Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

GISELLE (Wed Mtn, Jul 9, 2008)

2008-07-09 | バレエ
ジゼル。
ヴィシニョーワの回とドヴォロヴェンコ(以下略してドヴォ)の回を見るつもりだった。
確か今から半年前、ついにバレエのサブスクリプションにまで手を伸ばしてしまったのは
この二つの公演の個別チケットの優先予約権目当て。
そして、希望通り、ドヴォの出演する回のチケットを購入した。
なぜって、郵送されてきた最初のパンフレットには、確かに、7/9 ドヴォ・マキ(*マキシム・べロセルコフスキー。
ドヴォのご主人かつパートナー。)の文字があったから。
これで準備万端、と思った。甘かった。
数ヵ月後、新しいパンフレットが送られてきた。7/9の欄、そこにはドヴォ・マキの文字が消えていた。
かわりにレイエスの文字。頭に雷が落ちた
アルブレヒトに入ったのは誰だったか、あまりのショックで目に入らなかったのか、記憶なし。
サブスクリプションのチケットなら交換もしてもらえるが、サブスクリプションを買った結果得た
優先購入権で買ったチケットは通常のチケットの販売時のルールが適応されるため、
他の公演日との交換は不可。
しかも、連れの分まで2枚も買ってしまったのだ、、、
しかもグランド・ティアー、、
しかもマチネ、、、もう会社に有給休暇の申請もしているというのに。
そして、ドヴォ・マキのペアは、何と7/12にスライド。ということは、この期に及んで7/12の公演を
再度手配しなければならないのか?!
当然のことながら、速攻ABTに電話。
怪我で直前に変更になるならともかくこんなに早い時点でキャストを変更するなんて詐欺同然!と吠えまくり、
来年からはサブスクリプションなんて意味ないから買いません!と捨て台詞まで吐いて。

しかし、まだ公演日まで3カ月以上あるのだから、またキャストの変更があるかも、、
7/12はとりあえず追加で抑えたけれど、だからと言って、この7/9のチケットを誰かに譲るのは時期尚早では、、?
ということで、ずーっと握りしめてきたチケットです。
そして、思惑通り、一時は、この公演、ドヴォとホールバーグのコンビに変更になり、
とりあえずドヴォが見れるなら、、とほっとしたところ、
ヴィシニョーワの怪我によるキャンセル、そして、ホールバーグの怪我
(プレイビルの説明によればですが、真偽のほどは不明。)により、
なんと、再び週全体にわたって大幅なキャスト変更。
7/9のマチネ公演については、レイエスとコルネホのコンビで決着を見ました。
実は秋シーズンやメトシーズンの準主役で観たレイエスが私には全くぴんと来なくて、
この決着には正直、かなり落ち込んでます。
しかし、”バレエ、バレエ!!ジゼル、ジゼル!!”と浮かれている私の連れにこの状況、とても話せない、、。
彼がダンサーの名前にうといのをいいことに、何事もなかったように今日我々はメトに到着。
多分、彼はまだ”確か今日はロシアの夫婦のダンサーとか何とか言ってたな、、”と思っているはず。
レイエスとコルネホ、どう見てもロシア人には見えないけど、私はこのまま誤魔化し続けます!
(ちなみに二人はラテン系。)

平日のマチネ、しかもレイエスとコルネホのコンビの『ジゼル』で客が集まるの?と思いきや、
私のように騙されてチケットを買って、そのままキープした人たちが多いのか、
すごい人、人、人!!
そして、さらにじっと観察すると、実にお年を召した有閑マダム系の多いこと、多いこと、、。
夜の公演は夫婦連れの方も結構多いですが、平日のマチネは圧倒的に、
女性のお友達同士が多し!
しかも彼女たちのパワフルなこと!この夏日にものすごい厚化粧で、おしゃれをして駆けつけました!風なのです。
私の連れは、”男は僕一人なのかな、、?”と不安そう。


