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医療における看護についての雑感(1)

2005-12-03 09:00:59 | 折々の随想
今日から、週末は医療における看護というものについて少々考えていきたいと思います。ちなみに、筆者はその世界には全く関係ありません。たまたまひょんなことから、その世界の方々と少々関係を持っておりますので、普通の方より少し情報量が多い程度です。この分野は、あまり生々しい話は何かと問題になりますので、匿名性は保持したいと思います。

何から書こうと悩むのですが、最初に頭に浮かんだのは看護師が遭遇するいわゆる「バーンアウト」問題です。このバーンアウトを計る基準の1つとして、新卒看護師の1年以内の離職率が問題にされますが、この数字は2003年度で8.5%です。他の職業全般における離職率と比べてどうでしょうか。厚生労働省の調査によると、大卒の場合(看護師養成も最近は看護大学化しております)ここ最近、就職後1年以内の離職率が上昇してきており、直近データの平成12年(2000年)で、15.7%です。平成元年からしばらくは10%程度でしたが、平成7年頃から増えてきております。いずれにしても、看護師はむしろ離職率が一般の大学卒よりもかなり低いということになります。

と、ここまで書いて早速バーンアウトは何故起こるのかよく分からなくなってきました。というのは、看護の世界にいる方々は、この離職率を大変気にされているのです。どうも離職率のような尺度ではなく、もっと別のことを考える必要がありそうです。そこで、関連したことですが、ちょっと気になったのが、看護師の技能習得に関するドレファスモデルというのがあるようですが、看護の方に伺うと、就職して1年までを「新人」、4-5年経って「中堅」、そして、8-9年もすれば「ベテラン」とされてしまうそうです。バーンアウトは、中堅看護師あたりでよく起きるようです。何のことはありません。バーンアウトの結果、看護師をやめてしまうのであれば、これも、世に7・5・3現象と呼ばれる、就職後3年以内の離職率が大卒で3割と呼ばれる数字とあまり差がないようです。

そこで筆者が気になったのは、一般のビジネス世界では、10年経ってやっと1人前とされているのが、看護師の世界では「ベテラン」にされてしまうことです。10年以上になると、看護師は師長などの管理職への道はあるようですがそれも限られており、一般の社会にあるような技術者(金融テクノロジーを想定しても結構です)を極めて登りつめるような、キャリアパスがどうもないようなのです。この点での「行き詰まり感」も1つ、バーンアウトを後押ししているのではないでしょうか。もし、バーンアウトしなければ、よく国公立の病院で見られるようですが、年をお召しになった看護師の方々が、「マンネリ化」した看護にあたっており、ほどほどに働きながら年功による高収入を満喫している、という我が国の公務員全般に見られる風景があるようです。バーンアウトしなかった位ですから、これらの方々は意外と神経が図太いようなのです。読者の中で、このようなベテラン看護師に「モノ的な扱い」を受けた記憶はないでしょうか?ナイチンゲールの天使のような看護を期待して病院に入った方ほど、現実との落差は大きいのかもしれませんね。なお、国公立病院でも立派な方々はいらっしゃいますし、また民間病院の看護師が全員立派な方ばかり等とは決して申しておりませんので、悪しからず誤解のないように。(このあたりのニュアンスの表現、難しいですね。誰がご覧になっているか分かりませんから、少し気を遣います。)

あまり、長くなるとブログというのはほとんど第三者は読まない、ということを筆者も実感しております。誰も読まないものを書くのを別名「徒労」と言ったり、あえて書いて「自己顕示」といったりします。

そこで今日はこのあたりで止めて、来週からはこのあたりバーンアウトを巡る問題について、医療における看護師の仕事とは、一体社会の他の仕事と比べてどう違うのか、なぜ今まで10年以上のキャリアパスが用意されて来なかったのか、それが、今後の医療における様々な改革の方向の中でどう位置づけ直されるのがよいのか、等について考えていきたいと思います。但し、思った方向に行くかどうかは、株式市場と同じでその時の風次第ということになります。
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