倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

[注意喚起] おそらく〝被災地支援詐欺〟

2024-01-29 | 日記

先日 いつもの(食料品などの)買い物を乞われ、実家に行きました。

掃除など ひとわたりの「おさんどん」を済ませ、一緒にお茶を啜(すす)っていると「そういえば…」とオフクロ。

「この間、変な電話がかかってきたの。それも〝別口〟で(2件)。」とのこと。

「どんな?」と問うと、どうやら いわゆる『不要品の寄附詐欺』と『サービス詐欺』のようだったのでした。

 

 

 

 

先ず1件目は。

「先週の夕方 電話がかかってきて、若い男の声で「お宅に、要(い)らないタオル ありますか?」って。」

「そりゃウチだって タオルくらいあるから「あります。」と答えると「あ~ヨカッタ!」と 変に弾んだ声で。」

「実は私たち、今回の能登半島地震へのボランティアで 各ご家庭から要らなくなったタオルを集めて、被災地に寄附する活動をしているんです。」って。

「で、ビックリしたのが「これから いただきに伺ってもイイですか?住所を番地まで教えてください。」って言い出したこと。これから?来るの?って。」

そこまで聞いたオフクロは、さすがに「おかしい…」って感じたようなのでした。

そこで オフクロは、以前 たまたま二人で「何かおかしいときは こう答えよう」と取り決めておいたセリフを発してみたところ…

「私 年寄りでヨク分かんなくて…息子が警察に勤めていて 6時過ぎに帰ってくるから、その頃また電話してくださいな。」と返答すると、その者からの電話は 二度とかかってこなかったそうです。

無論「息子が警察に勤めてて」は〝ナントカも方便〟でのでまかせですが、もし 何もやましいことが無ければ、家族がオマワリだろうと何だろうと 堂々と訪ねてくればイイ話しなので、この「タオルありませんか?」は〝やましい電話〟であったのでしょう。

 

これは、被災地支援をダシにした 新手の詐欺まがい行為と思われます。

これらの手口については 各所で啓発されているとことろですが、まさか身内にまで魔手が及んでいるとは。

この輩(おそらくグループ)は、各家庭に必ずあるであろう「不要品」を引き合いに出し そこに災害支援や途上国支援の〝大義〟を重ねて住居人(主に高齢者)の賛意を引き出したうえで訪問し家に上がり込み、徐々に牙をむき出すものです。

「被災地にタオルを寄附したいのでご協力を!」

「途上国の人々に靴を寄附したいので 履かなくなったモノ1足だけください!」など、情に訴え 家に上がり込むキッカケとするのです。

一度(ひとたび)家に上がってしまえば 後は詐欺グループのペース「タオル(靴)の他に、不要な衣類はありませんか?」→「昔に着た着物(反物)はありませんか?」→「着(つ)けなくなった指輪や貴金属はありませんか?」中には 勝手にタンスや棚の引き出しを開けて物色する奴もいるそうです。

このように タオルや靴を端緒に〝雪崩(なだれ)式〟に家の財産を二束三文で買い取る詐欺まがい行為、でも基本的には「同意の上」というのが厄介なところであるようです。

 

 

 

 

また〝オフクロ被害未遂〟の別口は。

ある日 家のチャイムが鳴り、出てみると 若いモンが「こんにちは!水道パイプの流れ具合はどうですか?もし流れが悪かったら、パイプの詰まりを直しますヨ!」と、やけに明るく話してきたとのこと。

これを聞いたオフクロ やっぱりこれも「?」と思い、とっさに「家の修理は息子がやっているから。寒いのにご苦労様。」と言ってドアを閉め施錠したとのこと。

これは いわゆる〝修理します詐欺〟ではなかったか と。

これについては、なかなか素人では手が出ない修理を〝押し売り〟し、ちょっとした修理をしては法外な料金を請求するものではなかったでしょうか。

(これと類似するのが、被災地での「ブルーシート張ります詐欺」でしょう。ただ屋根に被せただけの作業で 数十万円を請求するものです)

 

 

何かと世知辛い世の中。

カネのためなら何でもアリとばかり、社会的弱者を狙っては あの手この手の手口で大切な浄財をかすめ取る 許されざる悪行です。

下記は 現金が狙われたものについての資料ですが、長野県の特殊詐欺被害は 5億円をゆうに超えているとのこと(2022年調べ)。

 

 

 

また 長野市においても、6千万円を超えている被害が出ているそうです(2021年)。

 

 

 

これは、実際に詐欺にあったもの(警察に届けられた被害額)であり、前掲のオフクロのように家の財産を買い叩いたり 法外なボッタクリ被害は計上されておらず、その〝被害の穴〟は限りなく大きいと言えるでしょう。

 

 

今回、身近な身内が あわやの目に遭いそうになったことで、改めて(ウチだけじゃなく)そんな悪行にヤラれないよう注意喚起する必要性を再認識させられました。

「火事場泥棒」ということばがありますが、他人様が困っている状況につけ込む行為・高齢者などの社会的弱者から浄財をむしり取ろうとする行為に、強い憤りを覚えながら。