株に出会う

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ウォッチ銘柄の更新

2005-12-17 22:20:13 | 株に出会う
格付速報の2006年新興市場版の最新版を入手しました。東洋経済の四季報に使われている会社データに基づき、オックス情報のOXPenという格付けソフトを使って各種の格付・評価をしている本です。理論株価も掲載されており、現時点の株価に割安感があるかどうかも判定できます。

この格付速報によりますと、区分がAAAからCCCまで7段階あります。BBBまでは「ほぼ安全である」とされておりますが、BBは「やや警戒を要する」となり、Bが「極めて警戒を要する」、そして、CCCは「取引は慎重を要する」とされております。

新興市場銘柄でも評価対象になっていない銘柄も結構ありますが、このところ好業績期待で上昇している銘柄は、やはりこの格付情報でも比較的上位に区分されておりました。

ところが、筆者がこれまでもウォッチしてきている個人投資家に比較的人気の高い下記の銘柄は、格付ランクに問題があることが分かりました。

1.B銘柄: 

8889アパマン

2.BB銘柄:
  
2788アップルインターナショナル、8914エリアリンク、2732クインランド、2766日本風力開発、7717Vテクノロジー、6726OHT、4310ドリームインキュベータ、4744メッツ、4700アクセス

3.CCC銘柄:

4815JDC信託

上記の銘柄の中には、好業績を理由に株価が高騰しているものも多くありますが、あくまで、オックス情報のOXPenに基づく、資金繰り、自己資本、金利負担、資金収支、販売債券の受取期間、などの財務的な観点からの格付ですので、直ちにおかしくなるという訳ではないと思われます。しかし、リスクが存在するという観点から、筆者が継続してウォッチする銘柄からは、今回から外すこととしました。

その代わりに、この本のすべての銘柄に目を通し、比較的取引高があり業績の伸長も見込まれる銘柄をAAAの格付群から新たに追加しました。下記の計28銘柄です。

<新規ウォッチ銘柄として追加>

9888UEX(これだけA)、2307クロスキャット、2315SJホールディングス、2697コーエーネット、2772ゲンキー、2777カッシーナ、3310JIMOS、3710ジョルダン、3725バンダイネット、3732イーウェーブ、4300シグノシステム、4306バックスグループ、4329ワークスアプリケーション、4333東邦システムサイエンス、4644イマジニア、4709インフォメーションデベロップメント、4757インテリジェンス、4769インフォメーションクリエイティブ、4838スペースシャワー、6678テクノメディカ、6727ワコム、6778アルチザネットワークス、6907ジオマテック、6918アバールデータ、7458第一興商、8275フォーバル、9644タナベ経営、9702アイ・エス・ビー

これにより、業績急変動による株価下落のリスクを少しでも少なくするとともに、今後の新興市場で、財務体質が強固で伸びそうな銘柄(つまり右肩上がりの株価)を加えることで、よりトレードの勝率を上げることを目的としております。

これで、ウォッチ銘柄の合計は、これまでとあまり変わらず233銘柄となりました。なお、10月以降のIPO銘柄については、1ヶ月分程度のデータが揃い次第、一斉に評価にかかり、適宜ウォッチ銘柄に加えていく予定です。
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医療における看護についての雑感(3)

2005-12-17 02:30:45 | 折々の随想
先週は、看護師のバーンアウトの問題を考えるために、いったい世の中はどのような仕事のカテゴリーから成り立っているのかを見てきました。看護師は、5種類の仕事の最初の「いつでも代替え可能な仕事」から、現代では「社会的な諸機能を担ったり修復に従じる仕事」に移ってきているようです。そして、「人々を引き寄せる象徴的な仕事」という側面は未だ弱く、「相互交流によって成り立つ仕事」については、近頃、患者様等と呼ばれる風潮が一部にあるように、患者(お客様)第1という考えの医療への適用により、段々と意識されてきているようですが、まだまだ浸透が弱いようです。

