資産1000億を目指すブログ

2065年までに1000億目標。株式投資についてつらつらと。誤字脱字錯誤に計算間違い多数。補正・修正は読み手側でして。

資本規模と収益性の変動は相関するか?

2010-11-20 20:13:15 | 投資日記
端的に申し上げまして、しませんでした。


※n=888
※外れ値除外(25銘柄程)
※横軸=資本規模、縦軸は平均営業利益/営業利益標準偏差

変わらないですねぇ、資本が高くても低くても。金持ってる持ってないに関わらず、ブレルものはブレルと言う事ですね。どんなに資本を沢山持っていても、どんなに利益が高くても、それが継続し続ける事の保証は無いと言う事ですな。とはいいつつも、今回とても大きな景気変動に直面しているので、これが絶対的な回答とは言えませんけど。

まぁ、財務データからはこの位の絞り込みが限界なのかもしれませんね。後は定常分析でしょうか。定常分析の質も定量化出来たら楽なんですけどね。ま、なんにせよ、データに表れないもっと定常的な部分で投資家の真価が問われますね。

直近の利益率が高いからといって…

2010-11-20 19:43:44 | 投資日記
直近の利益率が高いからと言って株を買うと失敗する。利益率の高低に安定性は紐づかない。


※ランダム抽出後、外れ値を除外(30銘柄程)
※ROA(営業利益率*法定税率/資産)は5年前水準

事業形態により景気変動の影響を受けたり受けなかったりするし、高収益ビジネスは数年で競合との価格競争で価格が下がる等、まぁ色々あると思いますが、データを見る限り、単純に現在の収益率が高いからと言って今後もそれが継続するとは言い難く、収益が低かろうが高かろうが同等に収益はブレるみたい。残念ながらこれが現実のよう。投資の際に収益性のみを単独で使用するのは危険。

収益性は成長には大事だが、まぁ年率何十%で成長する期間は短いので、そんなに重要な指標なのかもしれない。少なくとも、成長性に掛けている投資家でなければ、あんまり関係性は無い。特に私の様なシケモク拾いには関係が無い。それでも、高い収益を誇るビジネスはそれなりに安定していると思っていたので、何だかちょっと自分の危うさを痛感した次第。自分の投資方針と現実を再度チェックする必要がある。

しかしながら、今回のデータには会社規模と言う基準は含まれていない。実は会社の規模と収益性には大きな相関性がある。会社がでかければでかいほど、収益も安定すると言う事。その逆も然りで、会社が小さければ小さいほど、高収益なビジネスもある半面、赤字企業も沢山ある。そしてこれらのビジネスは脆弱な為、数年しないうちに赤字転落等に追い込まれる可能性が高い。

そう言う事を踏まえると、ある程度資本規模が高く、高収益なビジネスを持った企業は相応に安定するのではないだろうか。勿論、最終的には定常的にスクリーニングを掛けて不純物は弾く必要はある。


追記:因みに高収益企業の収益率も良くぶれると言う事を示しているだけなので、平均的な収益性が下方トレンドであると言っているわけではありません。読みなおして気がつきました。後、資本規模と収益性のバラつきは実際にありますが、次のエントリーで書いている通り、営業利益率のバラつき幅が収縮した分、平均営業利益率が下がり、その上で景気変動の波を受ける事になるのでやっぱり資本規模に関わらず利益はぶれてしまう。と言えるようです。

論より証拠。

2010-11-20 10:57:35 | 投資日記
PER別の総還元性向(配当及び自社株買い)とPER別の総還元利回り。



サンプル数は少ないが、まぁランダムで取っているのでトレンドは変わらないでしょう。トレンドと言うよりか、算数の問題なのでこうならざるを得ない。“還元利回り=1/PER*還元性向”なのだから。

PERが高くなればなるほど還元性向が高くなるが、これは不況で営業利益が落ちても配当を一定にしている企業が多いからだろう。そんな状況の中でも低PERの還元利回りは非常に高い。ただ低PER企業の多くは還元性向が十分ではない。だから低PERなわりに、高還元利回りが得られなくなっている可能性がある、と言うかそんな状態だから低PERに凋落してしまったのかもしれない(それでも平均すれば高PERよりも断然高い利回りだが)。


バフェット的、グレアム的と言うよりは…

2010-11-20 09:16:50 | 投資日記
インカムゲインを軸にバリュー投資を行っている人が、結構少数な気がする。

日本で言われるバリュー投資と言うのは、結局平均回帰に基づく投機でしかないのではないだろうか。。バフェットもグレアムも、少なくとも建前上は転売を念頭に置いて無い、生粋の長期ホルダータイプの投資家なのにね。何か誤解されちゃってますね。

確かに低PERはアノマリー効果があると言われていますが、実際問題、低PER銘柄が平均PERに回帰するアノマリーではなく、リターンが多少高めに出るアノマリーなのであって、何もキャピタルゲインで還元されるなんて一言もいっていない点を忘れているのではないでしょうか。そもそも低PERはインカム系(配当及び自社株購入の際に使われる)指標であり、還元の差異に初めてのそのメリットが享受されるもの。アノマリーの年率数%程度はインカム要因が強いんじゃないでしょうかね。

例えば、同じ利益、同じ事業リスク、同じ配当性向、市場変動無しでPERだけ違うのであればインカムゲインが変動するわけで、例えばPER5倍で配当性向50%の場合と、PER20倍で配当性向50%の場合であれば、前者は配当利回り10%。後者は2.5%。その差は7.5%で、十分説明要因になりえ、今の日本でも同じ事が発生している。

確かに事業リスクによって市場価格にディスクカウントが生じる。だから実質的に同等のビジネスリスクだったとしても、見込リスク分ディスカウントされるのでPERに乖離が発生する。低PER企業は極端な話、リターンの割にリスクが高いと思われている。その結果がこれなんだろう。で、そのリスクが残りつづける限り、低PER銘柄は、おそらく、いつまでたっても安いままでしょう。それが然るべき値だからじゃないでしょうか。

低PBRに関しても、まぁ、大体同じです。あれは防御力であって、決して攻撃力じゃない。現金たんまりある企業はつぶれなくても還元もされない。その現金は過去の投資家の血と汗と涙の結晶であり、これからも還元される事は無く、得られた利益も留保されていく事でしょう。このネックが解消されないかぎり、ずっと低PBRでしょうね。となると、後は誤魔化してピュアな投資家に高値で売るしか無くなりますね。ここら辺が日本版バリュー投資の勘所じゃあないかと思うのです。