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空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

映画『政党大会』

2025年05月13日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]


                                       
副題に「陰謀のタイムループ」とあるように、
インド発のタイムループもの。

友人の結婚式に参列するために
ドバイからインドに帰ってきた青年カーリクは、


飛行機の中で隣席に座った女性が
同じ結婚式に出ると知って、
一緒に式の行われる町に向かう。
ところが、途中で警察官に拘束され、
その町で行われる政党大会で
暗殺テロを起こすよう強要される。
カーリクは銃を発射しなかったが、
暗殺は実行され、
銃を持っていたカーリクは
現行犯として射殺される。

その瞬間、
飛行機の中で目覚め、
同じ女性と知り合いになり、
向かった町でまた暗殺計画が実行され、
銃殺されたカーリクは飛行機の中で目覚め・・・

それが繰り返されると、
タイムループが起きていることを理解したカーリクは、
予想される事態にうまく対処しながら、
暗殺を未然に防ごうと奔走する。
失敗して殺されると、
また飛行機の中で目覚め・・・
が無限に繰り返される。


銃撃がテレビカメラの改造銃で行われることを知ったカーリクは、
その男の宿泊所を訪れ、
アジトに潜入し、暗殺一味と闘う。
相手がどう出るかが分かっているので、
段々強くなる。
銃殺されない時は、自分で命を断ったりして、
タイムループをコントロールする。
タイムループの有効活用

という繰り返しで、
一体この話、どう決着するのかと思っていると、
後半、予想だにしない事態が巻き起こり、
新たなタイムループが出現する。
劇場で驚きたい方のために、
その内容は書かないでおこう。

タイムループものは数々先行作品があり、
「恋はデジャ・ブ」(1993)や
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014)
も映画の中で語られているので、
ちゃんと先行作品には敬意を払っている。
それは、タイムループものの新機軸であることを
監督が自覚し、かつ誇りに思っているからで、
その志が見事。

よく考えてみれば、
タイムループものによくある設定なのだが、
それは後で考えてみればそう思えるのであって、
映画を観ている間は、あれよあれよという展開に、
ただただ巻き込まれてしまう。

この奇想天外な話を作り上げたのは、
ヴェンカト・プラブ監督。
主演はシランバラサン


警察官をS・J・スーリヤーが演じる。

SFであり、ポリティカルアクションであり、
サスペンスであり、コメディでもある、贅沢な作り。
ヒンドゥー至上主義やマイノリティーへの排斥や
ムスリムとの融和など、
さりげなく織り込んでいる。
歌い踊るシーンは結婚式でクリア。


エンドロールでメイキングやNGシーンも見せ、
サービス満点。

5段階評価の「4」

新宿ピカデリー他で上映中。

 


スター・ウォーズ セレブレーション その5  あれこれ

2025年04月27日 23時00分00秒 | 映画関係

それでは、最後に、展示物のあれこれを。

日本各地の伝統技能を用いて職人が表現したアート作品。

キッズコーナー。

大人が遊んでいます。

LEGOの作品。

ジオラマ。

ダルマもスター・ウォーズ仕様。

マニアにはたまらないミニチュア。

ダースベイダーのかぶり物のルーツは、これ。

ドロイドたち。

主催者の公式発表では、
78パーセントが初参加だそうです。
肌感覚では、7割から8割が外国人
使用されるのは英語で、
展示場の中はさながら外国。
京葉線に乗って新浦安に戻ると、
外国から帰ったような感覚になりました。

次回の開催地はロサンゼルスだそうです。

 


映画『プロフェッショナル』

2025年04月24日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

なぜか同じ日に
「アマチュア」と「プロフェッショナル」という
2本の映画が公開され、


その1週間前には、「ベテラン」という映画が公開されている。


もっとも、
「プロフェッショナル」というのは
日本で付けた邦題で、
原題は、「In the Land of Saints and Sinners 」
意味は「聖人と罪びとの地で」

