変化を受け入れることと経緯を大切にすること。バランスとアンバランスの境界線。仕事と趣味と社会と個人。
あいつとおいらはジョージとレニー




あれは未だ若い頃、というよりも少年時代。そんな時がおいらにもあった。
関西で生まれ育ったおいらにとって、東北地方は未知なるフロンティアで、
同じ日本であるという認識が無かった。
では、ということで、東北を周遊する旅に出た訳さ。
貧乏旅行で、7日位かけて回った。夜行鈍行を乗り継ぎ、ユースホステル
に泊まり。そう言えばユースホステルなんて最近は聞かなくなったように
思うが、おいらが属するレイヤが変わっただけなのかしら。「お帰りなさい」
と迎え入れられ、夜間ミーティングがある独特の風情は、懐かしくもある。
ま、二度とお世話になることは無いだろうが。

大阪を夜に出発する。いわゆる「大垣夜行」の上り版である。当時は単なる
普通列車だった。翌朝に東京着。詳しくは覚えていないが、未だ急行列車
も走っていて、鈍行やらを乗り継いで東北まで行った。
最初に泊まったのは仙台。有名な「七夕祭り」の直後。先ずは「青葉城」を
観光すべく、仙台駅でタクシーをゲット。新米運ちゃんが迷い、苦労の末に
辿り着いた。もうたくさん、と帰りは仙台駅まで歩いた。そして宿泊。仙台と
言えば、温泉も景観もグルメにも事欠かないはず。ところが、七夕が終った
祭りの後の虚しさ(吉田拓郎)だけを感じて、翌朝すぐに仙台を後にした。
塩釜の魚貝も仙台の牛タンも鳴子の温泉も、どれにも目もくれずに。

勿体無ぇ。今なら。。。

次に立ち寄ったのが青森。「浅虫温泉」という所に宿泊。お寺の離れにある
こちらもユースホステル。とんでもなく便所臭かったのは、故障していたのか
なぁ。ここでは部屋に入るなり事件が。財布が無い。それまでの道程を反芻
した結果、駅から宿までのバスに落としたことに気付く。慌ててバス会社に
電話したところ、事務所に遺失物として届いているという。
うん、東北の人は暖かい。正義感が強い。おいらの意識にはそう記録された。
そして無事に財布を取りに行った帰りのバスの中で、更に事件。切符が無い。
東北全土の周遊券(今は無いのかも)で回っていたので、これが無くなると足
をもがれたも同然。財布とは別に管理していた。同時に紛失することを防ぐ為
に。こちらは全く心当たりが無い。

どーしよー。

と嘆いていても、バスが宿前の停留所に到着するに躊躇は無い。途方に暮れ
ながら、宿があるお寺の境内に繋がる階段を上ろうとした時、地面に紙が散乱
しているのを認めた。おいらのキップやメモの類。どうやら財布を取りに出掛け
た時に、ポケットから落ちたようだ。戻って来るまでの小一時間の間、誰もそこ
を通らなかったのかなぁ。ここで、東北の優雅さというか、大らかな時間の流れ
がおいらの印象に刻み込まれた。

どっちも運が良かったと言える。
目に見えぬ何者かが、おいらを叱責し且つ守ってくれているに違いないと感じ
た事件だった。
ところで浅虫温泉。結構有名らしいが、入らず仕舞い。有名な「ねぶた祭り」が
間も無く開催されるという盛り上がった空気だけを吸い込み、夜明け前の霞に
島々が浮かぶ海辺の絶景を記憶に刻んで、青森を離れた。

今考えれると、東北には名湯秘湯が溢れているのに、何とも勿体無いことか。
楽しかったからいいのかな。
一つづつ、思い出の地を辿ってみようかな。これからゆっくりと。

懐かしくなって来た。
次は無泊8日で北海道に渡った旅行の思い出を記録することにしよう。
忘れないうちに。

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