今年春の青春18きっぷ有効期間最終日だった10日、MAKIKYUは身延線などの乗車に出向いていたのですが、その途中の沼津駅では、キヤ95系と呼ばれる車両に遭遇したものでした。
キヤ95系はJR東海が導入した検測用車両で、1996年に登場してからJR東海各線をはじめ、一部の乗り入れ線区などでも軌道や電気関係の検測を行っています。
その後近年もう1編成が増備され、現在2編成が活躍しているとはいえ、非営業用の検測用車両故に運用区間が幅広く、運転日も不定期という事もあって、神出鬼没の車両と言えます。
こんな車両ですので遭遇機会は限られ、MAKIKYUも車両の存在自体は知っていたものの、姿をじっくりと眺める機会は今までなく、先日沼津駅で偶然発見した際に、初めて実車の全貌を確認したものでしたが、ホームから離れた奥の方にある側線に停車していましたので、車内の様子などを覗く事が叶わないのは少々残念でした。
MAKIKYUはこの様な検測用車両には、JRでは西日本のキヤ141系と2回ほどすれ違った事がありますが、この時は単線区間で対向列車乗車中の行き違いだった事もあって、その姿をじっくりと観察する事は叶わない状況でしたので、JRの検測用車両をじっくりと観察するのは先日が初めてでした。
(私鉄であれば小田急のクヤ31号「テクノインスペクター」に遭遇し、その際の様子を「MAKIKYUのページ」記事(該当記事はこちらをクリック)として取り上げた事もあるのですが…)
このキヤ95系は形式名の通り気動車で、広域にわたって様々な特性の路線を運行するJRらしいと言え、デザインも機能本位のシンプルな印象であるものの、黄色1色に塗られた前面はインパクトが強いと感じたものです。
またキヤ95系は3両で1編成を構成しているのですが、MAKIKYUが遭遇したDR1編成は片方の先頭車に架線検測用のパンタグラフを1基装備していますので、見た目は電車かと錯覚しそうな雰囲気があります。
3両編成だけあって中間車も存在するのですが、この中間車は日本の気動車にしては珍しい付随車(エンジンを搭載しない車両で、現在メジャーな存在と言える車両は、JR北海道の札沼線で活躍するキサハ144形程度です)となっており、しかも検測用車両だけあって「キサヤ」という聞き慣れない形式となっています。
その上この「キサヤ」は軌道検測用台車を装備しているために、機関車の如く1両に3つの台車を装備しており、如何にも奇妙な風貌となっていますので、非常に目立つ存在と言えます。
こんな車両ですので、非営業用の検測用車両で乗車機会はまずないとはいえ、見るからに異様な雰囲気を放つ風貌は興味をそそるものですが、JRでは東海以外の他社でも、先述のキヤ141系などの同種車両が存在しますので、他の検測用車両をじっくりと眺める機会も…と感じたものでした。
(出来る事なら運行中に乗車できれば尚更ですが、さすがにそこまで望むのはまず不可能ですので…)