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この日、都内の施設で 「 第 3 回 スポーツコミッション研究会 」 が行われ〝長野チーム〟を代表して参加しました。
これまでも機会あるごとに触れていますが 「 スポーツコミッション 」 とは、スポーツに関する諸活動を通じて 「 まちづくり 」 につなげよう、という取組みで、わが国においては 「 一般財団 日本スポーツコミッション 」 が、学術的見地から これを理論化し、全国各地に活動の拠点をつくるべく、啓蒙活動を展開しています。
[ 一般財団 日本スポーツコミッション サイト ]
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スポーツ=体育の延長線上 の固定概念から脱却し、総合的・多面的見地に立って、スポーツ大会の開催(招致)による 誘客・ボランティアスピリッツの醸成・マンパワーの育成などに伴う地域活性化、健康体操などの普及に伴う健康社会の構築、スポーツコミッションを 「 プラットフォーム 」 とした総合型地域振興の伸長 など、まさに 「 スポーツがまちづくりに寄与する 」 ことを狙って 各地でさまざまな活動が展開されています。
この日も、事例発表として、佐賀県の取組みをはじめ、数団体の活動ぶりが披瀝されました。
最初にマイクをと取った 「 佐賀県スポーツコミッション 」 は、県の職員が活動の中心になっており、県知事の肝煎りでスポーツ所管を教育委員会から知事部局に移行、これまで「 フィルムコミッション 」 を担っていた職員が ス ポーツコミッション を担当されていました。
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佐賀県に関しては、知事を筆頭に職員サンの熱意は伝わってくるものの、具体的活動内容については未だ手探りの様子、所管は知事部局に移ったものの、職員の中にスポーツ=体育の概念が残っているせいか、何というか〝ぎこちない〟感が否めないところでした。
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次に説明に立ったのは、御殿場市を中心として活動する 「 ふじさんスポーツコミッション協会 」 です。
こちらのスポーツコミッションの特徴は、活動範囲を一つの市町村の中にとどめず、富士山の周辺市町村を広域でカバーしながら、スポーツに関する市民ニーズの応えていることです。
そのキャッチフレーズは 「 ジグソーパズルの足りないピースを埋めます。 」 すなわち、富士山周辺のエリアでスポーツに関するニーズが生じたとき、その方々(プレイヤー)にとって不足している部分を積極的に補う役割を担います、をモットーに活動展開していました。
その他、官・民協働で大会誘致などをめざす、志摩市の 「 志摩スポーツコミッション 」 の状況などが報告され、それぞれに試行錯誤を重ねながら、地域の特徴を活かしての取組みが報告されていることが伝えられました。
それぞれの事例発表を聞き、また これまでの研究会を踏まえ、私自身 「 スポーツコミッション 」 は、これからの まちづくり に欠かせない活動であることを再認識すると同時に、この活動は、行政主導ではなかなか進捗しない、やはり民間主導で行うことが、柔軟かつ実効性をもって展開できるのでは、という思いを新たにしたところです。
例えば 長野市においては、さきの議会で、私の方から、スポーツコミッションの伸長のためには、スポーツ関係の所管を市長部局に移すべき と具申するも、答弁は今までどおり(教育委員会で)、という域を出ないものでした。
また、この日 説明のあった佐賀県については、とりあえずスポーツを知事部局に移したものの、何をやったらイイか が手探り状態にあります。
しかし 考えてみれば、かくいう新たな発想を、いきなり行政にぶつけてみても、その 「 許容 」 が無い以上は なかなか〝打てば響く〟に至らないものです。
行政側は、基本的に 「 慣例踏襲・新提案受け入れ慎重 」 を旨として従事しており、新たな取組みを提案しても、中身の議論を深める以前に、何というか ドアをこじ開けるのにエネルギーを要してしまい、気づけば時間ばかりが経っていた、ということになりかねません。
逆に言えば、行政ばかりを頼りにして(=行政のせいにして)いれば、ホントウに事(こと)を進めたいという 地域や住民の熱意が空回りし、いずれそれは諦(あきら)めに変わり、活動の灯は消えてしまうことにもなりかねません。
次代に向けた新たな提案は、先(ま)ずは民間レベルで火を興し、それが赤々と燃えてきた頃、行政職員が 「 そんなイイ話があったんですか。 」 と食指を動かしてくるようになる、そんな展開になれば いわばこっちのモノ・・・その新企画は真に成果を得る道を辿ることができるのかもしれません。
( 私が関連した 「 民主導 」 といえば、陳情を重ねるも実現に至らなかったマレットゴルフ場造成について、官に頼らず愛好者主体で造り上げ、今や健康拠点となった事例が挙げられます)
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この 「 スポーツコミッション 」 に限らず、地域には 「 まちづくり 」 に資する 面白く素晴らしい 活動 や 提案 が ダイヤの原石の如く 数多く埋積しています。
それら 原石 を発掘し、磨きをかけるのは、私たち市民が担うべき・・・というよりも、私たち市民でなければできない作業と言えるでしょう。
それは、ときに しんどい けれど、まちをつくる(まちを変える) まさに大きな一石(いっせき)につながる、と思うところです。
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この日のスポーツコミッション研究会は、私に 改めての認識を与えてくれる機会となったものでした。
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