1970年代の北アイルランド
暗殺者という過去を捨て去りたいと願う
フィンバー・マーフィーは、
正体を隠し、海辺の田舎町で静かに生きていた。
最後の仕事を終えて、引退を決意し、
老後を庭いじりをして過ごそうとしていた矢先、
ベルファストで子どもたちを巻き込む
爆破事件を起こしたアイルランド共和軍(IRA)の
爆弾テロリストたちが町に逃げ込んでくる。
メンバーの一人が地元の少女を虐待していると知ったフィンバーは
少女を助けるために男に制裁を下し、
テロリストたちと対立することに。
後戻りできない状況に追い込まれたフィンバーは
テロリストとの殺るか殺られるかの壮絶な戦いに巻き込まれる。
避けられぬ宿命に導かれるように、
フィンバーは過去に決着をつけるため、
最後の死闘に身を投じる・・・

主人公の血塗られた過去、
引退して老後を穏便に生きようとしていたのに、
外敵が現れ、
住民を守るために、
再び闘うことを余儀なくされる。
という、既に何度も作られたような話だが、
その主人公をリーアム・ニーソンが演ずるとなれば、
料理の味が格別に高まる。

リーアム・ニーソンは当年72歳。
この歳でまだ主演を張っている。
しかもアクション映画が多い。
なぜか私はリーアムの映画を沢山観ている。
肌が合うみたい。
表情、立ち居振る舞いが醸しだす哀愁の香りが好きなのだろう。
特にこの映画のように、
過去から逃亡する老境の男が、
自分の意志に反して闘いの場にのぞまなければならない姿は
ぴったりだ。
渋く、滋味深い重厚さ

この映画は、リーアム・ニーソンが、
自身のキャリアの集大成として選んだものという。
というのは、リーアムはアイルランド出身だからだ。
過去には、
アイルランド独立運動家のマイケル・コリンズを演じている。

監督はロバート・ロレンツ
長年、クリント・イーストウッド監督とタッグを組んできたプロデューサーだ。
撮影もイーストウッド作品の撮影を長年手掛けたトム・スターン

引退したい老殺し屋、
次世代を担う若造ヒットマン、
地元の親友保安官、
ほのかな隣人との交流、
そしていたいけな子供と猫。
背景にドストエフスキーの「罪と罰」を置き、
アイルランドの荒涼とした土地で紡ぎだす
重厚な人間ドラマ。


町の住人が集う居酒屋が興味深い。
アイルランドの歴史的・政治的背景を反映する。
日本人があまり知らないアイルランド問題を扱い、
題材的にヒットは望めないが
配信ではなく、
劇場公開に至ったのは、
やはりリーアムに対する一定の評価があるからだろうか。
私が行った市川妙典の映画館では、
1日1回の上映で、観客は5人。
1週間で打ち切りになってしまった。

5段階評価の「4」

TOHOシネマズ日比谷他で上映中。


スター・ウォーズ セレブレーション その3 ライブステージ

2025年04月23日 23時00分00秒 | 映画関係

メイン会場の配置は、↑のとおりですが、
何と言っても、人気はライブステージ

なにしろ、スターが次々と登場するのですから。

でも、私のデジカメでは、この程度のものしか撮れません。

モニターを撮っても、この程度。

さいわい、会場の様子はYouTube で生配信されており、
そちらの映像を拝借。

やっぱり、画面のきれいさが違います。
ライアン・ゴズリングは、2027年に公開される、
エピソード10に出演予定。

ライアンと並んで歓声が高かったのが、
シガニー・ウィーバー

こちらも配信画像を拝借。

ライアンもシガニーも、予告無しの登場でした。

シガニーと一緒なのは、ジョン・ファヴロー

「マンダロリアン」の脚本と監督をつとめた人です。

ペドロ・パスカルも人気。

「マンダロリアン」で仮面のまま演じ、
1エピソードで各1度だけ素顔をさらすのでしたが、

「グラディエーター2」にも出演して、
すっかり顔を知られる人となりました。

しかし、何と言っても、この人↓。

ヘイデン・クリステンセン

若き日のアナキン・スカイウォーカーを演じた人として、
永遠に呼ばれ続けるのでしょう。

1日目で、スターは出尽くし、
2日目以降は「誰? 」というような人も多かったですが、
3日目には、マッツ・ミケルセンも出たようです。

熱気あふれるライブ会場でした。

 


