数日前全日本空輸(ANA)の山口宇部→東京羽田空港を運航する最新鋭旅客機・B787がバッテリーのトラブルにより、急遽高松空港に緊急着陸・運航打ち切りとなる重大インシデントが発生した事は、ニュースでも盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。
このB787は当初計画よりも納入が随分遅れた様ですし、東京~岡山間などで営業運航を開始してからも、トラブルの報が絶えません。
重大インシデントを報じるニュース記事では、「機内に焦げた臭い」「墜落すると思った」「『早く着いてくれ』と祈るような気持ちだった」など、自身が同じ状況に置かれたら…と想像するだけでも、ぞっとする様な語句が次々と並んでおり、個人的には社名を聞くだけで群馬県某村が思い浮かぶライバルJ社や海外航空会社、格安航空会社よりはマシな印象があるとはいえ、ANAも余程の事がなければ使いたくないと感じてしまいます。
ただでさえ空を飛ぶ(=航空機に搭乗する)のが…というMAKIKYUにとっては、B787は名前を聞くだけでも気分の良くない代物、個人的に私用で進んで乗りたいボーイング製機種は「929」程度と感じており、重大インシデントを怠起した機体以外も、同機種全機の運航離脱による多数の航空便運休・機種変更が生じています。
特に航空機の場合は、トラブルが生じても緊急停止してその場で…という事も出来ませんので、インシデントの原因究明と再発防止策が万全に施されるまでの運航取り止めは当然ですが、運航取り止めは極力他交通機関などでの代替が利く路線を優先し、他交通機関による振替が難しい路線の欠航を最小限に留め、収益性ばかりを追求する事がない事を願いたいものです。
ANAは対新幹線の切り札として導入したはずが、逆に新幹線の定時性などのメリットをPRする格好になったと言っても過言ではなく、東海道・山陽新幹線では「二酸化炭素排出量が少なく、環境負荷の少ない乗物」として「エコ出張」といった宣伝などを車内LED表示装置で行っていますが、新幹線は他にも利点が多数あり、もっとその事を強く打ち出しても…と感じます。
MAKIKYUが思いつく限りでは、定時性や環境負荷面だけでなく、始発から最終までの間、一定の間隔で列車が運行しており、東海道・山陽新幹線では各列車に自由席車も連結されている事から、いつ駅へ足を運んでも、さほど待たずに目的地へ向かう列車に乗車出来る事が最大のメリット、そして発着駅が概ね各都市の中心部やその至近に位置しており、新幹線を下車してからのアクセスの至便さも大きいと感じています。
また座席間隔の広さや、喫煙ルームor喫煙車の存在(MAKIKYUはタバコは吸わないのですが…)、定価運賃の安さなども挙げられ、最近では事前購入の企画乗車券や、ビジネス向けの個人型パック商品(MAKIKYUも最近中国・四国地方や九州・韓国などへ足を運ぶ際に愛用しています)も結構出ていますので、事前購入の実勢価格でも、余程のバーゲン型運賃でもなければ、大差ない状況になっています。
東京~博多間やその途中駅間を移動する程度であれば、余程の列車嫌いか飛行機好き、もしくは航空会社のマイル蓄積目的(MAKIKYUはどの会社のマイルも貯めていないのですが…)でもない限りは、個人的には新幹線の方が良いのでは…と感じています。
少々話がそれてしまいましたが、先日の事故を怠起したB787の出発地になっている山口宇部空港は、宇部市の東郊に位置しており、最近になって岩国空港が開港するまでは、山口県唯一の旅客航空発着空港になっていました。
山口宇部空港はJR宇部線草江駅から徒歩約10分、同駅付近では列車内からも空港の全貌が見える他、宇部新川駅周辺など宇部市中心部への路線バス(リムジンバス)も存在しています。
宇部新川駅周辺~山口宇部空港間のリムジンバスをはじめ、宇部市内の路線バスは、主に宇部市交通局(宇部市営バス)が担っており、山口県では他に岩国市も市営バスを運行しています。
日頃首都圏に身を置くMAKIKYUは、宇部に足を運ぶ機会自体が少なく、宇部市営バスは一度しか乗車した事がないのですが、山口県内大手バス事業者は各者間でバスカード(磁気式)が共通化されています。
そのため宇部市営バスに限らず各者間で相互利用でき、それも手頃な1000円券(1100円分利用可能)の設定もあるのはあり難い限りです。
ちなみにMAKIKYUが宇部市営バスに乗車したのは、宇部新川駅~宇部駅間で、同区間では運賃面こそJRより割高になるものの、昼間時間帯であれば運行本数はJRよりも多く、比較的至便に感じたものです。
車両はいすゞ製の中型車を多数目撃しており、MAKIKYUが乗車したのも最近大都市圏では見かける機会が少なくなってきた古参の車両でした。
このタイプの車両がいすゞ車の中でも主力を占めていますが、前中扉車でも写真の様な中扉折戸の車両だけでなく、中扉引戸の車両も存在するなど、バリエーションは幾つか存在しています。
また西日本の事業者らしい西日本車体工業製の古参車(58MC)や、最近の大都市圏では非常にありふれた存在、地方でも数を着実に増やしているJ-BUS中型車(いすゞエルガミオ・日野レインボーⅡ)といった車両も見受けられ、逆に大型路線車の数は余り…という状況でした。
とはいえ大型車も存在しており、写真こそありませんが、以前新山口駅~宇部新川駅周辺を結ぶ路線で活躍している姿を目撃した事もあります。
この路線は宇部市内完結ではなく、市外へ乗り入れる格好となっており、またJR宇部線とも競合する路線と言えます。
JR宇部線新山口方も決して至便とは言い難い現状では、新山口駅に停車する山陽新幹線列車と、宇部市内を結ぶ路線としては利用価値が高く、先日のB787重大インシデント怠起で新幹線の良さが見直され、宇部~東京間を移動する際に新幹線へのシフトが進むのであれば、その重要度は尚更高まるのでは…と感じています。
宇部市は山口県内やその近郊に居住している方や、用務や親戚訪問などの所用がない限りは、余所者の訪問も限られる地かと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も宇部を訪れる機会がありましたら、市営バスへの乗車も検討してみては如何でしょうか?
