昨日「MAKIKYUのページ」では、紀勢本線のJR東海区間で活躍する普通列車用気動車・キハ11形300番台に関して取り上げましたが、MAKIKYUが今月初めにこの車両を用いた列車に乗車した際は、多気→新宮間で途中駅での停車時間を含め、約4時間乗車したものでした。
紀勢本線南部を約4時間、山間や海沿いの景色を楽しみながらの道中はなかなか乗り応えがあるものの、青春18きっぷでの普通列車長時間乗車に比較的慣れたMAKIKYUでも、ワンマン運転の軽快気動車で乗り通すには長過ぎると感じた程ですので、列車旅に慣れていない方がいきなりこの様な列車に乗車したら…と感じたものでした。
ただMAKIKYUが乗車した多気→新宮間の普通列車は、同区間が単線という事もあり、列車交換待ちなどで比較的長時間停車する駅が幾つもあり、この区間の普通列車は他にも途中駅で長時間停車する列車が何本も運行されています。
(以前は紀伊長島で2時間以上停車というとんでもない列車もありましたが、これはさすがに問題になった事もあり、現在は運行上紀伊長島で一旦分断し、別列車として運行する形態に改められています)
この事は更なる乗車時間の長大化を招いている一面もあり、地元の乗客が数駅移動するだけでも、長時間停車の駅を挟むと30分以上の乗車を強いられるといった問題もあるのですが、旅行者としては一旦ホームへ降りてのリフレッシュや撮影タイムの確保も出来、場合によっては停車時間を利用した途中下車も出来るなどの楽しみ
もあります。
紀勢本線南部も特急停車の数駅などを除くと、殆どが無人駅で駅前も閑散としており、長時間停車で一旦列車を降りても…という状況で、先日取り上げたキハ11形300番台を撮影した伊勢柏崎駅などはその典型ですが、特急も停車する有人駅クラスになると、駅前で食料調達などが可能な場合もあります。
その一つが今日取り上げるさんま鮨で、さんま鮨は紀伊半島では比較的良く見かけ、新宮駅などでは駅弁としても発売している程(時刻表にも記載があります)です。
紀伊長島では駅弁の発売などはなく、駅前にはコンビニすら…という状況ですので、松阪で紀勢本線の列車に乗車(伊勢市行→2つ目の多気で新宮行に乗り換え)した際には、熊野市辺りまで食料調達が不可能な事も想定し、駅弁(松阪は土地柄もあって牛肉関連の弁当ばかりで、発売価格は全般的に高価です)を調達してから列車に乗り込んだ程でした。
しかし紀伊長島で20分以上の停車時間があり、一旦途中下車(100km以下の普通乗車券は不可ですが、青春18きっぷの場合は有効期日内は無制限というのも嬉しい限りです)して駅を出ると、目の前に鮨などを扱う食堂が目に入ります。
この食堂では店内飲食だけでなく、店頭でさんま鮨の持ち帰りも可能な旨が記されていましたので、MAKIKYUはここでさんま鮨を一つ購入し、食料調達の心配は杞憂に終わったもので、松阪で調達した駅弁の賞味は後回しになった程でした。
ここでは注文を受けてから漬けてあるさんまと、すし飯を型に盛り付けて鮨をつくっていたのですが、一食分が400円で入手(駅弁で同等のものは600円程度の値段になります)できましたので、比較的お値打ち感があります。
購入した後は車内に持ち込んで食したものですが、味の方もなかなかで、分量も昼食としては丁度良いと感じたものですので、また紀伊長島で長時間停車する列車に乗車する機会があれば是非…と感じたものでした。
これも各駅での停車時間が限られる特急列車の旅では、紀伊長島で乗降する機会(地元の方などはともかく、観光での利用はあまりないと思います)でもなければ…というもので、こういった思いがけないものに出会えるのも、長時間停車のある普通列車の旅ならではの楽しみです。
また紀伊長島で途中下車した際には、駅前の商店で飲料も購入し、さんま鮨の脇に写っていますが、こちらも「大内山」(紀伊長島から2駅目)という名前の通り、この一帯で流通しているものです。
三重県内では結構ありふれた存在の様で、熊野市などでも見かけていますが、流通範囲は結構限られており、首都圏ではまず見かける機会がない商品ですので、この一帯で飲み物を調達する機会があれば、こちらも試してみると良いかもしれません。