Marie Theres'！

思い起こせば構想は昨年末くらいだったかと思います。
同じクラスの受講生3名で重唱をしようと決めました。話を持ちかけたのは私です。まだ楽譜を見たこともなくて、ただただこの曲が好きということでいつかやりたいと思っていただけだったのですが、ふと気づけばクラスのそのキャストの「声」がいる、これはやるしかない！
そしてその後、講師に申し出ると一瞬空気が止まり・・・・「自分たちで練習できるならいいですけどね・・・・」この「・・・・」が問題。
でも、そんな「・・・・」は一切考えず「OK」が出たと受け取りウキウキと春を迎えました。しかしいざ楽譜を見ると!!!!

まあ、言ったからにはやりましょうと3人のスケジュールを調整して初回練習に集まったのは4月半ばのことでした。
♭が5つついてる調の中でナチュラルがついて♭のつかない音符にわざわざ♯がついているというように調性がよくわからない。
まあ、それがR・シュトラウスさまのすごいとこなんですが。
いわゆる3度でハモルとか、3人が交互に歌ってどこかではもるというものでもなくて、それぞれが独立した音楽で歌い上げる。
オペラの重唱はたくさんありますが、F難度の重唱です。女声3人というと私もやった魔笛のDameやカルメンなどにもありますが、それらも簡単ではないですが、それらとは比較にならないほど難易度が高い・・・・。これはどうやって練習したらいいのやら。それぞれ音を取ってメトロノームでテンポを取りながらの練習からでした。

6月からはクラスのレッスンに持ち込みレッスンを受けて・・・。言葉のこと。オケがない部分での音程。息の流れ。音楽的な表現。関係性が伝わる歌い方。複雑でどこを聞いたらいいかわからないオケ。とにかく全てにおいて難しくて、こんな難曲を選んだ自分の無知を恥じながら、それでも歌いたいという気持ち。
そんなこんなで前日まで練習して本番となったR・シュトラウスの「ばらの騎士」ファイナルの三重唱。

出だしは私の一言から。ピアノをよーく聴いて音をはずさないよう・・・・　このブログでのタイトルはMarie Tres'となっていますが、本当はEure Gnaden・・・・。ゾフィーが元帥夫人に向かって言うところから。
お互いを意識しながらカウントも忘れず音の高さも感じながら・・・。

とにかく楽しかった。
半年時間をかけた結果が出せたらしい、ということがわかり本当にうれしかった。難易度の高いオケを1人で受け持ってくれたK先生も「今日は楽しく弾けた」と言ってくださいました。

偉大なるR・シュトラウス様にはもちろんのこと、様々な視点からアドヴァイスをくださった声楽・ピアニストの講師陣には心から感謝いたします。
そして一緒に歌った仲間にも。
3人の見ている方向が一緒だったからできたことだと思っています。
レッスンでは3人音も合ってるし間違ってないのに「なんかバラバラで関係性が見えない」と何度も指摘されましたが、これがクリアできたんじゃないのかな。「声」という楽器でオケに参加したと実感しました。

ちなみにそれぞれのソロも、単なる持ち時間調整的ではない、ばら騎士のそれぞれのキャストのキャラクタにつながる選曲で、しかもアンサンブル練習効果を感じるクオリティの高い品のある演奏で、なかなかいい感じだったと思います。
私自身も、ずっと悩み続けていたセルヴィリアの短いアリアの流れを作ることができました（と感想をくれた方がいたので）。ちょっとしたことなのですが、これはアンサンブル練習の中で得たことが生きたと思います。
歌うことはいつでも楽しいですが、こんなに達成感のある発表会は初めてでした。


アンサンブルを通して明確になった課題に取り組むため、また基本に戻って練習に励みます。いつかまた演奏する機会があれば、もっとレベルアップした演奏をしたいですから！
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました！

元帥夫人、カッコイイなあ。いつかやりたい！あ、しばらくは・・・というか、今後は自分の身の丈に合った難度の選曲に徹しますので、根拠のない「いつか」ですので・・・。ばらの騎士、ほんとに素敵な作品です。どこかでやらないかなぁ。