倉野立人のブログです。

日々の活動を みなさんにお伝えしています。

〈自治協 研修レポート〉

2012-07-20 | インポート
去る 7/18(水) 住民自治協議会 「 安全・防災部会 」 の視察研修に参加しましたのでレポートします。

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〝地域のことは地域で〟を掲げ推進される 『 都市内分権 』 その中核を成す 「 住民自治協議会 」 は、各地区の特徴を活かしながら、心ある住民のみなさんがチームワークをもって課題に向き合いつつ、あたかも同じ山を登るシェルパのように歩みを進めています。
とりわけ、私の住む川中島地区の「安全・防災部会」は、特筆すべき、と言っても過言ではないほど熱心な活動を展開しています。
この部会は、文字通り、地域住民が安心できる環境づくりに取り組んでおり、従来からの活動に加え、最近では、子どもたちの手による「 地域安全マップづくり 」 に取り組んでいます。

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その活動を司(つかさど)る部会長の A サンは 「 犯罪機会論 」 に師事しておられます。
すなわち、住民の安全を脅かす犯罪は、起こってしまってから対応したり、その原因だけを追求するのではなく、犯罪が発生する〝機会〟を予め取り除くことが肝要、ということなのです。
そのうえで、A 部会長は、その 「 犯罪機会論 」 の生みの親である、立正大学の小宮教授の教えを受け、それを具体的に取り組んでいる、神奈川県藤沢市鵠沼(くげぬま)地区の取り組みをみんなで見聞しよう、という提案をされ、今回の視察研修に至ったものです。

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早朝6時に出発した一行、バスの中で A 部会長の説明やら、住民自治協議会の H 会長のあいさつやらを拝聴しつつ、和気あいあいのうちに車内の人となりました。
ところが、途中の交通事情などにより到着時間が遅れ、先方をお待たせすることになってしまいました。
で、会場についてビックリ、自治協の視察はどのような形態で研修するのか、と思っていましたが、会場は商工会議所の入るビルの立派な会議室で、そこには鵠沼地区で防犯活動に勤しむ役員の方々が10名以上も待機していてくださり、そのうえ、待たされたことも意に介さず、笑顔で歓待してくださったのでした。

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こちらの鵠沼地区の防犯協会は、会長をはじめ役員の方を女性が占められており、それだけで、この地区の防犯活動が住民生活に密着しているか、を示しているようでした。

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一行が到着後、さっそく鵠沼地区防犯協会の概要や、小宮教授の示唆を踏まえた取り組みについてのスライドが上映されました。

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聞けば、藤沢市の防犯活動の歴史は、決して〝順風〟の上に成り立つものではなかったとのことです。
約8年前ほどには、所轄の藤沢警察署管内の犯罪発生率が、何と国内ワーストワンに陥り、自転車盗・ひったくりなどは〝日常的〟に発生していたそうです。
その状況に限界を感じ、警察署からの依頼を受け住民が立ち上がり、そこに教育委員会までもが連携する形で、各界各層が、挙げて防犯活動に取り組むようになったそうです。
そこに、小宮教授の 「 犯罪機会論 」 が加味される形で、防犯パトロールや見守り活動などが具体的に実践され、着実に成果を上げている、とのことでした。

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説明の後、意見交換が行われ、当方は A 部会長が口火を切り、遅参のお詫びと共に川中島自治協の防犯活動が披瀝されました。

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もとより研究熱心な各位、限られた時間でしたが、H 自治協会長をはじめに熱心に質問をされ、共々に造詣を深めます。

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当地区でも 「 長野南防犯協会女性部 」 で活躍された I さんも、女性を代表して発言され、意識の共有にひと役かっていました。

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鵠沼地区をはじめ、藤沢市の防犯活動は、警察と市長部局・教育委員会の全面的な支援の下に、住民主体の取り組みがされており、まさに理想の形を成していました。
それに比して、自治協の活動は、住民の自発的活動であり、そういう面では〝規模〟の違いを実感したところですが、安心して暮らせるまちを住民主体で構築しようという 通底 にある意識は互いに同じであることから、今後も情報交換を進めていきましょう、ということで一致、長旅に見合うイイ成果が得られたことを実感したところです。

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帰途、敷地内に「導線」を施した小学校を視察しました。

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藤沢市では、防犯の一環として、学校敷地内に 「 導線 」 をペイント、学校に用事のある方は導線に準じてスムーズに玄関へ向かうことができます。

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ということは、逆に、導線に従わず敷地内にいるものは不審な輩(やから)ということもでき、たった一本の導線が、犯罪を未然に防ぐ効果もあるそうです。
また、門の傍らには、玄関を示す看板もあり、来校者の利便性に寄与し、同時に犯罪機会の抑止の役割を果たしていたのでした。

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〝ゴール〟の玄関では、校長先生がわざわざ出迎えてくれ、導線の果たす役割について説明してくださいました。

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防犯活動について、学校(教育委員会)も熱心に取り組む姿が拝察されました。

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今回の視察研修は、これまた住民主体で行われたものでしたが、その内容の充実ぶりは、みなさんの熱意をそのまま体現したものとなりました。
私自身、改めて、いち住民として、また行政に意見具申をする者として成果を吸収し、今後の活動に活かしていきたい、と改めて思いをいたすところです。
今回、参加の機会をいただいたことに感謝し、研修の無事なる実施にご尽力された各位に、改めて深甚なる敬意を表するところです。
ありがとうございました。

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