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京阪3000系電車~中之島線開業と共に導入された快速急行用車両

2008-12-30 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

MAKIKYUが今月中旬に関西を訪問した際には、10月に開業した京阪中之島線に乗車する機会もあり、同線開業と共に実施されたダイヤ改正で新たに設定された種別の一つ・快速急行にも乗車しましたが、この快速急行用の車両として新造された車両が、今日取り上げる3000系電車です。
(余談ながらこの車両の導入に伴って、従来3000系を名乗っていた特急用車両(近年は1編成のみ)は8000系に編入されています)

この車両は新線開業に伴う車両増備と、老朽車両の代替も兼ねている事から、一挙に8両編成6本が登場しており、この導入数は首都圏の大手私鉄などに比べると少ないとはいえ、最近の関西私鉄にしては、比較的まとまった数の導入といえ、京阪の路線規模を考えると尚更です。

京阪本線は阪急やJRとは淀川を挟んで対岸を走る事もあり、京阪間でも他2社の様な完全並行状態での競合とまでは行かないものの、昔から京阪間では熾烈なサービス合戦を繰り広げており、各社共にグレードの高い車両を走らせていますが、この3000系も特急として活躍する場面こそ少ないとはいえ、京阪間輸送を担う役割を果たしているだけあって、この伝統は受け継がれています。

最近では関西私鉄でも低コスト型車両(某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる車両など)の導入事例も見られる中で、まとまった数を一挙に導入しているにも関わらず、内外共に非常にグレードの高い出来栄えとなっている事や、最新鋭車両らしく京阪ではじめて車内案内表示にLCDモニターを採用した事、それに近年は使用中止となっていた自動放送を復活させた事などは大いに評価できるものです。

またグレードの高さだけでなく、既存車両とは大きく異なる外観や内装を採用し、その内装も他に類を見ない独創的なものとなっている事は、中之島線開業とこれに伴う新種別列車をPRする看板役として大いに貢献していると共に、競合路線ともいえる阪急京都線に近年、9300系と呼ばれるハイグレードな特急用車両が次々と導入されている事にも触発されているのでは…と推測してしまう程です。

ただ非常に好感の持てる車両で、ネット上での評判なども非常に高い3000系も、3扉車でドア間に転換式クロスシート4列の座席配列は、競合路線とも言える阪急京都線の9300系電車と同等で、阪急9300系ですら座席数の少なさが一部で問題視された程ですが、この車両に至っては快速急行用で比較的乗降客の移動が多い事も見越したのか、転換式クロスシートを2+1配列としています。

そのため座れれば非常に快適で、その上運転席後部はクロスシートを2+2列で配置していますので、この部分は特等席とも言える状況なのですが、座席数が非常に少ない事(一般的なロングシート通勤車を下回る程)は難点と言え、車端部分は両側共にロングシート(阪急9300系では片側はクロスシート)としている事は、この弱点を多少なりとも補うためなのでは…と感じた程です。

それと前面に関してはデザイン上の問題もあるのかもしれませんが、前面・側面共に京阪で初めてフルカラーLED(京阪線に至ってはLED自体)を採用した行先表示は、文字が小さめで見難い感があり、競合する阪急の9300系電車などは行先表示が比較的大きい事も、尚更この様に感じてしまう要因なのかもしれませんが、側面に至ってはスペースの関係もあって日本語・Englishを交互表示する有様(首都圏ではよく見かける光景ですが…)ですので、今後も3000系が増備される機会があるとすれば、側面の行先表示だけでも改善できないかと感じたものです。

とはいえこれだけの車両に京阪間を乗り通しても、京橋~三条間では46kmもの距離があるにも関わらず僅か400円、両端で特別運賃が課される中之島~出町柳間でも53kmもの距離で530円(勿論特別料金不要)で乗車できます。

この車両を用いた快速急行に乗車した際は、線路幅や車両の大きさなどは大差なく、高額運賃で有名な首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)などとは大違いで、その格差は一体…と感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も京阪電車に乗車する機会がありましたら、是非この新鋭3000系に乗車してみては如何でしょうか?
(中之島線直通の新種別・快速急行であれば大半の列車に充当されます)



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