5/14 Tue.
午後、ネットのニュースで 現職国会議員が、訪問先の現地で信じがたい発言をしたことが報じられ、その内容を耳にした瞬間、怒りとやるせなさで胸が震える思いがしました。
報道によると、北方四島の「ビザなし交流」の訪問団に参加した日本維新の会の丸山穂高衆議院議員(35才)は、現地で行なわれた交流会の場で、訪問団の団長に対し「戦争で島を取り返すことには賛成ですか?反対ですか?」と詰め寄ったあげく「(島を取り返すには)戦争しないとどうしようもないじゃないですか。」と発言したとのことです。
これについて、訪問団に参加していた 歯舞群島志発島出身の男性(84才)は「これまでの返還運動で、一歩でも半歩でも仲よくなってきている状況を一発で壊す発言で本当に腹が立っている。戦争を知らないから簡単に言える発言だ。」と怒りを込めてコメント。
丸山氏が所属する「日本威信の会」の松井代表は「国会議員として不適切だ。あの発言は(議員として)一線を越えてしまった。大勢の元島民の方や北方領土の返還に尽力されてきた方々を傷つけ、外交上も大きな問題となった。政治家としてあるまじき行為と発言であり、除名処分とした。私は丸山氏は議員を辞めるべきだと思う」と述べたとのことです。
しかし、当の本人は 発言そのものは撤回するとしたものの、議員辞職を否定し、無所属での活動を明言しました。
北方四島の返還については、終戦間際の混乱期に 日・露の主張が食い違ったまま「凍結」してしまった難しい案件であることは誰もが知るところです。
それら難しい状況のうえに立って、戦後70有余年を経た今、いかに平和裏に互いの主張を述べったうえで相互理解を深め、いかに円満に解決してゆくべき案件であるかということも、誰もが承知しているところでしょう。
それを、国民の代表であるハズの国会議員が、それも現地で、それも多くの関係者の前で爆弾発言をしたことは まさに由々しき限り、とても許される行為ではありません。
それも、かかる難しい問題、例えて言うなら、皆が薄氷を踏む思いで、慎重に慎重を重ねて 互いに協力し合いながらジグゾーパズルのピースを埋めている中 それに割って入り、できかけていたパズルをかき回しぶち壊すような愚行を行なったことは、国会議員以前、人としても許されることではありません。
しかも、しかもです。
前述の終戦末期の混乱期の顛末を経験、戦争により多くの悲しみや苦しみを実際に受けた方々が、その塗炭(とたん)の苦しみを乗り越えて平和解決を模索する中、戦争を全く知らない世代でバッジを付けた輩(やから)が「戦争による解決を」と公然と述べる様(さま)は、全く無責任極まりないことと断ぜざるを得ません。
私も、さまざまな場面で 戦争を体験した諸先輩の痛烈な体験談を耳にし、また書籍や映像を通じて戦争の悲惨さを側聞する中「戦争だけは起こしてはならない」と心に刻ませていただいております。
この輩が、どの程度の戦争に関する知識・情報を身にしているかは知る由もありませんが、いずれにしても、北との拉致問題・韓国との竹島問題等に並んで微妙な国際問題に挙げられている北方領土問題の「現場」での「戦争による解決発言」は、まさに「万死に値する」と言っても過言ではありません。
最近は、永田町の迷走議員による様々な問題発言が話題になっていますが、今回の愚発言は、常軌を逸しているものの最たるものと強く思ったのは、私だけではないハズです。
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