Windows NTの完全クローンOS
React OSはReact OS Projectによって開発されているWindows NT 5.x系の完全互換オペレーティングシステム。Wineの成果などもフィードバックされているものの、LinuxやFreeBSDなどのいわゆる「PC-UNIX」系OSではなく完全にWindows互換のオペレーティングシステムとして開発されています。
元はMS-DOSベースのWindows 95ベースのクローンOS「FreeWin95」として開発がスタートしたものが途中でWindows NT 5系の互換OSに変更された経緯があります。現在の安定板は0.3.17。実機で動くインストールCDのイメージのほか、LiveCD用起動イメージ、各種仮想環境用イメージがダウンロード可能となっています。
Windowsのソフトがだいぶ動くようになってきたものの、日本語対応は絶望的で日本での古いPCの置き換えには厳しい
インストールはWindows NT 5.xと同じテキストベースのインストーラからインストールを進めていく流れで、Windows NT 3.x~Windows XP(Server 2003 R2までのNT5.x系サーバーOSも含む)のインストール作業をやったことがある方なら楽にインストールできると思います。初期バージョンは英語のみでしたが、現在は半角カタカナ表示ながら日本語でのインストールも対応。HDDのフォーマットは現時点ではNTFSはサポートされていないため、FAT32でフォーマットする必要があります。
インストール自体はオリジナルのWindows 2000やXPよりも早く完了。Windows XPに似たブートスクリーンが表示された後、GUI環境が起動するはずです。各種仮想環境用イメージを利用すれば既にインストール済みの状態で起動するので楽です。
WindowsのクローンOSなので当たり前といえば当たり前なのですがUIはWIndows 95~2000までのいわゆる「クラシック」テーマ適用時とほぼ同じUI。エクスプローラやコマンドプロンプト、各種アクセサリなども細かいUIはオリジナルと異なるもののクローン版が収録されています。
システムファイルの構造も2000以降のWindows NT系と似たものになっています。
動くソフトであれば手元のWin32用ソフトをインストールすることができるほか、ReactOSに収録されているReactOS Application Managerからダウンロードすることも可能です。
できれば見たくありませんが、Windowsの完全クローンということでブルースクリーンもあります。表記はWindows NT 5.x系のそれとほぼ同じもの
動くソフトはだいぶ増え、元になっているWindows NT 5.x系都のドライバの互換も高まっており、今後はUSBのサポートやマルチメディア機能、プラグ・アンド・プレイ機能の実装なども行われ、バージョン0.5の段階で実機でも実用可能なベータ版となる予定ですが、日本人の開発者がいないとのことでIMEの動作に必要なInput Methot Manager及びText Service Frameworkが実装されていないため、MS-IMEやATOK、Google日本語入力といった日本語IMEが全く動作しない現状で、またOS自体の日本語サポートも初期のバージョンと比べればだいぶローカライズが進んだものの、まだ完全なものではないこともあって日本で古いPCのリプレース用にReactOSを実用的に使うのはまだ厳しいかなぁといったところ。
いずれ開発が進み実機環境でも安定して動作するようになり、IMMやTSFのサポートが追加されて日本語IMEが動くようになれば古いWindows XP搭載PCの乗り換え先としてWindowsそのもののクローンOSなのもあって強力な乗り換え先になるはず。現在は安定板が0.3.17で停滞していますが(ナイトリービルド事態の更新は今でも続けられている)今後の展開を温かく見守っていきたいオープンソースOSの一つになっていたりします。
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