空飛ぶ自由人・2

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連作短編集『藩邸差配役日日控』

2024年09月03日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

期待される時代小説の書き手、
砂原浩太朗による、連作短編集。

舞台は神宮寺藩という架空の藩の江戸屋敷。
その運営は差配役の里村五郎兵衛の手に委ねられていた。
差配役は、他の人がやらない藩邸の仕事を全部引き受けるもので、
陰で(自分でも)“なんでも屋”と揶揄されていた。
差配役も架空の役職だが、
そういう役目をした人は実際にいたに違いない。
言ってみれば、庶務課長秘書室長か。
その五郎兵衛のもとに舞い込んで来る雑多な仕事をつづったのが、
この短編集。

上野に花見に出かけた十歳の若殿・亀千代ぎみ
家臣をまいて行方不明になったのの探索、
調度品の入札に家老が介入して来た問題の処理、
厨房で雇った女が魅力一杯で、中間たちを魅了して起こす騒動、
正室の愛猫が失踪したために、総出での捜索、
そして、藩主の病気にかこつけた跡目争いのお家騒動・・・

これらの大小さまざまな問題を
才覚で乗り切る五郎兵衛が魅力的に描かれる。
四十代で、妻を亡くし、
七緒と澪という二人の娘と暮らす。
亡き妻の妹・咲乃が頻繁に出入りする。
七緒は嫁ぎ先の夫が冤罪を晴らすために
自裁して実家に戻って来た過去がある。
そして、藩邸を騒がせる江戸家老派と留守居役派の確執
双方から声がかかる中、
澪が拉致され、
その身の安全のために
留守居役の策略に乗ったと見せて、
自身の命と引き換えにある策をするが・・・

次期藩主の若殿・亀千代ぎみが聡明で、
実は物語の背骨の部分に関わって来る。
日本橋見学に出かけた先で
若殿が五郎兵衛にもちかけた話が
明かされないまま、
最後を引き締める。
この時の秘密の保持に対する五郎兵衛の矜持が見事。

時代小説だが、お仕事小説の側面もあり、ミステリー色もある。
人物描写、情景描写など、
武家ものの短編小説でも、砂原太朗浩は見事の腕の冴えを見せる。
「いのちがけ 加賀百万石の礎」「高瀬庄左衛門御留書」
「黛家の兄弟」に続く、
砂原四冊目の本だが、
本当に藤沢周平の後継者候補かも、と思わせるものがあった。

 


映画『モンキーマン』

2024年09月02日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

アメリカ、カナダ、インド、シンガポール合作映画だが、
テイストはインド映画

なにしろ、舞台は、インドにある架空の街ヤタナ市。
その地下施設にあるファイトクラブで
キッドは、猿のお面の殴られ屋、モンキーマンを演じ、
ある目的を持って金を貯めていた。
格闘技のプロモーター・タイガーは
モンキーマンに八百長試合を強いていた。

キッドは、クラブ「キングス」の雑用係として入り込み、
世話係のアルフォンソに取り入るためにファイトクラブの八百長の話を教える
キッドの言うとおりに大儲けをしたアルフォンソは、
キッドをウェイターに昇格させ、貴族向けのルームへと連れて来る。
そして、そこでキッドは、目的である汚職警察署長ラナにたどり着く。

実は、キッドの幼少期、
宗教家の導師ババ・シャクティがラナと結託して、
キッドの住んでいた人々の土地を奪い、
その際にキッドのニーラが
ラナに虐殺されていた。
その場面を目撃したキッドは
トラウマに苦しみ、
復讐のために金を貯めて情報を得、
ラナの入り浸っているクラブに侵入したのだが、
ラナと二人きりになるチャンスを得たものの、失敗してしまう
警察に追われ、瀕死の重症を負ったが、
アルファという人物に助けられ、
その寺院のコミュニティで肉体を鍛え直し、
再びラナに挑む。

ここから、クラブ「キングス」を舞台に復讐が炸裂する。
時は選挙で導師ババ・シャクティが後ろ楯となる政党が勝利した
その祝勝の場。
相手の軍団との対決で
すさまじい暴力、暴力
インド版「ジョン・ウィック」と言われるのも
うなずける華麗なる暴力描写。
それは暴力の美学さえ感じさせる。

実際、「ジョン・ウィック」のスタッフが参加。

「スラムドック$ミリオネア」の主演者デブ・パテルが初監督。
自分のアクションを自分で演出するという離れ業。
まだ粗削りだが、
随所に才能を感じられるカットが散見される。

ヒンドゥー教の神話インドの文化を巧みに取り入れ、
奥の深さを感じさせる。
猿の神「ハヌマーン」の神話がベースにある。
修行の場では、
打楽器のリズムに合わせた肉体的なトレーニングの姿が新しい。


ファイトクラブでは、実力で強敵を瞬殺し、
掛金を莫大な金額に変え、コミュニティに恩返しする。

当初は世界配信に向けて製作が進められていたが、
「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール
「劇場で観てもらうべき作品だ」と、
自身の制作会社で買い取り、
劇場公開にこだわった。

5段階評価の「4」

TOHOシネマズ日比谷他で上映中。

 

 

 


塩パン

2024年09月01日 23時00分00秒 | 身辺雑記

 今、YouTubeの「イキテル」は、
韓国から二人の姉妹を呼び寄せて、
寿司やすき焼きや和牛の焼肉を食べさせて
驚かせています。

その途中、↓の店を見かけ、

入ってみて、

いくつのパンを買って、店内で食べて、


おいしい、おいしいを連発していました。

私は、こういうのに、弱い。
弱い、というのは、
電車で行けるところなら、
すぐ行ってしまう、という意味です。

ついでに言うと、
私は食べ放題クーポンにも弱い。
先日は、床屋の帰りに焼肉食べ放題に行きましたし、

8パーセント割引のクーポンに釣られて、
しゃぶしゃぶ食べ放題にも行ってしまいました。

ブログには載せませんでしたが。

で、このお店、
イキテルさんは、台東区の人なので、
そのあたりかと調べてみたら、
浅草の吾妻橋の近くに
YouTubeで紹介した店がありますが、
何と、銀座にも店があるのです。

そこで、昨日、日比谷で映画を観た帰り、
寄ってみました。

↓はミッドタウン日比谷の前のオブジェ。

中には風車が一杯。

閉店時間が近かったので、
徒歩ではなく、
地下鉄で東銀座へ。

そこから3分くらいのところにお店があります。

店内の様子。

買って帰ったのが、
まず塩パン

1個120円と、安い。

塩メロンパン

これは1個190円


あんことバターをはさんだ塩パンを買いたかったですが、
売り切れ。

代わりに、たまごハム

1個190円

それに食パン

1斤220円

いずれも税込み。
ん?
値段が違う

塩パンは110円、
塩メロンパン、たまごハムは170円、
のはず。
「イキテル」の画面でもそうだったし、
ホームページもそうなっている。

え?
価格改定のお知らせ?
8月31日から?

値上げ当日に当たってしまったようです。

これだけ買って税込み1220円

食べてみたら、確かに美味。

もう一度行ってみたい。

今度は焼き立てを食べてみたい。