仕事の種類については、かの有名なドラッカーも、看護師の仕事は「知識労働」(ドラッカーは、現代の仕事の大部分を知識労働としていることに注意)と位置付け、質と量をともに成果とすべき知識労働としております。この量というのは新人ナースから中堅ナースへと至る過程で、自ずと熟練していくものでもありますが、最近は、電子カルテの導入が進んでおり、仕事量に関係するこの道具の習熟については、ベテラン看護師ほど違和感を持っているようです。企業でも、中高年ほどパソコンやITになじめないのと同じです。ともあれ、看護師の仕事においては、量的なものとの葛藤だけでは、筆者はバーンアウトそのものには至らないと考えます。もちろん一般の企業でも、あまりの大量な仕事に圧殺されてバーンアウトする人はおりますのでもちろん皆無ではありません。

問題は、ドラッカーのいう「質を成果」とすることを、看護師という職業は医師と同様に強く求められているにもかかわらず、その質的な成果が思うように出せない時に、そこを突破することができずに自らの看護の理想との齟齬に思い悩んで、ついにはバーンアウトしてしまうのではないかと言うのが筆者の仮説です。このことは、看護師仲から聞いた「真面目すぎる人ほどバーンアウトしやすい」ということから一部裏付けることができます。どちらかと言うと、良い意味でいい加減にかつ臨機応変に患者さん(それと病院の同僚とも)と接している、楽天的で「不真面目」な看護師の方が、バーンアウトしないで長続きしているようです。もちろん、医療そのものは、救急患者の容体を見るまでもなく実際には「汚れ仕事」であり、生理的に耐えられない新人看護師は、バーンアウト以前に、自分には合わない仕事と悟って辞めていくことでしょう。

そこで今回は、仕事の質的な側面としての「社会的な諸機能を担ったり修復に従じる仕事」という観点から看護師の仕事を見ていきます。要するに看護師が担っている「人間の修復」という主機能についての話となります。

筆者は、医療機関としての病院というのは、そもそもそのような修復機能を担うことにより、そこで働く人々がバーンアウトする素地があると考えます。病院に通う患者は何らかの社会的活動に支障をきたす疾病を患ってしまった人々です。本来の理想的な社会は、誰もが疾病など患わない社会です。ところが、現時点ではその社会において様々な問題があるため、その渦中において人々は何らかの疾患にかかってしまうとも言えます。そうした人々を修復して、再度社会に戻す役割が医療機関です。しかも、その修復つまり相手の不幸が医療機関で働く人々にとっての「生活の糧」になっているという矛盾があります。修復することそのものは、相手に非常に喜ばれることでありそれ自身にやりがいもありますが、次から次へと運ばれてくる患者さんと接しているうちに、当初は感じていた「看護の感動」といったものが段々とマンネリ化していき、自らの仕事に無感動に陥っていくか、それとも仕事に虚脱感を覚えるかのどちらかへと陥る危険性が控えております。また、医療機関といえども、社会保険などの制度的な制約がかけられており、病院経営という観点からは無制限な患者への医療資源の投入は意のままにならないどころか、むしろ一般社会で求められている「効率の追求」も医療機関においてもますます強化されているようです。

もう一つ大事なことは、この「修復作業」における看護の役割が限定されていることです。もちろん、看護の方法、技によって生死を分けることもありますし、回復に要する時間が短縮されることも大いにありますので、医療における看護という仕事そのものはおろそかにはできない重要な仕事です。しかし、本源的には医療分業の中で看護は位置づけれており、そこではいわば受身の仕事に陥っております。看護が全面に出て疾病が治ることはありえないからです。能動的な役割を医療機関において果たしているのは、いうまでもなく医師です。医師が医療においてピラミッドの頂点に君臨しているといって良いでしょう。しかし問題は、医師そのものも、ますます専門化・分業化してきており、患者を「全人的に修復する」という理想からは隔たりつつあることです。他科のことは分からない医師がますます増えております。そうした医師の治療におけるスペシャリストとしての限界も、全人的看護を学校で習った理想に燃える看護師にとっては、違和感を覚えてしまうのではないでしょうか。

またまた、少々話が長くなってしまいました。今回は「社会的な諸機能を担ったり修復に従じる仕事」が、バーンアウトを醸成する素地をそもそも胚胎しているということを強調して終わりにします。次回は、「相互交流によって成り立つ仕事」の観点からバーンアウトを惹起する問題について考えていきたいと思います。
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