鑑賞前に小腹が減ったので、グランド・ティアーのバー・カウンターへ。
見ると、なんと新メニューが加わっている!
白いフロスティングたっぷりのカップ・ケーキ。おいしそうです。
メトの食べ物の新メニューは絶対にすぐにトライしなければ気がすまないので、
早速購入し、連れと二人でつついていると、大きなガラス越しに、
有閑マダムが4名、テラスに置かれた椅子でおくつろぎ中なのが見えます。
私の連れは少し私よりも年齢が上のせいもあって、最近の口癖は、”歳はとりたくないなー”。
特に今日のお歳を召したマダム連の”世界は私を中心に回る”的様子を見て
一層切実にそれを感じているよう。
突然、彼がカップ・ケーキを食べる手を止め、
”自分が歳をとったなーと感じるとき。
それは自分に色目を使ってくる女性の年齢が上がったとき。”
とボソッと呟くので、”誰が色目使ってるの?”と聞くと、”ガラスの向こうのマダムたち。”
私が、”まっさかー!私が真横にいるんだから、それないでしょ。”と言うと、
超真顔で、”アメリカの女性はアグレッシブなんだよ!!”と力説するので、
よく見ると、確かに、彼の気のせいではなく、マダムがうっとりとした表情でこちらを見ている。
おやおや、歳をとるとやーね、恥じらいがなくなって!(←という私も決して若くはないが。)と
思っていると、そのマダムのうちの一人が立ち上がって、テラスから、私目がけて歩いてくるではありませんか!
きゃーっ!!マダムに勝負を申し込まれるのかしらー!?とドキドキしていると、
お上品なマダムが一言、”そのカップケーキ、おいしくって?”

カップケーキ、、、ですか?

予想だにしなかった質問に、”意外といけます!”と答えると、
”そう、お二人が食べているのがとてもおいしそうだったので、私たちも頂くわ。”とそのまますたすたカウンターへ。
その間、マダムは一瞥たりとも私の連れに視線を投げることはなく、
瞳はカップケーキに釘付けだったのは言うまでもありません。
色目、、アメリカ人女性はアグレッシブ、、ああ、何て勘違い、、

”あれを色目づかいと勘違いするとは、ヤキが入った、、それこそ歳とった証拠だ、、”とさらにへこむ連れなのでした。
ちなみにこのカップケーキ、少し食感が軽めでメト・プライス(=お高い)ですが、
なかなかおいしいので、私のインターミッションおやつリストの仲間入りです。
ちなみに、リストのトップはいちごのチョコがけです。

さて、やっと本題の『ジゼル』の公演。
予習に使用したDVDは日本から取り寄せたヴィシニョーワ&マラーホフ with 東京バレエ団の公演のもの。
このDVDにより、初めて物語の全体像を知ったのですが、いやー、このお話、私、好きです!!

私のオペラで好きなレパートリーの中核を占めるものの一つに、
ベル・カントもの、特にロッシーニ作品”以外”の、
つまり、ドニゼッティとかベッリーニあたりの作品があります。
それも特に悲恋もの。
で、この『ジゼル』を観たとき、非常にそのあたりのオペラのレパートリーと共通するものを感じました。
例えば、第一幕の最後など、まさに、バレエ版”狂乱の場”。
それからニ幕の、あの世とこの世が交わる感じにも共通項を感じます。
プレイビルによれば『ジゼル』の初演は1841年、
ドニゼッティの代表作『ランメルモールのルチア』の初演が1835年。
ほとんど同時期なのです。なので、ドニゼッティ&ベッリーニ好きの私が『ジゼル』に
すっと入っていけたのも道理です。

特に私はこの作品の無駄をそぎ落とした単純なストーリーがいいと思います。
それから、ニ幕の、超現実的なシーンを用いて、人間の持てる最も崇高な精神(犠牲とか愛とか)を、
描ききっているところ。エンディングは本当に感動的です。

今日もおむすび、いえ、オルムスビー・ウィルキンズの指揮。
またへぼい演奏を聞かされるんだろうなあ、、と思いきや、
今日のABTオケは全員メンバーをとっかえたのかと思うほどでした。
金管の安定感がいつもに比べると格段に上がっているのに、まず、おや?と思わされましたが、
金管だけじゃなく、弦セクションも良かったですし、何が起こったのでしょうか、ABTオケ、です。
一ヶ月ほど前、バーンズ&ノーブルズ前で、若い女性(ジュリアードの学生さんか?)が
ヴァイオリンで、『白鳥の湖』のヴァイオリン・ソロを弾いていたのですが、
それこそ音程も正確だし、このまま腕を引いて、ABTのオケピに連れて行ってしまおう!
と思ったくらいですが、今日のような演奏を普段から聴かせてくれるのであれば、
そんな必要もないのです。

