母方の祖父母は、満州に渡っていたとのことです。
詳しくは知らない。
覚えているのは、小学生のころ、おじいちゃんが中国へ旅行し、
様々なお土産を見せてくれたこと。
その時、昔行ったところを見てきた、と言っていました。
そして、おばあちゃんのお葬式の時、喪主のおじさん(祖父母の長男)が挨拶で
こんな話をしていました。
未だに気になっていることがある。
父と母は3~4歳の自分を連れて満州に渡り、
そこで子を授かったけれども、残念ながら亡くなった。
そんな中、終戦を迎え、父はシベリア送りになり、
母は自分を連れて日本へ帰る汽車に乗った。
でもその汽車のところへ敵の戦闘機がやって来て空爆されると騒ぎになり
皆汽車を降りて逃げていくのに、汽車を降りずにいた母は
その時何を考えていたのか…
それが気になって仕方がない。
もう、聞くこともできない。
…そうなんだ。
おじいちゃんはシベリアへ行ったんだ…
おばあちゃんは、おじさんとふたりで日本に戻ってきたんだ…
どんな時代を過ごしてきたんだろう。
どんな思いをしてきたんだろう。
どんな体験だったのだろう。
わたしも気になって仕方ありません。
子供のころには満州と聞いてもよくわからなかったし、何も興味がなかった。
もし、興味があって、祖父母に聞いても、
きっと子供には赤裸々に話してくれなかったんだろうけど。
ずっとおばあちゃんと暮らしていたおじさんでさえ
聞けてないんだから、わたしが知ることは難しい。
おばあちゃん、よく無事に日本に帰ってこれたね。
おじいちゃんも、シベリア送りになって、よく日本に帰ってこれたね。
そして、よく日本でおばあちゃんと出会うことが出来たね。
そして、わたしの母が生まれたのかな。
戦争を知らない世代のわたしが、
初めて戦争を身近に感じた出来事でした。