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東京の夜景動画ブログです。

匿名性と物語性

2007-01-16 22:33:13 | 業務関連


明日、完成予定となっている原稿の進捗状況を尋ねたところ、今日中に上がるといってきた。
珍しいことでもあるものだ、こりゃ雨でも降るなと思いながら、受け取り方法や時間をすり合わせたら、作家氏は明日から取材旅行に出かけるということで、今日中に受け取ってほしいとのこと…



他社さんの予定が1日前倒しになったそうなのだが、まぁ「わかりやすいオチ」もついたということもあり、仕方なく近所の寝カフェで時間をつぶす。なにしろ、今日中といっても今日のいつになるかはわからないので、閉店時間を気にせず居座れるところでないとまずいのだ。



幸運にもオンライン状態の知人を発見したので、斜め前方のカップルシートに入ったオタクコンビが(もちろん、両方いかにもな男)、妙に和気あいあいと楽しげにネットゲームをしているのを(どーせコンビでアイテム集めかPKでもしてるのだろう)、よくないこととは知りつつも腐妄想込みのメッセ中継しつつ、トニカク作家氏からの連絡を待つ。正直、忙しいとこにメッセで知人に捕まると少なからず後悔するものだし、挨拶を送信したときは悪いことしちゃったかとも思ったが、知人もひまをもてあましていたのは二重の幸運だった。



幸か不幸か、知人はねとげーや腐妄想に全く興味が無いので、気がつくと毎日新聞のWEB批判について、ここでもあれこれ語り合っていた。



知人にとっては、自分が日ごろから匿名性を排したアメリカのBlogを評価する一方で、写真作品については匿名性を重視しており、また毎日新聞のWEB批判については「事実誤認やフレームアップがはなはだしく、批判どころか記事としても成立していない」と切り捨てた点が、どうにも腑に落ちなかったらしい。そのため、まず「発言に責任を持つ」ことと、写真作品における「アウラや物語性を拒否する姿勢としての匿名性、ないしは無名性」はまったく異なることを説明したのだが、コレがまたWEB2.0も真っ青の難事業だということに気がついたのは、説明し始めて十数分が経過したことだった(メッセなので秒単位の計測も可能だったが、そんなデータを記録するほどひまじゃぁ無かったよ)。



とりあえず、ウォーカー・エバンスを引き合いに出しつつ、写真における匿名性は、時として無名性とも訳されるように一般的な匿名性概念とはいささか異なることを説明し、撮影者ではなく被写体の側が持つ匿名性であり、無名性を指し示していることを強調した。そして、匿名性の中でもUnlinkabilityを重視しており、例えば「どこで撮影したのかわからない=現実の撮影地と作品とが結びつかない」ことや、あるいは「誰を撮影したのかわからない=被写体と作品が結びつかない」ことが重要であることを説明した。



また、なぜUnlinkabilityを重視するのかについても、受け手がそれまでの経験から被写体に持っているイメージや、ある種の物語性を喚起することなく、撮影された現実をストレートに受け止め、そして先入観を持たない状態でその現実から「超現実的ななにか」を見出すことを重視しているためだと説明した段階で、今度は「超現実」という厄介なキーワードを使ってしまったことに気がつく。



幸いにも、ちょうどいいタイミングで作家氏より連絡があり、成果物を受け取りに行かねばならなくなった。
知人にはちょっと悪いことをしてしまったが、今度はもう少し整理した形で説明させていただくので、今回は勘弁してほしい。



それにしても、危ないところだったぬぅ~



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