スペイン旅行に向けて図書館から本を借りたのですが、その際目につき思わず手に取ってしまった本。なのに、まとまった時間取れず読めないでいました。
そして今日、緊急入院した伯母のお見舞いに日帰りで仙台に行ってきたですが、往復の新幹線の中で読み終わりました。なかなか面白かったです。
「声」をテーマにしていますが、声楽の理論でもないし、解剖学や発声学というより心理学とか文化人類学的・社会学的な発想で、言葉を支えている「声」にスポットを当てた内容。
胎児は母親のお腹の中で、母親の話を聞いている、というのはよく言われることだけど、それは言葉というより言葉の中にある声の表情(音)を聞いているのだそうです。
生まれる前から、「声」を聴く力がある。
私たちが楽譜を開くと詩を読むよりすぐ歌いたくなるのも、どうやら本能的なものなんですね。
そして言葉だけでなく声から得る情報も含めて相手の気持ちを理解する。
そういえば、プーランクの「声」というオペラはまさしくそれですし、「歌を聴けばその人の人間性がわかる」と言われるのも、実は「歌」というより「歌う声」ということなんでしょうね。
「声」の秘密
アン・カーブ著/横山あゆみ訳
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第Ⅰ部 声の生態
1章 声が教えてくれること
2章 声が生まれる仕組み
3章 コミュニケーションを彩どる「声の人格」
4章 進化するヒトの声
5章 母の声は強し
6章 「母親語」は絆を育むメロディ
7章 赤ん坊の声、恐るべし
第Ⅱ部 声を支配するもの
8章 声と自分の複雑な関係
9章 声に表れる感情
10章 声の男女差
11章 男性化する女性の声、女性化する男性の声
12章 文化による声の違い
第Ⅲ部 声の温故知新
13章 声の社会から文学の社会へ
14章 人前での話し方はどう変わったか
15章 テクノロジーは声を変える
16章 声が盗まれ、失われるとき
声楽(音楽的な表現)には触れていませんが、「話すことと歌うことは同じである」そんな気持ちになる本であり、歌の問題解決の糸口が見えたかも
言葉にはメロディが既にあるんです!
陽気な人たちの多いいいところだと聞きますよね~^^
ツアーですが初めてのヨーロッパ1人旅です。