「譜めくりの女」の次は「ラフマニノフ」と思っていたのだけれど、昨年プロモーションのトークショーを見ておきながら、肝心の映画が見損ねていた「マリア・カラス最後の恋」、5/9までキネカ大森で上映しているというではないですか!
というわけで、今日はまたまた映画鑑賞。
オーディションのシーンから映画は始まり、ドニゼッティ「愛の妙薬」の「Prendi・・・」を歌っている歌手がいる。そして、カラスの番になり「椿姫」1幕の最後のアリアを歌うというと、審査員から野次が・・・自信をなくして会場を去ろうとするカラス・・・
今や伝説の歌手も、その才能が発掘されるまではコンプレックスの塊だったのですね。
その後のストーリーの展開は、歌手としてのステップというより、夫と別れ海運王アリストテレス・オナシスとの恋、そしてその恋の破局。。。という1人の女性の愛にかける姿を描いたものでした。
オペラはたいてい男女の激しい愛の物語、オペラ歌手としてあれだけの名声や地位を得ても、一番欲しかったオナシスの愛はすれ違ってしまったマリア・カラスの人生はオペラのストーリーそのもの。そして、欲しくて欲しくてたまらなかった愛を求めて、オペラのヒロインに身を委ねたのかもしれません。
全体的はとても美しく仕上がっていたのですが、ちょっときれい過ぎるような気も。
カラス役はイタリア人のルイーザ・ラニエリというとても美しい人。歌はカラス自身の歌を吹き替えているわけではなく、アンナリーザ・ラスパリョージという歌手で、カラスよりは太めの声に感じました。またオペラのシーンは思ったほど多くはなかったのですが、椿姫の「ああ、多分、あの方なのよ」、カルメンの「ハバネラ」、メデーア「二人の子の母は」、トスカ「歌に生き、愛に生き」などを少しずつではありましたが、聞くことができました。
カラスが落ち込んだり嘆き悲しんだりするシーンでは、ノルマの最後の場面の「Deh non volerli vittime~」がアレンジされて使われていたのは印象的でした。特に死産だったカラスとオナシスの子供の埋葬シーンでは、ノルマの最後のシーンと重なり、心に迫るものがありました。
そして、プログラムの解説に「美とは与えられるものではなく造るもの」とあったのですが、衣裳もモダンな感じ。カラスはオードリーヘップバーンみたいで。。。他の女性キャストのファッションも、今の時代でも着られそうで、とても素敵でした。
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カラスがオペラで身につけたアクセサリー
会話はイタリア語だったので、ヒアリングの勉強にもなるかも!と、結構必死で聴きました
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