豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

旧軽井沢、メルシャン美術館

2011年08月22日 | 軽井沢・千ヶ滝

 旧軽井沢のテニスコート通りの諏訪神社に向かう小道の右手に、コロニアル風というのだろうか、横壁板が白ペンキに塗られ、傾斜の急な赤い三角屋根に3つの破風のあるおしゃれな建物を見つけた。屋根より高い木々に覆われて、緑の木陰にたたずんでいる。
 “BOUTIQUE SARA”という看板が店先にかかっていた。
  
 映画“アラバマ物語”の弁護士グレゴリー・ペックが娘と住んでいた家を思い起こさせる。
 建物の前のテラスには木製の椅子が2脚と商品陳列棚が置かれて、商品が並べられている。願わくばここにも木製の椅子とテーブルを置いて、白いコットンの夏服をまとったマネキンが足を組んで椅子に腰かけてでもいたらなおよかった。
 でも、いずれにしても、軽井沢に最も似つかわしい建物であった。

 旧道には、酒井化学、物産館、明治牛乳、明治屋、三笠書房、小松ストアー、デリカテッセンなどが並んでいた頃の面影はもはやなく、ただの観光客目当てのお土産屋通りになってしまった。
 軽井沢ショッピングモール(正式名は何というのかさえ知らない)は、どこでも同じような観光客と犬であふれるアウトレットにすぎない。
 そんな中で、いかにも軽井沢らしい建物である。

 まったく私的に、“THE BEST SHOP in KARUIZAWA”賞を贈呈したいと思う。

 気に入ったので、今はぼくのパソコンの壁紙にしている。
 写真を撮っているぼくを店内から女主人が怪訝そうな顔で見ていたが、ごめんなさい、そんなわけです。

 

 “軽井沢メルシャン美術館”

         

 御代田の“メルシャン軽井沢美術館”が今年の11月で閉鎖されてしまう。残念だが、買収(?)した味の素の方針らしい。現在の日本経済は、企業に文化を担う余裕を与えられないほど衰退してしまったのか。
 見納めに出かけてきた。展示は“薔薇と光のフランス人画家 アンリ・ル・シダネル 小さな幸せ”というもの。シダネルという画家はまったく知らなかった。正直にいうと、最後を飾るにしては寂しい企画だった。

         

 ショップも在庫一掃セールといった感じで、陳列された品数も少なく、これまた寂しい限りである。
 毎年卒業していくゼミ生たちへのちょっとした贈り物をこのショップで選んでいたのだが、いつものコースターはなく、栞もレターセットも、人気のある作品のものはすでに売り切れてしまっていた。

        
 
         

 来年はどうなっているのだろうか。せめて芝生と白樺の庭園だけでも残して、レストランとしてでも営業するのなら、思い出を探しにやってくるのだけれど。

 2011年もまた一つ、軽井沢のよき思い出が失われてしまった。

 2011/8/22 記

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