変化を受け入れることと経緯を大切にすること。バランスとアンバランスの境界線。仕事と趣味と社会と個人。
あいつとおいらはジョージとレニー




想像しよう。
静かな森には、眼下の小川のせせらぎと、小鳥のさえずり、そして、時折
通り過ぎる一陣の風が僅かに木々をざわめかせるが、それは静寂である。
これらの音達と見事な調和を見せる音の主役は、源泉から湯船に流れ入
る温泉の流水音、そして湯面を叩く音。
森の香りを肺いっぱいに吸い込み、緑を帯びた青味に刺激を覚える。
この場合、温泉は無色透明がいい。木々の緑を湯に映し、波紋が光を放つ。
源泉掛け流しで加水加温度が無ければ、弱アルカリ性塩化物泉でいい。
岩風呂と形容される湯船がお似合いだ。
季節は春。時刻はお昼前。
至高の時。

改めて想像しよう。
手を伸ばせば届きそうな夜空を飾る無数の星達。湯船は、脱衣所の明かり
だけに照らし出されている。周囲は一面の雪景色、その静けさは音を拒否
しているかのようだが、乳白色温泉の流れだけが、静寂を打ち消している。
空気は冷たく澄んで、湯船から容赦なく暖かみを奪い取る。それでもとうとう
と沸き出でる源泉は、冷たい空気に挑戦し続け、湯船は一定の温度を保つ。
白くにごる強酸性硫黄泉がいい。檜をふんだんに使用した湯船。
匂い立つ硫黄の香りが、否応もなく鼻をつく。僅かに浴槽の檜から放たれる
フィトンチッドが、絶好の対照を演じる。
季節は冬。時刻は夜。
至福の時。

こんな想像もできるのではないか。
日中の暴力的な陽光も夕暮れとともに穏やかさを帯び、見渡す限りに広がる
海は、徐々に黒味かかっていく。それは赤く焼ける空と好対照を成し、打ち
付けては泡と消える白い波がアクセントとなる。1/fリズムを見事に刻む波の
音と、それに僅かに混じりこむ湯が流れる音。間も無く訪れる闇までの僅か
な時を惜しみながら、海を、空を眺めながら身を湯船に預ける。潮の香りが
ベタ付かない不思議な調和。
この場合も無色透明な温泉がいい。湯船を構成するのは大きな岩石。
季節は晩夏。時は夕刻。
最良の時。

共通点は『静寂』。
都会の喧騒からの逃避。
心身ともに、とはいかないけども、心だけでも洗いに出掛けた訳さ。

空しいと感じる精神状態では、やってはならないこと。

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