。雑誌名の由来は「夫レ美術ハ國の精華ナリ」で、これは誰の言葉だっけ? 画質にこだわり、創刊当時からカラー刷りだったそうで、当然ながら値段も高く、経営が行き詰まってしまったそうだけど、朝日新聞創業者の村山龍平と上野理一の援助を受け、さらに1939年からは朝日新聞社が経営を引き継いでいるのだそう。存続している雑誌としては世界最古。

 

例によって備忘メモをTweetしておいたので、それに補足する形で記事を書こうと思う😌 そうそう! 先日、BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」で紹介されて、記事(コチラ)にしておいたので、その辺りの知識も入れ込みながら書こうと思う。

 

 

第一展示室はいきなり仏像10体がどーんと並ぶ圧巻の展示。これはスゴイ! うち1体が伝衆宝王菩薩立像、うち2体が十一面観音菩薩立像で、残り7体は伝も含めてすべて薬師如来立像。これは、唐招提寺の「薬師如来立像」から影響を受けて、作られた流れを見せているのだと思う。8世紀から10世紀までに作られた仏様たち。

 

唐招提寺「伝薬師如来立像」

 

やはり唐招提寺の「伝薬師如来立像」は外せない。鑑真は2回目の渡日の際に、工人を連れて来たそうで、これはその工人によるものだろうと言われているらしい。当時の日本人は神聖な楠ではなく、栢を使うことに驚いたとのこと。台座までが一木で造られており、この作り方は平安まで続いたとのこと。ぶらぶら美術・博物館で解説されたことを参照に見てみたのだけど、確かに太腿のハリがスゴイ! これ画像では全然伝わらないくらい太腿がスゴイ! 何故こんな造形なんだろう? そして衣文のYが確かに顕著で、これにより布の柔らかさが伝わって来る。

 

元興寺「薬師如来立像」

 

おそらく、唐招提寺の「伝薬師如来立像」を参考に造られたのだろうと言われているらしい。こちらのY字衣文も美しかった。そしてお顔がシュッとして美しかった。特に横顔が美しい。そして内刳りも確認できた。思っていたよりも深くて大きい。背中がかなりパックリ割れている。割れを防ぐためのものとのこと。南部寺院の布教が及んだ地域に確認される手法らしい。台座部分に"元興寺"の文字を発見! これは作られた当時に書かれたものなのかな?

 

孝恩寺「薬師如来立像」

 

孝恩寺の「薬師如来立像」は螺髪のボリューム感にビックリ😲 神護寺の国宝薬師如来に通じる部分があるそうで、共通の手本があるのではないかとのこと。この方とてもかわいらしい方だった。

 

奈良時代から平安時代にかけては薬師如来が流行ったのかしら? 平安末期になってくると、末法思想が流行り、阿弥陀如来が多く作られたと思うので。まぁ、今回は前述したとおり、名作が生まれていく流れを展示する企画展だから、薬師如来が揃ったということかな。

 

 

 

 

雪舟等楊「天橋立図」

 

自分の中で中国絵画はそんなに好みではない。なので、その影響を色濃く受けている雪舟(Wikipedia)もあまり好みの絵師ではない。でもこの「天橋立図」は良かった。実際にはない架空の視点から描いているとのことで、要するにこの構図で見れる場所はないということだよね? 日本の風景を描きながら、どこか中国的ではあるけれど、天橋立の松林は美しいと思ったのでOK。

 

俵屋宗達「扇面散貼付屏風」?

 

俵屋宗達「扇面散貼付屏風」については、ちょっと記憶が曖昧💦 なので検索して出てきた画像が、どれが正解か確信が持てないのだけど、要するに自分が書きたかったことは、上に貼った画像の中にあるので、こちらを貼っておく😌 この屏風の右隻の左側の真ん中に描かれた扇に描かれているのが、蔓がとぐろを巻いたような朝顔だった。それが以前見た鈴木其一の「朝顔図屏風」に似ているなと思ったので。

 

鈴木其一「朝顔図屏風」

 

鈴木其一(Wikipedia)は琳派(Wikipedia)の絵師だけれど、琳派の祖である俵屋宗達(Wikipedia)の時代からは200年ほどの隔たりがある。この作品は師匠である酒井抱一(Wikipedia)や、抱一が私淑した尾形光琳(Wikipedia)の影響を受けていると思うけれど、光琳は宗達を私淑していたわけだから、その流れからすると、どこかでこのモチーフを見たかもしれない?と、勝手に考えただけで何の根拠もない😅 でも、そういうのが楽しい。