私にとっては、バレエもオペラと同じく総合芸術ですので、どんなにダンサーの踊りが優れていても、
寒いオケの演奏だと、本当に心が凍えます。
今日の公演全体について、先に公言してしまうと、私は予想外の好印象を持ったのですが、
オケの出来が今までとは段違いでよかったことが影響していることは間違いないと思います。

一幕のセットはDVDの東京バレエ団の公演とほぼ同じ。
遠くに城をのぞみ、舞台下手にジゼルの家。
ヒラリオン役のスタッパス、大柄な印象を与えるダンサーです。
役作りはひたすらいかつい。
東京バレエ団のヒラリオンが、なよなよジクジク系なのに比べると、
体だけは丈夫そうな、下々っぽい村人感が出ていて私は嫌いではないです。
大変申し訳ないが、東京バレエ団のヒラリオンにはニ幕でも一切同情できなくて、
「早くウィリにやられちゃってください。」としか思えない。
どうしても私には、東バのヒラリオンからは、
ヒラリオンの劣等感がアルブレヒトを策略に絡めて行くような印象を受けてしまうのです。
それに比べて、このスタッパスのヒラリオンは、もっとカラッとしてます。
”オラはオラの信じたことをやるずら。”
その勢いで、アルブレヒトの正体を暴くヒラリオン!!!
しかし、その思い込みがあまりに激烈なため、策略家のような感じがせず、
ニ幕でウィリに取り殺されるシーンでは、ちょっぴり同情してしまうほどです。
一幕での、”おまえのせいずら!!”とジゼルが死んでしまったのを、
アルブレヒトのせいにする勢いにも、その思い込みが現れています。
ニ幕のウィリに取り殺されるシーンは凄惨ですらあり、観客は思わず息を呑みましたが、
しかし、もんどり打ちながら、最後に舞台の床で後ろにでんぐり返りをしながら
舞台からはけるあの振り付けはスタンダードなんでしょうか?
あまりの強烈なはけ方に思わず観客の多くが笑ってしまいました。
強烈にださいのになぜか目を惹いてしまうヒラリオン、
このだささが演技から出たものだとすれば、あなどれない存在のダンサーです。

レーンとイリーインの農民のパ・ド・ドゥ。
イリーインは肩の力が抜けるともっと良くなると思うのですが、
特に前半、ぱんぱんでした。後半でやっと良さが出てきたように思いますが、
少し技の出来にムラがあるのが気になります。
レーンは残念ながら、パ全体を通して、私にはあまりぴりっとしない、
詰めの甘い踊りのように感じられました。

踊りらしい踊りがないにも関わらず存在感があったのは
アルブレヒトの婚約者を演じたメリッサ・トーマス。
彼女は『ドン・キホーテ』での森の女王も見所がありましたし、今後が楽しみです。
気位の高さと、身分の高い人特有の高慢さ、それでいて、しかしどことなく憎めない感じ、と、
このバランスのとり方が見事でした。

一幕の主な脇役を固めたので、いよいよ主役について。

アルブレヒトを踊るコルネホ。
彼はヴィルトゥオーゾ的な踊りがトレードマークのようになっていて、
実際、『ロミ・ジュリ』のマキューシオなどが強烈な印象があって、
こういった古典ものの主役というのは、観るまで正直全然ピンと来なかったのですが、
彼のアルブレヒト、私はとっても素敵だと思いました。
地のルックスが貴族にあるまじき暑苦しさなので、一瞬見た目には違和感があるのですが、