スター・ウォーズ シネマ・コンサート

2025年04月19日 23時00分00秒 | 映画関係

今日は、午後からこの駅↓へ。

このような道を歩いて、

このような建物を見つつ、

ここへ。

目的は、
「スター・ウォーズ シネマ・コンサート2025」

シネマ・コンサートとは、
映画のセリフや効果音はそのままに、
音楽だけ消去し、
映画全編を上映しながら
フル・オーケストラが音楽パートを
生演奏でお届けする、
至極の映画体験。
今回が初めてではなく、
2017年、2018年、2019年、2023年に
開催されていますが、今回のは、
「スター・ウォーズ セレブレーション」日本開催記念行事の一つ。

「スター・ウォーズ セレブレーション」関連では、
たとえば、京葉線沿線の
シネマイクスピアリや
ユナイテッドシネマ幕張で、
「スター・ウォーズ」の9作品を連続上映するイベントや


京葉線の車両全部「スター・ウォーズ」の宣伝、


などがありますが、
これもその一つ。

私は、この会場は初めて。

なぜ2つの列に分けたかというと、


SS席の人は、
↓の左のデザインチケットをいただけるからです。

8千名が入る広い会場で、


最上階までぎっしり。

私の席は、↓。

拡大すると、↓。

スクリーンは、このように見えます。

演奏中は撮影禁止なので、
以前行われたコンサートの写真を借ります。

雰囲気は伝わりましたでしょうか。

4月18日からに三日連続で、
18日は、エピソード4「新たなる希望」、
19日は、昼の回は、エピソード4、
     夜の回は、エピソード5「帝国の逆襲」、
20日は、エピソード6「ジェダイの帰還」。

私の回は、エピソード4「新たなる希望」
つまり、第1作。

1977年、アメリカ公開。
1978年、日本公開。
私は昔の日劇で観ました。
「スター・ウォーズ 第一世代」です。

その後も、ビデオ、VHD、レーザーディスク、
DVD、ブルーレイと
新たな形で発売されるたびに買っていますから、
何回観たか分かりません。

今回は昨日の「スター・ウォーズ セレブレーション」に
行った後ですから、
改めて新鮮な思いで観ました。

過去の日本公演でも指揮したニコラス・バック
東京フィルハーモニー交響楽団の演奏。

映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズによる音楽は、
その年のアカデミー賞作曲賞を受賞

とにかく、のべつ音楽が鳴っています。
ただし、宇宙港の酒場の場面だけは、
生演奏でなく、
映画の音声を使っています。
なぜでしょうか。

マーク・ハミル
ハリソン・フォード
キャリー・フィッシャー
の若々しい姿を見られるだけで、嬉しい。

途中、休憩が入り、
最上階から見ると、こんな感じ。

これで字幕は読めるのでしょうか。

観ていて感じたのは、
当時は、誰も、このシリーズが50年も続き、
一つのコンテンツとして、
莫大なファンを獲得するなどとは
思ってはいなかったでしょう、ということ。
撮影の時も、
様々な戸惑いや迷いがあったといいます。
今50年の歴史を振り返れば、
感慨深いものがあるに違いありません。
これだけ脈々と一つのシリーズが
命を長らえるとは。

そんな気持ちを抱きながら、
生のオーケストラ演奏で観る、
「スター・ウォーズ」第1作でした。

先程、当時の撮影での戸惑い、と書きました。
少し、そのあたりの実情をしるします。

ジョージ・ルーカスは、
かつてのアメリカ娯楽映画の復権を意図し、
古典コミック「フラッシュ・ゴードン」の映画化を企画します。
しかし様々な問題が絡んで頓挫したため、
その構造を取り入れたオリジナル作品「スター・ウォーズ」の脚本を執筆。
しかし、「アメリカン・グラフィティ」(1973)の内容を酷評した


