倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

なくせ「食品ロス」

2019-05-25 | 日記

5/25 Sat.

 

まだ食べられるのに捨ててしまう「食品ロス」の削減を目指す「食品ロス削減推進法」が、24日の参院本会議で全会一致で可決・成立したことが「日本農業新聞」の第一面で報じられ、「食と農」の切り難い相間関係が表されていました。

 

 

わが国で、半ば垂れ流し的に発生し続けている「食品ロス」この「究極のムダ」を無くすため、永田町がようやく腰を上げたというところでしょうか。

さまざまな場面で遍在する「食品ロス」根絶に向け、政府や自治体、企業の責務のほか、消費者の役割をも定め「国民運動」として問題解決に取り組むこととしていました。

同法は超党派の議員立法(全会一致)で、公布後6カ月以内に施行されるそうで、政府に対し、食品ロス削減推進の基本方針を定めることを義務付けた外、都道府県と市町村には「削減推進計画」を策定するよう努力義務が課されるとのこと。企業については国や自治体の施策に協力し、消費者も、食品の買い方を工夫することなどで自主的に削減に取り組むよう求めているとのことです

 

 

 

 

 

わが国の「食品ロス」、農林水産省によると、国内で2016年度に廃棄された食品は2700万トンをゆうに越え、このうちまだ食べることができたものは600万トン以上もあったそうです。

地球規模では飢餓にあえぐ国が現にある中、日本という国は、矛盾だらけのうちに「食品ロス」を発生させ続けています。

食料自給率が40%に届かず、多くの食材を輸入に頼りながら、一方で食品ロスを発生させている原状は、同じ国民でありながら首を傾げざるを得ません。

わが国の食品ロスの量は、国連WFP(国際連合世界食糧計画)による、世界中で8億人に上る飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量 約350万トンを大きく上回っています。

 

 

 

 

また、この食品ロス量(600万トン超)は、日本のコメ生産量(約850万トン)に追いつきそうな勢いで、いわば農家の方々の汗の結晶(の量)をそのまま廃棄しているというような状況に、日本人は、何とも矛盾に満ちた食生活を送っていると言わざるを得ないですね。

 

 

この法律については、政府をはじめ、それぞれの立場の方々に対し、一定の取り組みを求めています。が・・・

 

 

その通底には「食べ物をムダにしない」という「意識づけ」が重要であることが強く感じ取られるところであり、もって同法は「理念型法制」と言えるのではないかと思うところです。

実際にお膳に向かう当事者・食事を提供する家庭や販売する事業者など、そのときどきに「食」に関係する全ての方々が「ムダは止めよう」と心から思って行動することこそが「食品ロス」を無くすための第一義になると思うところです。

市民レベルでは、宴会などで 食べずにお酌に回る行為を諫めるための「30・10(さんまる・いちまる)運動」や、家庭で購入したまま使われないでいる食材を他者に寄付する「フードバンク・フードドライブ」などが緒に就き、事業所においては、大手コンビニが 期限切れ間近の食材の値引き販売を検討することが報じられるなど「食品ロスの撲滅」に向けたさまざまな取り組みを耳にするようになり、喜ばしい限りです。

 

 

併せて、前述のとおり「日本農業新聞」が この話題を第一面に載せたように、国民一人ひとりが、食の大切さに=農業の大切さ に目を向け「地産地消」などの地場農産品を積極的に購入し、もって日本農業の「復権」に寄与していただきたいと願うところです。

 

 

いずれにしても、国民生活の根幹に関わる食生活の真の向上のための「食品ロス削減」、今回の法整備に併せて進捗することが大きく期待されます。

 

ところで、この法整備に尽力された 永田町のセンセイ方におかれては、このような時機を得た法律をせっかく成立させたのだから、これが国民生活に浸透し、実際に食品ロスの削減につながるよう、あらゆる機会を通じて啓蒙すること、また各自も あまたある宴席に出席する際は 食べ残しすることのないよう、自覚ある行動を求めたいものです。

 

 

国民にとって、不毛の議論は もうお腹いっぱい。たまには「実践」で示してほしいと願うのは、私だけではないでしょう。

 

 

 


ブランド化

2019-05-25 | 日記

5/24 Fri.

 

ネットのニュースで、北海道夕張市特産の「夕張メロンの初競り」が24日、札幌市中央卸売市場であり、最高値は1箱(2玉)500万円で競り落とされた、と報じられました。 

 

 

確かに、メロンの入った木箱の札には、5の後に0が6つ連なった数字が書かれています。 

 

この落札価格は、これまで最も高かった昨年の320万円を上回ったとのこと。今年は好天が続き、甘みが強いそうです。

 

現場レポートでは「午前7時の開始直後に「500万円!」と手が上がった。周囲から「本当か?」と声が漏れ、値札を確認する人だかりができた。落札したのは、食品飲料メーカーのポッカサッポロフード&ビバレッジ。同社は夕張メロン味のソーダを10年間販売しており、今回初めて競りに参加した。岩田義浩社長(57)は「元号が令和になって初の競りであり、夕張メロンの生産農家さんへの感謝の気持ちも込めた」と語った。」とあり「究極のご祝儀相場」として、驚きと賞賛をもって市場の話題をさらった様子が伝えられていました。

 

 

 

 

「夕張メロン」といえば、メロンと聞いただけで夕張を連想するほどの「ブランド」ですよね。

今回の夕張メロンの初値のニュースも「メロンの季節到来」を告げる、今や 季節の風物詩ともなる話題と申せ、この「夕張メロン」だからこそ付いた高値、とも言えるでしょう。

 

 

 

 

農産品の「ブランド化」は、生産した作物に「ネームバリュー」という付加価値を付け、販売価格をより高値に導くために欠かせないスキルのひとつと言われています。

消費者が「〇〇(農産品)といえば△△(生産地)」と連想してくれるようになれば、それは購入の際の重要な判断基準となり、たとえその価格が高値を付けても、逆に消費者は そこに満足感も抱きながら財布のヒモを緩めて(購入して)くれるものです。

「高くても売れる」これが「ブランド化」の最たるところでしょう。

 

ここ川中島においても「川中島白桃」が全国に著名なところであり、今や「桃といえば川中島白桃」と言われるほどになっています。

 

 

そのうえでの課題は、やはり「ブランド化」にあり、と関係者は課題意識をもち、その「ブランド化」にむけ取り組みを強めています。

前述の「夕張メロンの初値500万円!」は やや極端な事例でしたが、やはり、さまざまな苦労を重ねて育てた農産品が、一円でも高く市場に出回り、その高値もが「顧客満足度」につながり、最終的に購入に至ってもらえれば、それは「生産者冥利」に尽きるところでありましょう。

そんな「生産者の願い」を実現するべく、川中島地区の住民自治協議会においては「まちづくり計画」の一環として「川中島の桃のブランド化」を主要テーマに掲げて取り組みを緒に就けています。

 

生産者の苦労が価格に反映されれば、それが「やり甲斐」となって、ひいては農家収入の低価により不足する農業後継者増加の好要因となり、もってまちの活性化につながれば・・・との願いを込めての「ブランド化」への取り組みは「桃のまち川中島」にとっての「まちづくり」の欠かせない要件と捉えられています。

 

 

 

 

夕張メロン初値の話題を イイ意味での刺激にしながら「川中島の桃のブランド化」に向けた試行錯誤は続いています。

 

「川中島桃ツアー」でのひとコマ