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和歌山電鐵2270系「いちご電車」~貴志川線再生のシンボル的存在

2009-10-08 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

  

MAKIKYUが8月に紀伊半島を訪問した際には、その後大阪方面へ向かう途中に和歌山駅で途中下車し、近年南海から両備グループが運営を引き継ぎ、新体制で発足した事で話題となった和歌山電鐵貴志川線にも乗車する機会がありました。

MAKIKYUが貴志川線に乗車したのは南海時代末期に次いで2回目、和歌山電鐵発足後は初めての乗車でした。

この貴志川線は和歌山電鐵移管後も、概ね南海時代の設備や車両を引き継いで運行しており、使用車両も南海時代に高野線大運転(橋本以南の山岳線へ直通する列車)用として使用していた22000系と呼ばれる車両を、貴志川線用に改造した2270系と呼ばれる車両を用いています。

2270系は2両編成6本(12両)が在籍しており、和歌山電鐵発足当初は「NANKAI」ロゴなどは消されたものの、ほぼ南海時代そのままの姿で活躍し、今でもこの姿で活躍する車両も存在しています。

しかし和歌山電鐵は両備グループだけあって、JR九州と共に近年某デザイナーが手がけた特徴的なデザインを多く取り入れており、両備グループの拠点である岡山では、市内にこのデザイナーが内外のデザインを手がけた両備や岡電のバスがゴロゴロ走っている状況です。

岡山では路面電車(岡山電気軌道)も「MOMO」と呼ばれる新型低床車はこのデザイナーが手がけた事(両備グループへの某デザイナーの進出は、このMOMOで大きな功績を収めた事から、他にも波及しているのですが…)で知られていますが、両備グループだけあって和歌山も例外ではなく、和歌山電鐵発足後にリニューアルを行い、特徴的な車両が次々と登場しています。

現在和歌山電鐵で走っている某デザイナーが手がけたリニューアル車両は、第1弾「いちご電車」・第2弾「おもちゃ電車」・第3弾「たま電車」の3編成が活躍し、現行使用車両の丁度半数が特徴的なリニューアル車両となっています。

これらの車両目当てで訪問する遠方からの来訪者も多い事から、同社HPではリニューアル車両各編成の運用情報を公開する程の盛況ぶりですが、MAKIKYUが訪問した日は最も最近リニューアルされた「たま電車」は検査で運用なしとなっており、残念ながら最も注目株と言える「たま電車」に乗車できなかったのは少々残念なものでした。

しかしながら残りの2種は丁度運行時間に重なった事もあって、途中の伊太祁曽駅までの往復で両者に乗車する事ができ、和歌山電鐵発足後の大変貌振りを実感する事が出来ました。

その中でも伊太祁曽までの往路で乗車した車両が「いちご電車」で、和歌山電鐵発足後のリニューアル第1弾でもある事から、貴志川線再生のシンボル的な存在とも言えます。

白と赤の装いに沿線特産の「いちご」をちりばめたデザインのこの電車は、ロゴや英文字表記を多用しており、車内も木材をふんだんに用い、車内にのれんを掲げる様など、某デザイナーが近年手がけた車両の傾向が強く感じられるものです。

車内設備などは通勤型そのもので、特に座席の大幅なグレードアップなどが行われていない事(一部の座席は木材+クッションの特徴的なものになっていますが…)もあってか、特別な料金などは必要とせず、普通運賃のみで乗車できるのも有り難いものです。
(和歌山県内では南海旧22000系(現在この形式自体は消滅しており、残存車両は全て改造と共に形式が改められています)を改造した車両の中で、乗車の際に特別料金が必要な車両も存在していますので…)

そのため和歌山電鐵に乗車する機会があれば、是非乗車したい車両の一つで、貴志川線の非リニューアル車や、今も南海に残存する支線区ワンマン運転用の22000系改造車などと比べると、よくここまで手を入れたものと感心したものです。

それでも伊太祁曽からの帰路に乗車した車両と比べると、車内設備などは見劣りしたのも事実で、和歌山電鐵のレベルの高さと共に、リニューアルも回を追う毎に深度化しているのでは?と感じたものでしたが、MAKIKYUが乗車したもう一つのリニューアル車両に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。