眠らない街

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コーヤンを囲んで~飛車落ち問題編

2006年12月20日 | 棋譜
結局コーヤンは、角落ち、飛車落ち、2枚落ちを1敗でクリア。
しかし、その1敗を結構くやしがっていました

負けたのは飛車落ち。
飛車落ちでは、右四間定跡を「最低の定跡」と言い、
「あれは勝つための定跡じゃない」
と一刀両断!
同感。上手からするとあんなにラクな定跡はないはずです。
コーヤンは、
「下手は▲4五歩△同歩▲同銀とした後、休まず攻め続け、攻め切らなくてはいけません」
「そういう定跡なんだと記憶して下さい」
と言う。だから勝つための定跡じゃないと・・・。
うんうん。全くもってその通り!
「それが出来ないから下手なんだ」と言うかもしれませんが、飛車落ち右四間定跡は、そういうモンなんです。
でも、細かい手順じゃなく、そう言う指導をしてくれる上手がなかなかいないんだよね。
いい先生だね。コーヤン!

打ち上げでコーヤンが席を外した時、私は参加者全員に向かって問題を出しました。
    
初手から:△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△3二金▲4六歩△4二銀▲4七銀△5四歩▲5六銀△4三銀▲4五歩△同歩▲2二角成△同金▲4五銀△4四歩▲5六銀(第1図)

第1図がその局面。ここで上手の最善手は何?という問題。
これは、私が通っていた調布将棋センターで、師匠格の先生に出された問題。
時々見かける進行ですが、実際は下手損とされています。但し、上手が次の手を間違わずに指せれば・・・という条件付きです(笑)。

正解は△3三桂(第2図)

下手に馬を作られるのは、下手陣が厚い形になるけど、上手も右四間定跡では負担になる角が捌けて、まずまずです。
下手の狙いは▲2六歩~▲2五歩。このまま飛車先の歩交換を許すと、3ニ金と2一桂が捌きにくくなります。
一方、△3三桂▲2六歩なら△2四歩(第3図)。結局歩交換されるのは避けられませんが、その時、桂が捌けているのが大きいのです
これはプロなら、周知のはず・・・

皆が考えている間に、コーヤンが戻って来ました。で、前述の問題を出したことを説明すると、
「な~るほど。これは上手重要な局面ですね。この1手でしょう」
と言って、
「△3ニ金!」
と胸を張りました(実話)。
( ̄Д ̄;)ガーン
半信半疑でコーヤンと話すと、冗談ではないようです。前述の解説の内容を話すと、
「どーせ、3ニ金は釘付けだから変わらないよ(笑)」
とケラケラしてます。

そこから「二歩あり将棋」の話を経て、飲み屋を出ます。
駅までの帰途、コーヤンが先ほどの問題について、話してきました。
「それより問題の局面で△3ニ金とした時、▲5三角とされたらどうすればいいんですか?ボクは?」
(この人、言い回しがおかしいぞ・・・!?)
「▲5三角には△4ニ角でしょ。で、▲同角成△同玉で4ニ玉型にされると、玉が右に囲えないし、右銀が動かせないんだよね」
「△7二金~△6二銀という駒組みになるけど、4ニ玉型とのバランスがひどいでしょ!」
「いやぁ~、角交換は下手必勝戦法ですよ!!」
    
絶対ウソ臭いけど、上手の立場からすると嫌かもしれません
コーヤン流、下手飛車落ち必勝戦法、どなたか試してみては如何(笑)
(続く)