[映画紹介]
ガンで亡くなった夫の治療費で一文無しになった看護士のブレンダは、
家を売り払い、親戚を頼って転居することに決めた。
同道するのは、娘のケリーと息子のキャムと、弟のレジー。
アメリカの大地を車で移動する途中、様々なトラブルに巻き込まれる。
最大のトラブルは泊まったモーテルの隣室で殺人事件が起こったこと。
実は、隣室に泊まった男は、
ボスの「ミスター・クロス」のドラッグ絡みの金を奪って逃走中で、
どうやら、クロスに見つかって殺されたらしいのだ。
警察に証言した後、車で出発した一行に、一本の電話が入る。
ミスター・クロスからのもので、
「俺の金を返せ」というのだ。
挙動不審のレジーに白状させると、
殺された男の部屋で見つけたバッグの中に札束が入っていたため、
思わず盗んでしまい、今、車の中にあるという。
このままでは家族の命が危ない、と判断したブレンダは、
別なモーテルの部屋にバッグを置き、
クロスにモーテルの名前と部屋番号とルームキーの隠し場所を告げるが、
クロスは、とにかく金を自分で持って来い、と言い張る。
仕方なく、モーテルに戻ってみると、金が消えている。
掃除婦が盗んだのだ。
ブレンダは掃除婦の後を追い、
ゴロツキたちと戦うはめになるが、
一方、息子のキャムはクロスに人質に取られてしまう。
家族を守るために、ブレンダの闘いは続く・・・・
という、よくあるストーリー。
繰り返しこういう話が企画に上がり、作られるのは、
もはやジャンルと言えよう。
あとはどれだけ工夫がされているかだが、
よくある展開で、とりたてて特色はない。
貧困問題や人種差別、
コカイン、銃規制のない社会等、
多少の社会問題は提起するが、
深堀りするわけではない。
要するに、ただの娯楽映画。
ただ、最後まで停滞せず観ていられるのは、
ブレンダを演ずるのがクイーン・ラティファだからだろう。
貧乏だが、正義感にあふれ、
家族に対する愛情は人一倍という肝っ玉母さんははまり役。。
それがボスと闘う原動力というのは、よく分かる。
加えて、ダメ弟を演ずるクリス・ブリッジスが好演。
息子と娘の個性もいい。
難しいことを考えずに、
ただ流れに任せるまま、という方には最適。
1時間30分そこそこと短いのもいい。
ラストのくだりで、ほっとさせる。
監督はミリセント・シェルトン。
9月9日からNetflix で配信。