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ゼロックス杯~柏-東京戦~頭の差

2012年03月03日 | FC東京&サッカー
「サッカーと将棋って似ている」なぁ~と思う。

将棋の駒は、歩、香、桂、銀、金、角、飛、王で動きと特徴が異なり、それらが連動して守備、攻撃をする必要がある。
最強の駒の飛、角であっても、それらは守備力はイマイチだし、歩がなければ細かい崩しも出来ない。

また、攻撃をするには、相手の攻撃に備えたり、跳ね返したり、攻撃権を奪うことも必要だ。
攻撃と守備が別々ではなく、攻守一体である必要がある。
よくサッカーで「高い位置でボールを奪う」という表現があるけれど、これは戦術の一環であって、攻守一体とはまた違う。

将棋でもサッカーでも、強者は守備に凄みがある。
攻撃を根絶やしにしたり、渋滞させたり、攻撃側が「どう攻めていいのか分からない」と思わせるような感を抱かせる。

で、冒頭のコメント。
「サッカーと将棋って似ている」
将棋はプレーヤー同士で戦う。大事なのは相手の攻撃陣、守備陣の急所を見極め、それに応じてこちらの攻撃陣、守備陣の配置を行い、時には物量、時には歩で形を乱し、時には相手の戦力を一方に集中させて逆から攻めるなどを選択する。

何が言いたいかというと、
将棋は頭が1個だけど、サッカーは頭が11個。
11個の頭を1個の頭に近づけなければいけないということ。
頭がよい(=将棋で言う大局観が優れている)ことが必要だし、戦術眼や共通理解という意識統一も必要だ。
11人でリレー将棋をやる難しさが、サッカーにはあると思う。


柏がスーパーなチームだとは思わない。

レアンドロ・ドミンゲスはスーパーな選手かもしれないけど、FWの北嶋がスーパーだと思わないし、個々の選手の能力が日本代表クラスかというと、そうでもない。
レアンドロ・ドミンゲスを除けば、選手層は東京の方が手厚いようにも思う。
では、柏の運動量がどうかと言えば、それほど多いとは感じなかった。
むしろ、省エネのような気がしたくらい。柏は、選手が自分に求められているタスクをきっちりこなしていた。
要は効率が良いのだ。


柏の強さは、チームの頭が限りなく1個に近く、大局観が良いのだと思う。

日本のサッカーは、名古屋のようなタレント軍団でも、柏のように頭が優秀であれば戦力差を覆すことが出来るということなのだと思う。

浦和は今まで、戦力が充実していても頭がイマイチだった。
G大阪はチームの特徴を良く理解していたと思うが、大局観が良いのか悪いのかわからない。
棒銀やゴキゲン中飛車のスペシャリストなのかもしれない。
でも、柏は違うタイプのチームで、やはり「頭がよい」のだと思う。

ゼロックス杯、柏の頭に対抗出来た頭は、羽生だけだったように見えた。
前半、柏のコンパクトな3ラインに対し、パスでかいくぐる一辺倒だし、ルーカスをフォローする動きも少なかった。
後半、羽生がインした後2回決定機があったが、最初の決定機は、羽生がDFを引き連れる動きをして、空いたスペースを利用したもの。
もう1つの決定機は、羽生自らゴール前に入っていったもの。
相手の守備陣の急所を良く見抜いていたと思う。

多くの記事で「押していたのは東京、したたかに勝ったのは柏」という感じで書かれているが、自分には頭の差が顕著に出た完敗にように映った。

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