12/29 Thu. [ クラちゃんの起床時刻 5:10 AM ]
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年の瀬も押し詰まったこの頃、沖縄県が〝大荒れ〟に見舞われています。
ニュースで大きく報じられていますが、米軍沖縄普天間基地の移設について、政府が、移転先とする名護市辺野古の環境評価書を、沖縄県の仲井真(なかいま)知事宛てに〝郵送〟で送ったのです。
対して、県庁前では県内移設に反対する市民団体が評価書提出を阻止しようと抗議活動を繰り広げ、搬入を依頼された宅配業者を門前払いするなどし、紛糾が紛糾を呼んでしまいました。
あげく、所管である沖縄防衛局は、担当者による手渡しを断念し、28日未明〝夜討ち 朝駆け〟のタイミングで県庁守衛室へ搬入し「出し逃げ」と印象づけられる「行政手続き」を強硬、地元感情をさらに悪化させる事態を招いてしまいました。
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これを聞いた私(だけではないでしょうが)は、せっかく積み上げてきた信頼を、一瞬にして崩すことになってしまった顛末を、非常に残念に思いました。
もとより「沖縄基地問題」については、非常にデリケートな問題です。
これは、沖縄自体の問題はもとより、日米の防衛・外交問題、また、わが国における自衛隊の存在意義の問題など、さまざまな課題が複雑に横たわる中、何というか知恵の輪を解きほぐすように、また不安定な積み木を積み上げるように、一つひとつ慎重に進むべき課題であることであることは論を待たないところです。
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そのうえで、前職の北沢俊美前防衛大臣は、アメリカのゲーツ前国防長官との信頼関係を築き、またさきの震災の対応において10万人を越える自衛隊員を派遣し献身的な取り組みにより、国民の自衛隊への信頼を強め、そのうえで沖縄県に対しても真摯な姿勢で臨むなどし、まさに一つひとつ積み上げてきたところです。
それが、野田内閣の人事で一川防衛相になった途端、事務官の不適切発言や脇の甘い答弁などでいきなりグラつき、あげく今回の「出し逃げ」で、反対運動の火を再燃させるに至ってしまい、2年に亘る積み上げを3日で壊す、に至ってしまいました。
至極 残念なことだと思います。
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また、今回の対応について、藤村官房長官は「事務レベルで調整されていると聞いている」と繰り返したそうです。
確かに、評価書提出は、米側との約束の「政治案件」であり、「評価書提出は法律上の手続きにすぎず、粛々(しゅくしゅく)とやるべき」かのしれません。
それでも「政治主導」で評価書提出を決めた以上は、政治サイドが自ら足を運び仲井真知事に直接手渡すのが筋でありましょうに、沖縄県庁での反対派の激しい抗議活動を目の当たりにして「事務的手続き」と官僚に責任転嫁してしまったのは、沖縄県のみならず国民全体の不信感を助長してしまったところです。
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政府は24日に決定した平成24年度予算案で沖縄振興費を前年度当初予算から27%増の2937億円とし、沖縄県独自の一括交付金も一気に5倍に引き上げました。この「大盤振る舞い」にさすがの仲井真氏も評価書の提出自体は容認するリップサービスをしましたが、郵送で送りつけられては気分を害するに違いないでしょう。
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そのうえで、私が最も気になるのが「事務的手続きに基づき粛々(しゅくしゅく)と行う」という〝結論〟です。
確かに、行政事業や施策を執行する際には、法規や規則に基づいて、期限までに取り組みをすることは、行政職員にとっては「職責」であろうと思います。
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但し、私は、そこには〝心(こころ)〟が添えられていなければならない、と強く思うところです。
そして、行政職員が行う「事務手続き」に〝心〟を添えるのは、他もない「政治」の務め、と思います。
国民・市民は、社会情勢を誰よりも敏感に感じながら、課題に対峙する高い見識を持ち、そのうえで政治に期待(=心)を寄せています。
それに対し、取り組み姿勢に〝心〟を置かず「事務手続きに基づき粛々と」一辺倒でゴリ押ししたのでは、国民・市民の〝心〟に冷水をかけた、と言われても仕方ないところでしょう。
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このことは、こと沖縄問題に限らず、私たちの身近な政治の場面でも散見されるところであり、私自身、由々しく思っているところです。
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今回の「評価書の出し逃げ事件」を〝他山の石〟とし、私自身『政治に心を』を念頭に諸課題にあたるべし、と思いを新たにいたすところです。
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☆ オマケ・・・「 I さん宅の南天(なんてん)」
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暮れの挨拶にまわるうち、各宅の庭先に、赤く色づいた南天(なんてん)の樹をヨク見かけます。
南天は、厄よけ木ともいわれる縁起物の木、家の鬼門に植えると厄(やく)を防ぎ家福を招く、ともいわれているそうです。
この日伺った I さん宅でも、西陽を受けて たわわに実る立派な南天の樹が。
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先日降った雪をかぶり、赤と白のコントラストが綺麗です。
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一家を厄(やく)から守り、佳き年の瀬を迎えんとする、堂々たる姿でした。
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