(コメントについて)
この記事に関するコメントは、記事タイトルになっている宇部市営バス関連は勿論、冒頭で触れているANAの山口宇部→東京羽田間B787重大インシデント怠起や、新幹線のメリットに関しても、言及事項がありましたらコメントOKです。
この両社は、言っては何ですが、どうも旧国鉄の官僚体質の悪い面を最も引き継いでいるようです。
喫煙車内ももちろんですが、それに隣接する禁煙車でも、環境基準を明らかに超えるような有害粉塵等、健康被害を与えるようなレベルの汚染状態になっていることが、専門家による実地調査で明らかになっています。さらに問題なのはN700等の喫煙ルームで、技術的にここからの有害なタバコ煙の拡散を防ぐのは不可能ですから、やはり広範囲に客室内にまで環境基準を相当超えるような有害物質が拡散し、不特定多数の乗客への健康被害が危惧されます。
また喫煙後の人間の呼気や、服についたタバコの有害成分が、相当長時間にわたって周囲に拡散し、これまた他者に被害を与える、「3次喫煙」被害も、現状の新幹線では防止できませんし。これも非常に危険です。
ご存知のように、現在東アジアでも、台湾はもとより韓国・中国でさえも、鉄道はじめ公共交通機関は全て禁煙化されていますが、その中でも最も先進国と見なされている日本で、その代表的交通機関でもある両新幹線で、今だ喫煙車・ルームなどという時代遅れの設備が堂々と残存していること自体、私は実に恥ずかしく、情けないですけどね。日本も調印・批准している国際条約「タバコ規制枠組み条約」でも、公共交通機関はじめ公共施設の「例外なき完全禁煙」が義務付けられているんですが、その条約上の義務さえ守ろうとしない日本は、国際的にも批判されているんです。また健康増進法の「受動喫煙防止義務遵守」にも、この両新幹線、ひいては両社は抵触していますよね。
少なくとも、こうした大多数の乗客の安全・健康を損なうような設備があること自体、新幹線の「メリット」などではありませんよ。現に呼吸器系の持病を持つ私自身、命にも関わるため、恐くて新幹線に乗ろうにも乗れません。正直飛行機などより遥かに危険です。私にとっては。
東京・大阪などに行くにも不便でならないのです。
新幹線がいつまでも完全禁煙にならないため、私のように・不便不利益を蒙っている人は潜在的には少なからずいるはずです。
以上、記事に反論するようで申し訳ありませんが、ともあれ、こうした乗客の人権をも顧みないような現在の状況を、またこの両社の前時代的体質を何とか変えたいというのが、私の大きな希望のひとつでもあり、また鉄道愛好者でもある、この国を愛する私の人生の大きな目標でもあるということです。大げさな表現かもしれませんが。
こちらも大の煙草嫌いで、個人的には喫煙ルームもなくし、本当の意味での「全面禁煙」が実現できれば最も理想的と感じています。
とはいえ建前は全面禁煙としつつも、車両デッキなどでの喫煙が黙認・常態化しており、副流煙に悩まされる中国鉄路の様な事例に比べれば、N700系喫煙ルームの方が遥かにマシと考えています。
ただ喫煙車が数両連結されるとなると、少ない喫煙車に愛煙家が集中し、この車両内は毒ガス室同然の状況になり、通り抜けるのも…という有様ですので、客室内は全面禁煙化して欲しいもので、特に大半の車両が喫煙車となっている寝台特急北斗星に関しては、早急な改善を願いたいものです。
またN700系喫煙ルームに関しては、愛煙家のニーズが高い事や、東京~博多間約5時間で途中駅の停車時間も短く、全面禁煙となると、ヘビースモーカー(知人の中には、2~3時間に一度は…という者も居ます)にはかなりの苦行になる事を考えると、現状では設置自体は致し方ないと感じています。
とはいえ喫煙ルームを2重扉化し、有害粉塵等への対策強化を行うと共に、車端に集約して数を減らし、喫煙ルーム周辺(設置号車と隣接号車)を喫煙席と同等扱いにする・逆に喫煙ルームから離れた座席を優先確保といった扱いは可能な筈です。
JR東海は車両による座席数相違などを理由に、これらの施策にも及び腰になる可能性が高いかと思いますが、煙草対策にもっと本腰を入れないとなれば、確かにサービス面で至らないという指摘が出るのは最も…と思います。
個人的に一番望ましい事は、煙草の大幅値上げ→税収増収分は医療関連(喫煙による様々な疾病誘発→医療費増大もありますので…)に充当で、喫煙人口減と共に、喫煙ルームも不要になる事で、これは鉄道事業者の努力で解決できる事ではありませんが、少しでも世の中から煙草が少なくなれば…と思っています。