ユニバーサル上層部は、ルーカスの企画に許可を出しませんでした。
他にユナイテッド・アーティスツとディズニーにも持ち込んだものの断られ、
(3社は、後で悔やんだでしょうね)
結局20世紀フォックスの社長であった
アラン・ラッド・ジュニアとの直談判で、
同社での配給が決定しました。

撮影は1976年にチュニジアでのロケから始まったものの
トラブルが続発し、
もともと内向的であったルーカスは
多忙からくるストレスで心臓発作を起こしそうになり、
一時入院したほどでした。

製作時、ほとんどの関係者は
「毛むくじゃらの猿が二足歩行しているし、
ヒロインは変な団子を髪に付けているし、
変テコな映画だ」
と思ったといいます。
中には「ゴミ映画だ」とぼやいたカメラマンもおり、
スタッフの中にすら内容を理解せず、
真面目に制作に取り組まない者がおり、
続くロンドンでの撮影でもルーカスを悩ませました。
ストームトルーパーの衣裳を着せられた
俳優たちは、「へんな衣裳」と思った、
というのは、私の勝手な想像。

ルーカスがスピルバーグブライアン・デ・パルマなどの
同業の友人たちを招いて、
自宅で完成前のラッシュ試写を行った際のこと。
上映終了後、気まずい空気が流れ、
デ・パルマは「ダース・ベイダーは陳腐な悪玉」、
「フォースという名の都合のよい便利な魔法」、
「レイア姫の菓子パンのような三つ編み」、
「冒頭の長すぎる説明」などと酷評。
立腹したルーカスは
「よく言うね。君は映画で成功したことがないくせに。
僕はせめて5千万ドルは儲けてやる!」
と言い返したといいます。
ところが、反対に、スピルバーグは
「5千万ドルなんてものじゃない。
1億ドルは儲かる」と絶賛しました。
さすが、先見の明があったんですな。

ただ、当時のアメリカの各映画館は、
SF映画を、子供やマニア向けのB級映画と低くみなしていたため、
上映することを渋り、
20世紀フォックスは
他の映画作品との抱き合わせるかたちで
売り込みを行わざるを得なかったといいます。
第1週の上映館は、全米でわずか50館
ルーカス自身も自信を失って、
興行が大失敗すると思い込み、
結果を聞くまいとプレミア公開翌日にハワイ旅行に出かけ、
(オーストラリアという説もある)
電話もテレビもない別荘に籠もっていたといいます。
その前にルーカスはプレミア公開時に
チャイニーズ・シアターで行列に出くわしたが、
本作だとは知らずに
「こんなにヒットする映画なんてうらやましい」
と思ったといいますが、
ちょっと出来過ぎて、疑わしい話ですね。
ルーカスは、自身が受け取る本作の収益歩合と、
スピルバーグが製作中であった「未知との遭遇」の収益歩合を
交換しようと持ち掛け、
本人以上に本作を高く評価していたスピルバーグは、
これを了承し、収益の2.5%を交換することにしました。
公開と同時に大ヒットしたことを、
電話のつながらない場所にいたルーカスを訪ねていち早く伝えたのも
スピルバーグでした。
結果として「スター・ウォーズ」は「未知との遭遇」を超える大ヒットとなり、
現在になってもその印税収入は、スピルバーグに利益をもたらしているそうです。

ちなみに、日本では、


「未知との遭遇」の4か月後に公開されましたが、


評論家の評価は「未知との遭遇」が圧倒的に高く、
まさに、今日の隆盛を予想出来た人は誰もいなかったのです。
(キネマ旬報のベストテンで、
 「未知との遭遇」は4位で、
 「スター・ウォーズ」は9位。)

第2作のエピソード5「帝国の逆襲」(1980)公開の時には、


もはや評価は定まっており、
世界中が新作の公開を待ち望んでいたのです。