空飛ぶ自由人・2

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映画『残り火』

2022年09月15日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

デンマーク発のサスペンススリラー。

冒頭、早朝ジョギングに出かけた妻を
待ち伏せした夫が車でひき殺してしまう場面が描かれる。
まだ生きていた妻を、
夫は車を後退させて、
念入りに死にいたらしめる。
相当な憎しみがあるらしい。

時間はさかのぼり、
夫の浮気を妻に疑われる顛末が描かれる。
深夜に入って来たメールを巡るいざこざなどがあるが、
妻が浮気現場を目撃して、決定的になる。
夫を支えるために音楽家としてのキャリアを捨てた妻は激怒。
今は建築業で成功している夫だが、
金融詐欺を働いた過去があり、
それに加担した妻が、
愛人と別れない限り、
捨て身で告発するというのだ。

夫は愛人からは離婚を迫られており、
行き詰まった末、妻を殺害したわけだが、
家に戻ると、
ジョギング姿の妻が帰って来る。
妻は生きていた!
ジョギングコースを変えたことを知らず、
夫は似た服装の別人を轢いてしまったのだ。

妻は夫が洗車のカードを使ったことで、
その映像を提供され、
最近起こったひき逃げ事件の犯人が夫であったことに気づく。
つまり、夫は自分を殺そうとしたのだと震え上がる。
事件の捜査が夫の近辺に近づき、
病弱な息子の将来を案じた妻は、
家庭を維持するために、
口をつむぐ代わりに
愛人を殺すことを強要する。
妻がアリバイ作りに加担し、
夫は殺すために愛人宅を訪ねるが・・・

と、状況が二転三転するサスペンス。
その間に、妻が若い頃、
やはり浮気をした恋人を崖から突き落としたことが明らかになるなど、
妻の恐ろしさが露呈される。

愛人の行方がわからなくなったことで、
殺人を想定した警察により、
遺体を捜索する山狩りが行われ、
夫婦の邸宅に迫るが・・・

話が展開するにつれて、
妻の暗い人間性が現れてきて、恐ろしい。
もう、この夫は死ぬまで妻に頭があがらないのだろう。

全体的に、
捜査に当たった刑事が、
ある女性に事件の経緯を離して聞かせる、
という構成になっている。
守秘義務違反だが、
最後になって、
その話相手が何者かが明らかになる。
そして、殺人の大半が
近親者によってなされており、
そういう地獄(結婚)に入る是非が語られる。

「大半の殺人には愛が絡んでいる。
殺人事件の半数は配偶者や恋人による犯行で、
動機は大抵、嫉妬や情熱だ。
愛は皆が思うよりはるかに危険だ」

そして、冒頭のタイトルバックの映像の意味も明らかになる。

監督はバーバラ・トップソー=ローゼンボリ
名前から見て女性監督か?
俳優たちは知らない人ばかり。

アメリカ映画とは一味違ったサスペンススリラー。

8月26日からNetflixで配信。

新聞で、↓のような広告を発見して、笑ってしまった。