大晦日

2016-12-31 18:22:54 | 日記
昨日、自転車で走っていると、どこからか魚を焼くにおいが漂ってきた。
それで思い出した。
実家にいたころの大晦日の晩ご飯は、焼いたイワシと豆腐の味噌汁だった。

結婚して最初の年の暮、
夫は、暮に私の実家に行き、31日に夫の実家に移動すると言った。
私は、私の実家に行くのは暮だけで、正月には顔を出さないなんて、と怒った。
なんだか、私の実家をないがしろにされている気がしたのだ。
それで、何年かはずっと私の実家で年を越し、正月が明けてから夫の実家に行っていた。

何年かすると、母と姉が元日から旅行に出かけるのが恒例になり、
私たちは、31日に夫の実家に移動するようになった。
そして私は初めて知った。
夫の家では、「年越し」というのは、なかなか結構なイベントだったということを。
申し訳ないことをしていたのかなと思った。

結婚するということは、
それまで違う環境で育ってきた2人が一緒に暮らすということだから、
いろいろと慣習が違うのは当たり前のことなのだけれど…。

私は、自分がまともな家庭で育ってこなかったという思いがあったので、
(決してそういうわけでもなかったのだろうけれど)、
夫の馴染んだものの方が世間一般的に普通なのだと思ってしまうところがあった。
たとえば…、とここで例を挙げたいところだが、
なにぶん、私自身がすっかり夫の方の慣習に馴染んでしまって、今となってはよくわからない。

夫の実家では、大晦日の晩は、お寿司とオードブル。
そして義母の作ったお正月用の煮物や刺身が並ぶ。
田舎のことなので、ここ何年かで頼んでいたお寿司屋さんが店じまいしてしまったということで、
この頃は、夫がこちらでお寿司とオードブルを調達して出かける。
私は、今年も猫の世話で一人家に残っている。
私用のお寿司も用意してある。
もうイワシと味噌汁なんて考えられない。

帰宅する予定だった長男も、多分今夜は帰らないと連絡があった。
一人のんびりお年越しである。
ちょっと寂しいかも?
でも、思いっきり自由気ままな時間である。

今年の後半は、本当に私は何をやっていたのかよくわからない。
長かったはずなのに、あっという間に過ぎていった。
何もしないでうだうだしていたわけではない。
かと言って、特別充実していたわけでもない。
神様が「もういいよ」と言ってくれているのかもしれない。
もういいよ。
君の望み通り、時の流れを早くしてあげるから、
早くこっちに帰っておいでって。

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