一旦踊りが始まってしまうと、全く気にならなくなります。
むしろ、あれほど超絶技巧を売り物としている彼が本当に抑えて抑えて、
感情表現を大事に、一つ一つの動きを丁寧に踊っているのをみるにつけ、
本当に頼りになるダンサーだな、という思いを強くします。
これからもっともっと表現力がついていくのでしょうが、今、ABTのプリンシパルの中でも、
表現力と体力が最も理想的なバランスで拮抗しているダンサーの一人なのではないでしょうか?
ラテン系のダンサーは、古典ものにはどうだろう、、?という
思い込みをくつがえす素晴らしい出来だったと思います。
特に二幕の表現、やり過ぎないことによってかえって滲み出てくる味がありました。
また、レイエスへのサポートも上手。
リフトではびくともしないし(DVDでマラーホフがヴィシニョーワを抱えながらふらふらしていたのとは対照的に、
まるで大木のようにどしーっとレイエスをリフトし、微動だにしませんでした。)
また、決して本人はそれほど背が高いほうだとは思わないのですが、
リフトしたときのレイエスの位置がそれにしては驚くほど高い。
まるで、指の第一関節だけを使ってリフトしているのではないかと思うほどです。
それから、レイエスを本当によく観て踊っているし、その結果でもあるのでしょうが、
二人が重なったポジションで、違う足のステップを踏んでいるときも、その違うステップの縦の線の揃い方がすごい。
レイエスの足の真後ろから、コルネホの足が出てきて、レイエスの両足の間で、
きれいなステップを見せる、という具合で、これは、まるで上手な二重唱を聴いているのと同じような感覚です。

一方のレイエス。
彼女については、今日全幕で観て、私が彼女の踊りについて今ひとつ好きになれない点が
はっきりしました。
それは、ぼてっとした腕、特に手の使い方だと思います。
彼女の踊りはどちらかというと足の強さの方が勝っていて、腕や手が申し訳程度についているような感じがする。
これは、私的には、何としても直してほしい点です。
しかし、そのような致命的な欠点はありつつもなお、今日の公演での彼女は悪くはなかったというのが私の意見です。
これは本当に意外でした。多分、観た後、けちょんけちょんなレポを書かねばならないのだろう、、と
どんよりした気分だったのですが、踊りそのものの欠点はあげることはできますが、
この役の一つのあり方を提示していましたし、私としては観た甲斐がありました。



(↑ ヘレーラがジゼル役をつとめた公演の写真。)

まず、村娘時代のジゼル。これは彼女の幼く見えるルックスもあって、結構はまっています。
DVDでのヴィシニョーワのジゼルが、村娘でありながら美人!のような感じがするのに対し、
レイエスのジゼルは、もっと普通の娘的。
けれども、これが逆にせつなさを煽ります。
こんな普通の、特に美人ではないジゼルに、貴族の身のアルブレヒトが本気で恋するわけがない。
というわけで、よりアルブレヒトにとって、最初は戯れ同然の恋だったことが強調されています。
しかし、この美人でないことが、ニ幕での彼女のアルブレヒトへの献身度に
一層のリアリティを与えています。
冴えないルックスの女の子が、精一杯の真心でウィリから自分の愛する人を守ろうとするニ幕、、。
私はヴィシニョーワの美人ジゼルより、こちらの方にホロッときました。
そうなんです。このジゼル役、美人である必要は全然ない。
むしろ、美人系ジゼルでない方が説得力があるように思えるくらい。
これは土曜マチネのドヴォ、ピンチです!
何となく彼女はヴィシニョーワと同様に美形ジゼルで来そうな予感がするので、、。

一つ言えば、”バレエ版狂乱の場”と勝手に名づけさせていただいた一幕の最後。
ここだけは、どうしようもなくレイエスの表現が物足りなかった。
もっともっと、感情の動きを緻密に分析して、失望、悲しみ、驚き、呆然、あきらめ、などなど、
色んな感情のあやを表現してほしいし、その感情が爆発しなくては。
狂乱ですよ!狂乱!!!
ここに関しては、ヴィシニョーワの方が数段上です。

ニ幕、ヒラリオンが木を十字に組んで作ったジゼルのお墓が下手に。

コール・ドによるウィリたちの踊りは、、うーん、、、、、。厳しい。
ここはみんながぴたーっとそろうとものすごい効果が出ると思うのですが、
常に、バランスの怪しげな人、足の所作のタイミングがずれている人、
足の上げ方の角度が甘い人、が一人はいて、振り付けの真価が出ていなかったと思います。

ミルタ役のマーフィー。これがまた、もう一つの発見。
『バヤデール』のレポで根拠の全くないままに私に意地悪女呼ばわりされた彼女。
しかし、私の大計算違いでした。
ガムザッティのようなアグレッシブなタイプの意地悪女より、
この無感覚系静かな意地悪女(人の命を奪う指揮をするわけですから、意地悪というより、
残虐、か。)ミルタの役が本当に良く合ってる!!
無表情のまま、”殺せ!殺せ!”とウィリたちを冷たく煽る姿が怖いです。
マーフィー、観客に背中を向けていても、無表情なのが伝わってきます。
この怖さは、さわるとひんやりしてそうな感じ。
意地悪、残虐にもいろーんなタイプがあることを実感。
マーフィーには、この役をライフ・ワークとして極めて頂きたいです。

