自意識過剰

2015-07-23 10:39:54 | あれこれ
私は、容姿に関してはコンプレックスの塊だった。
とは言っても、特別ぶっさいくだったわけではないと思うが…。
少なくとも、中学まではかわいくもなければかわいげもなく、
そういった自覚をずっとひきずっていたんだと思う。

高校時代の親友は、めっちゃくちゃかわいい子だった。
性格も良くて、誰もが認めるクラスの(いや、学年の)アイドル的存在だった。
よく言われる「かわいい子の隣には、必ずブスがいる」という、そのブスが私。
でも、彼女は大好きだったから、そんなこと考えたことなかったけどね。
今でも、彼女と街を歩くとなかなかおもしろい体験ができる。
チラシとかティッシュを配っている若いお兄さんは、
明らかに私たちより若い人向けだと思われる案内を渡してくれるし。
レストランでは、イケメンのウエイターさん(?)のサービスがいやに良い。

自分ではよくわからないのだけれど、
高校の卒業アルバムの私は、ものすごく写りが良かったらしい。
アルバムが配られたとき、自分で見るより先に、クラスメートから、
「みなみ!すっごくかわいくうつってる!!」と言われた。
まあ確かに、かわいく撮れてはいるけど、そんな風にいわれるほどか?と思っていた。
それから、男子を含む何人もの友人から同じことを言われた。
そこまで言われると「実物はそんなにブスかよ!?」と思えてくる。
(素直に喜べばいいものを…)
極めつけは、大学進学後、知らない男の子から電話がかかってきた。
「○○くんから、卒業アルバム見せてもらったんですが、付き合ってもらえませんか?」
ばっかじゃないの!!
この写真を撮ったときのことは覚えている。
写真屋さんに、「笑った顔と真面目な顔と、どっちがいい?」と聞かれ、
「笑った顔」と答えて、笑った顔で撮った。
すると、「笑うと寂しそうな顔になるから、もう1枚真面目な顔で撮ろう」と言われた。
採用されていたのは、笑った顔の方だった。

たまに「かわいい」と言ってくれる人はいても、
誰もが認める美人さんとか、かわいい子とは、やっぱり何かが違う。
そんな風に思っている。
ところがところが、こんな私が、実は自意識過剰だと思う。
写りのいい写真など、何度も何度も見てしまうし。
ビデオに写ろうものなら、自分の姿ばかりを追ってしまう。

今まで、年をとるのがいやだなんて思ったことないけれど、
若い子に恋したら、オバサンなのが悲しくなった。
そこで、少しでも若かった自分に会いたくて、
11年前の、コーラスをしていたころの、演奏会のDVDを観てみた。
(このDVDはなかなか良く写ってたのは、ちゃんと覚えていたんだよ!)

うん。なかなかいいじゃない!?特にこっちの角度が…。
ビデオ写りで見ると、美人さんのあの人やこの人よりイケてるかも?
表情がいいんだよねー。感情移入して歌うタイプだから、表情だけはいつも先生から褒められたし。
うーん…。この曲なんて、色気まで漂ってるんじゃないの?
…。まあ、心の中で思ってるだけだから、罪はないよね?

調子に乗って、古いアルバムも引っ張り出して見てみる。
結婚前のものは実家にあるので、そこまで若いものはない。
夫「何かいい写真あった?」
私「うん。めっちゃかわいいの見つけた!」
夫「誰の?」
私「わたしー!!」
あきれる夫に、「これ、コピーしてアップにしといてね!!待ち受けにするから」
幼稚園の役員をしていたときの、運動会の写真だから、…18年前?

もう、コンプレックス捨てよう。
時々鏡の前で、自分の顔が母や姉にそっくりに見えて愕然とする。
たまに写真を撮ると、「老けたなー」と思ってがっかりする。
でも、自分の心の中でだけ、「私はかわいいんだよ」って認めてあげよう。
好きな服を着よう。