池田理代子先生

2016-07-18 15:40:24 | あれこれ
子供のころに漫画家になりたかった私。
漫画は好きだった。
少女漫画は、片っ端から読んでいたような気がする。
母は、漫画の本は買ってくれなかったので、友達に借りたり、本屋で立ち読みしたり、
時には、母に嘘をついてお金をもらって買ったりもしていた。

一番好きだったのは、池田理代子さん。
『ベルばら』で有名な池田さんだけれど、
私が好きだったのは、主に『ベルばら』以前のものである。
小学校の高学年だった。
『生きててよかった!』『桜京』『ふたりぽっち』『章子のエチュード』『おにいさまへ…』等々。
どれもかなり複雑な内容。
両親を亡くした主人公だったり(まあ、これはちょくちょくあるか)、不義の子の話だったり、
『おにいさまへ…』は、レズビアンの話だった気がする。
当時の少女漫画が、そういう話が多かったかと言えば、決してそうではなかった気がする。
こういう話を好んで読んでいた小学生の私って一体…?という感じである。

私は、オタクの気もあったようで、
古本屋で、池田先生の、かなり古い漫画の単行本など探して集めていた。
デビュー作と言われていた『祖国へ愛を!』など、池田先生のファンでも読んだことある人は少ないんじゃないだろうか?
(いや、本当のオタクさんと、今の情報社会を甘く見ているかもしれない)。
それらの本はどこへ行ってしまったのか?
大学に入った年に、家のリフォームをしたときに、物置に仕舞い込んで、
多分、それ以来行方不明な気がする。
まだ私が実家にいるころから、何度か探したけれど、見つからなかった。
私が気づかないうちに母が処分してしまったのか、
それとも、まだ実家の物置のどこかに眠っているのか?
母が亡くなってから、物置を片づけていた姉が、これらの本のことを言ってこないので、
多分それはないと思う。
今持っていたら、結構なレア物だろうと思う。

ちなみに、池田さんや他の何人かの漫画家さんに、私はしょっちゅうファンレターを出していた。
その時にいただいたお返事は、アルバムに貼ってある。
(池田さんの直筆、結構すごいのかな?)

『ベルサイユのばら』は、誰もが知っているようなヒット作だが…。
私は、あまり好きではなかった。
一応連載されているときに最後まで読んだ。
私は、世間一般で人気のあるものには、あまり興味を惹かれないたちだが…。
ただの天邪鬼なのかもしれないが、
フランス革命の話が難しくなってきたのと、
オスカルとアンドレの恋物語が中心になってからは、面白いと思えなかった。
ヒラヒラフリフリの女の子が好みの私には、男装の麗人なんて、興味なかったんだと思う。

やがて、私の漫画の興味は、少女漫画から、週刊少年ジャンプの方に移っていって、
池田さんの漫画を目にすることもあまりなくなった。
でも、一つ面白いと思って読んでいたのが、
確か『ビッグコミックレディース』とかいう雑誌に連載されていた、『エピタラム(祝婚歌)』という作品。
本屋さんで立ち読みしていたのだけれど、
単行本が出たときに買った。大学生のときだった。
当時、どんな気持ちでこの本を読んでいたのか覚えていないけれど、
(ただの恋物語と思っていたような気がするなあ)。
近年になって、実家で廃品回収に出す本の中に、この本が入っていたのを見つけて(危機一髪!)、
「これは棄てちゃあいかん」と言って、持ち帰り読んだ。
それは、明らかにAC(アダルトチルドレン)の話だった。
えりかさんとの関係でACのことをいろいろと考えた後だったので、ちょっと思うところあった。

アダルトチルドレンという言葉が世に出たのはいつごろだったか?
アメリカの大統領(クリントンさんだっけ?)がカミングアウトして以来有名になったということだけれど、
この話が描かれたころはどうだったのか?
とにかく、ものすごくいいお話である。
この本が手元に残って、良かったと思える。

池田理代子さんは、もうずいぶん前に漫画を描くのをやめたと聞いた。
確か、どんなにがんばっても、漫画は文化として認められないから、というような理由だった。
そして、音大に通って、オペラを勉強されたのだったか?
(江原啓之氏と一緒だなあ)。
でも、今は、日本の漫画・アニメは、世界中で文化として認められているというように聞く。

そして、池田さんも、私に大きな影響を与えた人の一人だったんだなあと思う。

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