ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

次世代DVD規格の本当のライバルは?

2005年09月28日 | ビジネス
HD DVD再生可能なPCの開発が発表されたり、BD搭載のPS3の計画も進んでいたりと徐々に普及に向けて進みだしているわけだけれど、実際にこの規格の違う次世代DVD戦争のどちらが勝つかは全く見えない。それどころか実はライバルは別のところにいるのでは?という気にもなってしまうが、果たしてマイクロソフトとインテルの支持によってこの状況は変わるのだろうか。

 ウインテル連合、HD DVD陣営に加勢--一気に形勢傾くか

今年に入ってからというもの、ハリウッド・メジャーを巻き込んでの次世代DVD規格の主導権の争奪戦が激しかったわけだけれど、結果、「ハード」については、松下電器、ソニー、Dell、HPがBD陣営、東芝、NEC、三洋がHD DV陣営に、勝負の決め手となるといわれる「ソフト」については、Fox、DisneyがBD陣営に、Paramount、Warner、UniversalがHD DV陣営にと完全に分裂してしまった。

で、今回、MSとインテルがHD DVDの支持に声をあげたわけだけれど、はたしてこの効果はどれほどのものだろうか。ユーザーからすると実はこのレベルになるとどっちでもよくて、どれだけ安価に、どれだけ汎用性があるかの方が興味があるのではないか。そう考えるとこの記事にあるとおり、消費者は映画をレンタルしたりビデオゲームを買う際に、自分のドライブやプレイヤーと互換性があることを確かめなければならなくなる。また、映画会社やビデオゲームメーカー、ビデオレンタル店では、同一タイトルに複数のバージョンを在庫する必要が生じる。さらに、どちらのディスクにも対応するデュアルフォーマットドライブはその分価格が割高になる。そして、どちらの標準も、統一フォーマットの場合より普及が遅れる」という最悪の結果ばかりが想像されてしまう。

でも実は、そうした時間のロスがある結果、ライバルとなるものはこれらとは全く違った「ネットワーク」を通じたコンテンツ流通になるのではないか。

PCの世界、特に音楽に関して言うならば、音楽「データ」そのものを持ち運び、あるいは流通させるという「メディア(媒体)」からは離れていく流れとなっている。確かにiPod自体を持ち歩いているじゃないか、という意見もあるかもしれないが、あれもそれまでのカセットやMDのような「メディア」というよりはそれぞれの個人がデータを持ち運ぶための「ツール」という感じだ。iPodではHDDだが、nanoならメモリーだしといった具合にそれらは「データ」を格納できればなんでもよく、データはPCの中に入っている。

そもそも「映像」についていえば「VOD」に対する期待は高く(個人的にはストリーミングでは普及しないと思ってはいるけれど)、MMORPGのようにオンラインゲームが主流になるようだと必ずしもデータ呼び込みのためのメディアは必要としない。

家庭にはHDRが普及し、ネット対応がゲーム機の前提となり、ブロードバンド化は当たり前で「光」かどうかが問われる時代に、メディアを持ち歩く必要があるのだろうか。

両方の規格がもたもたしている間に、「ネットワーク」に足元を救われるのではないだろうか、思わずそんな風に思ってしまうのは僕だけだろうか。



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