マーフィー”ひんやり”ミルタが見守る中、着々と死に近づいていくアルブレヒト。
ここで出てくる技の数々は、コルネホの得意とするところで、観ていて全く危なげなし。
相変わらずキレのよい回転と高いジャンプに観客からの拍手も大きかったです。
しかし、それだけではなく、最後に、ジゼルが消えた後から、幕が降りるまでのたたずまいも、
それはそれは美しく、余韻のあるものでした。

観終わった後に、この作品を観た時本来感じるであろうはずの胸にじーんとくる感じが
きちんと感じられた公演でした。
ダンサーの技術がどうの、スタイルがどうの、とはいっても、結局最後に一番大事なのは、
その作品そのものの良さが伝わったか、という点ではないかと思うのですが、
その意味では、地味ながら良い公演だったと思います。

連れも今日の公演には満足したらしいので、いよいよ真実を開陳。
”ロシアのペアは土曜になったから。今日はラテン・ペアだったからね。”
観た後に言うな!って感じですが、しかし、本人は全く気にしておりませんでした。
公演のクオリティーはすべてを越える!のです。


Xiomara Reyes replacing Irina Dvorovenko (Giselle)
Herman Cornejo replacing David Hallberg (Count Albrecht)
Isaac Stappas (Hilarion)
Carlos Lopez replacing Jared Matthews (Wilfred)
Susan Jones replacing Maria Bystrova (Berthe)
Vitali Krauchenka (The Prince of Courland)
Melissa Thomas replacing Kristi Boone (Bathilde)
Sarah Lane, Mikhail Ilyin (Peasant Pas de Deux)
Gillian Murphy (Myrta)
Melanie Hamrick (Moyna)
Hee Seo (Zulma)

Music: Adolphe Adam
Choreography: after Jean Coralli, Jules Perrot, and Marius Petipa
Conductor: Ormsby Wilkins

Metropolitan Opera House
Grand Tier A Even

*** ジゼル Giselle ***

メト・オープニング・ナイトは誰が振る?

2008-07-09 | お知らせ・その他
7/9のNYタイムズの記事によると、メトの音楽総監督であるジェイムズ・レヴァインが、
嚢胞による腎臓摘出手術のため、現在指揮中だったタングルウッド音楽祭の残りの演奏を
キャンセルすることになったようです。

メトのシーズン開幕までには復帰予定だそうですが、一昨年も同じようなことを言いながら、
結局、間に合わなかったような、、。
(2006年シーズンの開幕前の夏、ボストン響を指揮中に椅子から転げ落ち、腕を怪我。
シーズン開幕演目『蝶々夫人』に間に合わず、別の指揮者が指揮をつとめた。)

現在発表されている2008年シーズンのスケジュールでは、
9/22のオープニング・ナイト・ガラで、アルミリアートと共にルネ・フレミングのワン・ウーマン・ショー
(『椿姫』、『マノン』、『カプリッチョ』から一幕ずつ演奏の予定。)を
指揮するのがレヴァインの最初の指揮日。
アルミリアート・ファンの私としては、レヴァイン氏に万事をとってしっかり休養していただき、
アルミリアートのソロ指揮に変更していただいても全く問題はないのですが、しかし、
レヴァインが出てこないとメトのオープニング・ナイトという感じがしない!
と感じる観客も多いかもしれません。

このオープニング・ナイト・ガラを逃すと、次のレヴァインの登場日は、
11月に予定されている『ファウストの劫罰』、その次は1月の『オルフェオとエウリディーチェ』、
その次は3月の125周年記念ガラ、これを全部逃したとしても、
シーズン終末を飾るリング・サイクル、これだけは這ってでも登場したいに違いありません。

しかし、シーズン開幕前にはオケのリハがあるはず、、。
ゲルプ氏、またしてもシーズン開幕前から頭が痛いですね。

(写真はNYタイムズの記事より、タングルウッドで指揮中のレヴァイン。)