 

 

文正「鳴鶴図」 

 

陳伯冲「松上双鶴図」

 

狩野探幽「波濤飛鶴図」

 

伊藤若冲「白鶴図」

 

中国の絵師の作品からの影響は、雪舟の章からもずっと言われていたけれど、ここでは伊藤若冲(Wikipedia)が受けた影響について展示。対比として、同じ作品を模倣した狩野探幽(Wikipedia)の作品も展示されていて、その違いが分かりやすい。探幽は文正の右の画を波を強調するくらいで、わりとそのまま模倣。模倣とはいえ、さすが探幽とは思うけれど、正直そんなにおもしろい作品ではない。

 

一方、伊藤若冲は文正の2枚を模倣。ただし、左の画には陳伯冲「松上双鶴図」の松を合成させている。右の画も鶴がより大きくなっていて、崖は逆になっている。これは2枚並んだ際のバランスを考えたのかなと勝手に思った。4人の絵師の作品を見比べてみると、それぞれ個性があるけれど、羽根の透け感が感じられたのは若冲のみ。元ネタの文正は構図が素晴らしいとおもうけれど、やっぱり自分は一番伊藤若冲の作品が好きだった。

 

伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」

 

この作品は以前も見たことがあったと思うけれど、やっぱり好き。墨の濃淡だけで鶏を描いていて、後にもっと簡略化された鶏の屏風があったように思うけれど、これもいわゆる着色のビッシリとした描写とは違うものの、その力量が感じられる。どの作品も雄雌つがいで描かれているのも素敵で、どことなくユーモラスなのも好き。

 

伊藤若冲「雪梅雄鶏図」

 

この作品がいつ頃描かれたものなのか不明なのだけど、若冲好きとしてはかなりの作品を見てきた中で、かなり落ち着いた作品だなと感じた。うまく言えないけれど、とても穏やかなものを今作から感じて興味深かった。 

 

 

岩佐又兵衛「洛中洛外図屏風」

 

岩佐又兵衛(Wikipedia)の「洛中洛外図屏風」(Wikipedia)いわゆる舟木本は、以前実物も見ているし、東京国立博物館のミュージアムシアターで見た映像展示(記事はコチラ)も見ている。見どころについて説明があったかと思うけれど、覚えていたのは岩佐又兵衛が描かれているということ。この画像だと小さくて見えないけれど、左から1枚目の橋のたもとに居るのが、父親の荒木村重(Wikipedia) ら家族で、その近くの門?のような所に座っているのが岩佐又兵衛ではないかと言われているのだそう。ちゃんと発見したよ👍

 

菱川師宣「見返り美人図」

 

菱川師宣(Wikipedia)の「見返り美人図」は以前も見たことがあった気もするのだけど、今回のお目当ては今作だった。菱川師宣は江戸初期の絵師だから、浮世絵の元祖の1人ともいえるのかな? これは肉筆画。しかし、よくこんなにキレイに残っていたよね! 桜と菊を描いた着物の赤が印象的で、それを緑の帯と髪の黒が引き締めている。見返り方も艶めかしい。いやこれホント状態が良くてビックリ😲 これは見て良かった!

 

 

平成館は広いのでそれだけでも見応えあるのだけど、ほとんどが国宝や重要文化財なので、本当に見応えあり! 日本美術の流れがよく分かる企画展だったと思う。しかし、最後の展示が岸田劉生(Wikipedia)「野童女」ってホントトラウマになるわ💦 

 

岸田劉生「野童女」

 

とっても失礼だし、着物の赤や模様の細かさなど、素晴らしい作品だとは思うのだけど、この画像で記事締めるのもどうかと思うくらい怖い💦💦 だってまず頭が大き過ぎるでしょ! この表情は顔輝(Wikipedia)作と言われている「寒山取得図」の影響を受けているそうだけれど、自分が麗子でこんな顔に描かれてたら号泣するわ。・゚・(ノД`)・゚・。

 

🎨特別展『名作誕生 - つながる日本美術』2018年4月13日~5月27日 @東京国立博物館 平成館

特別展『名作誕生 - つながる日本美術』(東京国立博物館で開催)


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