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中国山東省・済南市内を走るBRT(快速公交系統)~扉配置にも注目

2016-02-19 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国山東省・青島(Qingdao)市内を走る市内公共汽車(路線バス)に関して取り上げましたが、山東省内の各都市は青島の他に、省都の済南(Jinan)市にも足を運んだ事があります。

済南市では地下鉄や軽軌など、市内軌道系交通機関の整備は行われていませんので、市内交通は専ら路線バスという中国の地方都市では典型的な状況となっています。

市内交通が専ら路線バスという状況ですので、地元住民にとっては勿論、外国人旅行者にとっても市内移動には欠かせない存在となっており、MAKIKYUも済南へ足を運んだ際には、何度か市内移動で路線バスに乗車しています。

済南市内を走る路線バスは、一般的な単車によるディーゼル車での運行が主体となっていますが、近年中国でも整備が進んでいるBRT(Bus Rapid Transit:快速公交系統)も7運行しており、BRTでは2両連接車による運行が主体となっています。


MAKIKYUが済南へ足を運んだ際には、済南火車站(済南駅)近くのホテルに宿泊しましたが、駅前でBRTの2両連接車を見た時には、他のバスとは異なる際立った存在と感じ、列車で済南を離れる前に時間が確保できた事もあり、このBRTに乗車したものでした。

済南市内を走るBRT各系統の中でも、済南火車站を発着する系統はBRT-5路で、市内中心部を経て東南の郊外に位置する全運媒体村までを運行、BRT車庫は終点・全運媒体村バス停のすぐ近くに設けられています。

済南站周辺はBRTと他系統の市内バス各系統が錯綜し、駅周辺も雑然とした雰囲気、駅周辺の数百mを移動する所要時間も、混雑時は徒歩以下と言う有様でしたが、郊外の一部では道路中央にBRT専用レーンが設けられた区間も存在しています。


BRT専用レーン設定区間では、バス停も軽軌站の如く改札が設けられており、この区間でBRTが複数系統発着している停留所であれば、追加運賃なしでBRT他系統へも乗継可能な状況になっています。
(一般道区間で乗車した際は運賃前払いで車内精算)


この区間の停留所ではホームドアも設けられており、BRTも上手く整備すれば下手な軌道系交通機関よりもずっと有用と言う事をPRしている様にも感じましたが、済南のBRT専用レーン設定区間にある停留所は。ホームが島式となっているのが大きな特徴となっています。
(他都市のBRTでは、上下線でホームが分かれる相対式が大半です)

そのため一般道区間とBRT専用レーンに跨って運行し、双方の区間にある停留場で乗降扱いを行うとなると、一般的なバス車両を用いる場合にはBRT専用レーン区間だけ通行方式を変える必要が生じます。
(中国大陸本土の道路は右側通行ですので、片側にしか乗降扉がないバスでBRT専用レーンでの乗降にも対応させる場合、BRT専用レーンを左側通行で運行する必要が生じます)


しかしながら済南のBRTは、BRT専用レーン区間も含めて右側通行で運行していますので、専用レーン区間での乗降にも対応させる為に運転席側にもドアを設けた特別仕様車となっているのが大きな特徴で、この独特な仕様を意識せずに乗車したMAKIKYUは、乗車後にビックリと言う有様でした。


運転席側の扉はBRT専用レーン区間での使用→運賃収受なしという事もあり、反対側の扉とは位置が対照になっていないのも特徴で、こんなバスはなかなかないと思いますので、一度見たら忘れられない強烈な車両と言っても過言ではないと感じたものです。

 
またBRT各系統では2両連接車が主流ながらも、一部便は単車でも運行しており、こちらもBRT専用レーン区間での乗降に対応するために、運転席側にも乗降扉が設けられた特別仕様車が限定充当されています。

済南市は山東省の省都と言う事もあり、中国内での知名度はそこそこあるものの、日本国内での知名度は余り高くなく、ネットで済南に関する情報を検索しても日本語で記された情報は数少なく、市内を走るバス情報ともなれば殆ど…という状況ですが、BRTはかなりインパクトのある乗り物かと思います。

移動区間次第では市内移動にも有用な存在ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も済南市へ足を運ぶ機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?



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